生太の生まれた四季村は、長が4人
春の呼吸、春海五郎
夏の呼吸、猛夏薫
秋の呼吸、秋宵栗那
そしてそれまで三人だった長全員を倒し、冬の呼吸を編み出した父、冬木鬼刃裏
それぞれが全く別の呼吸法を使う
四季村では子供達が幼い頃から剣を学び、それぞれの長の呼吸を身につけるという風習がある
長に勝ったものが新たな長になり、長は育てになり、鬼殺隊となる子供を育てる
言わば、鬼殺隊の村だった
もちろん強制ではなく、なりたくないと言う子供達もいるが、皆長に憧れ、強くなり、鬼殺隊に入る
故に、少なからず、喰われる
選別の時期のたびに、無事を祈る親
帰ってきた我が子を抱きしめ、帰らない人となった子を思い、泣く
それが毎年の恒例だった
生太の時もそうだった
生太にとっての長は、父である冬木鬼刃裏
しかし鬼刃裏は、
「お前にはまだ教えられない」
その一言しか言わなかった。
生太は捨て子であり、鬼刃裏に拾われ、育てられた。
四季村は一家ごとに呼吸決まっているが、生太はそれ故に自由に選ぶことができた。
「どれにするんじゃ、生太よ」
春海が言う
「決められないよ。おじいちゃんはどれがいいと思う?」
生太は問う。答えはわかりきっているが
「そりゃあ、春の呼吸に決まっているじゃろう」
生太の祖父、春海五郎
春の呼吸の使い手であり、現在は四季村の総長(村長)を務めている。
屋敷は桜の木でできており、道場の外の庭には桜の木がある。
「わしの呼吸、春の呼吸は柔らかく優しく、深いものじゃ。まあまずは見せてやろう」
そう言い弟子の一人に竹刀と真剣用の竹を持って来させる。
杖をつきながら歩くその体で剣など振るえるのか、木刀で竹など、と、生太は思う
しかし
「っはあぁぁぁぁぁ」
深く、広く、優しい呼吸
その瞬間
飛び上がった。杖をつかないと歩けない老人が
「春の呼吸、一の型、桜花ぁっ!」
割れた。一直線に、ぶれる事なく縦に。
真剣で割れるかどうかと言う、竹が。
(これが...)
「そうじゃ生太ぁ...」
着地した祖父は、いつも笑顔を絶やさない顔を、硬くし言う
「これが、呼吸じゃ」
それから生太は春の呼吸を学んだ。
筋肉をつけるための訓練、型の演習、一つ一つが長く苦しい物だ。
しかし生太は二日で呼吸を覚え、型を1週間で覚えた。
見よう見真似で春海や門下生の動きを覚え、一番弟子と互角の試合ができるほどまで駆け上がった。
筋肉痛はなぜか起きず、恐ろしいほどの集中力で相手の動きを覚える。いわば天才だった。
「さすがわしの孫じゃのう!」
春海はそう言い、自分が教えることはもうないと生太を卒業とした。
鬼刃裏の元へ戻り、生太は冬の呼吸を学びたいと言った。
しかし鬼刃裏は
「まだ教えられない」
その一言しか言わなかった
色々と登場人物が出てきましたが一人一人説明します。
まず生太は捨て子で冬木鬼刃裏に拾われます。
春海と鬼刃裏の名字が違うのは、鬼刃裏が冬の呼吸を編み出したときに縁を切ったからです。その話はまた後に。