ダンガンロンパ キャンパス   作:さわらの西京焼き

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思っていたよりも早く投稿出来ました。
かなりグダグダな文章になってしまったので読みづらいかもしれません。大変申し訳ない。
あと、まだ、全生徒の半分しか出てきません。



プロローグ2

教室を出るとまず目に付いたのは高級感のあるホテルの様な廊下だった。壁にはシミひとつなく、廊下には埃などのゴミが全く落ちていない為、とても清潔に保たれている事が分かる。だが、薄暗い照明と人が誰もいないせいで少し不気味に見える。

「あ、どうやらあそこに校内の地図が貼ってあるみたいすよ」

うちが廊下を見渡していると、柴崎君は貼ってある大きな地図を見つけ近づいていったので、うちもそれに続く。

すると、先に地図を見た柴崎君の表情が固まっているのに気がついた。無表情なので、何を考えているのか相変わらず分からないが、何かあっと驚く事実でも書いてあったのだろうか。

「どうしたの?何か発見した?」

そう言うと、柴崎君は、

「相川さん、一番上に書いてある文字を見て下さい」

そう言いながら柴崎君は指を指すので見てみると…

 

 

 

「私立絶望ヶ丘大学 キャンパスマップ」

 

 

 

 

は????

 

 

 

 

大学??????

 

 

 

 

うちは全身から血の気が引くのを感じた。

 

「ちょっと待ってよ!!大学って何で⁈うちら入ったの高校だよね???というか絶望ヶ丘って何⁈聞いたこともないし!!冗談だよね??ってことはうちら誰かに拉致されたの⁈え?え?どうしよ…」

「相川さん、落ち着いて下さい」

柴崎君は驚愕の事実を目の当たりにしてパニックになってるうちの肩に手を置き、落ち着かせた。

「断定するには情報が不足しすぎてるっす。とりあえず今は、冷静になって状況の把握と情報収集に努めましょう。本当かどうか分からない情報を鵜呑みにしてパニックになるのは最悪のパターンっすから」

そう言われてうちは、やっと興奮が収まってきた。頭の中がクリアになっていくのを感じる。

「そうだよね…ごめんなさい、取り乱しちゃって」

「いや、常人だったらみんな相川さんみたいな反応をすると思うっすよ。多分僕が異常なだけなんで」

「じゃあどうして柴崎君はそんな冷静でいられるの…?」

「さあ、多分僕がいた環境のせいじゃないっすかね。詳しくは言わないっすけど」

そう言って柴崎君はメモ帳らしきものを取り出して地図に書いてある情報をメモし始めた。

「すごいマメなんだね。いつもメモ帳持ち歩いてるの?」

「僕大事な事すぐに忘れちゃうんすよ。だからこうして書き残すためにいつもなにかしら持ち歩くようにはしてるっすね」

そしてメモし終わると、

「どうやら僕たちがさっきまでいたのはA棟の202教室っていう所みたいっすね」

と言って地図の情報を綺麗にまとめたメモ帳を見せてくれた。

 

 

 

A棟

1階…大きい教室(101教室〜103教室)、購買、食堂、トレーニングルーム

2階…小さい教室(201教室〜203教室)、 保健所、会議室2つ(204、205)

3階…各個室?(001号室〜020号室)

・各階にトイレあり

 

 

 

メモを見たうちはとりあえず今いるA棟は3階建てで、現在2階の202教室付近にいる事を把握した。

「とりあえずどこから調べようか….?」

「まずは今いる2階からでいいんじゃないっすか?」

「そうだね。じゃあ行こう」

そう言ってうちが先に歩こうとすると、

「待ってください。相川さんは僕の後ろから来てください」

と言ってうちの腕を掴んだ。

「えっ?何で?」

「可能性は低いっすけど、もしかしたら僕達をここに連れてきた奴が張った罠があるかもしれないっす。だったら男の僕が先に入った方がいい」

「あと、何者かが襲撃してきた際も相川さんが後ろにいた方が守りやすいんで」

そう言って柴崎君は先に歩き始めた。

 

 

うちはその瞬間から彼への評価が一変した。さっきまでは無表情でボケまくる不思議な人というイメージしかなかったが、今はこんなありえない状況下においても冷静さを失わず、その場で今取るべき最善策を考えられる頭脳を持ち、また、他者への気配りも忘れない。彼はうちに足りない物を全て持っている、すごい人だ。そう思うようになっていた。

あれ、もしかしてうち、彼に憧れてるとか?

この短時間で?さすがにそれはチョロすぎるなうち。

そんな事を歩きながら考えてると、

「あぁ、もしかしたら僕が飛んできた槍とか捌ききれずに、相川さんの顔にぶすりと刺さっちゃうかもしれないっすけどそこは我慢してほしいっす」

「いや怖いから!?なにその状況!!というか槍刺さったら我慢もクソもないでしょ⁈」

「あ、でも相川さんツッコミの速度速いから槍なんてスッと避けられるっすよね。これは無用な心配でした」

「いやそれ全く関係ないし!!」

 

前言撤回。憧れなんか微塵も無かった。

 

 

 

そして柴崎君が前を歩き、うちが後ろをついていくという形で探索を開始した。まずは、隣の201教室と203教室を調べたが、特にうちらがいた教室と違う点は無く、人もいなかった。

「次は会議室っすかね」

「そうだね。ここから近いし」

そう言って204教室の前に行き、扉を開けた。

 

 

 

「ウヒョヒョ!!この豊満な胸に形のいいお尻、見事なくびれにエロいふともも!!いやぁ、香織さん最高ですなぁ!」

「バ、バカ者!!いい加減離せ!!!なんでお前はそんな卑猥な事しか言えないんだ⁈

もう少しまともな会話をしてくれ!!!!」

 

 

 

驚きの光景だった。小柄な男子が長身の女子に抱きついている。男子は女子のあらゆる所を触りながら卑猥な言葉を発し続けている。女子は顔を真っ赤にしながら男性をなんとか引き剥がそうとしている。例えるなら、小型の自爆兵が体にくっ付いてきて女性の戦士がそれを必死で外そうとしているみたいな感じだ。

 

「また〜そんな事言って本当は僕を欲してるんでしょ?この恥ずかしがり屋さん☆」

「だ、だだ誰がお前の様な変態を欲するか!!あ!!そこの2人!頼む!こいつをなんとかしてくれ!!早くしないと私が死んでしまう!!」

いや体を触られたくらいじゃ死なないと思う。ただ、このままずっと傍観しているのも流石にかわいそうなので2人で止める事にした。

「何やってんすか。こんな所で盛ってみっともない」

「は、離せ!!誰だお前!僕はまだ香織さんの体を堪能しきってないぞ!!」

「うわこの人全然離れないっすよ。どんだけ欲望に忠実なんすか」

そう文句を言いつつ、柴崎君は男子を引き剥がし、拘束した。

「痛い痛い痛い!!関節決まってるから!!僕が悪かったもうしないから離してくれ!」

「全く信用出来ないっすね。もう少し拘束させてもらいますよ」

「何だコイツ悪魔か⁈いだだだだ!」

そんなやり取りを見てる内に女子の方は落ち着いてきたみたいだ。

「大丈夫?怪我とかしてない?」

「ああ、すまない、助けてもらって。危うく死ぬ所だった」

だから大げさだって。

「そうだ、自己紹介がまだだったな。私は超高校の棋士、銀山香織(ぎんざん かおり)だ。よろしく頼む」

 

 

[超高校級の棋士] 銀山 香織

 

 

この人が銀山さん…確か最年少で棋士になってから連戦連勝で負けなしっていうニュースを最近見た気がする。しかも、将棋だけじゃなくて囲碁とかチェスみたいな他のボードゲームもめちゃくちゃ強いなんて事も言ってたような…

「もしかして君達も超高校の生徒か?」

「あ、うちは相川 凛。超高校の外国語研究家として来たんだ。よろしくね」

「僕は柴崎武史。歴史学者っす。」

「そうか。これからよろしく頼む相川、柴崎」

そう言ってお互いに握手をする。その時、うちは銀山さんをまじまじと見てしまった。

髪は綺麗な黒髪をポニーテールでまとめていて、顔はかなりの美人だ。まさに大和撫子といっても過言ではない。服は着物だが、その上から分かるほどのスタイルの良さに目を奪われてしまう。特に胸。あの男子が触りたくなるのも分かるボリュームだ。それに比べてうちの胸はなんて貧相なんだろう。なんで同じ年でこんなに差があるんだ。神様は本当に不公平だ。あぁ、やめよう、考える程虚しくなってくるだけだ。

「どうした、さっきから私の体をジロジロと見て」

すると銀山さんが怪訝そうな表情をしてうちを見た

「ご、ごめんなさい…銀山さんの胸が大きいのが羨ましくてつい見ちゃって……」

そう言うと、銀山さんはさっきみたいにまた顔を真っ赤にして、

「な、なななにを破廉恥なことをい、い言っている⁈ま、まさか君も彼と同じ変態な人種なのか⁈」

「違うよ!?断じてそれはないから!!」

「………本当か?嘘はついてないよな?」

「本当!大丈夫だから信じて!!」

「…………………なら信じよう」

「ありがとう!!」

助かった。あやうく私も変態認定をされるところだった。どうやら銀山さんにこの手の話題はNGみたいだ。

 

 

「あの〜、そろそろボクの拘束解いてもらってもいいかな…」

その時、柴崎君に拘束されている男子が苦しそうに声を出した。

「解くわけないじゃないっすか。あんた明らかに怪しいっすもん。もしかして僕たちを拉致した犯罪者のグループの1人っすか?」

「ち、違うって!?ボクは君たちと同じ正真正銘超高校級の生徒だよ!!」

「仮にそうだとしてもさっきの変態行為を見た以上野放しにするのはどう考えても危険っすね。リスクが高すぎる」

「そんな⁈頼むよ!!もうさっきみたいなことは絶対にしないから!!約束するよ!!」

絶対嘘だ。

「私からも頼む。彼を離してやってはくれないか?」

すると意外にも銀山さんからそう言い出した。

「いいんすか?あんたはさっき被害を被ったばかりなのに」

「大丈夫だ。最初に少し話をしたが、恐らく悪いやつではない。ただ欲にまみれてるだけだろう」

「いやそれ結構マズくない⁈」

「まあ被害者のあんたが言うならいいっすけど」

「随分あっさりだね⁈」

そして柴崎君はその男子を解放した。

 

「香織さん……ボクはとても感動した!!!そんな事を言ってくれるなんて…結婚しよう!!」

「断る。それより、君も彼らに自己紹介を」

「あっさり流された…僕のプロポーズ……」

そう言って彼はこちらに向き直った。

「ゴホン、ボクの名前は万斗 輝晃(まんと てるあき)。一応、超高校級の情報屋を名乗らせてもらっているよ」

 

 

[超高校級の情報屋] 万斗 輝晃

 

 

「彼は普段、表ではフリーライター、裏では政府非公認の情報屋として活動しているらしい。彼の持つ情報はどれも正確らしく、常連からは一定の信頼を得ているようだ」

なるほど、情報屋か…うちの中ではマフィアとかギャングとかと関わってるイメージしかないからちょっとおっかないけど、見た目は全然そんな感じじゃないんだよね。目は一重で細いけど丸顔でふっくらしていて小学生みたいな見た目だし。

「君たちの自己紹介はさっき聞いたよ。よろしくね。凛さん。柴崎君。ところで…」

万斗君が急にニヤニヤしながら私の方を見た。そして…

 

唐突にうちの胸に手を伸ばして触ろうとした。 うちは思わず

「ひゃあ!?」

パン!!

「ヘブッ!?」

情けない声を出しながら万斗君をビンタしてしまった。

「ご、ごめんなさい!!思わずビンタしちゃった!!」

「いや、今のはビンタして正解っすよ。あんた本当に懲りないっすね」

また、さっきと同じ様に万斗君を拘束しながら柴崎君は言った。

「いだだだだ!ごめん悪かった柴崎君!今のはつい手が出ちゃっただけなんだよ!頼むもうしないから!」

「さっきも同じ事言ってたっすよ」

「ほほほ本当だ!さっき庇った私がバカだった!君には性欲を抑えるリミッターというものがないのか⁈」

銀山さんは自分が触られそうになった訳じゃないのにまた顔が真っ赤になって慌てふためいている。本当にエロに耐性ないんだなぁ。

でも確かに万斗君のあれは女子だったら誰でも嫌悪して当然かも。うちも鳥肌たったし。

 

「はぁ…ところで2人は他の生徒とは会ったか?」

しばらくして全員が落ち着いた頃、銀山さんが、そう切り出した。

「いや、今のところ生徒はあんたたちしか会ってないっす」

「そうか…じゃあ提案なのだが、もし君達が良ければ私達と一緒に行動しないか?」

「一緒に?」

「そうだ。私達も実はこの204教室を調べただけでまだ他の場所へ行ってないんだ。何が起こるか分からないし大人数で行動した方がいいと思って提案したのだが、どうだろうか?」

「僕は正直どっちでもいいっすね。相川さんはどうっすか?」

「いいよいいよ!!一緒に行こう!人数が多い方が心強いし!」

「感謝する。じゃあ行こうか。まずは隣の205教室でいいか?」

「うん!うちらも次行く予定だったし!」

「待って⁈ボクこのままの格好で行くの???」

「そうっすよ。また発情されたらたまったもんじゃないっすからね」

万斗君はTシャツを一枚脱がされ、そのシャツで手首を縛られていた。まるで囚人みたいだ。

「ちぇっ、せっかく縛られるんだったら女の子に縛られてたかったなぁ。なんで野郎なんかに…」

「うるさいっすよ死刑囚。さっさと歩いてください」

「僕これから死ぬの⁈罪重すぎない!?」

新たに2人を加え、賑やかになったうちらは次の場所へと向かった。

 

 

 

 

 

205教室

次の教室を開けると、女子2人と男子1人がいた。何か真剣に話し合っているようだ。

その時、1人の女子がうちらに気がついた。

「あれー、また新しい人はっけ〜ん」

そう言ってうちらの周りをくるくる回り始めた。なんだかかわいい。

「ウヒョヒョ…またかわいい女の子が2人も…よだれが止まりませんな…」

もういいやこの人は。放っておこう。

「もしかしてあなた達も希望ヶ峰学園にスカウトされた生徒?」

「そうだよ〜。わたしたち3人ここで目覚めたんだ〜」

なるほど。ということはまだ見てない人達もうちらと同じように各教室に2〜3人固まっているのかな?

「あ、自己紹介忘れてた。うちの名前は相川凛。よろしくね!」

うちも含めた4人が先に自己紹介した。

 

「みんなよろしくね〜。私は独島 灯里(どくしま あかり)。超高校級のサブカルマニアだよー」

 

 

[超高校級のサブカルマニア] 独島 灯里

 

 

「サブカルってなんだろうって顔してるね〜相川さんー」

「えっ⁈また顔に出てた???」

「また?」

「ううん、何でもない!うん、サブカルって言葉は聞いた事はあるけど意味は知らなくて…」

「ようし、そんな相川さんの為に私がサブカルについてレクチャーしよう〜」

独島さんは何故かドヤ顔で教えてくれた。

「サブカルっていうのは今色んな解釈があるけど、直訳すると『これまでの文化とは異なった別の文化』っていう意味になるんだよー。まぁざっくり言うと日本っぽくない文化ってところかな〜。具体的にはマンガ、アニメ、ファッション、マニアックなバンド、映画とか挙げたらキリが無いくらいたくさんあるよー」

と言うことは…

「なるほど!じゃあ独島さんはそのサブカルのプロってこと?」

「そんな大袈裟なものじゃないよ〜。私結構浅く広く取るタイプだから実際知識そんなに深くないんだよー。だから本当はマニアとか呼ばれるの少し嫌なんだよねー」

「そうなんだ。なんかごめんね。何も知らないのにプロとか言っちゃって」

「相川さんは知らなかったんだし全然大丈夫だよ〜」

そう言ってうちの肩をポンと叩いた。心が広い人で良かった。というか独島さんものすごくマイペースだなぁ。喋ってるこっちまでスローになりそう。そう思っていると、

「ちょっと独島ちゃん!いい加減アタシ達にもその子紹介してくれよ!?」

「あれーもしかして結構ゆっくり喋っちゃった〜?ごめんねー錦織さん〜」

「結構どころじゃないよ!?まったくアンタはいつもそうなんだから….」

と言ってもう1人の女子が呆れた様子で独島さんを見ていた。他のみんなは既に自己紹介を終えたようだ。

 

「アタシはじゃあサクッと自己紹介するよ!

テニスプレーヤーの錦織 清子(にしこり きよこ)。これからよろしく!」

 

 

[超高校級のテニスプレーヤー] 錦織 清子

 

 

錦織さんの事はテニスをあまり知らないうちでさえよく知っている。確かアマチュアの世界大会で優勝して一躍話題になった凄腕のテニスプレーヤーだったっけ。ニュースでちらっと見たけど、サーブの威力がえげつなくてびっくりした記憶がある。

「それで錦織さんは何で…」

「はい!アタシの話はおしまい!自分の話をグダグダするのは嫌いなんだよ!」

あ、話切られちゃった。すごくサバサバした性格だなぁ。あと結構せっかちっぽい。でもすごく頼れるお姉さんって感じ。いや、なんか「姉御」っていう方が合ってる気がする。今度からこっそりそう呼ぼう。

「次!中澤ちゃん!さっさと自己紹介!」

「わーかってるよ。あんまりデカイ声出すなっての…」

最後の男子はうんざりした顔で自己紹介した。

 

「俺の名前は中澤 翼(なかざわ つばさ)。超高校級のフットサル選手だ。ま、気楽にやろうぜ」

 

 

[超高校級のフットサル選手] 中澤 翼

 

 

フットサル選手…?正直才能を聞いてもイマイチピンと来なかった。ニュースでも見た事ないし、サッカーとの違いすらちゃんと分かってないからかもしれない。

「ごめんまずサッカーとフットサルの違いって何…?」

「ああ、そこからか」

「ごめんなさい無知で…」

「謝るなよ。フットサルはサッカーと比べてもマイナーだしあまりニュースとかもやらないから知らなくてもしょうがないだろ」

そう言って中澤君は軽く笑いながらうちに説明してくれた。

「フットサルは一言で言えばミニサッカーみたいなもんだ。人数はサッカーは11人だけどフットサルは5人。フィールドも狭い。後は競技時間が違ったり、オフサイドが無かったりとか細かい違いは色々ある。意外に知られてないのはフットサルは退場しても2分後には代わりを補充できる事だな」

「えっ⁈というか逆にサッカーって補充出来なかったの?」

「補充出来たら大した痛手にならないだろ。一応ペナルティとして課せられているからな」

へえ〜、サッカーって退場しても控えの選手と交代できると思ってた。というかうちスポーツについての知識が無さすぎる。常識程度の事は知らないと恥かくよね…今みたいに。

 

「自己紹介はこれくらいでいいだろ。それより大事な事は今の俺たちの状況だ」

そう言って中澤君は全員を見渡す。全員が真剣な表情になった。

「とりあえずさっき3人で話し合ってたけど、銀山ちゃん、柴崎ちゃん、アンタ達はこの状況をどう考える?」

そして錦織さんは、銀山さんと柴崎君を名指しして聞いた。

「なぜ私達に聞くんだ?」

「銀山ちゃんは棋士なんだろ?頭が良いことは知ってるし、こういう状況ではアンタみたいな奴が1番頼りになる」

「柴崎ちゃんは単純に冷静そうだからだね。そういう奴は自分の考えをすでに心の中でまとめている可能性が高い」

「買い被りだ、錦織。私は別に頭が良い訳ではない」

「僕もまとめてるというか、漠然とした考えがあるだけなんすけど…」

「何でもいい。あるなら教えてくれ」

「そうだな、私の考えている事は…」

 

 

「1つは私達は誘拐され、紛れもなく高校ではなくこの大学に『軟禁』された状態である事。2つはただの身代金目的の誘拐などではなく、恐らく犯人は私達を集めて『何か』をさせようとしている事。この2つは確かだろうな」

 

な、軟禁…?確かによく考えてみればただの誘拐だったら軟禁状態は不自然だ。

「ねー、まず軟禁と監禁の違いって何なの〜?」

「監禁と軟禁の大きな違いは行動の自由が奪われているかどうかだ。今回の私達は縛られたりせず、自由に動ける状態だから『軟禁』にあたる」

「なるほどね〜」

「ボクは手縛られたままだけど!」

「それはあんたの行いのせいっすね」

「普通の誘拐だったら縛ってどこかに閉じ込めておくはずだ。それを気絶させたまま何もせず放置…しかも各教室にわざわざ2〜3人放置しておく丁寧ぶり。まるで私達に校内を探索させようとしてるみたいだ」

「確かにな…事実俺らは普通に校内を歩き回ったりしてる」

「しかも犯人グループらしき人物が見当たらないのも気になる。普通は見張りを付けて監視するだろう」

「本当だー。わたしたち生徒以外誰も見てないね〜」

「じ、じゃあボク達の見てない場所で監視してるとか…ほら!監視カメラもあちこちにあるし!」

「その可能性もある。だが、今言えるのはここにいるだけじゃ何の解決にもならないということだ。考えるだけではキリがない。早急に校内を調べ回る必要がある。柴崎、君はどう考える?」

「銀山さんと全く同じ意見っす。情報が確かじゃない以上断言は出来ないっすけど。とりあえず2〜3人に分かれて探索するべきだと」

それを聞いて私はとっさに声を上げた。

「待って⁈いいの?さっき大人数での方がいいって言ってたのに」

「とりあえず第1の目標はこの土地の地理を把握して、他の超高校級の生徒と合流する事っす。人数も多くなってきた事だし分かれた方が効率が良いっす。それにさっきは罠を警戒してたので4人で行動してたんすけど犯人が探索させたい以上、それも恐らくないと思うんで」

「そ、そうなの???」

「だって探索させようとしてるのに罠にかかってもし死んじゃったら元も子もないじゃないっすか。だから犯人はすぐ僕達を殺しにくることはないと思うっす」

た、確かに…

「よし!!アンタらの意見を採用!!早速行こう!分け方はアタシら3人と…」

「僕と万斗君ペア、銀山さんと相川さんがペアっすね」

「な、何でボクが柴崎君とペアなんだよ!?香織さんとがいいよ!!」

「逆にあんな事しておいてなんでまたペアになれると思ったんすか?」

「ひぃぃ!!怖い!!!顔が怖いよ!清子さん!灯里さん!助けてよ〜!」

「アタシも柴崎ちゃんに賛成だよ。アンタ何かやらかしそうだし」

「わたしも全面的に賛成〜。だって万斗くん犯罪者臭がプンプンするもんー」

「酷い…あんまりだ!!!!」

「まあ落ち着けよ。どうせ一時的なペアだし…」

「黙れイケメン喋るなクソがファック」

「え…俺お前に何かしたか…?」

こうして、三手に分かれて探索することになった。

 

 

 

保健所前

 

うちと銀山さんは2階の唯一調べてない保健所を担当する事になった。

「よし、開けるぞ」

「オッケー」

銀山さんがガラガラと扉を開けて入ると、うちも続けて入った。

中はうちの中学の保健室よりかなり大きい作りになっていた。普通はベットは2つ、あっても3つくらいだが、ここには7つものベットが用意されていた。常備してある薬の棚も尋常じゃないくらい大きい。やっぱり大学ってどれもこれも規模がケタ違いなんだなって感心してたら、

「あれ?もしかして希望ヶ峰学園の生徒でいらっしゃいますか?」

と、ベットに付いてるカーテンからひょいと顔を出した女子がうちらを見て話しかけてきた。

「そうだ。もしかして君もか?」

「そうです。あ、声のボリューム少し落としてもらってもいいですか?1人ここで寝てるので」

その女子はベットを指差してから人差し指を口に当てて静かにというジェスチャーを取った。

「すまない。気がつかなかった」

「大丈夫です。それよりお名前、お伺いしてもよろしいですか?」

「うん、うちは相川 凛。よろしく」

「銀山 香織だ。よろしく頼む」

「相川さんに銀山ですね。覚えました」

そして女子は立ち上がって

 

「初めまして。超高校級の調理部、喜屋部 流理恵(きゃべ るりえ)です。よろしくお願いします」

 

 

[超高校級の調理部] 喜屋部 流理恵

 

 

丁寧にお辞儀した。お辞儀の仕方がとても綺麗だ。

喜屋武さんは確か誰にでも作れる簡単なレシピ本が爆売れして話題になってた人だ。友達が当日2時間並んでようやく買えたって喜んでたっけ。

そうだ、後喜屋部さんの苗字って多分…

「喜屋部さんってもしかして…沖縄出身だったりする?」

「あれ?どうしてご存知なのですか?」

喜屋部さんは少し驚いた顔をした。

「多分、喜屋部っていう苗字沖縄特有のだよね?うちの友達にも沖縄出身の人がいて話聞いた事あるんだ。あと、喜屋部さん肌結構黒いのもあってそうなんじゃないかって予想したんだけど…合ってる?」

「正解です。私の出身地が会ってすぐ当てられたのはかなり久しぶりですね」

「よかった〜合ってて。もし間違ってたらかなり恥ずかしかったもん」

「なるほどな。私は沖縄の苗字はよく分からないから気がつかなかった。物知りだな相川は」

「たまたま知ってただけだよ。ところでうちの友達の苗字与那嶺っていうんだけど結構沖縄にいる?」

「与那嶺さんは割といますよ?確か『沖縄で多い苗字ランキング』で30位くらいに入ってた気がします」

「なんか多いのかよく分からない順位だね…」

「確かに…ところで喜屋部」

銀山さんがベットを指差した。

「寝ている人は大丈夫なのか?」

「ええ、教室で一緒に目覚めたのですが、体調が優れなかったみたいなので保健室へ来たんです」

「ちなみに目覚めた場所はどこだった?」

「この階の201教室ですね」

「えっ⁈うちらがいた教室の隣じゃん!?」

そういえばうちと柴崎君が探索した時201には誰もいなかったから、喜屋武さん達はうちらより先に目覚めたって事か。

「そうだったのですか。すみません、気がつかなくて。飛田さんを連れて行くことで頭が一杯になっていたので」

「飛田…?」

「どうしたの銀山さん?もしかしてその人と知り合い?」

「いや…」

銀山さんが言葉を濁して何か考え始めた時、

「喜屋武さん…誰かそこにいるの…?」

そう言って1人の男子がベットから起き上がり、カーテンを開けた。

「あ、すみません。起こしてしまいましたか」

「いや、だいぶ前から起きてたよ」

そう言って立ち上がる。顔色は青白く、まだ体調は悪そうだ。

「ごめんなさい…自己紹介が遅れて。僕の名前は飛田 脚男(とびた きゃくお)。超高校級のバイク便ライダーとしてスカウトされたんだ」

 

 

[超高校級のバイク便ライダー] 飛田 脚男

 

 

「やはりそうか…」

「どうかしたのですか、銀山さん」

「えっと…多分僕あなたとは初対面だと思うしメディアとかほとんど拒否してるから顔も見たことないと思うんだけど…」

「いや、私の父がどうしても必要な荷物をすぐ届けて欲しいと言う無理難題にも関わらず、あっという間に届けてくれた凄腕の配達員がいると言っていたのだが、恐らくそれは君の事だろう。それを思い出したんだ」

「へぇー、そういう事だったんだ!」

「父がとても感謝をしていた。いつかお礼を言いたいとも言っていたよ」

「そ、そうなんだ…正直恥ずかしいな…」

感謝されてると聞いた飛田君は恥ずかしいのか、顔を赤くして下を向いてしまった。

「ねえ、バイク便ライダーってどういう仕事なの?」私も質問してみた。

「う、うん。仕事内容は基本的に郵便配達員と変わらない。依頼された荷物を指定先まで届ける。それの繰り返し」

「へえー!じゃあ飛田君はもうバイクに乗れるって事?ん?でもバイクって確か乗れるの16歳からじゃなかったっけ?」

「あ、僕訳あって留年してたから多分、みんなより年上だよ…だからバイクはもう乗れるんだ…」

「なるほど、だからか」

「そう…うっ…ごめんまた寝てもいい?頭痛くなってきた…」

「大丈夫?ごめん喋らせちゃって。ゆっくり休んでね」

「平気だよ。こっちこそ気を遣わせちゃってごめん」

そう言って飛田君はベットに戻っていった。

「飛田さんには私が付いているので大丈夫です。おふたりはどうぞ別の場所へ」

「そうか、では喜屋武に任せるとしよう。相川、次は1階に行こう」

「うん!じゃあ喜屋武さん、また後で!」

「ええ、気をつけて下さい」

そしてうちらは保健所を後にした。

 

 

 

 

 

生存者

 

1 相川 凛《外国語研究家》

2 ???

3 喜屋武 流理恵 《調理部》

4 銀山 香織《棋士》

5 ???

6 柴崎 武史 《歴史学者》

7 ???

8 ???

9 ???

10 独島 灯里《サブカルマニア》

11 飛田 脚男《バイク便ライダー》

12 中澤 翼 《フットサル選手》

13 錦織 清子《テニスプレーヤー》

14 ???

15 ???

16 万斗 輝晃 《情報屋》

17 ???

 

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