ダンガンロンパ キャンパス   作:さわらの西京焼き

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学級裁判前編です。
本当は1つにまとめたかったんですけど、そうすると分量がえげつなくなるので泣く泣く前編と後編に分けました………。



学級裁判(前編)

・誰か1人が必ず犠牲になる動機を出され、絶望している中起きてしまった殺人事件。このタイミングで何故喜屋武が殺されたのか?研究教室で起きた爆発は一体何なのか?

絶体絶命の状況で相川達は、果たして学級裁判という名の試験を乗り越える事が出来るのだろうか………。

 

 

 

 

 

 

 

コトダマ一覧

 

 

[モノカバファイル②]

被害者は《超高校の調理部》、喜屋武 流理恵。

死体発見場所はB棟のプール。

飛び込み台で首を吊っている状態を発見された。

死亡推定時刻は20:25頃。

腹部に刺し傷が2箇所あり、頭部にも軽い切り傷がある。

 

 

[ロックされたドア]

爆発が起きた瞬間、アナウンスが流れると同時に全てのドアの鍵がロックされ、中にいる人間は出られなくなった。鍵がロックされた状態は15分程続いた。

 

 

[プールの照明]

夜でも泳げるように、21:00以降になるとプールサイドや天井に付いている照明が付くらしい。光度は相当高く、真っ暗でもプールの底面がはっきり見えるほど明るい。これを知っているのは相川と北条だけ。

 

 

[プールに沈んでいたカバフォン]

誰のか分からないカバフォン。水に沈んでいたからか、完全に壊れてしまっている。

 

 

[喜屋武の全身]

髪から服まで、全身がずぶ濡れだった。

 

 

[ジャックの検死結果]

腹部の傷の深さが違うらしく、1つは内臓付近にまで達していた。また、喜屋武の顔色はピンク色のかなり良い顔色をしていて、苦痛の表情は読み取れなかった。加えて、肺には水が入っていなかった。その為、溺死の可能性は低いとの事。

また、首の縄の痕から絞殺の可能性もないらしい。

 

 

[相川に送られたメッセージ]

爆発直前に送られてきた差出人不詳のメッセージ。霜花にも全く同じメッセージが送られている。

 

 

「スパイは既に動き出した。お前の対応の遅さが招いた結果だ。お前には誰も救えない」

 

 

 

 

[調理部の研究教室で起きた爆発]

20:40頃発生。ガスに引火した為爆発が起きた模様。火は天井に設置されたスプリンクラーとモノカバによって消火された。爆発の規模は教室全体を包み込む程であった。しかし、準備室には爆発は届かず、無事であった。

 

 

[切断されたガスホース]

机の下にあるガスホースが全て切断されていた。ここからガスが漏れていた模様。

 

 

[霞ヶ峰の証言]

喜屋武が首を吊っている写真が送られてきた為、霞ヶ峰が慌ててプールに行き喜屋武の死体を見た瞬間、死体発見アナウンスが鳴ったという。

 

 

[準備室の包丁の行方]

準備室から包丁が2本消えていた。一本は研究教室内に落ちていた。先端には血が付着している。もう1本の行方は不明。

 

 

[ダイイングメッセージ]

準備室にある冷蔵庫に、血文字で「TはKaであり、NはGである」と書かれた紙が入っていた。死の間際に書かれたにしては非常に達筆であった。

 

 

[調理部の研究教室にある机]

小学校の家庭科室にあるような机。

調理実習用にガスコンロが2つ端に設置されている。

下にはガスホースとガスの元栓、そして人1人入れるくらいの収納スペースがある。

 

 

[秘密の抜け道]

調理部の研究教室の端に隠されていた抜け道。入り口には血痕が付着している。どこに繋がっているかは不明。どうやら独島は知っているようだが………。

 

 

 

[幸村の証言]

19:50頃、柴崎がB棟の才能研究棟へ向かうのを見たという。

 

 

[銀山の証言]

19:00頃、幸村の個室で幸村と誰かが口論する声を聞いたらしい。

 

 

[それぞれのアリバイ]

20:25頃

黒瀬、独島、万斗→食堂

相川、霜花→保健所

分倍河原、幸村→トレーニングルーム

柴崎→不明

他→アリバイなし

 

爆発時

黒瀬、独島、万斗→食堂

相川、霜花→保健所

柴崎→不明

他→個室(点呼時に全員確認)

 

 

 

[購買の在庫]

昨日と比べて無くなっていたのは、ロープ、マッチ、救命キットの3つ。

 

 

 

 

 

 

席順(相川から時計回り)

 

相川→飛田→霞ヶ峰→喜屋武→分倍河原→北条→ → 柴崎→錦織→千野→霜花→空き→ジャック→独島→黒瀬→中澤→幸村→万斗→銀山

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学級裁判 開廷!!!

 

 

 

 

 

 

モノカバ「では最初に、学級裁判の簡単な説明をしておくカバ!学級裁判では、『誰が犯人か』を議論してオマエらに投票してもらうカバ。正しいクロを指摘出来ればクロだけがオシオキされ、残ったオマエらは大学生活を続ける事が出来るカバ。けど、間違ったクロを指摘すれば……、クロ以外の全員がオシオキされ、クロだけが大学から出る事が出来るカバ!」

 

 

 

2回目の学級裁判が始まってしまった。

周りを見渡すと、新たに遺影が2枚増えている事に気づく。

少し力んだ表情の中澤君と、柔和な笑みを浮かべた喜屋武さん2人の遺影。

これのせいで、人数が段々少なくなっているのを実感させられる。本当にモノカバは趣味が悪い。

 

 

 

 

分倍河原 剛「……始まったな」

霞ヶ峰 麻衣子「もうこんな場所、二度と来たくはなかったでござるよ………」

銀山 香織「ああ。だが四の五の言っていてもしょうがない。私達のやるべき事はただ一つ。喜屋武を殺した犯人を突き止める事だ」

柴崎 武史「『この中にいる誰か』ッスよね?いやぁ、一体誰なんスかね〜。喜屋武さんをあんな風に殺したのは」

柴崎君は楽しげな表情で全員を見渡す。

霞ヶ峰 麻衣子「なんでそんなウキウキしてるのでござるか………」

柴崎 武史「だって、唯一の楽しみであるスリル満点の学級裁判が始まったんスよ。それにこの裁判を通してまた相川サンの成長を見れるわけッスから。テンション上がりまくりッスよ」

相川 凛「………………」

うちは、ジロジロ見てくる柴崎君を無視する。

柴崎君のスタンスは前回の裁判で良く分かった。彼は自分が楽しむ事を第一としている。しかも楽しめるなら何をしてもいいと思っているから、下手したら犯人側に付いて裁判をかき乱す可能性すらある。もしかしたらこの中で最も厄介な存在は犯人じゃなくて柴崎君なのかもしれない。

 

 

 

 

幸村 雪「何言ってんの………!犯人は……犯人はアンタに決まってるじゃん!!」

すると、幸村さんが急に声を上げると、柴崎君の方を指差した。

柴崎 武史「ん?僕ッスか?」

幸村 雪「とぼけても無駄だよ!この人殺し!!」

黒瀬 敦郎「は!?おいおい武史が人殺しってマジかよ!?」

柴崎 武史「ま、まさか僕が人殺しなんてす、する訳ないじゃない、ッスか。僕は、清廉潔白な少年、なんスから」

独島 灯里「明らかに動揺してるね〜。あれー、もしかして柴崎くん、まさかのー?」

柴崎君が喜屋武さんを殺した犯人?幸村さんの話、もう少しちゃんと聞いた方がいいかもしれない。

 

 

 

 

議論開始!

 

 

幸村 雪「とにかく、たけくんが犯人なのは絶対なんだよ!!」

柴崎 武史「ぼ、ぼぼぼぼくが、そ、そそそんなひ、ひひひと殺しななんて、す、するわけ」

霞ヶ峰 麻衣子「これ以上にない程動揺してるでござる!?」

霜花 優月「………一応聞きますが、根拠はちゃんとあるんですよね?」

幸村 雪「あるに決まってるじゃん!たけくんが犯人だって証拠、ちゃんと持ってるよ!!」

柴崎 武史「そ、そんなわけないじゃ、ないッスか。そもそも僕は今日、[B棟になんて行ってない]んスから、し、証拠なんてあ、あるはずがな、ないんスよ」

 

 

 

 

[B棟になんて行ってない]←[幸村の証言]

 

 

 

それは違うっ!!

 

 

 

 

 

 

相川 凛「柴崎君、B棟に行ってないっていうのは嘘だよね?」

柴崎 武史「い、いや、嘘じゃないッスよ。実際僕は昨日はずっと自分の部屋で、大声で歌いながらソーラン節を踊ってたんスから」

霞ヶ峰 麻衣子「嘘が下手すぎるでござる!?」

独島 灯里「1人で、しかも大声出しながらソーラン節って………それはそれでやばい奴だよね〜」

相川 凛「でも、幸村さんは20時前に柴崎君がB棟に向かうのを見らしいんだよ。そうだよね?幸村さん」

幸村 雪「そうだよ!!死亡推定時刻前にB棟に行くなんて、どう考えても怪しいじゃん!!」

相川 凛「というか、本当は分かってるんでしょ?嘘くさい演技はやめて。」

柴崎 武史「……………なーんだ、バレちゃってるのなら隠す必要はないッスね」

柴崎君は楽しそうにケタケタ笑った。

銀山 香織「………認めた、という事でいいんだな?犯行時刻前にB棟にいた事を」

柴崎 武史「そうッスよ。確かに僕は、その時間B棟に向かったッス。あーあ、アンタ達無能相手だったらこの程度の演技で十分だと思ったんスけどねー」

北条 業「………凛さん。私にこの破綻者を殺す許可をください。………もう、我慢の限界です」

相川 凛「ちょ、ちょっと業ちゃんストップ!?後で殴ってもいいから殺すのだけはダメ!!」

柴崎 武史「おや、殴るだけで済ませてくれるんスか。やっぱ優しいッスね、相川サンは」

相川 凛「………………」

マズい、柴崎君に初っ端から振り回されている。このままじゃいつまで経っても犯人を見つけられない。時間もあまり無いわけだし、こんな所で時間を使っている場合じゃない。

 

 

 

 

霜花 優月「ハァ………。そんな事だろうとは思いましたよ。とんだ茶番でしたね」

すると、黙って話を聞いてた霜花さんがため息をつきながら言った。

ジャック「同感ダ」

ジャック君も呆れた表情で続く。

幸村 雪「ちゃ、茶番って………!今のでたけくんが犯人だって分かったじゃん!!もう投票だよ!!」

霜花 優月「今の情報だけで柴崎さんを犯人だと決めつけるなんて………貴方、どんだけおめでたい頭してるんですか?」

幸村 雪「なっ………!何その言い方!!だってウチ見たんだよ!!たけくんがB棟にいくところをさ!」

霜花 優月「犯人の行動、犯行手順、そして研究教室で起きたあの爆発。何一つ解明出来てないのに犯人を決めつけて投票?笑わせないでください。私はそんな博打をする気は毛頭ありません。そもそも、貴方のその柴崎さんを見たという情報が本当かどうかすら怪しいんですよ。貴方は柴崎さんを誰かと一緒に見たんですか?」

幸村 雪「そ、それは……その………1人だったけど」

霜花 優月「だったら確実な証拠とは言えません。それに、もしかしたら貴方が犯人で嘘をついている可能性だってあります。だから………」

相川 凛「ちょっとストップ!!霜花さん、幸村さんも分かったみたいだし、その辺にしてあげてよ。後、言ってる事は正しいけどちょっと攻撃的すぎるよ。もうちょっとやんわりと話そう。ね?」

霜花 優月「私はこういう話し方しか出来ません」

霜花さんは腕を組んで口を閉じた。

幸村 雪「で、でも………!!」

ジャック「もう止セ」

まだ何か言いたそうな幸村さんを今度はジャック君が止めた。

ジャック「貴様の証言を疑うわけじゃなイ。だが、それだけで犯人と決めつけるのは早計ダ。もう少し議論する必要があル」

幸村 雪「………………分かったよ。ジャックきゅんがそう言うなら………」

独島 灯里「……………んーー?おやおや〜〜〜?2人とも、知らない間に随分と仲良くなったんだねー?」

すると、2人の親密な雰囲気を察知した独島さんが幸村さんに迫った。独島さん………本当に恋愛話になると生き生きし始めるよね。

幸村 雪「違うから!!断じて付き合ったりしてないから!!!」

あ。幸村さんその答え方はマズいんじゃ………。

独島 灯里「わたし別に付き合ってるのかとは聞いてないよ〜。幸村さん、自意識過剰だね〜」

案の定、独島さんはニタニタしながらさらに幸村さんを茶化す。

幸村 雪「………………」

幸村さんは顔を真っ赤にして固まってしまっている。

ジャック「くだらなイ。とっとと議論を再開させるぞバカ共ガ」

一方ジャック君は眼鏡をしきりに直しながらそう言うが、動揺しているのが丸わかりだ。ジャック君、やっぱり幸村さんの事………。

 

 

 

 

 

 

千野 李玖「皆さん、戯れはそれまでに。そろそろ議論を始めましょう。銀山殿、これから如何しますかな?」

すると、静かに成り行きを見守っていた千野君が全員に呼びかけた。

銀山 香織「…………そうだな、まずは前回と同じく、モノカバファイルの確認からでいいと思う」

千野 李玖「では、今回は拙僧がファイルを読み上げましょう。

被害者は『超高校級の調理部』、喜屋武 流理恵殿。死体発見場所はB棟のプール。首吊り状態で発見されました。死亡推定時刻は20:20頃。腹部には2つの刺し傷………こんな所ですかな」

北条 業「………また死因が書いてないですね」

ジャック「つまり今回も死因が事件の鍵を握っているという事カ」

霞ヶ峰 麻衣子「またこのパターンでござるか!?このくらい載せてくれてもいいと思うのでござるが!モノカバ殿、その辺に関してはどうなのでござるか?」

モノカバ「それはダメカバ!いくらオイラが優しくて慈愛に満ちたカバでもそれは許せないカバーー!」

黒瀬 敦郎「コロシアイさせてる奴のどこが優しいんだよ!!」

死因が不明か………。喜屋武さんは首を吊られてたから、一見すると窒息死とかと勘違いしちゃいそうだけど、どうやらそう簡単な話じゃないみたいだし………。

銀山 香織「皆、私は個人的にこの腹部の刺し傷が気になるのだが………まずはこの傷を作った凶器について議論しないか?もしかしたらここから死因が割り出せるのかもしれない」

霜花 優月「そうですね。では凶器について議論しましょう」

凶器か………。あんな傷をつけられる凶器は限られている。よし、うちもしっかり議論に参加するぞ。

 

 

 

 

 

 

議論開始!

 

 

 

銀山 香織「では、凶器について議論しよう。何か思い当たる物はあるか?」

独島 灯里「分かった〜!きっと[ナイフ]だよー」

分倍河原 剛「[ハサミ]とかもありそうだが………」

柴崎 武史「分かったッスよ![ドリル]とかじゃないッスか?」

霞ヶ峰 麻衣子「断言するでござるが、それだけは絶対違うでござる」

万斗 輝晃「ふふっ……。キミたち甘いよ。凶器は………ずばり[包丁]だよ!!」

 

 

 

 

[包丁]←[準備室の包丁の行方]

 

 

 

 

それに賛成だよ!!

 

 

 

相川 凛「万斗君に賛成だよ。研究教室にこの包丁が落ちてたんだ」

うちは、袋に入った包丁をみんなに見せる。

分倍河原 剛「……随分と焼け焦げてしまっているな」

相川 凛「うん。だから犯人は喜屋武さんを刺した後、これを研究教室に放置してから爆破したんだと思う」

ジャック「一応腹部の傷と包丁が合っているかどうか調べたガ、見事に一致していタ。凶器はそれで間違いないだろウ」

万斗 輝晃「フッフッフ!その包丁はボクが見つけたんだ!!麗しき女性の皆、ボクの事を褒め称えてもいいんだよ!」

女子全員「………………………………」

万斗 輝晃「……ひ、ひどいっ!!なんで皆黙っちゃうのさ!?」

黒瀬 敦郎「いや、オレはお手柄だと思うぜ!輝晃」

万斗 輝晃「うるせぇぇぇぇぇぇ!!イケメンに褒められても微塵も嬉しくねぇんだよぉぉぉぉぉぉ!!!FU◯K!!!!」

血の涙(うちの中のイメージ)を流しながら中指を立てる万斗君。

北条 業「それと、この包丁は準備室から持ち出されてたみたいです。しかも………2本」

千野 李玖「2本ですか………。1本は相川殿が持っているそれとして、ではもう1本は一体どこにいったのでしょうか?」

幸村 雪「そんなの決まってるよ!!たけくんが今持ってるんだって!!」

柴崎 武史「ありゃ、バレちゃったッスか。実は僕、持ち出した包丁を今もパンツの中に隠して………」

霞ヶ峰 麻衣子「ぱ、パンツの中でござるか!?」

霜花 優月「幸村さん、柴崎さんをいちいち疑うのやめて下さい。議論のテンポが悪くなります。後柴崎さん、貴方も少し黙って下さい。貴方がそうやってホラを吹くから全員が混乱するんですよ」

幸村 雪「………分かったよ」

柴崎 武史「えーでも本当ッスよ。なんなら、僕のパンツの中見ます?」

銀山 香織「な、なななななななななななにを言っているんだ君は!?」

独島 灯里「あーあ、また銀山さんがパニックになっちゃったー」

 

 

 

ジャック「さっきから気になっていたんだガ、研究教室では爆発があったのだろウ?準備室は大丈夫だったのカ?」

ジャック君は不思議そうに尋ねた。

そうか、ジャック君は検死をしていたから爆発現場を見てないのか。

霞ヶ峰 麻衣子「というか、そもそもあの爆発ってなんだったのでござるか?拙者ずっと部屋に篭ってたから何がなんだかさっぱりでござるよ」

霞ヶ峰さんも疑問を口にする。爆発が起きた時、殆どの人はA棟に居たはずだから知らないのも無理はない。実際、うちも保健所にずっといた訳だし。

北条 業「凛さん、まず先に研究教室の爆発について議論した方がいいかもしれません。情報の共有も兼ねて」

みんなの様子を見て、業ちゃんがそう提案する。

相川 凛「うん、その方が良さそうだね」

みんなに爆発について説明出来る物をうちは持っていたはず。

 

 

 

 

 

[調理部の研究教室で起きた爆発]←

 

 

 

これだよ!

 

 

 

 

 

相川 凛「みんな、ちょっとこれを見て欲しいんだけど」

うちはみんなのカバフォンに業ちゃんが書いた爆発についてのメモを送信した。

銀山 香織「これは………メモか?」

相川 凛「うん。さっき業ちゃんがモノカバに爆発について色々聞いてくれたんだ。それをまとめたのがこのメモだよ」

万斗 輝晃「す、凄いね業さん!!」

北条 業「あなたに褒められてもこれっっっっぽっちも嬉しくないです」

万斗 輝晃「………………………」

相川 凛「いやでも本当に大手柄だよ。おかげで爆発について分かった訳だし」

北条 業「ありがとうございます!!!愛しの凛さんの為なら私、どんな事でもやりますよ!!!!」

霞ヶ峰 麻衣子「流石に万斗殿が不憫に見えてきたでござる」

ジャック「………なるほどナ。爆発は隣の準備室には及んでいなかったのカ」

分倍河原 剛「……………爆発の原因はガスに引火したから、なのか」

黒瀬 敦郎「教室全体に及んだ!?どうりであんなデケェ音がしたわけだ」

喜屋武さんの側を離れられなかった3人を含めて、とりあえずこれで皆も、今回起きた爆発についての基礎知識は得られただろう。

銀山 香織「ん?待て。ガス漏れとあるが、一体どこから漏れていたんだ?」

ガス漏れ………。そうだ。ガス漏れはあそこからだったはず。

 

 

[切断されたガスホース]←

 

 

 

これだよ!

 

 

 

相川 凛「教室内のガスホースが全部切断されてたんだ。多分ここならガスが漏れてたんだと思う」

銀山 香織「ガスホースからか………そうか、ありがとう」

北条 業「というか、ガスホースがどこにあるかって知ってた人いるんですか?普通気づかないと思うんですけど」

相川 凛「確かに………。場所も場所だし、そもそも入った事ない人の方が多そうだよね」

人の研究教室って、招かれない限り入る機会なんて無いだろうし………。

 

 

ん?待てよ。じゃあガスホースの場所を知ってたのって………。

 

 

 

 

 

霞ヶ峰 麻衣子「では、これを踏まえて次はどうやって爆発を起こしたかについて話し合ってみるのはどうでござろうか?」

銀山 香織「そうだな。方法が分かれば犯人を絞り込めるかもしれない」

 

 

 

 

議論開始!

 

 

黒瀬 敦郎「爆発つってもなー。そんな簡単に出来る事じゃねぇだろ?」

独島 灯里「わたし分かった〜。多分[起爆装置]を使って爆破したんだよー」

柴崎 武史「僕も分かったッス![誰かが火を吹いて]引火させたんスよ!」

北条 業「真面目に議論しろ殺すぞというか喋るな」

千野 李玖[何か火を起こせる道具]を使って引火させたのではないですか?」

幸村 雪「こんな議論で犯人なんて見つけられる訳ないよ……」

 

 

 

 

 

[何か火を起こせる道具]←[購買の在庫]

 

 

 

それに賛成だよ!

 

 

 

相川 凛「千野君の言う通りだよ。犯人は多分、道具を使って火を起こして、ガスに引火させて爆発を起こしたんだ」

千野 李玖「おお、当たっていましたか。して、その道具とは何ですかな?」

相川 凛「マッチだよ。どうやら業ちゃんによると、今朝から今までの間に購買からマッチが無くなってたらしいんだ。犯人は多分それを使ったんだと思う」

北条 業「ついでに言うと、ロープと救命キットも無くなっていました。救命キットの用途は不明ですが、ロープは間違いなく喜屋武さんを吊る為に持ち出されたのでしょう」

黒瀬 敦郎「またロープかよ………。クソッ、前回の事件と一緒じゃねぇか!」

そうだ。前回も中澤君は購買からロープを持っていったんだ。それで飛田君を………。

 

 

 

幸村 雪「でもさ、これってマッチ持ってくるだけなんだから誰でも爆発起こせるじゃん。全然犯人に近づいてない気がするんだけど」

霞ヶ峰 麻衣子「た、確かにそうでござるよ!?」

そう、購買は誰でも利用可能な以上、爆発を起こす事は誰でも可能。これだけじゃ犯人は見つけられない。

分倍河原 剛「……だが、そうなるともう犯人を見つける為の手がかりは無いんじゃないか?」

いや、そんな事はない。とても重要な証拠が準備室にあった筈だ。

 

 

[ダイイングメッセージ]←

 

 

これだよ!

 

 

 

相川 凛「犯人に繋がる手がかりならあるよ。準備室の冷蔵庫の中にダイイングメッセージが残されていたんだ」

うちは、みんなに血文字で書かれたダイイングメッセージを見せる。

分倍河原 剛「………………!何だ、これは……」

黒瀬 敦郎「な、何だこりゃ!?これが……えーっと、ダイニングキッチンってやつか?」

ジャック「ダイイングメッセージダ。貴様に付いてるその耳は飾りカ?」

独島 灯里「なるほどなるほどー。血文字って事はこれは喜屋武さんが最後に残した犯人の手がかりって事だね〜」

柴崎 武史「ここでダイイングメッセージッスか。面白い展開になってきたッスね」

千野 李玖「TはKaであり、NはGである………。ふむ、さっぱり分かりませんな」

柴崎 武史「ここは相川サンの出番じゃないッスか?ほら、全部アルファベットだし」

相川 凛「いや、うちもさっきから考えてはいるんだけどさっぱりで………」

柴崎 武史「………………」

 

 

 

霜花 優月「……………妙ですね。このメッセージ」

幸村 雪「ゆうちゃん、何か分かったの?」

霜花 優月「死の間際に書いたにしては綺麗すぎます。喜屋武さんが達筆だと言われればそれまでですが………。なにか違和感を覚えます」

北条 業「私も霜花さんと同意見ですね。誰かが偽装した可能性があると思います」

万斗 輝晃「偽装って………犯人が?」

北条 業「それもありますが、私は………第三者が関わっている可能性を睨んでいます」

霞ヶ峰 麻衣子「それはつまり………、被害者の喜屋武殿と加害者の犯人以外に誰かこの事件に介入した人がいるという事でござるか!?」

霜花 優月「そもそも今回の事件、犯人の行動に不審な点が多すぎるんですよ。

例えばこの爆発。これは20:40頃発生していますが、この時間では既に喜屋武さんは死亡しています。殺す前に爆発を起こして気を逸らす、とかならともかく、殺した後で爆発を起こす理由が分かりません」

幸村 雪「証拠隠滅の為じゃないの?教室ごと吹っ飛ばせば証拠だって消せるじゃん」

霜花 優月「だとしても妙です。証拠隠滅を図るんだったら、殺した後すぐに爆破すればいい事です。けど、実際は喜屋武さんが死亡してから爆発が起きるまで15分程時間が空いています。死亡した後に準備を始めたとしても、爆発を起こす準備なんてガスホースを全て切断して、マッチで火をつけるだけ。15分もかかりません。なのに、何故わざわざ少し間を開けたのか………」

幸村 雪「言われてみれば、そうかもしれないけど………」

北条 業「ダイイングメッセージがあった場所もおかしいです。刺された後、瀕死の喜屋武さんがわざわざ書いた物を冷蔵庫に入れたという風に考えるのは無理があります。第三者が入れたに違いありません」

千野 李玖「犯人が入れたのではないですか?ダイイングメッセージを見られたくない為に」

北条 業「見られたくないのであれば、持ち帰って処分すればいい話です。そうすれば、ダイイングメッセージがあった事にすら誰にも気づかれないですからね」

霜花 優月「それに、腹部にある2つの傷も気になります。刺すなら1回でいい筈なのに何故2回刺したのか………」

黒瀬 敦郎「1回目はビビったんじゃねぇの?それで今度は勢いつけて2回目別の場所を刺したとか」

霜花 優月「………………………」

霜花さんは腕を組み直し考え込む。

確かに、うちも何か変だとは思ってた。けど、具体的に説明しろって言われたらそれは難しい。なんだろう、何か引っかかるんだよな………。

 

 

 

 

 

 

銀山 香織「今までの議論で分かった事についてまとめてみようか。まず、犯人は準備室から包丁を、そして購買からマッチ、ロープ、救命キットを持ち出し、調理部の研究教室で喜屋武を刺した。その後、部屋にあるガスホースを全て切断し、マッチで火をつけてガスに引火させ、準備室を除く部屋全体を爆破した。そして、冷蔵庫には、喜屋武、またはそれ以外の誰かが書いたダイイングメッセージが残されていた。ひとまずはこのくらいか」

分倍河原 剛「死因は分かってないが………今の話からすると、つまり喜屋武は刺殺、ということになるな」

幸村 雪「そうに決まってるじゃん。だってきゃべっちは刺されてるんだよ?」

今の話を聞く限りだと、確かに喜屋武さんは包丁で刺されて亡くなったって結論になる。

けど………本当にそれでいいんだろうか。

今回の事件、そんな単純じゃない気がする。

 

 

 

霞ヶ峰 麻衣子「ちょっと待って欲しいでござる。喜屋武殿は………やはり自殺したのではござらんか?」

すると、霞ヶ峰さんがみんなに向かってそう問いかける。

幸村 雪「そんな訳ないじゃん!!!きゃべっちが………きゃべっちが自殺なんかするわけないでしょ!?」

幸村さんは激昂して霞ヶ峰さんに怒鳴った。

霞ヶ峰 麻衣子「ひぇっ!?し、しかしでござるよ!実際、拙者が見つけた時喜屋武殿は首を吊っていたのでござる!!これは紛れもない事実でござる!」

一瞬怯んだ霞ヶ峰さんだったが、負けずに自殺説を主張する。

独島 灯里「うーん。でもさー、霞ヶ峰さんの言ってる事もあながち間違ってないよねー。首吊りで発見されたなら普通自殺を疑うもんね〜」

幸村 雪「なっ!?どくちゃんまで何言ってるの!?」

すると、意外なことに独島さんから援護射撃が入った。

万斗 輝晃「まあ、刺されたからといって必ず他殺とは限らないしね。一応、ボクも自殺については検討した方がいい気がするよ」

北条 業「私も自殺の可能性はあると思います。首吊りうんぬんは別として思い当たる事があるので」

千野 李玖「拙僧も、一考する価値はあると思います」

柴崎 武史「僕は普通に他殺だと思うッスけどね〜。」

分倍河原 剛「俺も他殺に賛成だ。常人であれば、腹部を刺された後自殺なんて出来る筈がない」

銀山 香織「意見が2つに割れてしまったな……どうする?」

モノカバ「意見が割れた?そ、そんな時は〜〜〜!!これカバ!!」

その時、急にモノカバが会話に入ってきたかと思うと合図と共に席が動き始めた。またあの向かい合う形になるのか。

柴崎 武史「おお〜!!ワクワクしてきたッス!!」

黒瀬 敦郎「しねぇよ!!いや、しなくもないか………?」

北条 業「凛さんと対立するのは物凄く心苦しいんですけど、今回だけはどうか許してくださいね。私にも退けない事情があるんです」

相川 凛「分かってるよ。お互い、恨みっこなしでいこう」

うちの正面に立つ業ちゃんと向かい合う。

喜屋武さんが自殺か他殺か。それを今ここでハッキリさせよう!

 

 

 

 

 

 

 

《喜屋武 流理恵は自殺したのか?》

 

 

「自殺だ!」………………北条、霞ヶ峰、万斗、銀山、独島、千野

「他殺だ!」………………相川、幸村、分倍河原、黒瀬、霜花、柴崎、ジャック

 

 

 

 

議論スクラム開始!!

 

 

霞ヶ峰 麻衣子「喜屋武殿は首を吊ってたのでござるよ!だったら自殺した可能性が高いでござる!」

 

幸村 雪「あんなに優しくてメンタルが強かったきゃべっちが自殺なんかするわけがないじゃん!!」

 

 

 

 

千野 李玖「しかし、今回の動機に喜屋武殿はかなり動揺していました。心身共に疲れ果て自殺を選択した、とは考えられませんか?」

 

分倍河原 剛「だとしても、包丁で腹部を刺された後傷が開いたまま自ら歩いてプールまで行き、そして自殺するなど到底不可能だ」

 

 

 

 

銀山 香織「研究教室には血痕は残されていなかったんだろう?だったら喜屋武がプールで刺されたんじゃないのか?」

 

ジャック「どちらにしロ、血痕など簡単に処理出来ル。だから、どちらが犯行現場かは現時点では分からないだろウ」

 

 

 

 

独島 灯里「それならー、犯人は一体なんの為に喜屋武さんを吊ったのー?わざわざそんな面倒な事しなくてもいいのにさ〜」

 

黒瀬 敦郎「オレらを混乱させる為じゃねぇの?ほら、現に今こうして対立してるわけだしな」

 

 

 

 

北条 業「今までの話からすると、喜屋武さんが自殺の可能性は十分に考えられると思います」

 

相川 凛「でも、今回の事件は自殺で片付けるには不自然な出来事が多すぎるんだよ!」

 

 

 

 

 

「これがうちらの答えだ!!!

 

 

 

 

 

相川 凛「とりあえず、他殺されたって仮定して考えてみない?このまま他殺か自殺か議論しても堂々巡りなだけだからさ」

北条 凛「勿論です!!凛さんの仰せのままに!!」

銀山 香織「君はさっきまで相川と対立していただろう………。なんという変わり身の速さだ」

万斗 輝晃「そうなると………次議論すべき内容は………」

千野 李玖「死因、ですかな?」

相川 凛「そうだね。死因が分かれば犯人を絞り込めるかもしれない」

さっきはうやむやになってしまったけど、喜屋武さんの死因がまだ分かっていない。これを解き明かさない限り、犯人には届かない気がする。

でも、あと少しだ。あと少しで分かる気がする。よし、集中しよう。ここが勝負どころだ。

 

 

 

 

 

議論開始!

 

 

 

幸村 雪「死因なんて………。包丁で刺されたんだから、誰が見ても明らかでしょ」

黒瀬 敦郎「まあそりゃそうだよな………」

柴崎 武史「いやいや、もしかしたら他の死因かもしれないッスよ〜。皆サン固定観念を捨てるべきじゃないッスか?」

霜花 優月「なんですか貴方。もしかして既に分かってるんですか?」

柴崎 武史「さて、それはどうッスかねー?」

独島 灯里「あー!わたし思いついたよ〜!プールって事は[溺死]とかじゃない〜?包丁で刺した後プールに沈めたんだよー」

 

 

 

[溺死]←ジャックの検死結果

 

 

 

 

それは違うっ!!!

 

 

 

 

 

 

相川 凛「独島さん。今回の事件、溺死はありえないんだ。ジャック君の検死によると、喜屋武さんの肺には水が入っていなかったんだよ」

ジャック「基本的ニ、溺死した人間の肺には死ぬ直前に飲み込んだ水が溜まっている事が多イ。だガ、ルリエの肺には水はほとんど残っていなかったタ」

独島 灯里「ほえ〜そうだったんだー。全然知らなかったよー」

霞ヶ峰 麻衣子「そもそも、前回と同じ殺害方法は普通選ばないと思うのでござるが」

独島 灯里「それもそっか〜。またバカを晒しちまったぜ〜」

ジャック「ついでに検死で気になった事を言っておク。まズ、腹部の傷についてだガ、1つは内臓付近にまで達していタ。恐らく致命傷だろウ」

幸村 雪「ほら、やっぱりそうじゃん。きゃべっちは包丁で刺されて殺されたんだよ」

北条 業「念の為聞いておきますが、その状態で歩き回る事は出来ますか?」

ジャック「不可能ダ。強靭な肉体を持つ男ならともかク、ルリエのような普通体型の女があれほどの傷で歩き回るなど出来る筈がなイ」

北条 業「そうですか………」

ジャック「後は、見た奴もいるだろうガ、ルリエの表情に苦痛の表情はなかっタ。血色も良ク、死んだ人間とは思えないナ」

霞ヶ峰 麻衣子「飛田殿とは真逆の状態だったという事でござるか………」

ジャック君が喜屋武さんの状況を説明する。その時だった。

 

 

 

 

 

霜花 優月「血色が良かった………?………なるほど、そういう事ですか」

合点がいったという表情でそう呟いた霜花さん。

相川 凛「霜花さん?何か思いついたの?」

霜花 優月「ジャックさんの『血色が良かった』という言葉で喜屋武さんの死因が分かりました」

ジャック「まさか………そうカ、やはりそういう事だったのカ」

北条 業「私もさっき確信しました。まあ、捜査の段階から疑ってはいたんですけどね」

そして、ジャック君と業ちゃんも同じような表情を見せる。

黒瀬 敦郎「おいおいマジか!?どうして今のジャックの言葉で分かったんだよ?」

銀山 香織「ジャックの発言が………死因を特定する手がかりだった、という事か?」

北条 業「その通りです。ですよね?凛さん?」

相川 凛「へっ!?」

ちょっと!?急に話振られても困るんだけど!というかうちまだ死因分かってないし!

相川 凛「いや、うちまだ死因分かってな………」

北条 業「さっすが凛さん!!まだ分かってない人に気を遣って分かってないフリをしてたんですね!!」

いや違うって。どんな都合のいい解釈してんのさマジで。

柴崎 武史「へぇ〜やっぱり相川サンは優しいッスねー?僕も分かんないんで是非教えてもらいたいッス」

柴崎君はニヤつきながらうちを見る。コイツ………。自分でも分かってるし、うちが分かってない事を知りながら聞いてきやがった。

マジでムカつく。

 

 

霞ヶ峰 麻衣子「相川殿!拙者にも教えて欲しいでござる!」

銀山 香織「相川。実は私もそこまで辿り着いていないんだ。頼む、どうか私にも教えて欲しい」

相川 凛「え…えっと、それは……」

え、ちょっと待って。ここまで言われるとすごく言い出しづらいんですけど。みんなの期待の視線が痛い。これで知らないって言ったら軽蔑されるんじゃないのうち。

北条 業「………………しょうがないですねぇ。じゃあ知らない人達の為にヒントをあげましょう」

相川 凛「え?」

黒瀬 敦郎「いや、凛が今から教えてくれるんだろ?だったらヒントなんていらないじゃねぇか」

北条 業「凛さんの手を煩わせない為です。ヒントは、『喜屋武さんの顔色が良かった事』、そして、『ガスホースが切られた後、部屋はどうなるか』。この2つです。さあ、これでもう分かるでしょう?」

業ちゃんはそう言うと、うちの方を見てふふっと微笑んだ。え?もしかして業ちゃんもうちが分かんない事知ってたの?それであんな事言ったの?

業ちゃんが何をしたかったのか分かんないけど、とにかくここまで言われたんだ。答えを出さないわけにはいかない。

喜屋武さんの顔色と、ガスホースが切られた後の部屋………。それらを組み合わせて考えると見えてくる事実は………。

 

 

 

 

 

 

《喜屋武の死因は?》

 

1 窒息死

2 一酸化炭素中毒←

3 爆死

 

 

これだ!!

 

 

 

 

 

 

相川 凛「喜屋武さんの死因は………、一酸化炭素中毒かもしれない」

万斗 輝晃「なっ………」

霞ヶ峰 麻衣子「一酸化炭素中毒、でござるか!?」

うちがボソリと言った瞬間、周りから驚きの声が広がった。

北条 業「流石凛さん。大正解です」

業ちゃんは満足そうな笑みを浮かべていた。

幸村 雪「………………!!」

柴崎 武史「へぇ………」

黒瀬 敦郎「なんだそれ?いっさんか………なんとかって」

独島 灯里「えーっとねー、なんか煙がもくもくしてる時にー、人がうわーって苦しくなっていくやつだよー」

黒瀬 敦郎「なるほどな!!灯里物知りだな!!すげぇよ!」

独島 灯里「へへっ〜、まーねー。もっと褒めてくれてもいいんだよー」

銀山 香織「独島、言っている事は間違っていないが抽象的すぎる。説明するならもっと詳しく説明してあげてくれ」

万斗 輝晃「でも、そこのヤブ医者は分かって当たり前として、3人はなんで一酸化炭素中毒って分かったんだい?」

ジャック「俺は今決めタ。貴様だけは何があっても絶対に治療してやらン」

万斗 輝晃「ヘッ!!そんなのこっちから願い下げだっつーの!」

北条 業「私は知識として知っていただけですよ。一酸化炭素中毒で死んだ人の顔色はとても良く見えます。これは、人間の血液内にあるヘモグロビンは一酸化炭素が結合すると鮮紅色になるので中毒者は良い顔色に見える、という原理です」

霜花 優月「私は仕事柄、このような死体はいくつか見たことがあるからですが………。一般人である貴方が何故それを知っているのんですか。それとも………ただの一般人ではないのですか?」

北条 業「さぁ、私も記憶がないし、なんとも言えないですね」

霜花さんの問いかけに業ちゃんは肩をすくめる。

千野 李玖「では、相川殿も知識として知っていた、という事ですかな?」

相川 凛「ち、違うよ!うちはヒントから類推しただけ。ガスホースが全部切断されてるって事は、つまり部屋は漏れ出たガスが充満してる状態。もしそんな場所にずっといたら一酸化炭素中毒で死んじゃうんじゃないかって閃いたんだ」

北条 業「凛さんはやっぱりすごいです!!可愛いだけじゃなくて頭もいいなんて!!」

うちはニコニコしている業ちゃんを見る。自分で答えればいいのに、わざわざヒントまで与えてうちに答えさせるなんて………。業ちゃん、一体何を考えているんだろう。あれ?前回の裁判でも同じような事なかったっけ?

 

 

 

 

 

北条 業「さて、では死因も分かった事だし、次は犯人の話をしますか」

業ちゃんは手をパンと叩くと上機嫌な様子でそう言った。

万斗 輝晃「それより、流理恵さんを一酸化炭素中毒死させた方法を議論しなくてもいいのかい?」

北条 業「それは後回しでいいでしょう。今回の事件の場合、犯人を先に突き止めて、そこから手段を考えた方が早いです」

分倍河原 剛「………………その口調だと、北条は犯人が誰か分かっているように聞こえるが」

北条 業「犯人かどうかはまだ分かりませんが、明らかに怪しい人ならいますよ」

黒瀬 敦郎「……流石にオレでも分かるぜ。裁判入ってから様子がおかしいもんな」

北条 業「凛さんも勿論分かりますよね?」

またうちに話を振る業ちゃん。

そう、裁判当初からあの人は何か様子が変だった。柴崎君をやたらと犯人扱いしたり、やけに焦った表情を見せたり………。それに、普段はあんなにお喋りなのに今は極端に口数が少ない。

もしかして……………犯人はあなたなの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怪しい人物を指定しろ!

 

 

 

相川 凛

 

飛田 脚男

 

霞ヶ峰 麻衣子

 

喜屋武 流理恵

 

分倍河原 剛

 

北条 業

 

柴崎 武史

 

錦織 清子

 

千野 李玖

 

霜花 優月

 

 

 

ジャック ドクトリーヌ

 

独島 灯里

 

黒瀬 敦郎

 

中澤 翼

 

幸村 雪

 

万斗 輝晃

 

銀山 香織

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相川 凛「………幸村さん」

その人物、幸村さんは名前を呼ばれた瞬間、顔を真っ青にしながらビクッと体を震わせた。

幸村 雪「………なに、りんりんはウチが犯人だって疑ってるの?」

相川 凛「……それはまだ分からない。でも、裁判に入ってから幸村さんの様子は誰がどう見てもおかしかった。うちは仮に犯人じゃなくても、幸村さんはなんらかの形で今回の事件に関与してると思ってる。だから、幸村さん。もし幸村さんが犯人じゃないのなら、うちらに知ってる事を教えてほしい」

幸村 雪「そんなの………そんなの知らないよ!!うちは、たけくんを見かけたから、怪しいって思ってずっと言ってただけ!それに、焦ってたのだって、きゃべっちを殺した犯人が許せないから………」

相川 凛「幸村さん。うちは別に裁判中の様子だけで幸村さんを疑ってるわけじゃないよ」

幸村 雪「え??」

幸村さんは確か、死亡推定時刻前にある行動をとっていたはず。それは………。

 

 

 

[銀山の証言]←

 

 

 

これだよ!

 

 

 

相川 凛「香織ちゃんって確か、夜の7時頃幸村さんと誰かが口論してるのを聞いたんだよね?」

銀山 香織「あ、ああ。私はその時間個室にいたんだが、中にいても聞こえる程の大声で幸村が怒っているのが聞こえたんだ。最初は止めようかと迷ったんだが、すぐに喧嘩は治まったみたいだったから特に何もしなかったのだが」

幸村 雪「ッ………!!」

幸村さんは明らかに動揺した様子を見せた。

千野 李玖「なるほど。ではその口論した相手が喜屋武殿であり、口論の結果、殺意を抱き、そして殺してしまったという事ですか?」

幸村 雪「ち、違う!!ウチは犯人じゃない!!」

必死の形相で訴える幸村さん。

幸村 雪「そもそも、かおちゃんの証言が嘘かもしれないじゃん!!ウチを犯人にする為についた嘘かも………」

霜花 優月「見苦しいですよ。確かに、銀山さんの証言が本当かどうかは分かりません。ですが、貴方は実際それを聞いてどのような反応をしましたか?」

幸村 雪「そ、それは………!」

霜花 優月「貴方はこれ以上ないくらい動揺していました。これは、銀山さんの証言が本当だと示す何よりの証拠なんですよ」

幸村 雪「………!!」

幸村さんは真っ青の表情のまま固まってしまった。

 

 

 

千野 李玖「これは………もう………」

独島 灯里「幸村さんが犯人で決まりかなー?」

幸村 雪「だから違うんだって!!なんで誰も信じてくれないの!?」

泣きながらみんなに訴える幸村さん。

幸村 雪「ねえ、ジャックきゅんは信じてくれるよね………?」

ジャック「……………!」

幸村 雪「ウチに生きてって言ってくれたじゃん!アレは………嘘だったの???」

ジャック「………………………」

幸村 雪「……!?」

ジャック君は、悲痛な表情で目を逸らした。

黒瀬 敦郎「……もう、見てらんねーよ。いっそこのまま投票した方が………」

 

 

 

 

相川 凛「まだだよ」

幸村 雪「………え?」

相川 凛「まだ、終わってない」

黒瀬 敦郎「終わってないって………。さっき雪を怪しいって言ったのは凛だろ?」

相川 凛「うん。確かにうちは幸村さんが怪しいって言った。けど、犯人だとは一言も言ってないよ。それに、まだ解けてない謎がある以上、幸村さんに投票するのはまだ早いと思う」

北条 業「そうです。凛さんの言う通り、まだ解けてない謎があります。そんな事も分からないなんて、バカ瀬さんは本当にどうしようもないですね」

黒瀬 敦郎「バカ瀬ってなんだ黒瀬だ!!!名前にまでバカってつけるな!!」

柴崎「へぇ〜面白いッスね。じゃあ、相川サンは一体何について気になっているんスか?」

相川 凛「それは………」

幸村さんが犯人だと、説明の付かない事があったはず。

 

 

 

 

《幸村が犯人だと説明の付かない行動は?》

 

・研究教室を爆破すること

・売店まで物を取りに行くこと

・喜屋武の死体をプールまで運び、吊るすこと←

 

 

これだ!

 

 

 

 

相川 凛「もし犯人が幸村さんだけだとしたら、喜屋武さんを殺して、死体をプールまで運んで、さらにそこから死体を5メートル以上ある飛び込み台の上に運んで首を吊らせなくちゃいけないんだよ。この重労働を、幸村さんが1人で出来たとは到底思えないんだ」

北条 業「携帯に入っている私達のデータを見ると、喜屋武さんの身長は163cm、体重は48kg。女子の中では比較的身長は大きい方なので、運ぶのは容易ではないと思います」

霞ヶ峰 麻衣子「でも、難しいけど不可能ではないのでござるよね?なら、幸村殿でも時間をかけてゆっくり運べば………」

霜花 優月「ゆっくり運べば、その分誰かに見つかるリスクが高まります。だから、犯人は悠長に運んでいられないはずなんですよ」

霞ヶ峰 麻衣子「いや、犯人にはその時間があったはずでござる」

霞ヶ峰さんが言ってる時間って、あれのことかな。

 

 

 

 

 

[ロックされたドア]←

 

 

 

これだよ!

 

 

 

 

相川 凛「みんなも知ってると思うけど、爆発が起きた瞬間、全ての扉がロックされて爆発現場の消火活動が終わるまで外に出られなくなったんだ」

ジャック「あア。確かに出られなくなったナ」

霞ヶ峰 麻衣子「そうでござる。犯人は誰も外に出られない時間を利用して喜屋武殿をゆっくり運んだのでござる!」

銀山 香織「だとしても、少しリスクが高すぎないか?もし爆発が起きた時、外にいた人間が他に居たら見られる可能性だってあったはずだ。それに、ロックされた時間は15分だけだ。全ての作業を終わらせる時間としては少し厳しいと思うが………」

霞ヶ峰 麻衣子「そ、そうでござるか。いいアイデアだと思ったのでござるが………」

分倍河原 剛「……幸村は犯人、ではないんじゃないか?」

幸村 雪「………!?」

独島 灯里「そうだね〜。幸村さんじゃあ喜屋武さんを運べないもんねー」

万斗 輝晃「そ、そうだよ!!そもそも雪さんが人殺しなんてするわけがないんだ!犯人は男に決まってる!雪さん、良かったね!疑いが晴れたよ!」

幸村 雪「え………、ホントに………?良かったぁ………」

相川 凛「………………『共犯者』がいたとしたら?」

幸村 雪「………え?」

うちはそこで1つの可能性を思いついた。

ジャック「共犯者、だト?」

相川 凛「うん。確かに幸村さん1人で喜屋武さんを運んで吊るすのはかなり厳しいと思う。けど、もし他に幸村さんに協力した人がいたらどう?犯行は十分に可能だと考えられない?」

千野 李玖「共犯、ですか。ここでまさかの展開ですね」

黒瀬 敦郎「共犯って………そんなのアリかよ!?」

銀山 香織「相川がその発想に至るのは理解出来る。だが、共犯したところで、ここから出られるのは実際に殺人を犯した者のみだった筈だ。だから殺人の幇助は何の得もないという話だった」

北条 業「自分は犠牲になってもいいから、誰かを脱出させたい。そう思う人がいてもおかしくないんじゃないですか?」

柴崎 武史「1番北条サンがやりそうッスけどね〜。ほら、相川サンを外に出す為に共犯する、とかね」

北条 業「はい殺す今すぐ首刎ね飛ばしてやるから動くなよ」

相川 凛「業ちゃん!!殺意抑えて!」

銀山 香織「共犯の可能性か………。一応、議論しておいたほうが良さそうだ」

次は共犯者の有無か。段々と犯人に近付いてた気がする。よし、しっかりと真実を見極めるぞ。

 

 

 

 

 

議論開始!

 

 

銀山 香織「では、共犯の可能性について考えてみよう」

霞ヶ峰 麻衣子「さっき銀山殿も言ってたでござるが、共犯者は殺人を手伝ったとしても外に出られないでござるよ。それを分かってて手伝う輩が、果たしているのでござるか?」

独島 灯里「あれー、でもー前回共犯者になりかけた人が何処かにいなかったっけ〜?」

黒瀬 敦郎「おい灯里!?頼むからそんな目で見ないでくれぇ!!」」

分倍河原 剛「………そもそも、[共犯である証拠はない]のだろう?だったら今回も単独犯なんじゃないか………?」

 

 

 

 

[共犯である証拠はない]←[霞ヶ峰の証言]

 

 

 

 

 

それは違うっ!!!

 

 

 

 

相川 凛「分倍河原君。共犯者がいるっていう証拠はあるんだよ」

分倍河原 剛「………!?」

相川 凛「その前にまずみんなに聞きたいんだけど、この中に『死体発見アナウンス』が流れる前に喜屋武さんの死体を発見した人はいる?いたら手をあげて欲しいんだけど」

霞ヶ峰 麻衣子「はい!拙者がそうでござるよ!!」

手を挙げたのは、霞ヶ峰さん1人だけだった。

霜花 優月「なるほど。これはおかしいですね」

千野 李玖「はて、どこかおかしい点はありましたか?」

黒瀬 敦郎「オレも分からん!!」

独島 灯里「わたしも〜」

霜花 優月「貴方達の記憶力の無さにはほとほと呆れ果てますよ。いいですか、死体発見アナウンスというのは、『犯人以外の3人が死体を発見する』事によって鳴らされるものです。つまり、その3人は犯人ではないと既に証明されているんですよ」

独島 灯里「う〜ん、聞いたことあるような、ないような〜」

銀山 香織「独島、黙って聞け」

霜花 優月「なのに、さっき相川さんが呼びかけた際には3人のうち霞ヶ峰さん1人しか名乗り出なかった。つまり残りの2人は今、無実だと証明出来る権利を放棄したんですよ。それが相川さんが言う、共犯者が存在するという根拠でしょう」

北条 業「共犯という事は、自分は生き残るつもりはないと言っているようなものですから。名乗る必要なんてないんですよ」

千野 李玖「……そうでした。拙僧とした事がすっかり忘れていましたよ」

独島 灯里「思い出したー。そうそう、そうだったよね〜」

黒瀬 敦郎「理解出来たぜ!」

あ。うちが言いたかった事全部霜花さんが喋ってくれた。

相川 凛「霜花さんありがとう、全部説明してくれて。すごく助かった」

霜花 優月「……私に礼を言う暇があったらとっとと共犯者を探し出して下さい………と言っても、ここまで来たらもはや分かったも同然、ですよね?」

幸村 雪「なっ………!?

霞ヶ峰 麻衣子「えぇ!?共犯者が分かったのでござるか!!!」

相川 凛「ええ??」

霜花 優月「なんで貴方まで困惑しているんですか。捜査中に頭でも打ったんですか?どうせ全員にアリバイを聞いたんでしょう。それを使えば該当する人物を絞り込めるんじゃないですか」

霜花さんは呆れた表情を見せる。あ、そうだ。すっかり忘れてた。

霜花 優月「………本当に忘れていたんですか。しっかりして下さい。これは生きるか死ぬかの学級裁判です。気を抜いたら死へ一直線ですよ」

相川 凛「………そう、だね。ありがとう、霜花さん」

そうだ。これは学級裁判。間違えればうちらシロが全員死ぬ。気を抜いていい時間なんかないんだ。

さて、うちは捜査時間にアリバイを確かに全員分聞いた。それは………。

 

 

 

 

[それぞれのアリバイ]←

 

 

 

 

これだよ!

 

 

 

相川 凛「うち、捜査時間に全員のアリバイを聞いておいたんだ。これと、今までの議論で分かった事を組み合わせれば共犯者を絞り込めると思う」

北条 凛「素晴らしいです!!!!凛さんはホントに何でもこなす、スーパーウーマンですね!惚れ直しちゃいますー!」

霜花 優月「アリバイを聞いただけでしょう。うるさいですね貴方は」

北条 業「は?」

独島 灯里「まあまあ落ち着いてー。それよりー、アリバイって〜?」

相川 凛「うん、アリバイっていうのは………」

うちは改めて自分でメモしたアリバイを確認する。

 

 

 

 

 

20:25頃

黒瀬、独島、万斗→食堂

相川、霜花→保健所

分倍河原、幸村→トレーニングルーム

柴崎→不明

他→アリバイなし

 

爆発時

黒瀬、独島、万斗→食堂

相川、霜花→保健所

柴崎→不明

他→個室(点呼時に全員確認)

 

 

  

 

 

 

 

相川 凛「順番に説明していくね。まず、死亡推定時刻、そして爆発時の両方に確固たるアリバイがある人がいるんだ。それは……」

 

 

 

 

・相川、 霜花

・黒瀬、 独島、万斗←

・柴崎 、北条

 

 

 

 

 

これだよ!

 

 

 

 

 

 

相川 凛「黒瀬君と独島さん、それに万斗君はずっと3人で食堂にいたんだ。だからそれぞれがアリバイの証人になる。つまりこの3人は犯人にも共犯者にもなり得ない」

万斗 輝晃「凛さんの言う通り、ボクと灯里さんはずっと食堂にいたんだ。2人で、そうとても甘〜い時間を過ごしてたのさ」

黒瀬 敦郎「おい待て!!オレを忘れてるじゃねぇか!?」

万斗 輝晃「ハッ!!てめぇみたいなデカブツ、ボクは一切知らな……」

独島 灯里「黒瀬くんもちゃんといたよ〜。わたしがこの千里眼でちゃんと見たから間違いないよー」

万斗 輝晃「ああっ!?何でそんな事言っちゃうのさ灯里さん!?」

独島 灯里「万斗君と2人きりとか万が一にもあり得ないからねー」

万斗 輝晃「万が一にも!?」  

 

 

 

相川 凛「は、話を戻すね。それで次なんだけど、実は他の人達は確実なアリバイはなかったんだ」

幸村 雪「な、何言ってるの!?ウチとフランケンにもあるよ!!」

分倍河原 剛「……死亡推定時刻の時、俺と幸村は一緒にトレーニングにいた。相川にもさっき伝えたはずだが……」

相川 凛「共犯者の存在が明らかになった以上、たとえ2人で一緒にいたとしても完璧なアリバイとは言えないんだよ。それは、うちと霜花さんも同じだけどね」

霜花 優月「……………」

北条 業「え?凛さんどういう事ですか?もしかして霜花さんと一緒にいたんですか?????」

相川 凛「え、えーっと………」

霜花 優月「私と彼女は色々あって保健所にずっと一緒に居たんですよ」

北条 業「え何ですか色々って。凛さん、どういう事ですか?」

業ちゃんが鬼の形相でうちを見てる。

霜花 優月「貴方が絡むと本当に会話が停滞しますね。少し自重してもらえませんか?いい加減鬱陶しいです」

北条 業「いやなんで霜花さんに指図されなくちゃいけないんですか私は凛さんに聞いてるんです邪魔しないでください」

相川 凛「ちょっとストップ!!2人とも落ち着いて!」

バチバチと火花を散らしている2人を仲裁する。この2人、こんなに仲悪かったっけ?

 

 

 

 

銀山 香織「それで、ひとまず3人共犯者候補から除外出来たが、ここからどうやって絞り込むつもりだ?」

相川 凛「うん、ここからは『共犯が可能かどうか』について話していくね。さっきも言ったと思うけど、仮に幸村さんが犯人だとすると、共犯者は必ず喜屋武さんを運ぶのを手伝った、もしくは1人で運んだ筈なんだ。だからそれが不可能な人は共犯者から外れると思う」

ジャック「でハ、力の無い者には無理だという事カ」

相川 凛「まあそれもそうだし、うちは服装も関係してくると思ってるんだ」

黒瀬 敦郎「服装?服装って関係あんのか?」

相川 凛「うん。だって今までの議論だと、喜屋武さんは刺されてから運ばれたわけっていう話でしょ?しかも刺された傷はかなり深かった。血だって相当出たはずだよ。だったら運ぶ際、血が服に付着すると思うんだ」

霞ヶ峰 麻衣子「言われてみれば、そうでござるな………」

相川 凛「その点から考えると、千野君、それに香織ちゃんは共犯者ではないと思う」

銀山 香織「………私か?」

千野 李玖「拙僧も候補から外してもらえるのですか」

相川 凛「2人は着物を着てるでしょ?今回は時間的にシビアだから、もし着物に血が付いたとしても着替える時間がないんだよ。それにさ………2人とも、朝からずっとその着物だよね?」

銀山 香織「よく見てるな………。そう、相川の言う通り、私は今朝からずっとこの着物だ」

千野 李玖「拙僧も今日は着替えていません。いやはや、相川殿の観察眼は目を見張るものですな」

相川 凛「いや、たまたまだよ……」

 

 

 

 

 

独島 灯里「んー?じゃあさー、犯行前と後で格好が変わってる人が犯人ってことー?」

すると、独島さんの一言で裁判場が一瞬で沈黙に包まれた。

独島 灯里「………………あれー?わたし、何かおかしなこと言ったー?」

銀山 香織「いや、その通りだ。犯人、もしくは共犯者が喜屋武を運ぶ際に付いた血を誤魔化す為には着替えるしかない」

黒瀬 敦郎「でもよ、服変わってるやつなんかいるか?」

うちらは周りを見渡す。

うちはその瞬間、気がついてしまった。

霞ヶ峰 麻衣子「う、嘘でござるよ……」

千野 李玖「……そうですか。貴殿が……」

黒瀬 敦郎「おい、嘘だろ………。嘘だって言ってくれよ……」

みんなも気がついたみたいだ。

喜屋武さんを運べる体格を持ち、かつ運動能力も高い。

そして明確なアリバイも存在せず、事件前と後で服装が変わっている人物。

これら全てに該当する人はこの人しかいない!

 

 

 

 

 

 

 

怪しい人物を指定しろ!

 

 

 

相川 凛

 

飛田 脚男

 

霞ヶ峰 麻衣子

 

喜屋武 流理恵

 

分倍河原 剛

 

北条 業

 

柴崎 武史

 

錦織 清子

 

千野 李玖

 

霜花 優月

 

 

 

ジャック ドクトリーヌ

 

独島 灯里

 

黒瀬 敦郎

 

中澤 翼

 

幸村 雪

 

万斗 輝晃

 

銀山 香織

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相川 凛「………分倍河原君。共犯者はあなたじゃないの?」

分倍河原 剛「………………………………」

先程から沈黙を貫いている分倍河原君は、名前を呼ばれても黙ったままだった。

幸村 雪「なんでよ!?なんでフランケンが共犯者なの!?」

相川 凛「さっき言った通りだよ。共犯者になりうる人は、喜屋武さんを運べる体格と運動能力を持っていて、かつちゃんとしたアリバイがなくて服装が変わってる人。全部条件を満たしてるのは分倍河原君しかいないんだよ」

霞ヶ峰 麻衣子「確かに、分倍河原殿は身体も大きいし、服装も普段着から道着に変わっているでござるが……」

黒瀬 敦郎「剛、本当なのかよ。共犯者って話」

分倍河原 剛「………………」

黒瀬 敦郎「答えろよ!!!テメェが流理恵をあんな風にしたのかよ!!!!」

分倍河原 剛「……………………」

霜花 優月「黙秘ですか。往生際が悪いですね」

相川 凛「分倍河原君、あなたは間違いなくこの事件に関わっている。共犯者なのか、それとも………犯人、なのかは分からないけど。とにかく、正直に話して欲しい。うちは、もう誰とも争いたくないんだよ」

 

 

 

 

 

「ウチの激運見せてやる!!!!」

 

 

 

 

 

反論!!!!!

 

 

相川 凛「幸村さん!?」

幸村 雪「なんでみんなりんりんの事ばっかり信じるの!!ウチは………ウチはまだ認めない!!フランケンは絶対に共犯者でも犯人でもない!」

幸村さん……なんでそこまでして分倍河原君を庇うの……??

とにかく、今の幸村さんには生半可な説得は通用しない。

確固たる証拠を見せないと!

 

 

 

 

反論ショーダウン開始!

 

 

 

「りんりんはフランケンだけが当てはまるって言ってるけど、身体のデカさだったらあっくんだって当てはまるじゃん!」

 

 

「それに他にもちゃんとしたアリバイがない人だっているし、」

 

 

「フランケンだけ責めるのはどう考えてもおかしいんだよ!!」

 

 

 

 

発展!

 

 

 

 

『確かに黒瀬君は身体も大きくて身体能力も高いから喜屋武さんを運べるけど、彼には完璧なアリバイがあるから無理なんだ。それに、他のアリバイがない人と比べてもやっぱり分倍河原君が一番共犯者の条件に合致してるんだ。だから分倍河原君を疑わざるを得ない状況なんだよ』

 

 

 

 

「うるさいうるさいうるさい!!ウチは絶対認めないから!」

 

 

 

 

「だいたいフランケンが共犯者だっていう[明確な証拠がないじゃん!それなのに疑うなんて最低だよ!りんりんのバカ!まぬけ!!おたんこナス!!」

 

 

 

 

[明確な証拠がない]←[ダイイングメッセージ]

 

 

 

 

その言葉、斬らせてもらうよ!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

相川 凛「さっきうやむやになっちゃったけど、準備室のダイイングメッセージがあったでしょ?これが大きな手がかりになると思う」

幸村 凛「で、でもさっきこれは誰かの捏造かもしれないって」

相川 凛「うちも最初はそう考えてたけど、あのダイイングメッセージの意味が分かったら、あながち捏造でもないんじゃないんかって思えてきたんだ」

柴崎 武史「へぇー。あのダイイングメッセージをヒントなしで解いたんスか。流石超高級の外国語研究家ッスね。少ーしだけ尊敬したッスよ」

相川 凛「偶々だよ。というか、別に特別な外国語の知識は必要なかったし」

柴崎 武史「で、そのメッセージの内容はなんだったんスか?」

心底楽しそうな表情でそう尋ねる柴崎君。

その表情が非常に癪に触ったが、今はアイツに構ってる暇はない。後で聞かなくちゃいけない事が山程あるけど。

相川 凛「みんな、今一度さっきのダイイングメッセージを見て欲しいんだけど」

うちは、ダイイングメッセージが書かれた紙を広げた。

 

 

 

 

 

「TはKaであり、NはGである」

 

 

 

 

霞ヶ峰 麻衣子「うーん、何度見てもさっぱり分からないでござるなぁ」

黒瀬 敦郎「見てるだけで頭が痛くなりそうだぜ」

北条 業「というか、あなたアルファベット理解出来るんですか?」

黒瀬 敦郎「バカにするのも大概にしろよ!?ちゃんと全部覚えてるわ!ABCDEFGHIJKえる、……ん?えむだっけ?いや、えぬか?

まあどれかだろ!」

北条 業「……聞いた私がバカでした」

銀山 香織「解読するのに特別な知識は必要ない、と言っていたが………」

相川 凛「うん。多分中学1年生くらいだったら余裕で解けちゃうレベルだと思う」

銀山 香織「本当か!?………その程度の問題を解けないとは、少し傷つくな……」

相川 凛「いや、これは閃きの問題だよ。なぞなぞと同じ原理」

そう言って、うちは文字を指差す。

 

 

 

相川 凛「まず、初めにこの『NはGである』なんだけど、これは【犯人の下の名前】を示してるんだよ」

ジャック「その根拠はなんダ?」

相川 凛「Nは『Name』の頭文字。つまり人の名前を表しているって事。

だから、この一文は【名前は、〜である】って言ってるんだ」

千野 李玖「では、名前の頭文字に『G』が付く方が犯人であると、相川殿は言いたいという事ですかな?」

相川 凛「そうだよ。そして名前の頭文字に『G』つく人は分倍河原、あなたしかいない」

分倍河原 剛「………………………」

柴崎 武史「なるほどねぇ……」

幸村 雪「待って!その『G』が下の名前じゃなくて苗字を示してるのかもしれないじゃん!!そしたらフランケンは当てはまらないよ!」

独島 灯里「えーっと、苗字の頭文字がGの人はー………」

全員の視線が香織ちゃんに向く。

銀山 香織「………全員でこちらを見ないでくれ。私もそのくらいは理解している」

幸村 雪「ほら、かおちゃんしか居ないじゃん!!これってもう……」

相川 凛「うん、確かにこの『Name』が苗字を示すか下の名前を示すかは分からない。けど、だったらもう一個の文を見ればいいんだよ」

うちは、もう一つの文を指さした。

 

 

 

相川 凛「この文は『Tはka』って書いてあるけど、これは多分、【超高級の才能】が何かを表していると思う」

北条 業「才能、ですか。これもさっきと同じで頭文字を表してるんですか?」

相川 凛「そう。才能は英語で『Talent』。つまり才能の頭文字が『Ka』の人だよ」

霜花 優月「Ka………【空手家】。貴方の才能ですよね?分倍河原さん」

分倍河原 剛「……………………」

幸村 雪「ち、違う……、違うんだって………」

霜花 優月「どこが違うんですか。体格、服装、ダイイングメッセージ。全てが分倍河原さんを示しているんですよ」

幸村 雪「違うんだよ………」

霜花 優月「ハア………本当に往生際が悪いですね。というか、誰も言及をしないので言いますけど、………………何故貴方がそこまで取り乱しているんですか?」

幸村 雪「えっ………!?」

幸村さんは今までで1番の焦りを見せた。

霜花 優月「貴方が自分だけでなく分倍河原さんを何故そこまで庇うか、と聞いているんですよ」

万斗 輝晃「仲間である共犯者を庇うのは当然のことじゃないかい?」

霜花 優月「仮に幸村さんが犯人だとしたら、自分が犯人だとバレない為にむしろ分倍河原さんに罪を擦りつけようとするでしょう。処刑されるのは犯人だけなんですから。共犯者を庇ってもなんの得もありません」

北条 業「もしかしたら共犯関係が逆なのかもしれませんね」

銀山 香織「分倍河原が犯人で幸村が共犯者、という場合か。……なるほど、確かにそれなら幸村の言動に説明が付くな」

黒瀬 敦郎「じゃあ、剛が喜屋武を殺したって事かよ………」

千野 李玖「そして、幸村殿は、分倍河原の殺人の幇助をした共犯者である、と」

幸村 雪「ウチは………………」

北条 業「もういい加減認めてもらえませんか?あなたが共犯者で分倍河原さんが犯人なんですよね?」

幸村 雪「……………………」

幸村さんはついに黙ってしまった。が、その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

分倍河原 剛「幸村、もういいぞ。()()()()()、上出来だァ」

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

………………え?

 

 

 

 

 

分倍河原 剛「………ハッ、」

 

 

 

 

 

分倍河原 剛「フハハハハハハハ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勘弁してよ。

 

この展開、前回の裁判と全く同じじゃん。

 

正直信じたくなかったのに。

 

寡黙だけど、誰よりも強い正義の心を持っていたあなたが

 

 

 

 

 

どうしてそんな邪悪に満ちた顔で笑っているの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生存者

 

 

 

LA001 相川 凛《外国語研究家》

⁇002 霞ヶ峰 麻衣子 《動画投稿者》

⁇003 喜屋武 流理恵 《調理部》

SA004 銀山 香織《棋士》

⁇005 黒瀬 敦郎《バスケ部》

⁇006 柴崎 武史《歴史学者》

⁇007 霜花 優月《狙撃手》

⁇008 ジャック ドクトリーヌ 《医者》

⁇009 千野 李玖《茶人》

MC010 独島 灯里《サブカルマニア》

⁇011 飛田 脚男《バイク便ライダー》

⁇012 中澤 翼 《フットサル選手》

⁇013 錦織 清子《テニスプレーヤー》

⁇014 分倍河原 剛 《空手家》

⁇015 北条 業 《???》

⁇016 万斗 輝晃 《情報屋》

⁇017 幸村 雪 《激運》

 

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