「明智」
「どうしたのかね、銀山香織クン」
「確かに、急遽現れたキミの個室が用意されていない事を心配して私の部屋に泊まればと提案したのは私自身なのだが………」
「そうだな。心優しいキミはワタシに寝床を提供してくれた。ワタシはとても感謝しているよ。やはり持つべきものは友だな」
「かといって、そこまでダラダラ寝転がられると私も文句を言わざるを得ない」
「ん???」
明智は自覚がないのか不思議そうな表情を私に向ける。
モノカバが明智の部屋を用意するまでの間、私は明智を自分の個室に泊める事にした。流石にもう一度牢屋で寝ろと言うのは酷だし、何より私達の一員となった明智には学則がしっかり適用される。学則では個室以外での就寝は処罰の対象となっているから、このままでは寝る場所のない明智が処刑されてしまう可能性があった。だから私の部屋に招き入れたのだが………。
明智は今、私のベットに寝っ転がった状態でスナック菓子をバリボリと食べている。しかも私の部屋にあった本を見ながらだ。女として非常にはしたない行為である事は言うまでもないだろう。
しかも、食べ方も決して上品ではない為スナック菓子のカスがベットに大量に落ちてしまっている。これでは掃除をしないと寝れない。
「キミは女としての自覚はないのか!?なんだそのぐうたらした姿は!!」
私は我慢の限界に達した。
「いいじゃないか。ここは個室だぞ。誰もワタシの行為など見てはしないだろう」
「私が見ているんだ!いいからまずそこを退いてくれ!!スナック菓子のカスを掃除しなければ」
「お堅いなぁ銀山香織クンは。………おいおい、ワタシを持ち上げるのはいいがそっと扱ってくれたまえ。世界に誇る頭脳を持つワタシが傷ついたら日本にとっては大損害だからな」
私はペラペラと喋る明智を持ち上げて別の場所に移動させた。やはり軽い。身長が私達の中で1番小さいからか。
「それとスナック菓子は私の部屋で食べるのは禁止だ。外で食べてくれ」
「……キミはそんな堅い考えを持って息苦しくないのかね。もっと自由に生きてもいいと思うが。ほら、このスナック菓子を1つあげよう。中々侮れない味だぞ」
「君が自由すぎるんだ!!スナック菓子なぞいらん!!」
私は、自由奔放な明智麻音という少女に先程から振り回されっぱなしだった。
話は明智と牢屋で出会った時まで遡る。
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「超高校級の………探偵だと?」
「そうだ。キミ達の希望の光となる存在、それがこのワタシだ」
目の前にいる明智麻音と名乗るその少女は、胸を張りながらそう言った。
「待て待て待て!!じゃあテメェもオレらと同じ希望ヶ峰学園の生徒だって事か!?」
「ああ。正確には希望ヶ峰学園の生徒だった、という言い方のほうが正しいな。ワタシは今高校生ではないからな」
「あ?今は高校生ではない………?」
「少し黙っていロ筋肉バカ。それよりも貴様に聞きたい事があル」
「……何かね、ジャック・ドクトリーヌクン。ワタシに答えられることであればいいのだが」
「貴様、どうやら記憶を消されてないようだガ……。何者ダ?」
「ええー!何で記憶を消されてないって分かるのー?」
「ハァ………、いいカ、まずコイツは先程の会話で筋肉バカの名前を知っていタ。それに今コイツはハッキリと『希望ヶ峰学園の生徒だった』と答えタ。つまりコイツは俺達の消された希望ヶ峰学園で過ごした3年間を覚えているという事ダ」
「なるほどねー。そういえばわたしたちのこと初めて見たって感じじゃなかったしー」
「で、どうなのでござるか、明智殿」
「ふむ、ではキミ達の記憶が消えているという予想は当たっていたという事か………。なら何故ワタシだけ記憶がある?記憶を消すのはその記憶があると黒幕にとって都合が悪いからである筈。なのにワタシだけ消さないのは………」
「あ。また拙者らの話を聞いてないでござる」
「おい!聞いてんのか!?」
「………ああ、すまない。また考え込んでしまった。………その通り、ワタシはキミ達を知っているし、それをしっかりと記憶している。何故ならキミ達とは希望ヶ峰学園での同級生だったからな。キミ達がワタシと初対面だと言った瞬間分かってしまったよ。キミ達の記憶が消されていて、ワタシだけがキミ達を覚えているという事実をな」
明智は少し寂しそうに俯きながら言った。
気丈に振る舞っている彼女ではあるが、私達に忘れられていたという事実はなかなか堪えるものがあるのだろう。
「すまない。君という存在を忘れていたという無礼は謝罪する。だが、私達の記憶がすっぽり抜けてしまっているのも事実だ。だから君には私達が忘れた希望ヶ峰学園での記憶について教えてもらいたい。そしてここから脱出するために協力してはもらえないだろうか。私達はここを脱出するためにひとつでも多く手掛かりが欲しい状況なんだ。どうか頼む」
私は明智に向かって頭を下げる。………正直、明智がこの提案に乗ってくれる確率は五分五分だと思っている。この提案、明智には何もメリットがない。私達と協力せず独自にここを調べ脱出するという選択肢もあるし、何より明智はどうも団体行動は苦手なタイプだと思われる。が、
「変わらないな、キミも。誠実なのは昔からということか」
「え?」
「まず、キミ達がワタシを覚えていない事についてキミが謝罪する必要はない。キミ達はどこぞの悪党に記憶を消された被害者なのだろう。なら謝るな。不必要な行動はするべきではない」
明智は真剣な眼差しで私を見ながら言った。
改めて見ると非常に鋭い眼光だ。まるで心の中まで見透かされているような、そんな感じがする。
「あ、ああ………」
「あと協力の件だが、喜んで受けさせてもらう。寧ろワタシのような得体の知れない人間に対して協力を持ちかけてくれるなどワタシがお礼を言いたいくらいだ。感謝する、銀山香織クン」
「え!?」
私は思わずそう聞き返してしまった。これ程あっさり承諾するとは思わなかった。
「協力して、くれるのか……?」
「ん?ワタシがキミの提案に乗ったのがそこまで不思議かね?」
「てっきり拒むと思っていた。失礼だが君は他人と協力するのを好まない性格だと思っていたからな」
「まさか。ワタシは確かに単独行動を好むが状況次第では他人と協力することも厭わない。ワタシはパーフェクトな人間ではあるが、それでも1人ではどうしても出来る事に限界があるからな。今がまさにその時というわけさ」
「そうか………ありがとう」
私は明智という人間を少し誤解していたのかもしれない。彼女は……とても思慮深い人物だ。
「………その提案、私は賛成しかねますな」
しかし、私の提案に異を唱える者がいた。先程から険しい顔をしている千野だ。
「千野くんー、難しい顔してるけどどうしたのー」
「…………皆さんはその方を信用出来るのですか?」
「信用、でござるか?」
「左様。申し訳ないが拙僧はこの方は黒幕か、もしくはそれに近しい人物ではないかと疑っております。どうにも出来過ぎている気がしてならないのです。1人だけ牢屋に閉じ込められ記憶は消されておらず、しかもこのコロシアイには途中参加。これでは明智殿はここでモノカバの操作をしていた黒幕ではないかと考えざるを得ません」
「俺もリクに賛成ダ」
ジャックも千野に同意する。
「ジャックきゅん………」
「君もか、ジャック」
「特別根拠があるわけじゃないがナ。全てがうまく行き過ぎていル。それにコイツはどうも胡散臭イ」
「随分と酷い言い草じゃないか。まあそれもキミらしいと言えばそうだがね」
確かにこの2人の言うことは正しい。明智だけ記憶が残っているというのは不自然だ。だが、それだけで彼女を敵だと認定してしまっても良いのだろうか。
…………相川、君だったらどうする。君がここにいればどのような判断を下す。
「ボクも………彼女をすぐ仲間に迎え入れるのはどうかと思う。麗しきレディーだし信じたいのは山々なんだけど」
「オレは信じるぜ。麻音の目を見て分かった、コイツは多分嘘はついてねー」
「拙者は………少し信じてみるでござる。疑うばかりでは始まらないでござる故」
「信用なんて出来るわけないじゃないッスか。どう考えてみる怪しいッスよこの人。普通に黒幕説あるんじゃないッスか」
「ウチは………信じる!!みんなと一緒に闘うって決めたから…」
「………好きにしてください」
「わたしはどちらでも〜。みんなが迎え入れるならそうするしー、そうじゃないからわたしもそれに従うよー」
意見は2つに分かれてしまった。
この場合、私はどうすればいいのか。未熟ながら今まで錦織の代わりにまとめる役割を担ってきたが私にはこういう役割は向いていない。人と関わる経験が少ない私がこのようなリーダー役をうまく出来る筈がない。
「当事者のワタシが意見するのもなんだが、こういうのはどうだ?明日からワタシがキミ達のグループに入る。そこでワタシはキミ達に認められるようそれ相応の働きをして見せよう。もちろん、監視付きで構わない。監視が付いていれば仮にワタシが怪しい動きをしてもすぐ捕まえて縛れるだろう。………これでどうかね?」
すると、明智本人から妥協案が出された。監視付きか。確かにこれなら明智を仲間に入れつつ見張りもすることが出来る。
「……いい案だ。明智をまだ信用出来ない者もいるだろうが、一旦これで納得してはもらえないだろうか?私はここが落としどころだと思う」
私はそう呼びかける。
「………それでいイ。この話は終わりダ」
「ジャック殿!?」
「監視があるならコイツも下手な真似は出来ないだろウ。なら俺から言う事は無イ。寧ろグダグタとこの話を続ける方がナンセンスダ」
「ボクもヤブ医者に同意だよ。麻音さんを敵か味方か見定めるにはこれが1番だと思う」
「ふむ、情報屋であるキミに見定めてもらえるとは光栄だな。じっくりワタシを観察して情報を選別してくれたまえ」
「え!?いいの!?ならまずキミのマントに包まれた起伏のない綺麗な体を見せて………グエッ!?」
「はいはい調子に乗らないー」
破廉恥な発言をした万斗を独島が拳で殴る。良くやった。
「………分かりました。皆さんがそう言うのであれば拙僧も引き下がりましょう」
「すまないな、千野」
「………いえ、拙僧も少し焦ってしまいました。もしかしたら2度の裁判で少し疑心暗鬼になっているのかもしれませんな」
千野が疲れた様子を見せる。そうだ。私達は2回目の学級裁判を終えてここに来ているのだ。精神が疲弊していてもおかしくない。それにここまでで既に4人犠牲者が出ている上に分倍河原がスパイだと判明したのだ。
「皆、ひとまず今日は解散しよう。裁判の後だし疲れている者も多い筈だ。これからの話や情報交換は明日でいいだろう」
私がそう提案すると多くの者が頷いた。
「終わったッスか?じゃあ僕帰るんで。ああ、後今まで通りアンタ達と行動する気は無いんでそこんとこよろしくッス」
するも柴崎はそう言い残してさっさと出て行ってしまった。
「あの野郎………」
「協調性が皆無でござる。さっきの裁判だと拙者らの味方でござったが」
「……俺も部屋に戻ル。カオリ、明日の朝の集合は8時でいいんだろウ?」
「ああ。いつもと同じだ」
「分かっタ」
ジャックも牢屋に出て行った。そして他の者も続いて出て行く。
そして牢屋に残ったのは私と明智の2人だけとなった。
「明智。とりあえず君は私の部屋に来るといい」
私はそこで明智に1つ提案をした。
「キミの部屋にかね?」
「ああ。私達は一人ひとり個室が与えられているがキミの個室は恐らく無い。だからモノカバに頼む事になるが今日中になんとかするのは難しいだろう。だからひとまず今日は私の部屋に泊まっていってくれ」
「ふむ、ではお言葉に甘えてそうさせてもらおう。いい加減牢屋での寝泊まりにうんざりしてたとこなんだ。それに………キミには聞きたい事が山ほどあるしな」
明智はそう述べ提案を承諾した。
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「よし、片付いたな」
明智の散らかした菓子のゴミは綺麗に掃除出来た。後は………。
「どちらがベットに寝るか、かね?」
私の考えを察したのか、明智はベットを見ながら言った。
「そうだ。ここは個室であるからベットは当然1人用だ。ならもう1人はどうすればいいか。それは自ずと決まっている」
「地べたに寝るという訳か。ふむ、ここは本来居候の身であるワタシが地べたに行くべきであろうが……」
すると明智は目の前に拳を突き出してきた。
「ここは平等にじゃんけんで決めようではないか」
「君は遠慮というものを知らないのか………」
「ワタシは自分の欲望のままに生きる人間なんだ。悪いがここで退くわけにはいかないのだよ。ワタシはふっかふかのベットでゆっくり休みたい。それが本音だ」
「はぁ………。分かった。なら君がベットを使うといい。私は地面に布団を敷いて寝る」
私は正直どちらでも良かったので明智にさっさとベットを明け渡そうとする。ここに来るまでは普通にベットではなく布団を敷いて寝ていたから慣れているし、何より明智とこれ以上問答を交わす気力も無かった。
「いや、それは駄目だ」
「………?」
しかし明智はそれを拒んだ。私は意味が分からず明智の顔を見る。
「ワタシは遠慮はしないとは言ったが礼儀は重んじる主義でな、流石に無条件でベットを頂くという行為はワタシを泊めてくれるキミへの無礼に当たる。だから正々堂々勝負を付け、双方が納得する形を取るべきだとワタシは考えている」
「いや待て、まず遠慮しないのに礼儀は重んじるというのは矛盾している気がするのだが………」
「細かい事は気にするな。ほら、キミもさっさと構えたまえ。1回きりのベット争奪じゃんけんだ」
張り切った様子で腕を捲る明智。………何故そこまでウキウキしているのだろうか。………言動は大人びているが、妙なところで子供のような一面もあるみたいだ。
「………分かった。ではいくぞ。じゃんけん…」
「すまないな。完璧な人間であるワタシはどうやら運も強いみたいだ」
「………………」
明智はベットの上でニヤニヤしながら下で布団を敷いている私を見ている。………流石に腹が立つな。
「あのな………」
「済まない、少しからかいすぎたな。許してくれ」
私が立ち上がって文句を言おうとすると、明智は先にそう謝ってきた。そして天井に向かって仰向けになる。
「明智………?」
「久しぶりなんだ、こうして同級生と会話をするのが。だからつい嬉しくてキミをからかってしまった」
天井を見つめながらそう呟く明智。
「そうだったな。君はずっと牢屋に………」
「ああ。………まさかこんな場所で再会するとは思わなかったが。会うなら同窓会で会いたかったよ」
「そうだな。こんな場所で出会ってもコロシアイをさせられるようでは無意味だ」
「…………どうせなら彼女にも会いたかった」
「彼女?」
私は思わず聞き返す。
「…………一番仲良しの生徒がいたんだ。彼女はワタシの助手としてずっとワタシの事をサポートしてくれたのだが………今はワタシの元を離れてしまった」
「離れた?喧嘩でもしたのか?」
「喧嘩………というより方向性の違いから生じる見解の相違が原因だな。そもそもワタシの目指すものと助手の目指すものが違ったのさ。そしていつの間にかワタシと助手の間には埋めきれない程の溝が出来てしまっていた。助手は私に愛想を尽かして姿を消してしまったよ。……ワタシが助手の気持ちに気がついていればこんな事にはならなかった。今も後悔しているよ」
先程の表情とは一転、寂しそうに言う明智。
「そうだったのか。ちなみにその助手の名前は何というんだ?まあ聞いても私が覚えている可能性は低いと思うが」
私は興味本位で聞いてみた。
「助手の名前は………相川 凛」
…………………………え?
今ここに来てからよく聞く名前が聞こえたのたが。
「相川…………凛だと?」
「ん?もしやこの名前に聞き覚えがあるのかね?」
「あるも何も………相川もこのコロシアイの参加者だ」
私は声を震わせながら事実を伝える。
「なんだと!?」
明智はベットから飛び起きた。その表情は目を見開き驚愕を露わににしている。
「それは本当なのか!?」
「この状況で嘘は言わない。相川凛という少女は間違いなくこのコロシアイに参加している」
「だが、さっきは助手らしき人物の姿は見当たらなかったぞ。助手は一体どこにいるのかね?」
明智に詰め寄られた私は深く息を吸うと、
「…………それも含めて君に話さなくてはならない事がある。君が牢屋にいる間何が起きたのかについてだ」
私は明智にここで目を覚ましてから今までの中で起きた出来事を包み隠さず話した。
生徒同士のコロシアイを強要されている事。
錦織が学則違反で処刑された事。
飛田が中澤に殺され、その中澤が学級裁判で糾弾されオシオキによって死んだ事。
分倍河原がスパイと判明して、その分倍河原が喜屋武を殺害しようとした事。
そして喜屋武が自分の命を犠牲にして私達の命を守った事。
相川が霜花を庇いオシオキを受け意識不明の重体だという事。
その相川は現在行方不明だという事。
「そうか………では既にワタシを含めた参加者のうち、錦織清子クン、飛田脚男クン、中澤翼クン、喜屋武流理恵クンの4人が死亡、そして助しゅ…….相川凛クンが行方不明だと」
「その通りだ」
「そうか………」
明智は深いため息をついた。そのため息は4人の者が犠牲になり状況が悪化している事に対する消沈か、それとも相川が生きている事に対する安堵か、それとも両方か………。
「後さっきいなかったのがスパイである分倍河原と北条 業という少女だ。彼女は記憶喪失でまだ自分の才能を思い出せていないらしい」
「北条、業………?」
明智は首を傾げる。
「そのような名の生徒はいたか………?」
「単に面識がなかっただけじゃないのか?」
「いや、ワタシは同級生の名は全て把握している。記憶力には自信があるのだ。天才だからな」
笑いながら言う明智。だが妙だ。明智の言うことが本当なら北条は希望ヶ峰学園の生徒ではなかったという事になる。では彼女は一体何者なのだろうか。
「しかし馬鹿げているな。記憶を消してコロシアイをさせるなど、人間としてあるまじき行為だ」
そして明智は憤慨した様子を見せた。
「だがワタシの当面の目標は決まったぞ」
「決まった?」
「ああ。まずは助手をあの忌まわしきカバ畜生から取り返す。そしてキミ達生徒からの信頼を得る」
「そうだな。まずは相川を見つけよう」
相川は私達にとって必要不可欠な存在なのは間違いない。二度の裁判を乗り越えられたのも相川の力があったからだ。
「よし、そうと決まればまずは気力をつけなければ。今日はもう寝るぞ、銀山香織クン。夜更かしは元気の大敵だ」
「それを言うなら『夜更かしは美容の大敵』だろう?」
「細かい事は気にするな。ではお休み、私達のリーダー」
そう言って明智は布団に潜ってしまった。そしてすぐ寝息を立て始める。
「はぁ………」
そうか、明日から明智が加わるのか。ただでさえ個性の強い者が揃っているのに個性の塊とも言える明智が入ると一体どうなってしまうのか。変なトラブルが起きなければいいのだが。
リーダーという存在は難儀なものだな。これを軽々と自然にやってのけていた君を私は本当に尊敬するよ、錦織。
彼女、銀山香織には次々と試練が訪れる。それが終わるのは一体いつになるのであろうか。