ダンガンロンパ キャンパス   作:さわらの西京焼き

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学級裁判前編です。
出来れば3月末までに3章は終わらせたいなぁ………






学級裁判(前編)

 

 

 

 

・誰もが予想していなかった3人の連続死は、全員を恐怖のどん底へと叩き落とした。一体誰が誰を殺したのか?一晩で何が起こったのか?またスパイが関与しているのか?

 楽園であるはずの遊園地がもたらす死への謎を切り抜ける為、超高校級の生徒達は三度目の命を懸けた学級裁判に挑む…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コトダマ一覧

 

 

[モノカバファイル③]

被害者は《超高校の激運》幸村 雪。

死体発見場所はモノカバ観覧車『大車輪』の真下。

死因は頭部内損傷による転落死で、即死だった模様。

死亡推定時刻は午前7時5分頃。

全身に熱傷が見られる。

 

 

 

 

[ジャックの検死結果]

モノカバファイルの情報に間違いはないとの事。

また、全身の熱傷は爆弾による爆発に巻き込まれた際に負ったものである可能性が高い。

熱傷の程度は軽く、殺傷能力の低い爆弾が使用された模様。

 

 

 

[後頭部に出来た傷]

幸村の後頭部に傷が出来ていた。何が原因で出来たのかは不明。

 

 

 

 

[手首の痕]

幸村の手首に何か擦れたような痕が残っていた。少量だが出血している。

 

 

 

 

[幸村に宛てられたメッセージ]

幸村のカバフォンに1通のメッセージが残されていた。

 

 

突然ごめん。

直接幸村さんとスパイの件について話したい事があるんだけど、

明日の朝6時に観覧車前に来てくれないかな?

幸村さんだったら来てくれるって信じてずっと待ってるから。

あと、この事は誰にも話さないでね。

よろしく。

 

独島 灯里

 

 

 

 

[千野の証言]

5時50分頃、カプセルホテルから出てきた幸村とすれ違ったとの事。

いつもより元気がなかったように見えたらしい。

 

 

 

 

[ジャックの証言]

6時40分頃から園内で幸村を捜索中に北条と遭遇。そこでミラーハウスの扉が開いている事に気がつき、2人で中に入ると銀山の死体を発見したらしい。

 

 

 

 

 

[観覧車の周回時間]

観覧車が一周するのに16分かかるらしい。

 

 

 

 

[爆発で破損したゴンドラ]

手前側は無傷なのに対して奥側は大きく破損して大きな穴が空いていた。

 

 

 

[持ち出された大量の武器]

武器庫から大量の武器が持ち出されていた。

武器庫には見張りがいる為、掻い潜り持ち出す事は不可能。

 

 

 

武器庫の在庫リスト

 

 

拳銃        3(5)

アサルトライフル  3(4)

マシンガン     3(3)

 

日本刀       2(3)

果物ナイフ     4(5)

剣         0(5)

 

手榴弾       4(5)

時限爆弾      1(1)

C4爆弾       1(3)

 

スタンガン     1(3)

 

メリケンサック   2(2)

木製バット     1(2)

金属バット     2(2)

トンカチ      2(2)

 

手錠        1(2)

ボイスレコーダー  1(2)

 

 

 

・()の中が元々あった数、左が今ある数

 

 

 

 

[武器庫の見張り]

昨日の見張りは霞ヶ峰と霜花。今日の見張りは黒瀬と銀山だった。

引き継ぎは日付が変わった午前0時に行われる。

 

 

 

[爆弾の金属片]

爆発した爆弾の破片と思われる物。色は黄色で観覧車の真下に落ちていた。

→使用されたのはC4爆弾で、落ちていたのはその破片であった。

 

 

 

[モノカバファイル④]

被害者は《超高校の棋士》銀山 香織。

死体発見場所はモノカバドッキリミラーハウス。

死因は首を切り裂かれた事による失血死。

右腕に軽い切り傷が複数存在する。

 

 

 

 

[霜花の検死結果]

モノカバファイルの情報に間違いはなし。

首元の傷は複数存在する為、犯人は銀山の首を数回にわたって切り裂いたと思われる。

また、傷の付き方が汚いことから、凶器はナイフのような武器庫にある鋭利な刃物ではないと推測される。

 

 

 

 

 

[左腕の痣]

銀山の左腕にある謎の痣。何故できたのかは不明。

 

 

 

 

[黒瀬の証言]

今日の担当は黒瀬と銀山だったが、集合時間に銀山は来なかったそうだ。そして夜中一人で武器庫の見張りをしていたらいつの間にか意識がなくなり、気がついたら朝になっていた。直前の記憶は無いとの事。

 

 

 

[血の跡]

ミラーハウスに残されていた。跡は銀山がいた場所からクイズ一問目を解答する場所まで続いていた。

 

 

 

 

[ダイイングメッセージ]

銀山の近くに残されていたメッセージ。「9四香L」と書かれていた。

 

 

 

[独島の証言]

霞ヶ峰のいびきで6時40分頃起床。同じく起きてきた霜花と霞ヶ峰に文句を言おうと起こしている最中、大きな爆発音を聞いたという。

 

 

 

 

[1回目の爆発音]

一回目の爆発音を聞いた人と聞いてない人が存在する。

相川と明智は聞いているのに対し、独島と霞ヶ峰は聞いていなかった。

 

 

 

[同時殺人が起きた場合のルール]

同時に殺人が起きた場合、卒業出来るのは先に殺人を犯した者のみ。

 

 

 

 

[茂みに隠された凶器]

本来武器庫にある筈のアサルトライフル、日本刀、木製バットが一つ、そして剣は全てが園内の茂みに隠されていた。

木製バットには血痕が付着している。

 

 

 

 

 

[モノカバファイル⑤]

被害者は《超高校級の空手家》分倍河原剛。

死体発見場所は温泉施設の男子脱衣所。

死亡推定時刻はついさっき。

死因は全身を剣で貫かれたことによる出血性ショック死。

一部の剣は肺にまで達しており、即死だった模様。

 

 

 

[握られていた携帯]

分倍河原の手に握られていた彼の携帯。

壊れて使い物にならない状態。

が、一瞬だけ映った画面には「モノマネー確認」の画面が出ていた。

 

 

[刺さっていた剣]

かなりの重量があり、相当な腕力を持つ者でないと持ち上げるのは不可能。そしてモノカバが処刑や処罰の際に用いるのと同じ物である。

 

 

[割られた鏡]

男子脱衣所にある鏡が割られていた。

 

 

 

 

[温泉を利用した二人の証言]

今朝温泉を利用した万斗と千野は、脱衣所の鏡が割られていた事を認識していなかった。

 

 

 

[掛け軸]

鏡の近くに落ちていたモノカバの掛け軸。裏に傷が付いている以外は特に特徴は無い。

 

 

 

[犠牲者の携帯の行方]

今までで死んだ四人の携帯はモノカバが回収しており、利用することは不可能。

 

 

 

 

 

[捜査時間中のアリバイ]

 

相川・明智………一緒に捜査(途中で五分程別行動)

ジャック・千野………幸村の検死+見張り

霜花・黒瀬………銀山の検死+見張り

霞ヶ峰・独島………一緒に捜査

北条………アリバイなし

柴崎………アリバイなし

万斗………アリバイなし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

席順(相川から時計回り)

 

相川→飛田→霞ヶ峰→喜屋武分倍河原→北条→ → 柴崎→錦織→千野→霜花→明智→ジャック→独島→黒瀬→中澤幸村→万斗→銀山

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学級裁判 開廷!

 

 

 

 

 

 

 

モノカバ「では最初に、学級裁判の簡単な説明をしておくカバ!学級裁判では、『誰が犯人か』を議論してオマエらに投票してもらうカバ。正しいクロを指摘出来ればクロだけがオシオキされ、残ったオマエらは大学生活を続ける事が出来るカバ。けど、間違ったクロを指摘すれば……、クロ以外の全員がオシオキされ、クロだけが大学から出る事が出来るカバ!」

 

 

 

 

3回目の学級裁判。

モノカバの説明は前回と全く同じ。

けど、うちらの状況は前回とは大きく異なっている。

人数が………3人も減ってしまった。

 

 

 

 

 

うちの右隣には凛々しい表情の香織ちゃんの遺影がある。

そして中澤君の遺影と万斗君の間には、満面の笑みを浮かべる幸村さんの遺影。

喜屋武さんの遺影と業ちゃんの間には無表情である分倍河原君の遺影が増えた。

 

 

 

うちらはこの3人の死の謎について解き明かさなければならない。

この中に潜む仲間殺しの犯人を見つける為に。

そして亡くなった3人への弔いの為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北条 業「さて、学級裁判が始まったわけですが………、今回の事件で最も重要な事は何か分かっていますよね?」

初めに口を開いたのは業ちゃんだった。周りを見渡しながら問いかける。

万斗 輝晃「3人がそれぞれ誰に殺されたか、だよね。『同じ人間が殺せるのは2人まで』っていうルールがある以上、殺人を犯した人が少なくとも2人いないとおかしいよ」

万斗君が真っ先に反応する。

北条 業「その通りです。今回の殺人、考えられる可能性がいくつかあります」

 

 

 

 

 

 

 

例えば、銀山さんをA、幸村さんをB、分倍河原剛をCとしましょう。

 

 

①A、B両名を殺したのがCで、そのCを殺したのがクロ1。

②AをB、もしくはCが殺害し、その後B、C両名ををクロ1が殺害。

③Aをクロ1が殺害。その後B、C両名をクロ2が殺害。

④AをB、もしくはCが殺害。その後Bがクロ1に殺され、さらにCがクロ2に殺される。

⑤A、B、Cをそれぞれクロ1、クロ2、クロ3が殺害。

 

 

 

 

 

 

 

「軸となる可能性はこの5つです。これを元に誰が誰を殺したかを考える必要があります。あ、勿論殺された順番はまだ分かりませんよ。あくまで一例ですから」

黒瀬 敦郎「ま、待てよ!それなら前みたいにクロが自殺した可能性だってあるんじゃねーか?」

黒瀬君が期待した表情で疑問を口にする。

確かに……もしそれが正解ならばうちらは前回と同じく、誰も死なせずにこの裁判を突破出来る。黒瀬君が期待するのも無理はない。

千野 李玖「絶望の為なら何でもする分倍河原殿なら、自分を犠牲にしてまで拙僧らに難解な謎を解かせようとするやもしれませんな」

霜花 優月「それも含めて一から話し合うべきでしょう。今回の事件、個々で持っている情報があまりにも少なすぎますから」

優月ちゃんはふぅと息を吐く。

独島 灯里「そうだねー。分倍河原くんに至ってはついさっき、知らぬ間に殺されちゃったもんねー」

霞ヶ峰 麻衣子「ではまず………何から話すでござるか?正直話すべき事が多すぎてどれから手をつけたらいいか分からないでござるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

明智 麻音「少し待ちたまえ。まず確認しなくてはならない事があるだろう」

明智さんがみんなの会話に待ったをかける。

ちなみに明智さんは、優月ちゃんとジャック君の間にある今まで空席だった場所にいる。

明智 麻音「聞いた話によると、この裁判は被害者を殺した犯人を当てられないと無実の人間は全員死ぬのだろう。ならもし今回の事件、三人を殺した犯人が別々だった場合、三人全員当てられないとシロのワタシ達は死ぬと解釈していいのかね?」

モノカバ「お答えしましょうカバ!」

明智さんの質問に答えたのはモノカバだ。

モノカバ「学則には既に追加したけど、同時に殺人が発生した場合、脱出する権利を与えられるのは先に殺したクロのみカバ!だから投票対象も先に殺された被害者のクロのみとなるカバ!まあでも投票自体は全員分してもらうんだけどカバ」

霜花 優月「では後に殺された二人の投票結果を間違えたとしても残ったシロは処刑されないという事ですか?」

モノカバ「そうカバ!!あくまでシロの生死がかかってるのは最初に殺したクロの投票のみって事カバ!」

………これは正直うちらにとっては朗報だ。間違えて全員死亡という最悪のケースになる確率を大きく下げられる。

 

 

 

 

独島 灯里「でもさー、銀山さんがいつ死んだか分かってないんだしどっちにしろ三人分議論することになるんじゃない〜?」

霞ヶ峰 麻衣子「そうでござった。モノカバファイルには銀山殿の死亡推定時刻は書かれていなかったでござるな」

そう、香織ちゃんがいつ殺されたのかすら分かってないのだ。さっきのようなルールが追加された以上、一刻も早くそれを突き止めないといけない。

明智 麻音「最初の議題が決まったな。まずは銀山香織クンの事件からだ」

北条 業「それには反対しないですけど、あなたに仕切られるのは不満しかないですね」

明智 麻音「ワタシの才能に嫉妬かね?」

北条 業「ホンッッッッットにウザいですねあなた」

最初に話し合うことが決まった。議論がついに始まる。

………緊張している場合じゃない。気になることがあったらうちも発言しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

議論開始!

 

 

 

明智 麻音「ではまずモノカバファイルの確認からだ。被害者は《超高校級の棋士》である銀山香織クンだな」

ジャック「死体発見場所はモノカバドッキリミラーハウスダ」

北条 業「死亡推定時刻は不明です」

霞ヶ峰 麻衣子「死因は首を切られた事による失血死………。うぅ、なんて残酷な殺し方でござろう………」

独島 灯里「じゃあ凶器は[ナイフ]とかじゃないー?武器庫に確かあった気がするよー」

黒瀬 敦郎「すげえな灯里!よく覚えてたな!」

独島 灯里「えへへー。わたしだってやればできるんだよ〜」

 

 

 

 

 

 

 

[ナイフ]←[霜花の検死結果]

 

 

 

それは違うっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

独島 灯里「あれ〜?もしかしてわたし変な事言ったー?」

独島さんが首を傾げる。

相川 凛「独島さん。香織ちゃんを傷つけた凶器はナイフじゃないんだ。そうだよね、優月ちゃん?」

霜花 優月「その通りです。検死をしたところ、首にナイフのような刃物ではないもので付けられた傷が確認出来ました。右腕にある傷も同様です」

万斗 輝晃「よく分かったねそんな事………」

霜花 優月「軍にいた時似たような傷が付けられた死体を見たことがあったんです。それで………」

北条 業「流石人を殺してきた狙撃手。随分と詳しいんですねえ」

霜花 優月「………………」

千野 李玖「北条殿。その言い方は霜花殿に失礼ですぞ」

業ちゃんの発言に普段滅多に怒らない千野君も流石に怒りを露わにする。

北条 業「はいはいそういうのはいいですから。それよりも議論を続けましょう。銀山さんの死亡推定時刻の特定が最優先ですから」

相川 凛「そうだね。けど業ちゃん、さっきみたいに他の人を攻撃するのは駄目だよ」

北条 業「すみません!!!以後気をつけます!」

霞ヶ峰 麻衣子「完全に母と子の関係でござる………」

まずは香織ちゃんがいつ殺されたかを特定しなければ始まらない。

議論して少しでも何か分かればいいんだけど………。

 

 

 

 

 

 

 

議論開始!

 

 

 

黒瀬 敦郎「香織がいつ死んだかなんて………どうやって分かるんだよ?」

千野 李玖「銀山殿を最後に目撃したのは誰か………それが分かれば死亡推定時刻を特定出来ましょう」

独島 灯里「最後に会ったのは誰なんだろう〜?」

霞ヶ峰 麻衣子「拙者は[一度も見かけてないでござる]」

北条 業「というか、昨日彼女を見かけた人なんているんですか?もしかしたらいないかもしれませんよ」

万斗 輝晃「じゃ、じゃあ[特定するなんて無理]じゃないか!」

 

 

 

 

 

 

 

[特定するなんて無理]←[黒瀬の証言]

 

 

 

 

 

 

それは違うっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相川 凛「万斗君。正確な死亡推定時刻は分からないけどある程度予測することは出来ると思う」

万斗 輝晃「本当かい!?流石は凛さん!!」

目をキラキラさせる万斗君。

千野 李玖「でもどうやって予測するのですかな?」

相川 凛「うん。その為にはある人の証言が必要不可欠なんだ。………黒瀬君」

黒瀬 敦郎「あ?オレ?」

黒瀬君は自分の名前が出ると思わなかったのか、少し驚いた顔でこちらを見た。

相川 凛「捜査時間中に言ってたでしょ?今日の夜中の話。それをもう一度みんなの前でして欲しい」

黒瀬 敦郎「ああ、あれか……。でもアレ言うと間違いなくオレが疑われちまうよ………」

黒瀬君は不安なのか、話す声量も控えめになっている。

明智 麻音「キミが心配する必要はない」

黒瀬 敦郎「麻音………」

その黒瀬君に優しく声をかけたのは明智さんだった。

明智 麻音「キミはありのままを話したまえ。フォローはワタシと助手がする」

相川 凛「大丈夫。うちらは黒瀬君の事犯人だって思ってないよ。だから安心して話して欲しいな」

黒瀬 敦郎「凛………。悪ぃな。ちょっと迷惑かけるかもしれねえ」

黒瀬君はニカッと笑った。

北条 業「は?黒瀬さんあなた何で凛さんに庇われてるんですかもしかして凛さんと何かあったんですか答えてください」

万斗 輝晃「テメェコラバスケ部!!凛さんと麻音さんに何しやがったんだ!!」

黒瀬 敦郎「何もしてねぇよ!?」

うちと明智さんの後押しに食いついたのはいつもの二人。

相変わらず元気な事で。

千野 李玖「お二人ともその話は後ほどに。それよりも黒瀬殿の話を聞きましょう」

そして興奮する二人を諌める千野君。こちらもいつも通り。

 

 

 

 

 

 

黒瀬 敦郎「…つってもそんなに難しい話じゃないんだけどよ………。オレは今日の夜中から昼の12時まで武器庫の見張り担当だったんだよ。………香織と一緒にな。でも夜中の12時に武器庫に行ってみたら香織は来てなかった。だから仕方なく一人で見張りしてたんだよ。そしたらいつの間にか意識が無くなって…………気がついたら朝になってた」

「…………………」

黒瀬君の証言に一同は黙る。

黒瀬 敦郎「…………なんだよ。何で黙るんだよ」

ジャック「全員貴様の馬鹿さに呆れているだけダ」

何を言ってるんだコイツはといった風に黒瀬君を見るジャック君。

やめてあげて。 

黒瀬 敦郎「なっ!?テメーオレに辛辣すぎだろ!!てゆーか馬鹿って言うな!!」

ジャック「なら聞くガ、何故カオリが来ないと分かったのに呼びに行かなかっタ?」

黒瀬 敦郎「そ、それは………。オレが探しに行くと見張りが誰もいなくなっちゃうだろって思って………」

ジャック「前の見張りに頼めば良かっただろウ。『カオリを探しに行くからそれまで引き続き見張りを頼む』とナ」

黒瀬 敦郎「それは………頭に無かった」

痛いところを突かれた黒瀬君は申し訳なさそうに言う。

独島 灯里「ちなみに黒瀬くんの前の見張り担当は誰だったの〜?」

独島さんが前の見張りが誰だったかについて尋ねる。

確か黒瀬君達の前の担当は………。

 

 

 

 

 

 

コトダマ提示

 

 

[武器庫の見張り]←

 

 

 

 

これだよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

相川 凛「昨日の見張りは………優月ちゃんと霞ヶ峰さんだよね?」

霜花 優月「ええ。確かに昨日の担当は私達でした」

名前を挙げられた優月ちゃんは素直に頷く。

万斗 輝晃「責めるわけじゃないけど………優月さんと麻衣子さんはその時香織さんが来なかった事は知ってたんでしょ?ならどうして探しに行かなかったんだい?」

霞ヶ峰 麻衣子「拙者らも最初は探しに行こうとしてたでござる!!でも黒瀬殿が『いいっていいって。どうせ香織の事だしすぐ来るだろ』と言ったから、拙者らはその言葉を信じて帰ったまででござる!」

霞ヶ峰さんの発言で再び黒瀬君に注目が集まる。

黒瀬 敦郎「な、なんだよテメーら………」

ジャック「今の発言で明らかになっタ。カオリを殺した犯人は…………貴様ダ、アツロウ」

ジャック君は黒瀬君を指差し、そう宣言した。

黒瀬 敦郎「は、はああああああ!?何でそうなるんだよ!?」

ジャック「貴様のとった行動はこうダ。まず昨日の夜12時前までにカオリをミラーハウスで殺ス。その後何食わぬ顔をして見張りの交代の時間に現れル。その際カオリの死体を発見させない為、前の見張りの二人に『カオリはもうすぐ来るから探さなくても大丈夫』と言っておク。こうすればカオリの死体の発見を遅らせ、かつ死亡推定時刻を誤魔化す事が出来るだろウ」

黒瀬 敦郎「だから違えって!!!オレはただ優月と麻衣子を少しでも休ませたくて………」

ジャック「それに『見張り途中で意識を失い、気がついたら朝だった』という証言も怪しすぎル。貴様が犯人ではないと思わせる為の嘘なのだろウ?」

黒瀬 敦郎「それも嘘じゃねーよ!!テメーいい加減にしろよジャック!!」

予想通り黒瀬君はみんなから疑われてしまっている。

黒瀬君は犯人じゃない。

彼がもし犯人だとしたらおかしな点がいくつかある。

うちがそれを言おうとしたその時だった。

 

 

 

 

 

 

明智 麻音「何を狼狽えているんだ黒瀬敦郎クン」

明智さんの堂々とした声が響き渡った。

明智 麻音「キミは犯人ではないのだろう。なら堂々と自信を持って証言すればいい。気持ちを大きく持つんだ。それとも、大きいのはその図体だけかね?」

黒瀬 敦郎「て、テメーはいちいち一言多いんだよ!?………けどそうだよな………。オレは犯人じゃねーんだ。ビビる必要なんかねー!!」

ジャック「なんダ。まさかこの男の肩を持つつもりカ?らしくないナ。貴様はもっと論理的な人間だと思っていたガ。情にでもほだされたカ?」

明智 麻音「それはこちらの台詞だよジャック・ドクトリーヌクン。冷静沈着で論理的思考を持つキミが大した証拠も無しに黒瀬敦郎クンを犯人だと決めつけているのははいささか奇妙だとワタシは思うが?」

独島 灯里「うわー凄い舌戦〜」

ジャック君と明智さんの壮絶な議論。理詰めで考える人同士だとこうなるのは仕方がない。それはうちがここに来て改めて学んだ事の一つだ。

 

 

 

 

 

 

ジャック「なら貴様は、この男が犯人ではないと言える証拠を持っているのカ?」

ジャック君は腕を組みながら明智さんを睨みつける。

明智 麻音「当然だ。………ジャック・ドクトリーヌクンの主張では、見張りの交代時刻である夜中12時前に銀山香織クンを殺害して、その後武器庫に交代の為に現れたと言ったな。だが銀山香織クンの死体を思い出してみたまえ。彼女の死体はどういう状態だった?」

千野 李玖「首を切られて………血塗れでしたな」

明智 麻音「そうだ。彼女が切られた時、恐らく相当出血があった筈だ。なら犯人は少なからず返り血を浴びていないとおかしいだろう」

万斗 輝晃「確かに………」

明智 麻音「そこで見張り交代の際黒瀬敦郎クンに会った霞ヶ峰麻衣子クンと霜花優月クンに聞きたい。キミ達が黒瀬敦郎クンに会った時、彼は血塗れだったかね?」

霞ヶ峰 麻衣子「えーっと………。血塗れではなかった気がする………でござる」

北条 業「気がする?あなた馬鹿にしてるんですか?この裁判は命が懸かってるんですよ。あなたのふわふわした記憶で私達が死んだらどう責任とってくれるんですか?」

霞ヶ関 麻衣子「ひゃあああ!?………ま、間違いないでござる!!黒瀬殿の服は綺麗だったでござる!!」

霜花 優月「私も敦郎の服装は見ましたが、彼の服には一滴も血は付着していませんでした。これは断言出来ます」

明智 麻音「そうか。二人も証人がいるのなら間違いはない。ならば返り血を全く浴びていない黒瀬君が犯人だという理論はおかしいだろう」

相川 凛「うん。明智さんの言う通りだと思う。ちなみにここには服の替えはないし、着替えて誤魔化すって事も出来ないと思うよ」

うちらの服装は閉じ込められた日と全く一緒だ。だから服は当然一着しかない。しかも服の替えも全く用意されていなかった。温泉の脱衣所に洗濯機があったから何十日も洗濯してない服を着る、という事態は避けられたけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャック「フン、言いたい事はそれだけカ。なら無意味な時間だったナ」

呆れたようにため息をつくジャック君。

明智 麻音「おや、もしかしてワタシの推理には穴があったかね?」

ジャック「あア。貴様が穴があると分かって言っているのか、それとも分からずに言っているのか判断出来かねるがナ。どちらにしろ反論はさせてもらうゾ」

明智 麻音「ああ。キミの反論、是非聞かせてくれ。その全てを論破して見せよう」

何故かウキウキしながら反論を待つ明智さん。

……なんでそんな目をキラキラさせるんだ。

 

 

   

 

 

 

 

ジャック「まず返り血だガ、そんなのは布などを使えば防げるだろウ。いくら脳筋の奴でも布程度は扱える筈ダ」

黒瀬 敦郎「あれ?さりげなく今オレ馬鹿にされた?」

独島 灯里「さりげなくじゃなくて堂々と馬鹿にされてたね〜」

明智 麻音「成程。物を使って返り血を防ぐ方法か。中々興味深いアイデアだが、残念ながらそれは不可能だ。何故ならそのような痕跡が一切存在しないからな」

ジャック「………なんだト?」

明智さんの発言に驚くジャック君。

明智 麻音「脱衣所にある人数分のバスタオル。それにカプセルホテル内にあるそれぞれの布団とシーツ。園内にある返り血を防げる布と言えばこれくらいだが…、バスタオルは元の場所に全員分あったし、布団とシーツも各個室にしっかりとあった」

霞ヶ峰 麻衣子「ちょ、ちょっと待つでござる!!もしかして明智殿は全員の個室に入って確認したって事でござるか!?」

明智 麻音「そうだが………何か問題かね?」

霞ヶ峰 麻衣子「いや、問題というか………常識的に考えてそれはどうなのでござるか………?」

霜花 優月「いわば人の家に無断で入るようなものですからね………」

うん。それはそうだ。プライバシーの欠片もない。

明智 麻音「緊急事態だしこれくらいはいいだろう。何も物を盗んだわけじゃないんだ」

北条 業「ふーん。それにしても探偵は随分と細かいところまで見てるんですね。普段も同じように私達に気を配ってくれたらいいんですけど?」

明智 麻音「ふむ、北条業クンもついにワタシの素晴らしさに気がついたか。もっと褒めてくれても構わないぞ。あ、キミもワタシの助手になるかね?そうすればワタシがいかに完璧な人間かをもっと間近で見れると思うが」

北条 業「今のは褒めてるんじゃなくて嫌味なんですけど。あとあなたの助手とか死んでも嫌ですから死ね」

しかし明智さんはいつの間にそんな事を調べていたとは。

もしかして『調べたい事がある』って言って捜査中に別れたのはこの為……?

 

 

 

 

 

 

 

ジャック「だが、返り血が付いたとしても脱衣所の洗濯機を使えばいい話ダ。布を使って返り血を防いだ後、それを隠して誰もいない夜中などに洗濯して血を落とせばなんの問題も無イ」

だが、一回の反論で諦めるジャック君じゃない。次の可能性を提示する。

明智 麻音「洗濯か………。いい着眼点だが、残念ながらそれも不可能だ」

しかし明智さんはそれも否定する。

ジャック「………何故ダ?」

明智 麻音「先程ワタシはモノカバにある事を確認した。『昨日の夜8時〜今朝7時の間に洗濯機を使った者はいるのか』とな。するとモノカバは『誰もいない』と答えた。これが何を意味するのか分かるかね?」

ジャック「!?」

独島 灯里「あれー?そしたら黒瀬くんはどうやって返り血を落としたのー?」

霞ヶ峰 麻衣子「………どう足掻いても無理でござる」

明智 麻音「そうだ。彼には布で返り血を防いだとしても、それを綺麗にして元通りの場所に戻す手段と時間がない。捜査時間中もずっと霜花優月クンの側にいただろうしな」

黒瀬 敦郎「ほ、ほら言ったじゃねーか!!オレは無実なんだよ!!テメーら謝れ!!」

散々疑われた黒瀬君は顔を赤くして怒っている。

 

 

 

 

 

 

 

ジャック「………いや、まだ可能性はあル」

しかしジャック君の疑いは止まらない。

黒瀬 敦郎「は、はぁ!?ジャック、テメーいい加減に………」

ジャック「水が使える場所なんていくらでもあるだろウ。風呂場、トイレ、そしてウォーターサーバーから出る水もあル。それらを使えば返り血を落とす事など容易ダ。貴様の疑いは晴れる事は無イ。いい加減自白しロ」

黒瀬 敦郎「なっ………!」

千野 李玖「ジャック殿?さっきから少しばかり様子が変ですぞ?」

霜花 優月「ええ。疑う気持ちも分かりますが、敦郎を追い込みすぎてるような気がします」

独島 灯里「そうだよー。確かに黒瀬くんは怪しいけどー、決めつけるのは良くないよー。なんか焦ってるよージャックくん〜」

何人かが彼がいつもと様子が異なる事に気がついたようだ。

ジャック「様子がおかしいだト………?俺は至って冷静ダ。今も論理的に容疑者を追い詰めてユキの仇を取ろうと………」

感情を必死に抑えてそう言うジャック君。

でも………うちにも分かる。彼は冷静なフリをしているだけだ。明らかにいつものジャック君とは違う。

気持ちは分かるが、このままでは彼に意見を押し切られてしまう。それだけは絶対駄目だ。けど、彼を納得させるだけの証拠をうちは持っていない。

そもそも、返り血をどう防いだか、そしてそれをどう処理したのかについて議論していても一向に犯人には辿り着けない気がする。

何か手がかりが欲しい。一つでも大きな手がかりがあれば………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柴崎 武史「あのー。このくだりいつまでやるつもりッスか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな中場にそぐわない呑気な声を発したのは、今まで一言も喋らず傍観していた柴崎君だった。

柴崎 武史「無能のアンタ達がどのように裁判を進めるのか興味があったから黙って聞いてたッスけど、マジでポンコツッスねアンタ達。これだけ議論して何にも進んでないじゃないッスか」

ジャック「なんだト………!!」

その言葉にジャック君は憤慨する。

柴崎 武史「てゆうかジャックサン、アンタなんでそんな興奮してるんスか?今議論してるのは幸村サンじゃなくて銀山サンの事件ッスよ。それなのに仇を取りたいだのなんだの言って議論を停滞させて………。どこまで無様な姿を晒せば気が済むんスか?」

ジャック「………!!」

悪口を浴びせられたジャック君は驚きながら黙ってしまった。

明智 麻音「まあそう言わないであげたまえ。彼も犯人を突き止める為に必死だったのだ」

柴崎 武史「いやアンタがよく言えたッスね。というかアンタ、さっきのやり取り楽しんでたッスよね」

明智 麻音「ふふ、キミにはバレてしまっていたようだな。実は裁判という初めての経験に舞い上がってしまってな。ついつい議論を堪能してしまった」

柴崎 武史「アンタ………下手したら僕より変わり者ッスよ」

明智 麻音「それはお互い様だ」

何故かニヤリと笑い合う二人。

北条 業「偉そうな事言うなよゴミクズが。お前が喋ると碌な事が無いんだよ。だから一生口閉じ……」

相川 凛「ちょっと待って業ちゃん!」

北条 業「凛さん!?」

相川 凛「………今は一つでも手がかりが欲しいの。うちらを嫌ってる柴崎君がわざわざ議論に参加してきたって事は、何かを知ってるって事だと思う。だからうちは………柴崎君の話を聞きたい」

北条 業「凛さん………。うぅ、ついに凛さんがあのクソ男の毒牙に………」

何を勘違いしているのか勝手に泣いている業ちゃんを放っておいて、柴崎君の方に向き直る。

相川 凛「あなたがうちらの事無能って言うなら………、自分が有能だって事、証明してくれるんだよね?」

柴崎 武史「お、相変わらずいい目つきッスね。ちゃんと成長してるみたいで何よりッス。じゃあ相川サンの挑発に乗って有能なとこ見せちゃいますか」

肩をぐるぐる回しながらそう言う柴崎君。普段は嫌な奴だけど………今は彼の事が凄く頼もしく見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柴崎 武史「まずアンタ達はどうでもいい事に時間使いすぎッス。返り血を防ぐとかそんなのどうでもいいんスよ。重要なのは『誰に犯行が出来たか』ッス」

万斗 輝晃「でも、それが分からないから返り血うんぬんの話になったんだよ。そこからなら、犯人を特定出来るんじゃないかって」

柴崎 武史「さっきジャックサンも言った通り、返り血を防ぐ方法とそれを水で洗い流して誤魔化す方法なんていくらでもあるんスよ。だからそこから犯人を特定するのは不可能ッス。だから他の証拠から攻めるんスよ」

千野 李玖「他の証拠ですと?」

柴崎 武史「じゃあまず、僕しか知らない情報を提供してあげるッスよ。…………銀山サンが死んだのは()()()()()1()2()()()ッス」

霜花 優月「………断言するという事は、何か根拠があるんですね?」

柴崎 武史「当然ッス。だって僕、12時前に銀山サンに会ってるんスよ」

万斗 輝晃「えええ!?」

霞ヶ峰 麻衣子「な、なぜそれを早く言わないのでござるか!?」

柴崎 武史「だからさっき言ったじゃないッスか。アンタらがどういう風に裁判を進めるのか見物したかったって」

黒瀬 敦郎「やっぱコイツクソ野郎だな………」

柴崎君は口を開くとすぐに、自分が香織ちゃんと最後に会った人物だと証言し始めた。

彼がそんな事を正直にペラペラ話すのはかなり怪しいが、一応最後まで聞くと決めたんだ。ここは黙っていよう。

柴崎 武史「正確に言うと、僕は昨日の11時半頃に園内を歩いていた銀山サンとばったり会ったんスよ。そこで20分くらい立ち話をして、その後あの人は見張りの交代の時間だとか言って武器庫に向かっていったんス。僕は見張りとかよく分かんなかったんでその場で銀山サンと別れたんスけど、しばらくして僕がふと後ろを振り返ったら、あの人がミラーハウスに入る所を見たんスよ」

ミラーハウス………!香織ちゃんが殺されてた場所だ。

 

 

 

 

 

 

 

柴崎 武史「僕はその後はそのまま園内フラフラして帰ったんで何も知らないッスけど、恐らく銀山サンはその段階で犯人に殺された筈ッス。これが僕だけが知る情報ッスね」

明智 麻音「ふむ、確かにミラーハウスに入った銀山香織クンを犯人が待ち伏せて殺害したというのであれば筋は通るが………」

ジャック「貴様の証言が本当だとする、ならばナ」

鋭い目つきで柴崎君を睨むジャック君。

北条 業「ジャックさんの言う通りです。このカス野郎が本当の証言をする筈がありません。どうせ私達を撹乱する為に嘘の証言をしているに決まってます。それに私達の事をあんなに見下して近づこうともしなかったコイツが銀山さんと立ち話?あり得ないですよ。そこからもう嘘くさいです」

それに続く業ちゃん。

独島 灯里「でもさー、銀山さんの目撃情報は他にないわけでしょー?なら柴崎くんの言ってる事信じてもいいとおもうけどねー」

霜花 優月「私も………武史の証言が真っ赤な嘘だとは思えません。特に大きな矛盾も無いですし、それにもし証言が本当であれば、時間に厳格な香織が見張りの交代時間に現れなかった事も納得がいきます」

それに対して独島さんと優月ちゃんは柴崎君の証言に肯定的だ。

黒瀬 敦郎「じゃ、じゃあオレが武器庫に来た時にちょうど香織はミラーハウスで………」

相川 凛「待ってみんな!!」

みんなの状況を見たうちは声を上げる。

相川 凛「柴崎君の証言が本当かどうか決めるのは後にしよう。それよりも柴崎君の話の続きを聞くべきだよ。最後まで聞いて証言の真偽を考えればいい。とにかく今は何でも情報が欲しい状態だからね」

北条 業「さっすが凛さん!!!!!どんなゴミ人間にも優しさを忘れない器の大きさに天晴です!!」

霞ヶ峰 麻衣子「相川殿の言う通りでござるな。拙者らはまだ全ての話を聞いたわけでは無いでござる。判断を下すのは早計でござる」

独島 灯里「なん…だと…。霞ヶ峰さんがまともな事を言った………」

霞ヶ峰 麻衣子「ムキーーーーーー!!失礼でござる!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

柴崎 武史「情報を鵜呑みにせず冷静に判断をしようと努力する………。うんうん、相川サン順調に成長してるッスね」

あえて口を挟まず様子を見てた柴崎君が憎たらしい笑みを浮かべて頷く。

相川 凛「うるさい。いいから話の続きして」

思わず刺々しい言い方になってしまった。

柴崎 武史「はいはい。…………確かにアンタらの言う通り、今の目撃証言は見たと証明出来ない以上確実なものではないッス。だから今のは頭の隅に入れておくくらいの認識でいいッスよ。僕が銀山サンの事件を考察するにあたって注目したのは………死体とその周りの状況ッス」

霜花 優月「死体………。そしてその周り………」

柴崎 武史「幸村サンから離れなかった千野サンとジャックサン以外は全員銀山サンの死体を見てるッスよね。それを見て………()()()()()()()()()()()()スか?あ、さっきの首の傷以外ッスよ。その話も後でするんで」

香織ちゃんの死体のおかしな点………?

思い出せ。確か何かあった筈………。

 

 

 

 

 

 

 

 

議論開始!

 

 

柴崎 武史「さて、銀山サンの死体のおかしな点はどこでしょーか?」

黒瀬 敦郎「また武史が仕切ってやがる………。なんかムカつくぜ」

霞ヶ峰 麻衣子「うぅ……。拙者実は見るのが恐ろしくて[着物が血塗れ]だった事くらいしか覚えてないでござる………」

霜花 優月「もしかして………[体にあった謎の痣]ですか?」

千野 李玖「それとも[死体が壁に寄りかかっていた]事ですかな?」

独島 灯里「全然分かんないよー。もうギブアップ〜」

 

 

 

 

 

[体にあった謎の痣]←[左腕の痣]

 

 

 

それに賛成だよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

相川 凛「優月ちゃんに賛成だよ。香織ちゃんの左腕によく分からない痣があったんだ」

千野 李玖「痣、ですか?一体何故腕に痣なんか……」

実際に見ていない千野君はピンと来ていないようだ。

ジャック「俺にも分かるように詳しく説明しロ。痣の形ハ?大きさハ?腕のどの部分にあったんダ?」

同じく香織ちゃんの死体を見ていないジャック君はうちに矢継ぎ早に質問してきた。

相川 凛「え、ええと………。確か形は………」

霜花 優月「凛。無理しなくても大丈夫です。私が説明するので。………痣の形状は腕を一周するような形です。場所は手首に近い前腕にありました。例えるなら………そうですね、輪ゴムを指に巻きつけたままにしておくと鬱血するでしょう。あれと同じ感じです」

ジャック「………そうカ」

うちがあたふたしていると優月ちゃんが助け船を出してくれた。

うち、裁判の時いっつも優月ちゃんに助けてもらってる気がする。

柴崎 武史「その通りッス。銀山サンの左腕には痣が出来てるんスよ。ちなみにこの痣、何で出来たんだと思います?」

黒瀬 敦郎「は?何で?」

柴崎君の唐突な問いかけに他の人は顔を見合わせる。

万斗 輝晃「そりゃあ怪我したからじゃないの?」

柴崎 武史「その怪我した理由を聞いてるんスよ」

霞ヶ峰 麻衣子「何かで殴られたのではござらんか?ほら、武器庫には人を殴れる鈍器もあったでござる」

確かに武器庫には鈍器もあった。けどその可能性は恐らく無い。

何故なら………。

 

 

 

 

 

 

コトダマ提示

 

 

 

[持ち出された大量の武器]←

  

 

 

 

これだよ!

 

 

 

 

 

相川 凛「霞ヶ峰さん。多分それは無いと思うよ」

霞ヶ峰 麻衣子「ん?何故でござる?」

相川 凛「ちょっとこれを見て欲しいんだ」

うちはみんなに捜査時に発見した武器庫のリストを見せた。

ジャック「これハ………」

黒瀬 敦郎「ん?どういう事だよ?」

霞ヶ峰 麻衣子「武器庫からいくつか武器が消えてるって事でござるよ!!もしかしたら今も武器を持ち歩いてる人がこの中にいるかもしれないでござる………」

黒瀬 敦郎「え!?マジかよ!!それってかなりやべぇじゃねーか!?」

相川 凛「うん、まあそれも大問題なんだけどとりあえず置いといて………。無くなった武器について見て欲しいんだ」

みんなはリストを凝視する。

霜花 優月「無くなった武器は………拳銃、アサルトライフル、日本刀、果物ナイフ、剣、手榴弾、C4、スタンガン、木製バット、ですね」

独島 灯里「これがどうしたのー?」

相川 凛「今言った中にさ、香織ちゃんの腕に痣を付けられる武器ってあると思う?しかもただの痣じゃなくて腕を一周してる痣だよ」

うちの問いかけにみんなは一瞬考え込む。そして、

北条 業「無いですね」

千野 李玖「ありませんな」

霞ヶ峰 麻衣子「無いでござる」

ほぼ全員同じような答えに辿り着いた。……一部まだピンと来てない人もいるけど。

相川 凛「そう。武器庫から消えた武器じゃ香織ちゃんの腕にあったような痣は付けられないんだ」

 

 

 

 

 

柴崎 武史「ブラボー。相川サン大正解ッス」

すると柴崎君が大袈裟に拍手をしながらうちの事を褒めた。

キザったらしい。その嘘にまみれた笑みをやめろ。

柴崎 武史「相川サンの言う通り、これは武器によって作られた痣じゃないッス。ではどうやってこの痣が出来たかというと………」

明智 麻音「()()()()()()()()、だろう?」

相川 凛「………え?」

その時柴崎君ではない誰かが発言した。………明智さんだ。

うちは予想外の答えに思わずえ?、と返してしまった。

武器のせいでは無いとは思ってたけど、まさか素手だとは考えてなかったから尚更驚きが大きい。

柴崎 武史「いやーなんで先に言っちゃうんスかねー?僕がドヤ顔で言ってやろうと思ったのに」

明智 麻音「いやいやすまない。だがあまりキミの遊びに付き合ってる暇は無いんだ。解けていない問題が山積みだからな。という訳でワタシも本気で議論に参加させてもらう」

柴崎 武史「さっきまで遊んでたアンタにだけは言われたくないッスよ」

あの柴崎君が珍しく本気で嫌そうな顔をしている。

もしかして柴崎君、明智さんの事苦手?

独島 灯里「ちょっとー。二人で盛り上がってないでわたしたちにも教えてよー。痣の正体ー」

むすーっと頬を膨らませる独島さん。

なんだかとっ◯こハ◯太郎みたいでかわいい。

 

 

 

 

 

 

明智 麻音「では柴崎武史クンに代わりこの天才、明智麻音が解説しよう。霜花優月クン、少し協力して欲しい。ワタシと向き合ってくれ」

霜花 優月「私ですか。え、ええ。構いませんが……」

明智さんは突然そう言い右隣にいる優月ちゃんと向き合った。優月ちゃんも突然の指名に戸惑いながらも明智さんと向き合う。

明智 麻音「ワタシが銀山香織クン、霜花優月クンが犯人だとする。銀山香織クンは恐らく、犯人に襲撃された後このように向かい合う形になり、そしてお互いがお互いの腕を掴み合う、いわば取っ組み合いのような形になった筈だ」

そう説明しながら明智さんは右腕で優月ちゃんの左腕を掴み、優月ちゃんも右腕で明智さんの左腕を掴むという、文字通り取っ組み合いをしている状態になった。

状態になった。

明智 麻音「こうなるとお互いに力比べのようになるが………もし犯人が相当握力の強い人間だったら、ずっと握られていた銀山香織クンの腕はどうなると思う?」

万斗 輝晃「腕を握られすぎて………鬱血する?」

明智 麻音「その通りだ万斗輝晃クン。取っ組み合いになった際、とてつもない力で犯人に腕を握られた銀山香織クンの腕には痣が残ってしまったのだ」

黒瀬 敦郎「おいおい………そんな事ってあり得るのかよ……」

霞ヶ峰 麻衣子「握って痣を作るなんて………一体どれほどの握力の持ち主でござるか!?」

説明を聞いたみんなはにわかには信じられない様子だ。

 

 

 

 

 

 

 

千野 李玖「ですがもし明智殿の推理が正しかったとしたら、犯人は限られてくるのではないですかな?」

すると千野君がポツリとそう呟いた。

その言葉に場が一瞬シーンとなる。

そしてうちの頭に稲妻が走った。

もしかして………。

千野 李玖「おや?拙僧もしや的外れな意見を言ってしまいましたかな?であればすぐ発言を撤回……」

相川 凛「いや………、千野君の言ってる事は正しいよ。だって素手で人の腕にあんな痣を作る程の握力の持ち主って……」

うちがそう言った瞬間、全員の視線が再びある人物に集まる。

黒瀬 敦郎「………な、なんだよ………」

独島 灯里「この中で一番握力ありそうなのってー、黒瀬くんだよねー?」

ジャック「やはり貴様が犯人カ。グダグダと言い訳を続けてきたガ、もう限界だナ」

霞ヶ峰 麻衣子「黒瀬殿が銀山殿を殺めたのでござるか!?だとしたら……拙者黒瀬殿を軽蔑するでござる」

万斗 輝晃「やっぱてめぇかクソバスケ部!!あの世で香織さんに詫びてこい!!」

黒瀬 敦郎「だ、だからオレじゃねーんだって………!」

一気にみんなが敵に回った事によってまたもや孤立した黒瀬君。

彼の自分は無実であるという叫びはもう届かない。

 

 

 

 

確かに彼の握力は見た目と才能を見れば一番強いのは明らかだ。

…………()()()()()()()()()であれば。

 

 

 

 

 

 

相川 凛「みんなごめん。ちょっと待って」

うちは静かに喧騒を止める。

ジャック「何ダ。まだ何かあるのカ?」

すぐ議論を止めるうちに苛立ちを覚えるジャック君。

彼としては一刻も早く幸村さんの事件について話したいのであろう。

相川 凛「あと少しだけ話したい事があるの。それが終わったら議論は終わりでいいから。だからみんな付き合ってくれる?」

うちの至って真剣な眼差しに、文句を言っていたジャック君も黙る。

明智 麻音「気がついたか、助手。よかろう、助手の頼みを聞くのが名探偵であるワタシの役目だからな」

北条 業「はい!!!!凛さんと既にお付き合いしてる私としては凛さんになら一生何でも付き合う所存です!!!………いいですかあなた達、凛さんがこう言ってるんですから言うこと聞いて下さい。くれぐれも凛さんを困らないように」

独島 灯里「わたしたちと相川さんへの対応違いすぎワロター」

柴崎 武史「しょうがないッスね。まだまだ無能の領域にいる相川サンが心配なんで僕も加勢してあげるッスよ」

北条 業「てめーには言ってねーんだよゴミカス喋んな消えろ」

不満がある人もいるみたいだけど、どうやらみんなうちに付き合ってくれるみたいだ。

まだ議論を終わらせるには早い。いくつかある疑問点を解消しなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

議論開始!

 

 

 

相川 凛「うちがまず話したいのは………さっきうやむやになった凶器についてなんだ」

万斗 輝晃「香織さんを殺した凶器………。確か優月さんの検死で鋭利な刃物じゃない事は分かっているんだよね」

独島 灯里「でも刃物以外に銀山さんをあんな風に出来るものってあるのかなー?」

霞ヶ峰 麻衣子「なら………アトラクションに使われている[プラスチックの破片]とかどうでござるか?あれも結構尖っているでござるが」

北条 業「普通に考えて[ガラスの破片]とかじゃないんですか?」

黒瀬 敦郎「もしかしたらこれも[素手]でやったりしてな!例えば手刀とか」

独島 灯里「おそろしく早い手刀。オレでなきゃ見逃しちゃうね」

ジャック「貴様ら馬鹿共は黙っていロ。話がややこしくなル」

 

 

 

 

[ガラスの破片]←[割られた鏡]

 

 

 

 

それに賛成だよ!

 

 

 

 

 

 

 

北条 業「り、凛さんが私の意見に賛成してくれた………!という事はつまり、私のプロポーズを受け取ってくれたという解釈でいいんですよね!?」

鼻息をフンフン言わせながらうちの方を凝視する業ちゃん。

どう捉えたら今のがプロポーズに聞こえるんだ。

相川 凛「うん、全然違うけどね。……犯人が香織ちゃんを殺すのに使った凶器はガラス、いや性格にはガラスの破片だとうちは思う」

黒瀬 敦郎「ガラス?ガラスなんて園内にあったっけか?」

黒瀬君は不思議そうな顔をする。

ジャック「貴様の脳内に脳味噌はあるのカ?本当に俺と同じ人間カ?」

黒瀬 敦郎「うるせー!分かんねーもんは分かんねーの!というかバカって言うな!!」

霞ヶ峰 麻衣子「いや誰もバカとは言ってないでござるよ………」

ジャック君を初め殆どの人が気がついてるみたいだ。

ガラスがあった場所。それは………。

相川 凛「温泉施設の男子脱衣所にあった鏡だよ。犯人はあれを割ってその破片を凶器にしたんだと思う。黒瀬君も見た筈だよ」

黒瀬 敦郎「あああ!!あれか!」

どうやら彼もしっかり見ていたようだ。

独島 灯里「なるほど〜。犯人は武器庫に見張りがいて武器が使えないから、別の場所から凶器を調達しようとしたわけねー」

うんうんと納得する独島さん。

 

 

 

 

 

 

万斗 輝晃「そうだ。その割れた鏡について気になる事があるんだけど」

すると万斗君が表情を曇らせながら発言した。

万斗君の言いたい事って………これについてかな?

 

 

 

 

 

 

コトダマ提示

 

 

 

 

 

[温泉を利用した二人の証言]←

 

 

 

これだよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

相川 凛「それって万斗君がさっき脱衣所で言ってた事?」

万斗 輝晃「そうだよ凛さん。さっき凛さんと麻音さんに話したんだけど、ボク6時40分頃に脱衣所を利用したんだ。でもその時、もしかしたら鏡が割れてなかったかもしれないんだよね」

北条 業「どういう意味ですか?」

万斗 輝晃「だってそこそこ大きい鏡が割れてたら嫌でも目に入る筈でしょ?それなのにボク割れてたって捜査の時まで気がつかなかったんだよね。これってもしかしてボクが来た時割れてなかったんじゃないかって」

千野 李玖「それは拙僧も同じです。拙僧も万斗殿より早い6時前に銭湯を利用したのですが、鏡が割れている事には気がつきませんでした」

霜花 優月「輝晃だけならともかく、李玖も気がつかなかったとは………。偶然にしては出来過ぎですね」

万斗 輝晃「あれ?優月さんさりげなくボクの事ディスった?」

霜花 優月「?」

万斗君。今の優月ちゃんに悪意はないよ。

柴崎 武史「ふーん。じゃあアレがああいう風に使われたのはそういう事だったんスかねー」

すると柴崎君がそう発言した。

霞ヶ峰 麻衣子「指示語が多すぎるでござるよ柴崎殿。一体何の話でござるか」

柴崎 武史「相川サンに聞けばいいんじゃないッスか?」

相川 凛「は!?」

アイツ、またうちに流してきやがった。

ニヤニヤした顔を浮かべてる辺りまた面白がってるのだろう。

ムカつく。後であのニヤケ面に右ストレート入れてやる。

………万斗君と千野君が鏡が割れた事を認知出来なかった理由か。

それは恐らくこれのせいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

コトダマ提示

 

 

 

 

[掛け軸]←

 

 

 

 

 

これだよ!

 

 

 

 

 

 

 

相川 凛「万斗君と千野君が鏡が割れた事に気がつかなかったのは、多分掛け軸がかかってたせいだと思う」

万斗 輝晃「掛け軸?」

明智 麻音「その通りだ助手。犯人は鏡を割った後、それを隠す為にモノカバの顔が描かれた掛け軸を鏡の上から掛けたのだ。掛け軸の裏には割れた鏡によって付いた傷もあったし、間違いないだろう」

うちの発言を明智さんが補足してくれた。

千野 李玖「そういう絡繰だったのですか………」

深く頷く千野君。

霜花 優月「犯人はいつ自分が脱衣所に入ったのか特定させない為にそのような事をしたのでしょう。……どうやらそこそこ頭が回る人物のようですね」

そう。犯人は鏡を割って凶器にして、しかもそれを掛け軸を使ってうまく隠すアイデアを思いつく、よく言えば柔軟、悪く言えばずる賢い考えを持つ人物。………やっぱり犯人は………。

 

 

 

 

 

 

 

柴崎 武史「お。その顔は相川サン、犯人分かったみたいッスね」

うちの顔を見た柴崎君が口の端を上げてそう言う。

相川 凛「………柴崎君は分かってたの?」

柴崎 武史「大分前から分かってたッスよ。でも僕がすぐ答えを言わない人間だってのはアンタが一番良く知ってるでしょう?」

相川 凛「………」

柴崎 武史「それに信頼度ゼロの僕の口から犯人の正体を言っても誰も信じてくれないと思うんで。だからアンタの口から言うしかないッスよ。銀山サンを殺した、その凶悪な人物の名前を」

相川 凛「………うん。そうだね。………ありがとう」

柴崎 武史「急にお礼を言うなんておかしな人ッスね。僕何してないんスけど」

それは違う。柴崎君は今回の裁判でいつも通り悪意のある発言をしながらも、うちにさりげなくヒントくれたり、停滞していた議論を進めてくれたりした。そして今も躊躇するうちに犯人を言わせそうと後押ししてくれた。

彼の態度は良くないと思うけど、手助けしてくれたのは事実だし、うちもそれに応えなければいけない。

これまでの議論から考えて…………犯人はあの人しかいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怪しい人物を指定しろ!

 

 

相川 凛

 

飛田 脚男

 

霞ヶ峰 麻衣子

 

喜屋武 流理恵

 

分倍河原 剛

 

北条 業

 

柴崎 武史

 

錦織 清子

 

千野 李玖

 

霜花 優月

 

明智 麻音

 

ジャック ドクトリーヌ

 

独島 灯里

 

黒瀬 敦郎

 

中澤 翼

 

幸村 雪

 

万斗 輝晃

 

銀山 香織

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相川 凛「香織ちゃんを殺した犯人は………分倍河原君だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うちは、今回の犠牲者である分倍河原剛君の遺影を指差しながらそう宣言した。

黒瀬 敦郎「ちょ、ちょっと待てよ!?」

ありえないという風に首を振りながら否定する黒瀬君。

黒瀬 敦郎「死んだ剛が香織を殺したって………そんな事あり得るのかよ⁈だってアイツは被害者じゃねーか!?」

柴崎 武史「あの男が被害者かどうかなんて関係ないッスよ。分倍河原サンが死んだのはついさっきなんスよ。ならあの男にも銀山サンを殺す事は十分可能でしょ」

独島 灯里「分倍河原くんは黒瀬くん以上の怪力の持ち主だしー、気性も荒くてわたしたちのこと嫌ってたからー犯人としてはこれ以上にいないくらいピッタリだよねー」

 

 

 

 

 

霞ヶ峰 麻衣子「ちょ、ちょっと待って欲しいでござる!」

すると霞ヶ峰さんが手を挙げて異論を唱えた。

霞ヶ峰 麻衣子「分倍河原殿を犯人だと断定するのは早いのでござらんか?それにそもそも男子が犯人とは限らないでござるよ!」

北条 業「………今まで寝てたんですかあなた?凛さんが『素手で痣を付けられるほどの力を持つ人間』が犯人だと言ったじゃないですか。そんなの男しかいないに決まってるでしょう」

万斗 輝晃「麻衣子さん。それに鏡が割られていたのは『男子脱衣所』だよ。男子しか入れない以上、犯人は男子で決まりだと思う」

霞ヶ峰 麻衣子「痣の事は一度置いておくでござる!そう!そこでござるよ万斗殿!!」

それだ、と言う風に彼女は指をパチンと鳴らす。

霞ヶ峰 麻衣子「前々回の中澤殿の事件みたいに、携帯をうまく使って異性の脱衣所へ侵入する方法があるのではござらんか?」

霜花 優月「なるほど。もしそれが可能であれば女子にも犯行は可能であると」

霞ヶ峰 麻衣子「そもそもおかしいとは思わないでござるか?男子脱衣所の鏡を凶器にしたら、犯人が男子だとすぐバレてしまうでござる。だから犯人はここに何らかのトリックを仕掛けているに違いないでござる」

千野 李玖「偽装工作、というやつですか。男子がやったように見せかけるという事ですかな」

霞ヶ峰 麻衣子「そう!偽装工作でござる!!きっと犯人は男子に見せかけた女子でござる!!」

霞ヶ峰さんはフンと胸を張りドヤ顔をしている。

でも………彼女には悪いけどそれは無理だ。

何故なら………。

 

 

 

 

 

 

 

 

コトダマ提示

 

 

 

[犠牲者の携帯の行方]←

 

 

 

 

 

これだよ!

 

 

 

 

 

 

 

相川 凛「それは無いよ霞ヶ峰さん。もう異性の更衣室に入る手段は無いから」

霞ヶ峰 麻衣子「ふぇ!?」

相川 凛「一応みんなに聞くけど、昨日から今日にかけて自分のカバフォンを盗まれたって人はいる?いたら正直に手を挙げて欲しい」

………手を挙げる人はいない。

相川 凛「だよね。だったらもううちらは自分の性別の場所しか入れないよ………死んだ四人のカバフォンも回収されちゃったし」

霞ヶ峰 麻衣子「ふぇぇぇ!?そ、そうだったのでござるか!?」

モノカバ「その通りカバ!!既に四人のカバフォンは回収済みカバ!!だからオマエらは使えないカバよ〜!」

モノカバもそう証言する。

相川 凛「死んだ人のカバフォンを使うのは学則違反じゃないけど、そもそもうちらは使えないんだから無理なんだよ」

 

 

 

霞ヶ峰 麻衣子「な、なんと………。どう足掻いても無理なのでござるか。拙者興奮して早とちりしてしまったでござる。相川殿、申し訳ないでござる」

自分が間違えてると分かった霞ヶ峰さんは素直に謝ってくれた。

相川 凛「ううん、霞ヶ峰さんが謝ることじゃないよ。おかげで……」

北条 業「本当ですよ。凛さんに手間をかけさせて………。万死に値しますよ。凛さんの言う事は絶対正しいんです。だから反論なんて真似を次して凛さんの時間を無駄にするようだったらあなたのその乳もぎ取りますよ」

霞ヶ峰 麻衣子「ひゃあああ!?ご、ごめんなさいでござる!?目が怖いでござるよ北条殿!?」

万斗 輝晃「ウヒョ!?乳をもぎ取る⁈ならその役目、是非ボクがやらせて頂きます!」

霞ヶ峰 麻衣子「そのいやらしい目つきを止めるでござる!!拙者まだこれを手放すつもりもないし万斗殿にだけは死んでも触られたくないでござる!!」

なんか今回の裁判、業ちゃんと万斗君の言動が目立つ気がする。

相川 凛「とにかく、犯人は男子かつ腕に痣を作れる程握力が強い人。そして犯行時刻的に可能なのは分倍河原君しかいないんだ。だから………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴様の誤った推理、俺が治療してやル」

 

 

 

 

 

 

 

 

反論!

 

 

 

 

 

ジャック「ふざけるナ。その程度の根拠で納得出来る訳がないだろウ」

相川 凛「ジャック君………!」

ジャック「今のが条件なら犯人はアツロウに決まっていル。アイツがカオリを殺したんダ」

相川 凛「ジャック君………。どうしてそこまで黒瀬君を犯人だって決めつけるの?やっぱり今回のジャック君、いつもより冷静じゃないよ。少し落ち着いて考えよう?」

ジャック「黙レ…………!俺はこんな所で足踏みしてるわけにはいかないダ………。邪魔するようなら容赦はしなイ。手術(オペ)してやるから覚悟しロ」

物凄い気迫だ。………だけど退くわけにはいかない。

彼の勢いに飲み込まれないようにうちも立ち向かうしかない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

反論ショーダウン開始!!

 

 

 

ジャック「貴様の推理はタケフミの目撃証言を真実と仮定した場合のものだろウ」

 

 

ジャック「だガ、あの男の証言が嘘だとしたらどうダ?アツロウにも犯行は十分可能な筈ダ」

 

 

ジャック「そもそも普段から俺達を騙したあの道化の証言はまるで信用ならン。逆に聞くが貴様が証言を真実だと考える根拠は何ダ?」

 

 

 

 

発展!

 

 

 

相川 凛「はっきり言ってちゃんとした根拠は無いよ。ただ、さっき停滞してた議論を進めてくれてたみたいに前回より協力的な姿勢を見せてるから、うちは柴崎君の証言は信用に値すると思う」

 

 

相川 凛「それに、他に香織ちゃんの目撃証言が出ない以上、柴崎君の証言を当てにするしかないんだよ。他に証言が有れば話は別だろうけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャック「一度俺達を信用させる為にあえて協力するフリをしたとは考えないのカ?裁判を楽しむなどとほざく人間なら平気でそのような行動に出るだろウ」

 

 

ジャック「さらにクロの人間性の問題もあル。クロはカオリと取っ組み合いになったのだろウ。そんな状況になるのはすぐ頭に血が上るアツロウしかいなイ。貴様も普段のアツロウを見ていれば容易にそれが想像出来る筈ダ」

 

 

 

 

発展!

 

 

 

 

 

相川 凛「確かに前回の柴崎君は色々裁判を引っ掻き回したけど…。今回は大丈夫だと思う。三人も被害者がいるこの状況で、そんな余裕彼にもないんじゃないかな」

 

 

相川 凛「黒瀬君はカッとなりやすい性格だけど………分倍河原君も似たような感じだったよね?それに黒瀬君には失礼だけど、鏡を割って凶器を作って、かつそれを掛け軸で隠蔽するなんていう発想、彼には思いつかないと思うんだ。だからうちは分倍河原君を犯人だと言ってるんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

ジャック「………もういイ。貴様の感情論は聞き飽きた。そんなのは何の証拠にもなりやしなイ」

 

 

ジャック「[明確な証拠が無い]なら黙っていロ!そして俺の邪魔をするナ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

[明確な証拠が無い]← [ダイイングメッセージ]

 

 

 

 

 

その言葉、斬らせてもらうよ!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相川 凛「ジャック君。うちはある決定的な証拠を見つけたんだ」

ジャック「…………」

相川 凛「みんなにも見て欲しい。これだよ」

霞ヶ峰 麻衣子「『9四香L』………?なんでござるかこれは?」

相川 凛「多分、香織ちゃんが残してくれたダイイングメッセージだよ」

独島 灯里「うえー。またダイイングメッセージー?」

千野 李玖「………前回の事件と全く同じパターンですな」

北条 業「けど、それならこのダイイングメッセージも第三者による捏造された物である可能性が出てきますよね………。おい、まさかお前じゃないよな?」

柴崎 武史「僕は今回ノータッチスよ。そのメッセージもついさっき知ったッス」

明智 麻音「そのメッセージの信憑性については後でいいだろう。それよりも助手、そのメッセージの意味が分かったのかね?」

うちの意図を察して明智さんがそう尋ねてきた。

相川 凛「うん。うち、これを見つけてたらずっと考えてたんだけど………、やっと分かったんだ」

黒瀬 敦郎「何だよ、何て書いてあったんだよ??」

相川 凛「今から説明するね。………手書きで申し訳ないんだけど、これを見て欲しい」

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

[画像は手書きではないですが、相川が全員に見せているのは手書きのものです]

 

 

 

 

千野 李玖「これは………将棋の盤面ですな」

独島 灯里「本当だー。わたしもオンラインゲームでやった事あるよー」

黒瀬 敦郎「オレは全く知らねーなー。この類のゲームは見たことすらねぇ」

ジャック「それデ?これとメッセージに何の関係があるんダ」

相川 凛「まずこのメッセージの『9四香』についてなんだけど、この部分は将棋の駒が盤面のどこに動いたのかを表してるんだ。みんな棋譜って物は知ってる?」

北条 業「対局者がどこに何を打ったのかが書かれてる用紙ですよね!」

相川 凛「そう。棋譜を読む際には必ず使われる書き方なんだ。読み方は、まず最初の『9』は盤面の縦の列を表すんだと思う」

霞ヶ峰 麻衣子「この上に書かれた数字を見るのでござるね!では左から一番目の列でござる!」

相川 凛「次の『四』は横の列を表してるんだ」

霜花 優月「右端にある漢数字に注目して………、上から四番目の列ですね」

相川 凛「うん。それを組み合わせるとこうなるよね」

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

相川 凛「これが意味するのは、『9四の位置に『香』を打った』って事なんだよ」

独島 灯里「なるへそ〜。そういう読み方だったんだー」

霜花 優月「詳しいんですね、凛」

相川 凛「いやー………、でもちょっとやった事あるくらいだから。だから棋譜の読み方もこれで合ってるのか分からないけど………」

北条 業「大丈夫です!!自信を持って下さい!凛さんの言う事は全て正しいので!!」

業ちゃん。うちは神じゃないんだよ。

そこまで盲信するのはどうかと思う。

明智 麻音「だが助手よ。読み方は分かったが、これがどのように手がかりにつながるのかね?」

相川 凛「一番悩んだのはそこだよ。これが何を表しているのか。その鍵は最後の文字にあったんだ」

万斗 輝晃「『L』だね。でも将棋にアルファベットなんてあるのかい?」

相川 凛「ううん。これは将棋とは全く関係ないんだと思う」

じゃあ一体何なのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

『9四香』………。9四の位置に香を打った。

 

 

 

 

香の初期位置は『9九』………。

 

 

 

 

つまり香は初期位置から五マス進んだ。

 

 

 

 

五つ進んだ………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香が五つ進んだ………。『L』へ向けて………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相川 凛「この左は『LEFT』のLだと思う」

北条 業「左、ですか?」

業ちゃんは首を傾げる。

相川 凛「そう。そして長くなったけど結論を言うね。………この学級裁判での席順を見て欲しい。香織ちゃんは前回までどこにいた?」

霞ヶ峰 麻衣子「どこって………相川殿の右隣にいたでござるよ」

相川 凛「うん。じゃあ香織ちゃんの席から()()()に行くと誰の席?」

万斗 輝晃「左に五個………。あ!!」

香織ちゃんの左はうち。その左は飛田君、霞ヶ峰さん、喜屋武さん。そして…

 

 

 

 

 

 

 

相川 凛「香織ちゃんから5つ左の席は………分倍河原君だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャック「…………!!」

千野 李玖「成程。『香車』の駒は銀山殿を指しているという解釈でいいのですかな?」

相川 凛「その通りだよ。『香車』が初期位置から5つ『LEFT』の方向へと進んだって言う意味だとうちは思う」

ジャック「こ、こじつけに決まっていル!!」

納得出来ないジャック君は自分の席を叩きつけた。

ジャック「その『L』が左を示す証拠ハあるのカ!それにそのダイイングメッセージが他の誰かによって書かれたものである可能性ハ!俺は納得出来なイ!」

いつもの冷静な態度とは真逆の、酷く取り乱した態度でまくし立てるジャック君。

相川 凛「そうだね。もしかしたら香織ちゃん以外の人が書いたのかもしれない。けどさ、それを除いてもうちは分倍河原君が犯人の可能性が高いと思う」

明智 麻音「腕に痣を付ける程の握力を持ち、鏡を割りそれを凶器にして、かつその場にあった掛け軸で隠蔽して発見を遅らせるという機転の利いた方法を即座に思いつく男。そしてこのダイイングメッセージ。………偶然にしては揃いすぎではないかね?」

ジャック「くッ………!」

独島 灯里「うーん………。わたしも犯人分倍河原くんだと思うなー。相川さんの話聞いてるとー、どうもおバカな黒瀬くんには出来なそうだしねー」

黒瀬 敦郎「テメーもオレと同じくらいバカだろーが!!」

独島 灯里「それにー。黒瀬くんが人殺しをするとは思えないんだよねー」

黒瀬 敦郎「………!!」

千野 李玖「それは拙僧も同意です。黒瀬殿はそのような事をしでかす人物とは拙僧も考えられませんな」

北条 業「まあその感情論抜きにしても、黒瀬さんが犯人の可能性は低そうですね。ていうか私最初からそう思ってましたから」

黒瀬 敦郎「………やっと分かってくれたか………」

安心したのか、少し涙目になる黒瀬君。

相川 凛「ごめんね黒瀬君。無実を証明するのに結構時間かかっちゃって」

黒瀬 敦郎「凛が謝る必要ねーよ。むしろオレが謝りたいくらいだ。ありがとな」

 

 

 

 

 

 

 

独島 灯里「みんなちょっといいー?一つ気になっている事があるんだけどー」

独島さんが遠慮がちに手を挙げた。

万斗 輝晃「ん?どうしたんだい灯里さん?」

独島 灯里「いや、銀山さんはなんであんな入り口のすぐ近くで殺されたのかなーって」

千野 李玖「拙僧は銀山殿の遺体を見ていないのですが……そこまで近かったのですか?」

霞ヶ峰 麻衣子「扉開けたらすぐそこにいたでござるよ。確かに犯人にとってはデメリットしかないでござるよ。死体が見つかりやすくなってしまうでござる」

いや、それは違う。香織ちゃんは入り口で襲われたんじゃない。

その証拠もある。

 

 

 

 

 

 

コトダマ提示

 

 

 

[血の跡]←

 

 

 

 

 

これだよ!

 

 

 

 

 

相川 凛「香織ちゃんが襲われたのは入り口じゃない。ミラーハウスのクイズ一問目を答える場所だよ」

明智 麻音「解答場所から入り口まで血の跡が続いていた。銀山香織クンが移動した為に付いたのだろう」

万斗 輝晃「………ちょっと待ってよ!じゃあ香織さんはあの傷で………移動したって事?」

北条 業「あの傷でですか?あんな深手を負って動く事なんて可能なんですかね?」

霜花 優月「可能、かもしれません………」

北条 業「…あ?」

優月ちゃんは何か閃いたような表情で言った。

霜花 優月「香織は確かに何度も首を切り裂かれましたが、どの傷も致命傷は避けています。なら失血死するまで多少動けた可能性は十分あります」

黒瀬 敦郎「犯人が引きずって移動させた、とかはねーのか?」

柴崎 武史「移動させるメリットがないじゃないッスか。わざわざ死体が見つかりやすい場所に移動させてどうするんスか」

明智 麻音「恐らく銀山香織クンは、襲われた後最後の力を振り絞って自力で入り口付近まで移動したのだろう。自分の死体をすぐ見つけてもらえるようにな。そしてダイイングメッセージを残して息絶えた」

柴崎 武史「そのおかげで北条サンとジャックサンが異変に気がついて死体を発見出来たんスから。銀山サンのファインプレーッスね」

相川 凛「ダイイングメッセージは香織ちゃんの体に隠れてたんだけど、これは多分香織ちゃんが犯人にメッセージが見つかって消されないように自分で隠したんだよ」

北条 業「もしこのメッセージが犯人による偽装工作であれば、銀山さんの体で隠したりせずに堂々と分かりやすい所に残しますもんね。じゃあこのメッセージは正真正銘、銀山さんが残したものと考えていいでしょう」

ジャック「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

これで、香織ちゃんが分倍河原君に殺されたのはほぼ確定した。

どうして………。

あんなにみんなの事を第一に考えてくれた香織ちゃんが何で殺されなくちゃいけなかったの?

それを知りたいのに………殺した犯人である分倍河原君はもういない。

香織ちゃんを殺した分倍河原君が何故殺されたのか。

幸村さんを殺したのも分倍河原君なのか。それとも別の人なのか。

その答えを見つけない限り…………学級裁判は終わらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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