ダンガンロンパ キャンパス   作:さわらの西京焼き

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非日常編です。
全体的にガバガバですけど、どうか温かく見守ってあげて下さい。
トリック自体は簡単なので、犯人はすぐ分かってしまうかも………

※前回の(非)日常編④に「死体発見アナウンス」の描写を入れ忘れていたので追加しました。申し訳ないです。


捜査編

「だから………僕は、相川さんの事を信じる事に、したんだ」

 

 

 

 

 

 

少し気弱だけど、自分の芯をしっかり持っていて、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕に言われるような事じゃない、けど、自信を持って、いいと思う。それは決して………自惚れ、とかじゃないと、思うから」

 

 

 

 

 

 

 

 

うちの事を優しく励ましてくれた飛田君。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その飛田君が、血の海で眠っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、どうして。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうして止められなかったのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

非日常編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………さん。凛さん!」

「…………!業、ちゃん……」

「大丈夫ですか!?」

「う、うん、ごめん。ちょっと放心しちゃって」

「無理もないです。こんなの………普通はまず耐えられないと思います」

いつの間にか、アナウンスを聞いたみんなが現場に集まっていた。飛田君の死に直面したみんなからは驚き、悲しみ、恐怖といった表情が見てとれた。

 

 

「カバカバカバー!!!!やぁーーーーっと殺人が起きたカバねーー!オイラはオマエらがこれからずっとクソ真面目に講義受けて、殺人を永遠にしないと思ってたから超嬉しいカバ〜!!!!クロには感謝しないとカバねー」

すると、モノカバがそう言いながら飛び出してきた。

「ざけんな!脚男を殺したのはテメェだろ!!」

黒瀬君が憤慨する。

「カバカバ!!黒瀬クンは本当に脳筋カバねー。そんな事オイラがする訳ないカバ。ちょっと考えてみれば分かる事カバ」

「なんだと!!!!」

「つまり、飛田さんを殺したのは貴方ではなく、私達のうちの誰がで間違いないと?」

今にも殴りかかりそうな黒瀬君を他所に冷静にそう尋ねる霜花さん。

「そうカバ!いやぁ、霜花サンは理解が早くて助かるカバ!そう、オマエらのうち誰かが、飛田クンをぶっ殺したって訳カバ!」

うちらの中に殺人を犯した人がいる。つまり、この中にうちらを犠牲にして外に出ようとしている人がいるって事だ。

 

「……それで私達は今から学則通りに捜査をして学級裁判とやらに参加する、という事でいいのか?」

「その通りカバ!銀山さんよく覚えてたカバね!!もしかして、学級裁判が楽しみで仕方がなかったとか?そんなに楽しみにされるとオイラ嬉しくて踊っちゃうカバ〜!」

「…………ふざけるな。人が死んで嬉しいなんて事があるわけがない」

うちは、改めて学則をちゃんと見る。

 

 

 

8 生徒の誰かが死亡した場合、一定の捜査時間が設けられ、その後、全員参加の学級裁判が開かれます。

 

 

全員参加、ね。出ないのは許されないって事か。

「それじゃあ早速始めて………と言いたいところだけど、オマエらは素人だし、このままだとクロに圧倒的に有利だからオイラがプレゼントをあげるカバ!ありがたく思うカバ!」

「プレゼント?」

「そうカバ!オマエら、アプリの『学級裁判』っていうアプリがあるからそれを開くカバ!」

うちがホーム画面を見ると、今まで『coming soon』となっていたアプリが開けるようになっていた。アプリ名は『学級裁判』となっている。

うちが開こうとすると、誰かに肩をつんつんと叩かれた。

振り向くと、独島さんが気まずそうな顔をしながら、

「ごめん相川さん。わたし、携帯ないから見れなくて……」

そっか。独島さん今カバフォンが行方不明なのか。

「一緒に見る?」

「ごめんねー。ありがとうー」

うちは独島さんに見せながら改めてアプリを開いた。

 

すると、「モノカバファイル」、「コトダマ」という2つの項目が出てきた。

「じゃあ説明するカバ!!まずこの『モノカバファイル』は素人のオマエらの為に被害者の状況をまとめた超便利なファイルカバ!クロじゃないオマエらの助けになるはずカバ!」

「次に『コトダマ』っていうのはオマエらが捜査中に手に入れた情報を記録できるカバ!これを使いながら学級裁判を戦うカバ!」

なるほど。1ミリもありがたいと思わないけどこれは使わせてもらうとしよう。

 

「じゃあ説明も終わったし、とっとと捜査始めちゃってちょーだいカバ。オマエらの検討を祈るカバ〜!あ、ちなみにトイレの扉のロックとかガトリングガンは全て電源切ってあるから異性のトイレでも自由に捜査出来るから心配しなくていいカバ〜」

そう言ってモノカバは消えていった。

 

 

 

「では、まず誰か検死が出来る人はいますか?いなければ別にいいですが」

すると、霜花さんが突然そう言い出した。

「俺がやル。面倒だが貴様らに任せるよりはマシダ」

「分かりました。では次に…………」

「ちょ、ちょっと待ってよ!!優月さん!!飛田君が、死んでるんだよ………。なのになんでそんな何もなかったかのように行動できるんだよ。悲しいと思わないのかい……?ボクは………こんな事、やりたくないよ………」

女子にいつも優しい万斗君が霜花さんに強く訴える。けど、

「は?何を言ってるんですか貴方は。今はそんな事どうでもいいんです。悲しかろうがそうでなかろうが結局私達のやる事は1つ。学級裁判を生き残る事です。それを放棄するという事は死を意味するんですよ。生き残るつもりがないなら個室にでも籠もってて下さい。捜査の邪魔ですから」

「違う!そんなつもりは無いけど………」

「ハァ………改めて言います。感情論はこういう場面では1番必要無いものです。そんな悲しいだのなんだの言っている間に捜査して情報を集める方がよっぽど有意義です。それに感情は思考を鈍らせます。命がかかっているのにそんなリスクを負いたくはないでしょう」

 

霜花さんの発言は全部正しい。けど、全員がそれを簡単には受け入れられないだろう。だって人が、しかも1週間一緒に過ごしてきた仲間が死んでいるのだから。

でも、やらないと。死んだ飛田君の無念を晴らす為に。生き残る為に。

 

 

「やろう、捜査」

うちはみんなに呼びかける。

「凛さん!?」

「みんなの悲しい気持ちは分かる。うちだってそうだよ。でもさ、ここで諦めたら全部終わっちゃうんだよ。そんなの嫌でしょ?」

「……………………」

「だったらやろうよ。悲しむのは学級裁判が終わった後いくらでも出来る。それに………」

うちは息を深く吸う。

「うちは………この殺人を解き明かしたい。なんで飛田君が死ななければならなかったのか。なんで犯人はうちらを裏切ってまで外に出ようとしたのか。それを全部明らかにしたい」

「……………………」

 

「……………私、やります!!このまま死ぬなんてまっぴらごめんです!!」

「僕もやるっすよ。犬死にだけは勘弁っすからね」

「私もだ。このままでは死んだ飛田が浮かばれん」

3人がやる意思を示してくれた。

「………分かったよ。ボクもやる。生き残る為に」

「まあ、やるしかないなら拙僧も腹を括るしかありませんな」

「わたしもやるよー。だってまだ死にたくないし〜」

「どうせやらなきゃいけないんだ。さっさとやろうぜ」

「オレだって………やってやる!!!!絶対犯人を見つけ出してやる!」

みんなやる気になってくれた。良かった。うちの言葉、少しはみんなに届いてたって事かな。

「チッ、時間の無駄だったナ」

「……………………………」

元々やる気だった2人からしたら無駄な時間だったろうけど。

 

「では改めて、私から1つ提案があります。現場の見張りについてです」

霜花さんがまた話し始める。

「見張り?それって必要なのー?」

「もし検死をしているジャックさんが犯人であるなら、証拠隠滅を図る恐れがあります。それを防ぐ為です」

「でも、ジャックはいいのかよ?見張りなんか付けられて」

「構わン。後で疑われるぐらいだったら今見張られてた方が良イ。自分の潔白も証明出来るしナ」

「そうか。では見張りを付けよう。何人くらい必要だ?」

「2人で十分かと」

「じゃあ、俺が現場に残ろう。力には自信があるし、誰かが証拠隠滅をしようとしたら止められるだろう」

「じゃあオレも残るぜ!!オレ頭使うの苦手だしな!捜査は任せた!」

分倍河原君と黒瀬君が手を挙げた。

「では見張りは2人に任せて私達は捜査だ」

こうして、バラバラに分かれて捜査をする事になった。

 

 

「相川さん、僕と一緒に捜査しないっすか?」

うちがどこから捜査しようかなと悩んでいると、柴崎君が声をかけてきた。

「いいけど………なんでうち?柴崎君、頭良さそうだし1人で捜査した方が捗るんじゃない?」

「買い被りすぎっすよ。僕地頭めちゃくちゃ悪いんで。多分1人じゃ何も出来ないと思うんすよ。それに話慣れた人と捜査した方が楽なんで」

絶対嘘だ。でも確かにうちも1人じゃ不安だったから誰かと捜査しようかなと思ってた所だ。ちょうどいい。

「うん。じゃあ一緒にやろう」

「よろしくっす」

「り、凛さん………その、私………」

すると業ちゃんが寂しそうにこっちに来た。あ、じゃあ業ちゃんも一緒に………………

「あ、北条さん一足遅かったっすね。相川さんは僕がいただきました」

「は!?!?!?!?」

「えええええ!?!?」

うちと業ちゃんが同時に声を出す。

「ちょっと、紛らわしい言い方しないで!!」

「あ、すいません。間違えちゃったっすね」

嘘つけ、絶対わざとだろ。

「あ、あはは………そうなんですね、やっぱり、2人は、そういう関係で………」

「ち、違うから業ちゃん!!誤解だから!!」

「いいんです。どうせ私なんかじゃ………失礼します………」

業ちゃんはとぼとぼと歩いていった。

「このバカ!!」

「いやだってまさかあんなに落ちこむとは思わないじゃないっすか。相川さん、愛されてる証拠っすね」

「からかうな!」

「いてっ。まあ後で北条さんには謝っておくんで、先に捜査っす」

「分かってるよ………。じゃあまずはモノカバファイルの確認からだね」

うちと柴崎君は早速ファイルを確認した。

 

 

 

 

[モノカバファイル①]

 

被害者は《超高校級のバイク便ライダー》、飛田 脚男。

死体発見場所は3階の女子トイレ。

死亡推定時刻は7時20分頃。

頭部に打撃痕があり、全身に切り傷や刺し傷が見られる。

 

 

 

 

「死亡推定時刻が7時20分って………さっきじゃん!」

という事は朝食の1時間前まで飛田君は生きてたって事か。じゃあ犯人は飛田君を殺した後、平然とあの場に現れたって事………?

「……………………………」

柴崎君はファイルを凝視している。

「どうしたの?柴崎君」

「……………………いや、なんで飛田さんは女子トイレにいたのかなって思ったんす」

「確かに………普通に考えたらありえないよね。飛田君は実は女子だった、とかなら話は別だけど」

「もしそうだったら僕、みんなの前で裸で逆立ちしてワンって吠えますよ。それくらいありえないっすね」

「言ったな。うち今のバッチリ聞いたから」

冗談はさておき、飛田君が実は女子っていう可能性はほとんど無いだろう。………一応、後で確認はするけど。

 

 

コトダマゲット!

[モノカバファイル①]

 

 

「じゃあファイルも確認したし………まずはどこ調べます?僕は相川さんに任せるんで」

最初に調べなくちゃいけないのは………

「………やっぱり、死体だよね」

「いいっすけど、相川さんは大丈夫っすか?結構キツいと思うんすけど」

「………でも、事件を明らかにしていく以上、これは避けられないよ。頑張って調べる」

「なるほど、相川さんも随分立派になったっすね。お父さん、感動しちゃったっすよ」

「アンタいつうちのお父さんになったんだよ。チョップするぞ」

「冗談っすよ。というか相川さん、日に日に僕への当たりが強くなってないっすか?」

「………………」

「え?無視?」

 

 

 

女子トイレ 内部

 

 

トイレに入ると、密閉空間のせいか、血の匂いが充満していた。

「おう、お前らも来たか………」

現場の見張りである黒瀬君が軽く手を挙げた。かなり辛そうな表情をしている。

「黒瀬君、大丈夫?」

「多少キツいけど問題ねぇ。みんなが頑張ってる中、オレだけ弱音吐くわけにもいかねぇからな」

「黒瀬、無理をするな。外で空気でも吸ってくるか?」

そんな黒瀬君を見た分倍河原君がそう言う。

「ダメだ。そしたらオレがいない間にお前ら2人になっちまうだろ。見張りを任された以上、そんな事は出来ねぇ」

「そうか。余計な気遣いだったな。すまん」

「いや、心配してくれるのはありがてぇよ」

「貴様ら静かにしロ。集中できなイ」

すると、検死をしているジャック君がお叱りが入った。

「ごめん、ジャック君。検死はどんな感じ?」

「なんで貴様に教えなくてはいけないんダ?」

ジャック君はうちを睨む。あれ?うちジャック君にも嫌われてる?

「まあそこをなんとか。学級裁判を乗り越える為には必要不可欠な情報なんすよ」

柴崎君からもお願いする。すると、

「…………1回しか言わないからよく聞ケ。まず、カバファイルの情報に間違いは無イ。頭部に打撃痕はあるシ、切り傷や刺し傷も至る所にあル」

「モノカバは嘘をついてないって事っすね」

「だが、奇妙な点がいくつか存在すル」

「奇妙な点?」

「あア。まず、血の量が多すぎル。たとえ切り傷などが多くあるとは言え、こんなに血が出るのはありえなイ」

「血の量が、多い………」

確かに、現場は血の海って感じだから最初はどこかを深く刺されたからって思ってたけど、どうやら違うみたいだ。じゃあなんでこんなに血が………?

「じゃあ死因は失血死はありえないって事っすね?」

「あア。その線はまず消えるだろウ」

「あ、そういえばこのファイル死因が書いてないね」

よく見ると、身体の特徴とかは書いてあるけどはっきりとした死因は書いてない。肝心な所が書いてないなんて、使えないなホントに。

「死因は特定できそうっすか?」

「司法解剖が出来れば簡単だガ、出来ない以上、難しいだろうナ」

「そうっすよね」

「次二、手首に何かの跡が付いていル」

手首を見ると、確かに何か跡がうっすらと残っている。

飛田君ってなんかアクセサリーとか付けてたっけ?

「あと、奇妙な点があるとすればキャクオの表情だナ」

飛田君の表情を見ると、かなり苦しそうな表情をしている。

「別おかしい所はねぇけどな」

「いや、俺は医者として死体も何回か見てきたガ、この表情は窒息死した患者がしている表情とよく似ていル」

「では、飛田は窒息させられたという事か?」

「断定は出来なイ。チッ、俺にもっと技術があれバ………」

「いや、十分すぎる成果だと思うっすよ。ありがとうございました」

「あ、最後に聞いてもいい?飛田君って男だよね?」

「………一応調べたが男だっタ。それは間違いなイ」

「ですよねー」

 

 

 

コトダマゲット!

[ジャックの検死結果]

モノカバファイルに間違いは無いらしい。ただ、傷の割に出血が多すぎるそうだ。

また、手首には何かの跡が残されていた。

死因は不明だが、少なくとも失血死ではないとの事。

 

 

[飛田の表情]

ジャック曰く、飛田の表情が窒息死した患者の表情と似ているとの事。

 

 

 

「あ、あと死体の周りを見てもいいっすか?何か手がかりがあるかもしれないんで」

「好きにしロ。俺の邪魔だけはするナ」

すると、柴崎君は仰向けになっている飛田君を調べ始めた。

うちもそれに続く。

すると、ある事に気付いた。

「あれ?飛田君の下の地面、全く汚れが無い…………」

「本当っすね。ジャックさん、ちょっと動かしてもいいっすか?」

「あア」

うちと柴崎君は飛田君の体を動かした。すると、飛田君がいた場所だけ血が全くついてなかった。

「これ、なんかおかしくない?」

「確かに………これだけ血で汚れているのになぜここだけ綺麗なのか違和感があるっすね」

一応覚えておこうかな。

 

 

 

コトダマゲット!

[死体周辺の状況]

周辺は血塗れだが、飛田の倒れていた場所だけ血が全く付いてなかった。

 

 

 

 

「そうだ。3人に今朝何をしてたか教えてもらいたいんだけど」

「今朝?ああ、オレは剛と一緒にトレーニングルームでずっとトレーニングしてたぜ!ちなみに昨日もそうだったな!」

「トレーニングルームに?2人で?」

「…………ああ。間違いない。6時頃から始めて………7時40分くらいまでいたな。そこから1度分かれて自室でシャワーを浴びた後、そのまま食堂に向かった………昨日はパーティーの片付けが終わってから10時半くらいまでいたと思う」

なるほど。じゃあ2人にはアリバイがあるって事かな?

「というか分倍河原さん、なんで相川さんと目合わせないんすか?もしかして何か隠してたりとか………」

「!?おい、剛お前まさか………」

「ち、違う!実は……俺は、女子と、話すのが苦手でな………恥ずかしくて、目を合わせる事すら、出来ないんだ」

「…………………………」

一瞬、沈黙の時間が訪れる。

「…………………なんだその目は」

「いや、分倍河原さんにもかわいいところがあるんだなって」

「うん、なんか微笑ましい」

「俺はこれでも結構真剣に悩んでいるんだが………」

「ギャハハハハ!なんだ剛、女子と話すの苦手なのかよ!そうならそうと早く言えっての!」

「…………………俺の話はもういいだろう………やめてくれ………」

黒瀬君、ホントデリカシー無いよね………

 

 

コトダマゲット!

[黒瀬の証言]

今朝は分倍河原と一緒に6時から7時40分頃までトレーニングルームにいた。

ちなみに昨日はパーティーの片付けが終わった後から10時半頃まで一緒にいた。

 

 

「俺はいつも通り朝7時半頃に起きて朝食の時間まで自室にいタ。特にいつもと変わったり事はなかっタ」

ジャック君は検死をしながらそう言った。

うーん、やっぱり朝だし、アリバイがない人の方が多いのかなぁ。

 

「ああ、最後にタケフミ。貴様に伝えておく事があル」

「なんすか?」

ジャック君は柴崎君に耳打ちする。

「なるほど。了解っす。ちなみに僕にだけ教えるって事は………」

「貴様の思っている通りだ。とにかく、頼んだゾ」

「柴崎君?何言われたの?」

「………まあ1つは教えてもいいっすかね?飛田さんの携帯がどこにもないんすよ。」

カバフォンが無い……じゃあ誰かが持ち去ったて事?

 

 

コトダマゲット!

[飛田のカバフォン]

飛田は身につけておらず、どこにあるのかは不明。

 

 

「さぁ、ここはもう大丈夫っす。次行きましょ」

 

 

女子トイレを出たうちは柴崎君に提案した。

「柴崎君、男子トイレも調べよう」

「え?でも現場は女子トイレっすよ」

「うん。でも男子トイレにも何かある気がする。カンだけど」

「いや、こういう時のカンって侮れないっすよ。意外と当たってたりするんすから」

「そうなの?まあいいや、じゃあ行こう」

 

 

3F男子トイレ 内部

中は当たり前だけど作りは全然違った。なんかこうして男子のトイレにちゃんと入るの初めてかも。

「あ」

「柴崎君?」

「相川さん、ビンゴっす」

柴崎君は奥の壁を指した。よく見ると、何かを擦ったような痕跡がある。

「これって……血を拭いたってことかな?」

「間違いないと思うっす。多分、頭を殴られた時に血が飛んだんじゃないっすか?それで慌てて拭いたとか」

じゃあ、ここで飛田君と誰かが争った時に飛んだ血って事?

 

 

コトダマゲット!

[男子トイレの壁の擦り痕]

3階男子トイレの壁に、何かを擦って拭こうとした痕が残されていた。

 

 

「あ、こんなとこにも手がかり発見っすよ」

次に柴崎君は用具室の中を覗いていた。

「何があるのー………ってこれは?」

中にはロープが放置されていた。

「なんだか知らないっすけど、大事な手がかりっぽくないっすかコレ」

確かに………これはちゃんと覚えとこう。

 

 

コトダマゲット!

[ロープ]

普通のロープ。用途は不明。新品ではなく、使用された形跡がある。

 

 

 

「あと気になったんすけど………なんか荒れてないっすか?」

「本当だ。なんか、暴れ回った感じ?うーん………あ、これ」

うちはなんか汚れたモップとか洗う底が深いシンク(名前なんて言うんだっけ)の端にまた何かを擦った痕を見つけた。

「これは…………なるほど」

「柴崎君?何か分かったの?」

「なんか、閃いたかもしれないっす。詳しくは学級裁判の時話すっす」

そう言って柴崎君は外に出て行ってしまった。

ちぇっ、今教えてくれればいいのに。

 

 

コトダマゲット!

[用具室の様子]

用具室内はかなり荒れていて、まるで誰かが暴れ回ったような様子だった。

 

 

[深いシンクの擦り痕]

壁と同じように、何かを擦って拭こうとした形跡が見られる。

 

 

 

うちらは外に出た。

「さて、相川さんは次どこ行くつもりっすか?」

「うちは………購買を調べたいな」

恐らく、今回の事件は購買で買った物が大きく関係してる筈だ。心当たりが1つある。

「了解っす。あ、僕も1つ調べたい場所があるんで購買調べた後付き合ってもらってもいいすか?」

「オッケー。ちなみにどこなの?」

「それは後でのお楽しみっす。じゃあ購買へ行きましょう」

なんかこの状況を楽しんでないか柴崎君。

 

 

 

 

1F 購買

「あ!?凛さん!!わざわざ私に会いに来てくれたんですか!!私、感激です!」

購買に入った瞬間、業ちゃんが近くまで来た。あ、もう元気になってる。

「………あ、柴崎さんもいたんですね。こんにちは」

「あれ?もしかして僕、北条さんに嫌われました?」

うちを見て言う柴崎君。分かってるのにわざわざ聞くな。

「それより業ちゃん、何か手がかりは見つかった?」

「そうですね………凛さんにだけなら教えてもいいですよ」

柴崎君を睨みながら言う業ちゃん。これは相当だな。

「いや、さっきのは冗談っすよ北条さん。だからそんな僕を目の敵にしても………」

「信じられないですね。それに柴崎さんは凛さんに悪影響を与えそうです。なので私が凛さんを護ります。凛さんは私の物です。柴崎さんはどっか行ってください」

なんかとんでもない発言が聞こえた気がするんだけど………

とにかくこのままだと話が進まない。

「業ちゃん、うちからもお願い。学級裁判を生き残る為にもさ」

「むむむ………凛さんの頼みであれば、しょうがないですね………」

業ちゃんは渋々了承してくれた。

 

「ではまず、私は毎日購買の在庫をチェックしてるんですけど………」

「へぇ、この量を毎日チェックっすか。すごいっすね」

「柴崎さんに褒められても嬉しくないです」

「でも本当にすごいよ!うちだったら途中で投げ出しちゃうなぁ」

「あ、ありがとうございます!!えへへ………」

「そこまではっきり差別します?」

「ゴホン、それでですね………昨日から今日にかけての変化を確認してみたんですけど、減っていた物がいくつかありました」

「本当に!?それって………」

「ええ。そのうち事件に関係ありそうな物が3つありました。1つ目が彫刻刀。2つ目はロープ。そして3つ目が睡眠薬ですね」

1つは予想してた物だったが、後の2つは全く予想してなかった物だった。

 

 

 

コトダマゲット!

[購買の在庫]

昨日から今日にかけて減っていた事件と関係ありそうな物は3つ。

1 彫刻刀

2 ロープ

3 睡眠薬

 

 

 

「相川さん、もしかして購買に来たのって………」

「うん、うちはこの中で彫刻刀は無くなってるんじゃないかって当たりをつけてきたんだけど………どうやら当たりみたいだね」

「それは、あの死体の傷を見たからっすか?」

「うん。あの傷は小学校の時見たことあるんだよね。まあ詳しい話はしないけど」

つまり簡単に言うと、うちの見覚えのある傷跡が飛田君にも付けられてたから彫刻刀を探しに来たというわけだ。

 

 

コトダマゲット!

[彫刻刀]

飛田に付けられた傷は彫刻刀による物だと思われる。

 

 

「でも、他の2つは全然分かんないんだよねー」

「そうすか?むしろ僕はこの2つについては分かりましたけど」

「えっ!?」

なんと、柴崎君にはロープと睡眠薬について心当たりがあるってことか。

「私も………睡眠薬については心当たりがあります」

「業ちゃんも!?」

「はい。凛さん、これを見てください」

業ちゃんは睡眠薬のラベルをうちに見せてきた。

 

 

モノカバ睡眠薬

この睡眠薬はなんと、人の血液型によって効き始める時間、効果時間が変わるなんとも面白い睡眠薬です。使い方はとっても簡単!何か飲み物に1錠溶とかして飲むだけであっと言う間に夢の世界へ!そして先ほども申し上げた通り、血液型によって効果が変わります!ぜひ、下の表を参考に自分が寝る為に使うのもよし、他人を眠らせて殺すために使うもよし!ぜひこのトリッキーな睡眠薬をご活用くださいませ!

 

・A型 …12時間 、 2時間

・B型 … 8時間 、 6時間

・O型… 6時間 、10時間

・AB型….2時間 、4時間

(前者が効き始めるまでの時間、後者が効果時間)

 

 

「何これ……というか、A型の効果酷すぎない!?」

効き始めるまで12時間もかかるのに効果は2時間って………これじゃとても睡眠薬とは言えない。詐欺じゃないか。

「犯人はこれを利用したって事っすか?」

「恐らく。犯人はこれを使って飛田君を眠らせてから犯行に及んだ、と考えたいんですけど………」

「いくつか問題があるっすよね」

「柴崎さんと同じ意見なのは癪ですけどそうなんですよね………」

2人でうーん考え込む。え?もしかして分かってないのうちだけ?

 

 

 

コトダマゲット!

[モノカバ睡眠薬]

血液型によって効き始める時間と効果時間が変わる睡眠薬。

使い方は一錠飲み物に混ぜて飲むだけ。

 

    

・A型 …12時間 、 2時間

・B型 … 8時間 、 6時間

・O型… 6時間 、10時間

・AB型….2時間 、4時間

(前者が効き始めるまでの時間、後者が効果時間)

 

「柴崎君、じゃあこのロープは?用途が思いつかないんだけど」

「私もです。柴崎さん、適当言ってるんじゃないでしょうね?」

「なんでそんな攻撃的なんすか………これは恐らく死体を見た人にしか分からないっす」

「え?」

「だから、相川さんには分かるはずっすよ」

死体を見た人だけが分かる?ん?それってもしかして…

 

 

「あ!そういえば業ちゃんなんで今日朝食来なかったの⁈すごく心配したんだよ!」

うちは業ちゃんを問い詰める。そう、今朝は業ちゃんが来ないから心配で胸が張り裂けそうになった。

「ご、ごめんなさい………実は今日全然起きれなくって。普段は7時15分くらいには起きるんですけど………」

普段起きれるはずだったのに起きれなかった。それってさっきの………

「そうだったんだ………良かった、何事もなくて。ちなみに業ちゃんの血液型は何?」

「私ですか?私は0型ですけど」

0型………なるほど、ちょっと分かった気がする。

「柴崎君は今朝起きてこなかったけど、普通の寝坊?」

「いや、今日は珍しく早起きできたんで、部屋で本を読んでたっすね。朝食は普通に忘れてただけっす」

なんだ、ちゃんと起きれてたのか。

「ちなみに僕はB型っすよ。参考までに言っておくっす」

なるほど、2人の行動がよく分かった。ちゃんと覚えとこう。

 

 

コトダマゲット!

[北条、柴崎の証言]

北条は今朝はなぜか時間通りに起きられず、死体発見アナウンスがなるまでずっと寝ていたそうだ。

柴崎は今朝はたまたま早く起きれたらしく、部屋で本を読んでいた。朝食に来なかったのは単に忘れていただけらしい。

2人の血液型はそれぞれO型、B型。

 

 

「じゃあうちら次の場所行くから。お互い頑張ろう!」

「はい!!頑張りましょう!!凛さんが犯人じゃないって信じてますから!」

「頑張りましょう、北条さん」

「…………………はい」

「テンションの差が露骨っすね」

うちらは購買を出た。

「次は柴崎君が行きたい所だね」

「よろしくっす」

「ねぇ、どこ行くの?そろそろ教えてくれてもいいでしょ?」

「それは………」

柴崎君ら階段へ向かう。

「保健所っす」

 

 

 

2F 保健所

 

保健所に行くと、喜屋武さんと千野君がいた。

「おや、おふたりもここを調査ですかな?」

「そうっす。2人は何か見つけたっすか?」

「はい。ここには輸血パックを保存しておく冷蔵庫があるのですが………」

喜屋武さんが冷蔵庫を開ける。すると、中には輸血パックが少量入っていた。

「輸血パックがあるけど………もしかして量が減ってる?」

「そうです。私が初日飛田君と訪れた時はもっとたくさんありました。明らかに量が少なくなっています」

輸血パックが減ってる。これはどういう事だろう。

 

 

コトダマゲット!

[保健所の輸血パック]

初日より数が大幅に減っている。

 

 

「あ、あとさ。2人が今朝何してたのか教えてもらってもいい?」

「アリバイ、という奴ですか。拙僧は朝5時には起きて、自室でお経を読んでいましたよ」

「なんか起きた時眠気とか感じなかった?」

「いや、拙僧は特に感じなかったですな」

「私は今朝はいつも通り起きてすぐ食堂に向かいました。時間は………7時半頃だと思います。千野さんと同じく、特に眠気とかは感じなかったです」

「分かった。ありがとう」

2人とも別におかしな点は無いな。

「あ、でもちょっと気になる事があるんですけど」

すると、喜屋武さんが遠慮がちにそう言った。

「本当に!?教えてもらってもいいかな?」

「ええ。多分事件とは無関係だと思うんですが………

昨日の女子会の途中、3階のトイレに行こうと思ったら〈清掃中〉という看板が置いてあって入れなかったんです。仕方がないから2階のトイレを使ったんですけど」

「あ!うちも12時くらいにトイレ行った時それ見た!」

タイミング悪いなあって思いながら下のトイレに行ったのをよく覚えてる。

「なんか随分と変なタイミングで掃除するんだなと思ったんですけど………」

重要かは分かんないけど、とりあえず覚えとこう。

 

 

コトダマゲット!

[喜屋武の証言]

女子会の最中に3階のトイレを使おうとしたら〈清掃中〉の看板が置いてあり使えなかった。

 

 

「拙僧からも1ついいですかな?」

今度は千野君が手を挙げた。

「実は昨日、パーティーを途中で抜けたのですが、それは猛烈な眠気に襲われたからなんです」

「えっ!?パーティーに慣れてなくて疲れたんじゃなくて?」

「そうです。だから中澤さんの発言に乗じて帰らせてもらったという訳です。そして部屋に戻ったらすぐ眠りました」

千野君は眠すぎて先に帰った………じゃあ同じような人がもしかしたらいるかも?

 

 

コトダマゲット!

[千野を襲った眠気]

昨日のパーティーの途中で猛烈な睡魔に襲われ、パーティーが終わって、部屋に帰った瞬間寝たという。

 

 

「ちなみに2人とも自分の血液型は分かる?」

「拙僧はABですな」

「私は………分かんないです。調べた事が無いので」

「分かった。ありがとう」

 

 

 

 

2F 204教室

 

次に来たのは昨日のパーティー会場だった会議室だ。ここに来た理由は、事件が起きたのは今日だといえ、昨日のパーティーで何かしら起きたのは確実だと思ったからだ。

中に入ると、中澤君、霞ヶ峰さん、独島さんの3人がいた。

「おお、お前らか。ちょうどいい所に来た」

すると、中澤君がうちらを手招きした。

「どうしたの?」

「独島が携帯を失くしたみたいでな。こうして3人で探してるんだが全く見つからなくてよ」

「そうなんだよねー。あー困った困った〜」

「独島殿、全く困ってる様に聞こえないんでござるが」

あ、そっか。独島さんは今カバフォンが無いのか。

「ねぇ独島さん。ちなみにいつ失くしたかってのは分かる?」

「それが全然思い出せないんだよねー。パーティーが始まる前までは確かにあったはずなんだけどー」

じゃあやっぱりパーティーの時に………?

「じゃあうちも一緒に探すよ。事件の手がかりも探せるし一石二鳥だからさ」

「ありがとう〜。迷惑かけるね〜」

 

 

 

「あ!?あったでござるよ!!」

すると、霞ヶ峰さんが机の中にあったカバフォンを見つけた。

「良かったな。これでひとまず安心だろ」

「うん。本当に良かった〜。みんなありがとうー」

「独島殿!拙者が見つけたでござるよ!拙者への感謝が足りないでござる!!」

「ごめんごめんー。じゃあお礼として後で霞ヶ峰さんのおっぱい揉んであげる〜」

「全然お礼になってないでござる!!!!!!セクハラでござるよ!!」

「冗談だよ〜。万斗くんじゃあるまいし〜」

まあとにかく、見つかって良かった。

 

 

コトダマゲット!

[独島のカバフォンの行方]

昨日のパーティー前後から行方不明だったが、さっき会議室で見つかった。

 

 

「そうだ。中澤君に聞きたいことがあったんだけど」

「俺で答えられる事なら協力するぜ」

「昨日のパーティーで出した飲み物って誰が用意したか分かる?」

「ん?なんでそんな事聞くんだ?まあ聞くって事は何か重要な手がかりになるって事だろ?答えるよ」

「そ、そうなの!だからお願い!」

本当は手がかりかどうか分かんないけど。

「まず1階の食堂で買ってそれを会議室に運んだのは俺とジャックだ。数が多いし1人で運ぶのは流石に骨が折れるからな。その後開けて注いだのが喜屋武、運んだのが北条だったな。多分間違いは無いと思うぜ」

「なるほど、ありがとう!!」

聞いてよかった。これは結構重要な証言かも。

 

 

 

コトダマゲット!

[中澤の証言]

パーティーでの飲み物を用意したのは中澤、ジャックの2人。

それを開けて注いだのが喜屋武。全員分を運んだのが北条。

 

 

 

「あ、それとみんなが今朝何してたか聞きたいんだけど」

「俺は普通に起きてすぐ食堂に向かったぞ。その後はお前と一緒にずっと食堂にいた」

うん、中澤君は確かに朝食当番でうちと銀山さんと一緒にいた。間違いない。

「わたしはずっと寝てたよー。なんか今日は全く起きられなくてね〜」

「それはいつもでござろう………」

「いやいやそうじゃなくてー。いつもは一回起きて、また寝て………の繰り返しなんだけどー、今日は一回も起きなかったの〜」

「完全に熟睡してたって事っすか?」

「そういうこと〜」

熟睡か………。さっきそう言ってる人が何人かいたな。

「拙者は今日は珍しく早起き出来たので校内を散歩してたでござる!時間は確か……5時半頃でござる」

「何かおかしな事とかあった?」

「ああ、そういえば保健所前を通ったら扉が微妙に開いていたんでござるよ。誰がいるのかなと思って中を見たら誰もいなかったでござる。多分、誰かが閉め忘れたのだと思って閉めといたでござるが」

微妙に扉が開いていたか………これも一応覚えておいた方が良さそうだ。

 

 

コトダマゲット!

[霞ヶ峰の証言]

今朝の5時半頃、保健所の前を通ったら扉が微妙に開いていた。中には誰もいなかったとの事。

 

 

 

「さて、ここも調べ終わったっすけど、次はどうします。時間的に次が最後だと思うっすけど」

「そうだね………じゃあ最後はあそこかな………」

「あそこ、とは?」

「行ってからのお楽しみ」

「さっきの仕返しっすか」

 

 

 

 

3F 飛田の個室前

 

「なるほど、飛田さんの個室っすか」

「うん、もしかしたら重要な手がかりがあるかもと思って」

「あれ?でも僕ら入れないっすよね?」

そうだ。入れないじゃん。

「心配ご無用カバ!捜査時間は個室のロックは全部解除してありまーす!!じゃんじゃん入って下さいカバ〜」

すると、呼んでもないのにモノカバが天井からにゅっと出てきた。ホラー映画か。

「じゃあ入れるね。よし………」

「あ、ちょっと待ってほしいっす。モノカバ、聞きたいことがあるんすけど」

「何カバ〜?オイラのスリーサイズとかカバ?いやぁ、柴崎クンのエッチ〜」

いや気色悪!?何くねくねしてんの⁈

「飛田さんの死体が見つかった時に流れた放送についてなんすけど、あれって何を意味するんすか?」

放送?あのみんなに集合する様に呼びかけたアナウンスの事?

「完全スルーって………ハァ……あれは『死体発見アナウンス』カバ。あれが鳴る条件は、『犯人以外の誰か3人が死体を見た瞬間』カバ」

犯人以外の3人………。確かアナウンスがなってうちが現場に着いた時既に幸村さん、万斗君、柴崎君の3人がいたんだっけ。

 

 

コトダマゲット!

[死体発見アナウンス]

犯人以外の3人が死体を発見した時に流れるアナウンス。

アナウンスが鳴って相川が行った時には既に幸村、万斗、柴崎の3人がいた。

 

 

「なるほど、よく分かったっす。もう消えていいっすよ」

「いや辛辣すぎないカバ!?オイラがせっかく親切に教えてあげたのに………ショボーン」

モノカバは天井に消えていった。

「これはかなり有力な情報じゃない?」

「そうっすね。もしかしたらこの情報、かなり役に立つかもしれないっす」

そしてうちらは個室の中へ入った。

 

 

飛田の個室

 

個室に入ると、まず視界に入ったのは、大きなバイクの模型だった。あ、バイク便ライダーだからか。後は特にうちの部屋と変わりはない。

すると、洗面所から霜花さんが出てきた。

「………………やっと来ましたか。貴方達には呆れて声も出ませんよ」

「ん?どういうことっすか?」

「捜査と言われたら普通被害者の身の回りを調べるでしょう。それなのにここに来たのは相川さんと柴崎さんが初めてです。他の人は一体どこをうろついているのですか?」

「さ、さぁ………?」

相変わらず厳しいなぁ。

「まあいいです。別に貴方達には微塵も期待していないので。私は別の場所を調べます」

そう言って霜花さんは出ようとする。

「あ、待って!霜花さん、今朝どこで何をしていたのか教えてほしいんだけど………」

「………そんな事を知っても意味は無いと思いますが」

「え?」

「まあ教えるくらいなら。私は今朝起きてからずっと購買にいました。いたのは6時頃からだと思います」

「購買?なんか買いに行ったの?」

「貴方には関係ないでしょう。あ、ちなみに今朝購買には誰も来ませんでしたよ」

そう言って出て行った。

「相川さん………相当嫌われてるっすね」

「言わないで。自分でも分かってるから。ハァ………悲しいなぁ………」

 

 

そして、飛田君の個室を調べ始める。ごめん、飛田君。空き巣みたいな事して。

まずは机かな。そう思って机を開けると、

「あれ?これって確か………『殺人手助けキット』だっけ?でもこれ………」

よく見ると、トンカチにだけ使った形跡がある。他の2つはビニールもかかってて新品同然なのに、トンカチだけビニールが外されてる。うーん、なんでだろう。

 

 

コトダマゲット!

[飛田の殺人手助けキット]

トンカチ、ナイフ、スパナのうち、トンカチにだけ使用した形跡がある。

 

 

そしてもう一つ、明らかに怪しいものがあった。

「これは………手紙?」

手紙というか紙切れというか………。早速中を見てみる。

中にはこう書いてあった。

 

「飛田君へ

動機の件で、どうしても伝えたい事があります。

明日の朝6時半頃に私の部屋に来て下さい。

                 霞ヶ峰 」

 

「えっ!?」

これって、飛田君を呼び出す手紙?しかも相手は霞ヶ峰さん?

もしこれが本当なら霞ヶ峰さんはかなり怪しいけど………?

 

 

コトダマゲット!

[飛田宛の手紙]

飛田の個室の机に入っていた。

 

「飛田君へ

動機の件で、どうしても伝えたい事があります。

明日の朝6時半頃に私の部屋に来て下さい。

                  霞ヶ峰 」

 

 

 

 

 

ピンポンパンポーン

 

 

 

「オマエラら、ついにこの時がやってきました。ドキドキワクワクの学級裁判、ついに始まるカバー!さぁ、1階の101教室に集合するカバー!」

すると、またモノカバのアナウンスがなった。時間か。

「時間切れっすね」

「うん、そうだね。行こう」

ついに来てしまった。この時が。

 

 

 

1F 101教室

 

中に入るとうちら以外の全員が既に集合していた。

「カバカバカバ!!!!オマエら、全員揃ったカバね!」

「おい!学級裁判ってここでやんのかよ?」

「まさかぁ。今から裁判場に案内するカバ!スイッチオン!」

すると、正面にある黒板が回転して奥に通路が現れた。

「うわぁーすごーい。なんか忍者屋敷にありそうな仕掛けだね〜」

「でしょカバ!オイラをもっと褒めていいカバよ!」

「微塵も褒めてないけどね〜」

「じゃあオマエら、この通路の奥にエレベーターがあるからそれに乗るカバー!」

みんなは自然と通路に向かって歩き出す。

うちも行こうとすると、

「相川さん、1つ情報を教えておくっす。死体を発見した順番は僕、万斗さん、幸村さんの順番っす」

「えっ?」

「ちゃんと言いましたからね」

そう言って柴崎君は行ってしまった。

 

 

コトダマ更新!

 

[死体発見アナウンス]

犯人以外の3人が死体を発見した時に流れるアナウンス。

今回、死体を発見した人物と順番は柴崎→万斗→幸村の順。

 

 

 

うちは呆然としてしまった。

教えてもらった情報にじゃない。

 

 

さっき見た柴崎君の表情にだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「柴崎君、なんで笑ってるの………………?」

 

 

 

 

 

 

「凛さん?どうしたんですか?もうみんな乗りましたよ!」

通路の奥から業ちゃんの声が聞こえる。

「ご、ごめん!今行くよ!!」

うちは急いでエレベーターに向かう。

 

 

 

「全員乗ったカバね!!それじゃあ、裁判場へごあんな〜い!!」

エレベーターが閉まり動き始めた。

 

 

 

 

ゴゴゴと鈍い音をさせながらエレベーターは下降していく。

誰も喋らず、沈黙の時間が流れる。

うちらはただひたすら、地に向かって落ちていく。

 

 

 

 

超高校級のバイク便ライダー、飛田脚男君。

コミュニケーションが苦手で、いつもオドオドしてたけど、自分の意思をしっかり持っていて、決して弱い人ではなかった。また、昨日も苦手だと言っていたのにも関わらず、うちなんかの事を信じてパーティーに参加してくれる優しい心の持ち主だった。

 

 

 

 

その飛田君が殺された。

しかも錦織さんの時みたいにモノカバに殺されたんじゃない。この生き残ってる15人のうちの誰かに殺されたのだ。

 

 

 

 

正直、誰が犯人かは現時点では見当もついていない。

解けてない謎が多すぎる。

さっきの柴崎君の表情も含めて。

けど、やるしかないんだ。

生き残る為に。

飛田君の無念を晴らす為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生存者

 

 

LA001 相川 凛《外国語研究家》

⁇002 霞ヶ峰 麻衣子 《動画投稿者》

⁇003 喜屋武 流理恵 《調理部》

SA004 銀山 香織《棋士》

⁇005 黒瀬 敦郎《バスケ部》

⁇006 柴崎 武史《歴史学者》

⁇007 霜花 優月《狙撃手》

⁇008 ジャック ドクトリーヌ 《医者》

⁇009 千野 李玖《茶人》

MC010 独島 灯里《サブカルマニア》

⁇011 飛田 脚男《バイク便ライダー》

⁇012 中澤 翼 《フットサル選手》

⁇013 錦織 清子《テニスプレーヤー》

⁇014 分倍河原 剛 《空手家》

⁇015 北条 業 《???》

⁇016 万斗 輝晃 《情報屋》

⁇017 幸村 雪 《激運》

 

 

残り15人

 

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