ダンガンロンパ キャンパス   作:さわらの西京焼き

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お久しぶりです………。
2作品目の投稿の準備をしたりプライベートが忙しかったりで前回の投稿から3ヶ月以上が経ってしまいました。
これからら徐々に投稿頻度を戻していけたらなと思います………。





(非)日常編③

 

 

 

「………………ちょ、ちょっと待ってよ独島さん。今………自分がスパイって言ったの…………?」

独島さんの突然の発言にうちは思わず聞き返してしまった。

「そうだよ〜。正真正銘、わたしが『絶望の庭』所属のスパイのうちの1人だよ〜。てへっ☆」

「……………………」

そのシリアスな告白内容に似つかわしくないテンションでの返答に言葉が出てこなかった。

「…………おいおい灯里、冗談でも言っていい事と悪い事があんだろ。オレでもそれくらいは分かるぜ」

信じられないのか、黒瀬君は呆れた表情を見せる。

「そうだよ灯里さん。そういう類の冗談はダメだよ。他の冗談ならいくらでもボクが聞いてあげるから」

万斗君も諭すようにそう言う。

当然だけど、独島さんの言葉を誰も信じてはいなかった。

ただふざけてるだけなのかと思っていた。

なぜなら、自分の正体を自らバラすスパイなんて聞いたことがないからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「う〜ん、全然信じてもらえないね〜。じゃあ信じてもらうために、わたしが今までしてきたスパイ活動を教えあげるっ☆」

「え?」

独島さんはにっこり笑いながらうちらをゆっくりと見渡す。

「前回の事件を思い出して欲しいんだけど〜、銀山さんってドアが半開きになったミラーハウスの中に入って、そこで待ち伏せてた分倍河原くんに殺されたでしょ〜?あのドアを半開きにしたのわたしなんだよね〜」

「なっ………!」

香織ちゃんが運悪く気がついてしまった半開きだったドア。

確かに霞ヶ峰さんは自分も分倍河原くんも知らないと言っていたけど………。

「嘘だろ………………灯里」

信じられないと言った風にそう呟く黒瀬君。

「あとね〜、霞ヶ峰さんに『幸村さんはまたわたしたちを裏切ろうとしている。これを止められるのはあなたしかいない』っていうメッセージを送ったりモノマネーシステムの弱点を教えたりしてコロシアイが起こるよう誘導したのもこのわたしだよっ☆」

「………なんだト!?貴様がそんなデタラメを教えてあの女に殺人を促したというのカ………!!」

「ごめんね〜ジャックくんっ☆『シナリオ』だと幸村さんはここで退場してもらう必要があったからさっ☆」

「この屑ガ…………!」

ジャック君は拳を握りしめて怒りに震えている。

 

 

  

 

 

  

 

「どう〜?これでわたしがスパイだって信じてもらえた〜?」

「………………独島殿。あなたは今、自分が何を言ってるか分かっているのですか?」

独島さんの隣に立つ千野君は、驚きながら彼女を見つめる。

「ん〜〜〜?あーごめんごめん〜。千野くんやっぱ怒ってるよね〜。せっかく同盟組んだ仲間が実はスパイだったんだもんねっ☆」

「…………………」

千野君は今まで見たことない程険しい顔のまま口を閉じた。

「ふ〜。じゃあわたしの話はこれでお〜しまい。もう帰るねっ☆」

「待てよ灯里!!!!」

そう言って食堂を後にしようとする独島さんに対し声をかけたのは黒瀬君だ。

「オレはまだテメーをスパイだって認めたわけじゃねーぞ!!」

「…………ふ〜ん。黒瀬くんって優しいんだね〜。まだわたしのこと信じてくれてるんだ〜」

振り返った独島さんは真顔だった。

「けどざんね〜ん☆どんなにわたしのこと信じてくれてもスパイであることに変わりはないんだよ〜」

「灯里!!!!」

「ばいば〜いっ☆」

彼の必死な声かけも虚しく、彼女は再び背を向けると出ていってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな………そんなわけねーよ。アイツが………アイツが剛のヤローと同じスパイだなんて………」

食堂の出口に視線を向けながら黒瀬君はそう言葉を漏らす。

独島さんがスパイだという事実を認めたくない。

そんな明確な意思が彼の言葉には込められている気がした。

「…………やはり、誰かと協力する事自体が間違いでしたか」

すると今度は千野君が先程の険しい表情を崩さぬまま、ゆっくりと出口へと向かっていく。

「待ちたまえ千野李玖クン。どこへ行くつもりかね?」

「………明智殿。あなたにそれをいちいち教える必要があるのですかな?」

引き止めようとした明智さんに対し、千野君は冷たくそう言い放った。

「拙僧はこれから単独で行動します。もはや他人は信用できません。拙僧1人でもここから脱出してみせます」

「ま、待ってよ千野君!!ボクはどうすればいいんだよ!?一緒に協力して脱出の手がかりを探そうって言ったじゃないか………!」

それを聞いた万斗君が慌てて彼にそう訴える。

「協力関係は解消します。だから万斗殿、あなたも好きにして下さい」

「そんな勝手な………!ボクはキミを信用したから協力しようって………!」

「さっきまではそうでしたな。でも今は状況が違います。では聞きますが、万斗殿は独島殿が拙僧らに仇なす敵だと予想できましたかな?」

「そ、それは………」

「予想外の人物がスパイだと判明した今、もはや誰が残りのスパイでもおかしくありません。こんな状況で一体誰を信用することが出来るのですか?教えてくださいよ、ねえ万斗殿?」

「うぅ………」

「もう話すことはありません。では皆さん、さようなら」

千野君はそう言い残すと、静かに食堂を去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だよそれ…………………灯里さんも千野君も大嘘つきじゃないか…………!!」

取り残された万斗君は、その場に蹲って頭を抱える。

「万斗君…………」

「輝晃。ひとまず落ち着いて下さい。その、貴方の気持ちも分からなくありませんが………」

うちと優月ちゃんが声をかけるが、彼はその場から動こうとしない。そして、

「ボクは誰を信じればいいんだ!!!!!!」

「あっ!万斗君!?」

そう叫ぶと、走って食堂を出ていってしまった。

「万斗君………」

「助手。放っておいてやれ」

慌てて追おうとすると明智さんに止められる。

「言い方は悪いが、今は万斗輝晃クンに構っている暇はない。それに今はワタシ達が彼に何を言ったところで無駄だろう。そっとしておいてやるのが一番だ」

「………分かった」

確かにその通りだ。

うちは大人しく席に座る。

「………しかしこうも次々と問題が発生すると、流石の天才探偵も困ってしまうな」

帽子を深く被り直し苦笑いする明智さん。

「だけど、このまま放置ってわけにはいかないよ。なんとかしないと……」

「ええ。入手した情報の分析に灯里の処遇、業の対処に李玖と輝晃をどう説得するか……。考えるべき事は山積みですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ちょっと部屋戻るわ」

そんな事を話していると、黒瀬君が突如立ち上がった。

「黒瀬君!?」

「別にオレも単独行動するってわけじゃねーよ。ただ、オレが今何をするべきか………それに灯里とどう向き合えばいいか………今は1人で考えてーんだ」

いつも声の大きな黒瀬君が、小さくか細い声で呟く。

仲の良かった独島さんが敵だと判明した今、彼は色々迷っているのだろう。

これから自分はどうすればいいのか。

独島灯里という人物とどう接すればいいか。

彼の中で様々な思いが交錯し、ぐちゃぐちゃになっているのかもしれない。

「悪いガ………俺も席を外させてもらウ」

するとジャック君もゆっくりと席を立った。

「ジャックまで………。大丈夫ですか?」

「………少し頭を冷やス。あのスパイ女の発言でだいぶ頭に血が上ってしまっタ。このまま俺がいれば議論に支障が出るだろウ。これ以上、貴様らに迷惑はかけられないからナ」

そう発言する彼は、今こそ冷静さを取り戻しつつあるが、さっきまでは独島さんに襲いかかってもおかしくない程怒りに震えていた。

殺人を犯したのは霞ヶ峰さんだけど、幸村さんが殺される原因を作ったのは間違いなく独島さんだ。

しかも幸村さんがまた裏切るなんていうでまかせを使われたのだ。

怒りが湧き上がっても仕方がない。

「ふむ、やはりこの状況で報告会の続行は不可能か。…………ではこうしようか」

みんなの心理状態を察した明智さんは、自分の持つパイプを机にカンカンと2回打ちつけた。

「ひとまず今日は解散としよう。皆頭の中を整理する時間が必要だ。食事も各自で摂り、ゆっくりと己の時間を過ごす。そして明日の朝、整理がついた者はこの食堂へと集合するのだ」

明智さんの提案に、意見を唱える人は誰もいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A棟 相川の個室

 

 

部屋に戻ったうちは、ベットに大の字に寝っ転がる。

「………なんか色々ありすぎて疲れちゃった」

今日発見した事実が盛りだくさんすぎて、脳みそが疲弊しているのを感じる。

「こういう時って………目を閉じればいいんだっけ?」

確か『人間は目を開いてるだけで視界の情報を脳が処理しようとするから疲労が蓄積していく。だから目を閉じるのは目とか脳の疲労回復に効果的だ』ってテレビでやってた気がする。

それを信じて、目をゆっくりと閉じてみる。

………………。

………………。

………………。

あーいいわこれ。

なんか心が休まるわ。

このまま寝ちゃおうかな。

そんな事をつい考えてしまう。

「………だめだめ。寝てる場合じゃない」

今やるべき事は寝ることではない。

頭の中の情報を整理して、物事の優先順位をつける。

これからどう動くべきなのかを考えるんだ。

うちは目を閉じたまま思考を巡らせ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うちらと希望ヶ峰学園について分かった事をまとめてみよう。

 

 

 

 

①うちら希望ヶ峰学園88期生51名は、新希望ヶ峰学園という場所に、A組、B組、C組の3組に分かれて入学、3年間を過ごした。(才能別にクラスが分かれていたため、ここにいるみんなとはクラスはバラバラだった)

②その新希望ヶ峰学園の建設には、裏で何らかの組織(これをXとする)が関わっていた。目的は分からないが、特別な生徒を育成する為に造られた可能性が高い。

③そして卒業後は、予備学科生であった業ちゃんを含めた全員が希望ヶ峰大学へと進学した(この大学の建設にもXが関与している)。そしてここにいるうちらは、大学で同じクラスになった人の集まりである(優月ちゃんが見つけた写真と明智さんの証言からそう考えるのが自然)

④高校か大学かは分からないが、うちらは在学中、なんらかの任務に就いていた可能性が高い(香織ちゃんの日記には『作戦地域』『偵察』といった単語が使用されていた)。

⑤『絶望の庭』所属のスパイのうちの1人が独島さんだと判明。(本人が嘘をついている可能性も十分あるから確定ではない)。それに加えB棟で発見された『全人類再絶望計画書』というものから、中澤君が『絶望の庭』の一員である可能性が浮上。これが真実であるならば、既に判明している分倍河原君も含めて3人のスパイが判明したことになり、残り1人がまだ分かっていない状態となる。

 

 

 

 

 

 

 

こんなところか。

色々分かったけど、結局のところ、1番の謎はなんでうちらが大学でコロシアイをさせられてるかだよね。

高校を卒業して大学に入学したうちらを拉致して高校3年間の記憶を消す。

そしてコロシアイをさせる。

そんな大掛かりな事をしてまで『絶望の庭』がやりたい事ってなんなんだろう。

監視カメラを通して外に中継されてるって話だったけど、単に外の世界の人間を楽しませる為に………とか?

いやいや。だったらすぐ警察やら自衛隊やらが救出に来るはずだ。

こんな非人道的な催しを日本という国が許すはずがない。

………なら、外の世界に中継されているというのは嘘?

最初に中継されてるという話を持ち出したのは独島さんだ。

彼女がスパイであると判明した今、わざとうちらに嘘の情報を信じ込ませる為に一芝居打ったのかもしれない。

「………分からない」

『絶望の庭』も、その一員だとカミングアウトした独島さんの考えも、何一つうちには分からない。

「とりあえず柴崎君に相談してみた方がいいのかな」

彼なら今日分かった情報から何か考察をしてくれるかもしれない。

そう思いチャットを使って会えないか連絡してみる。

するとすぐ既読が付き、夜10時頃優月ちゃんと2人で研究教室に来てくれという内容が送られてきた。

「………よし。次うちがやるべきことは………」

彼に無事アポが取れたところで次やるべきことを考える。

「…………………」

駄目だ。頭がぼんやりして考えがまとまらない。

どうやらうちの次やるべきことは『休息』のようだ。

「よし、寝よう!」

うちは布団を被り目を閉じた。

するとあっという間に眠気が訪れ、うちは夢の世界へと落ちて行った。

 

 

 

 

 

数十分後、目が覚めたうちは気分転換も兼ねて外に出ることにした。

そして出会った数人と交流を深めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

【4章の自由行動は尺の都合上、今後『番外編』として出すつもりです】

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてうちは今、次やるべきことについて考えている。

今パッと思い浮かんだのはある人に会いに行くことだ。

…………独島さん。

彼女には聞きたいことが山ほどある。

「さて、どう接触しよう」

そう呟きながら迷っていると、

 

 

 

 

 

 

コンコン

 

突如ドアをノックする音が聞こえた。

「………誰だろう」

明智さんが追加の連絡事項でも伝えに来たのかな?

戸惑いつつも返事をしながらドアを開ける。

「はーい…………………あ」

ドアの前に立っていたその人物は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「りーんさん♪」

 

 

 

 

 

 

 

北条業だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「業ちゃん…………………」

「さっきぶりですね、凛さん。会いたくて我慢できなかったので部屋に来ちゃいました。私とイチャイチャしましょう♪」

「………………」

正直、今彼女とは会いたくはなかった。

何をしでかすか分からないから常に気を配る必要があり、そうなるとよけい精神的に疲弊するのは目に見えてるからだ。

でも……………………これはチャンスだ。

業ちゃんが何を考えているか、どんな考えでみんなを傷つけたのか。

彼女の全てを暴くまたとない機会だ。

業ちゃんを止められるのは…………うちしかいない。

なら、うちがやるしかない。

 

 

 

 

 

「………分かった。じゃあ久しぶりに2人でゆっくり話そうか」

「えー!そんな事言わずに私とイチャイチャしましょ………え?」

業ちゃんは断られると思っていたのか、あっさりOKをもらったことに驚いた。

「い、いいんですか………?私さっき大変なことしちゃったし、凛さんに避けられてるのかなって思ってたんですけど………」

うん。それは正解。

「まずい事をした自覚はあるんだ………。とにかくそれも含めて業ちゃんと色々話したい事あるからうちは願ったり叶ったりだけど」

「や、やった!!凛さんとふたりきりです!」

「じゃあ10分後にまたうちの部屋来て。こっちも色々片付けたいから」

「はい!!!!」

業ちゃんはステップを踏みウキウキしながら部屋を出て行った。

……あれだけ見たら普通の女の子なんだけどなぁ………。

 

 

 

 

 

 

 

 

10分後、業ちゃんは改めてうちの部屋にやってきた。

「うふふふ…凛さんと2人きり………」

何かをぶつぶつと呟きながら上がってくる業ちゃんに若干引きながら座らせる。

「………ふふふ」

「あのさ………なんでうちの隣?向かい側空いてるんだけど………」

「凛さんの温もりを感じられる場所がいいです」

「………………」

駄目だと言っても聞かなそうなので、くっつく業ちゃんをそのままにしてうちは話を始める。

「業ちゃん…………なんであんなことしたの?」

「…………」

様子を窺ってても仕方がないので、いきなり核心に迫ることにする。

「…………」

「答えてよ。どうしてみんなを傷つけるようなことしたの?」

「………ふふ」

うちの質問に対し、業ちゃんは不気味な笑みを浮かべた。

「…………なんで笑ってるの」

「ふふ……すみません。ついに凛さんに宣言出来ることが嬉しくてつい笑みが溢れてしまいました」

「宣言?」

意味が分からず思わず彼女の言葉を繰り返す。

すると彼女は立ち上がり、

「他の人を攻撃した理由は簡単です」

 

    

 

 

 

 

 

「凛さんを私のモノにするためですよ♪」

 

 

 

 

 

 

 

「…………は?」

「凛さんを私のモノにする。そのためには周りにたかるウジ虫どもが邪魔だったので排除しようとしたんです。シンプルな理由でしょう?」

「なんで…………」

「ああいう風に派手に動けば他の奴らは『北条業は危険だ』と警戒して私に近づいて来なくなります。そして私が凛さんの為なら他人を平気で傷つけることも知る。だから私を刺激しないために凛さんへの接触機会を減らすんです」

「なんで………そこまで」

「そうすると凛さんの周りに人がいなくなる。その隙に私が凛さんを頂いちゃおう、っていう算段です。どうです?完璧な計画でしょう?」

「どうしてっ!?」

うちは話し続ける業ちゃんを遮るように大声を出した。

「どうして………そこまでするの…………どうしてうちに固執するの………」

「どうして、ですか?」

「うちら、ここで会ったばかりなんだよ?確かにうちは業ちゃんに友達になろうって声をかけてそこからずっと仲良くしてたけど、業ちゃんにとってうちが他人を傷つけてまで関わろうとする程の存在とは思えないよ!!」

涙を堪えながら訴える。

「…………なるほど。凛さんは何故私が凛さんにここまで愛情を傾けているのか知りたい、ということですね」

うちは頷く。

「そうなると、私の過去を話しておく必要がありますね」

「業ちゃんの…………過去?」

「はい。少し長くなってしまいますが、聞いてもらえますか?」

彼女は深く息を吸うと、ゆっくり語り始めた。

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

「私は比較的裕福な家に生まれました。結婚して初めて出来た子だったので両親にはとても可愛がられました。欲しいものは何でも買ってもらえましたし、何をしても褒めてくれました。業は本当に自慢の娘だ、私たちの誇りだわ、と常に言われ愛されてきたのです。

…………と、思っていたのですが、私が両親に愛されていたのは、実は私が両親の元で産まれた初めての子どもだったからではありません。

私が…………とても優秀な子どもだったからです。

何をするにしても飲み込みが早かった私は、幼稚園でも極めて優れた子どもとして両親共々周りから賞賛されるようになりました。

それが快感だったのか、両親は私をもっと優秀な人間に育てようと、スパルタな英才教育を始めるようになりました。

ピアノ、バレエ、英会話、水泳、空手、書道、学習塾、そろばん、プログラミング…………。ありとあらゆる習い事に通わされ、家では食事のマナー等を厳しく叩き込まれました。私は褒められたいなんて微塵も思っていなかったし、習い事なんて全く興味がなかったにも関わらず、です。

そして優秀な成績を残すと褒められ、両親は優越感に浸る。

まあ話をまとめると、両親は『自分達が周りから賞賛されたいために娘を利用したクズ』ということになります。

 

 

 

 

 

 

では何でそんなことが分かったのか、というと、両親は私が悪い成績を取ると人が変わったように怒鳴り散らし、私を虐げたからです。ここまで露骨に態度を変えられたら、幼い子どもでも『頭のいい自分しか必要とされていない』と理解出来ると思います。

そんな地獄のような3年間を送った私は、ある時こう思ったんです。

『こいつらがいなくなれば、私はこんなバカみたいな生活から解放されるんじゃないかって』って。

だから私は、小学生に上がったばかりの時、寝ている両親に火をつけて殺しました。物は何でも燃えると消えるというのは既に知識として知っていましたから、両親という粗大ゴミを思いっきり燃やしてやったんです。罪悪感などは全くなく、むしろこの世から両親を消した、私はこれから自由だ、という幸福感が全身を満たしたのを今でも覚えています。

………その時からでしょうか。私が『燃やす』という行為に快感を得たのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸いにも6歳の子どもが放火したとは思われなかったのか、私が犯人だとはバレずに私は叔母夫婦の元に引き取られることになりました。

叔母夫婦はとても優しく、そしてのびのびと私のことを育ててくれました。

過度な期待を背負わされず、当然習い事に縛られることもなく、私は普通の小学生として人生を謳歌していました。

その傍ら、私は陰で放火行為を続けていました。

ヤクザが住んでると近所で噂のボロいアパート、騒音を出して近所に迷惑をかけているチンピラが住む一軒家、不法侵入したホームレスが住み着いてる廃工場…………。

とにかく私は、そういった社会のゴミの住居をターゲットに、放火行為を繰り返しました。

社会不適合者なら燃やしてもなんの問題もないだろう。そう私は考えていました。私が放火という行為に快感を得るための燃料となってくれ、みたいな風に思っていましたよ。

今まで他人に迷惑をかけてきたクズが焼けて灰なる姿はたまらなく快感でした。その快感に魅了され、私は小学校を卒業するまで20回以上は放火行為を繰り返しました。

 

 

 

 

 

しかし、流石に警察も馬鹿じゃないのか、長年の捜査の結果私という存在に辿り着きました。それが私が中学2年生の頃です。

私は当然自分ではないと否定しましたが、火災現場で私のような少女が何度も目撃されていること、そしてどの火災も同じ県内で発生していることから言い逃れは出来ず、少年院に収容されることになりました。

その時見た叔母夫婦の顔は今でも忘れません。

放火魔として人の心がない人間だと思われがちですが、私にも最低限の心はあります。今まで両親の代わりに育ててきてくれたあの人達には今でも申し訳ないと思っています。

そんなこんなで少年院で約一年半を過ごしたある時、希望ヶ峰学園のスカウトマンが私の元へやってきました。その内容は、希望ヶ峰学園本校に私をスカウトするというものです。

放火魔をスカウトなんておかしな高校があるもんだ、と私は思いました。けど、私は高校に行くつもりはありませんでした。どうせ行っても得られるものなんてない。それに才能なんて興味はない。そうスカウトマンに伝えました。

 

 

 

 

 

 

しかしそのスカウトマンは諦めず、とある情報を私に伝えました。

「君が1番会いたいと思っている人間が、来年希望ヶ峰学園にスカウトされたよ」と。

そしてスカウトマンは、その人間の名前を告げました。

私はそれを聞いて全身に電気が走ったような衝撃に襲われました。

何故私を救ってくれたあの子について知っているのだろうか。

まだ誰にも話したことがないのに。

そして、それを聞いた私は考えを改めてこう言いました。

「本科ではなく予備学科になら入ってもいい」と。

既に手の汚れた私があの子と一緒の本科にいていいわけがない。

けれど彼女の光り輝く活躍を近くで見たい。そして彼女を影から支えたい。

そう考えた私は、本科ではなく予備学科に入り、彼女の活躍を影で見守ることにしました。

スカウトマンは不満げでしたが、その条件を飲んで帰っていきました。

そして数ヶ月後無事に少年院から出所し、希望ヶ峰学園予備学科へと入学することになりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、長々と話してきましたが、今の話をまとめると、『私は燃やすという行為に快感を覚えるサイコパスで、幼い頃私を救ってくれたとある子を影から見守るために希望ヶ峰学園予備学科に入った』ということです」

「…………」

柴崎君から業ちゃんの話は事前に聞いていた。

それでも………彼女の話に衝撃を受けずにはいられなかった。

彼女が両親を殺したのは紛れもない事実で、その原因は両親からの圧力にあった。

業ちゃんの考え、そして放火という行為が正しいとは思わない。

けど………彼女の境遇には同情せざるを得ない。

もし幼少期もっと恵まれた両親の元で育てば、真っ当な人間になれたのではないだろうか。

「凛さん」

業ちゃんは微笑みながらこちらを見る。

「頭のいい凛さんなら既に分かったと思いますが、先程の私の話で出てきた『とある子』とは誰でしょうか?私が入りたくもない予備学科に入ってまで見守りたかった本科の子です」

その答えは話を聞いている時からなんとなく分かっていた。

そんな話をわざわざうちにするということは………。

「まさか…………………それがうちの事?」

「正解です。凛さんと私、幼い頃会ってるんですよ」

恐る恐るそう言うと、業ちゃんは拍手をしながら正解だと告げた。

うちと業ちゃんは…………初対面ではなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うちと業ちゃんは昔会ったことがある………?」

「そうです♪一緒に色々話したり遊んだりしたんですよ♪まあ凛さんと会ったのは私達が5歳の頃、しかも期間は1週間くらいなので忘れていてもしょうがないとは思いますけどね」

うちは懸命に自分の記憶を辿るが、全く思い出せない。

正直、幼稚園の頃の記憶はほとんど忘れてしまっている。よく遊んだ友達の名前も顔もよく覚えていないくらいだ。だから一時的にしか交流のなかった業ちゃんを覚えていないのは当然なのかもしれない。

「その時うちが業ちゃんを救ったってこと?」

「はい。そこから私は凛さんに一生ついていこうと、そして一生見守っていこうと誓ったんです」

「具体的に何を………」

「さっきもお話した通り、私は当時両親からのスパルタ教育で精神的に疲れ果てていたんです。夢も希望もない、ただやれと言われたことだけをこなす生活。まさにその時の私は虚無でした」

「ある時、習い事の帰りにふと立ち寄った公園のベンチで空を見ながらボーッとしてたんです。そこで出会ったのが凛さんでした」

「凛さんは暗い顔をした私を見て『一緒に遊ぼう』と言ってくれたんです。両親の教育のせいで感情を無くし、一切笑わなくなった私の能面のような表情を怖がりもせず、笑顔で遊びに誘ってくれました」

「さらに、私の抱える悩みを色々聞いてくれました。例えば笑わなくなったせいで表情が固くなり、周りの人から怖がられるということを打ち明けると、凛さんは私を笑わせようと色々なことをしてくれました」

「私は、凛さんと接するうちに表情が豊かになり、よく笑うようになりました。凛さんの優しさと明るさに私は救われたんです」

「その日以降、約1週間決まった時間に凛さんと会い交流を深めました。そして最後の日、凛さんが引っ越しでこの地を離れること、そして凛さんの名前を教えてもらいました。その日から凛さんを忘れた事は一時もありません」

 

 

 

 

 

 

 

 

「うちのこと、そこからずっと覚えていてくれたんだ………」

経緯を聞いたうちは申し訳ない気持ちで一杯になった。

ここまでうちのことを覚えてくれていたのに、うちは彼女のことを何一つ覚えていなかった。

「凛さん。私は凛さんとここで会った瞬間運命を感じました。長年追い続けてた凛さんと再会できた。そして再び私に友達になろうと言ってくれた」

業ちゃんはうちの方に向き直る。

「最初は凛さんと一緒の空間で過ごせればそれでいいと思っていました。けどこのコロシアイを通して、凛さんを自分だけのモノにしたいと思った。他の人に渡したくないと思った」

「か、業ちゃん………?」

「ここまで我慢したんだからもういいですよね?」

静かに一歩ずつうちの元へ迫ってくる。

「お、落ち着いて!?うちは誰かのものとかじゃないんだよ!!」

「いいえ。凛さんは私が貰います。一生私の側にいるんです」

「違うよ!!それにうちは業ちゃんのものになるつもりはないよ!」

「またまた〜。凛さんと私は運命の赤い糸で結ばれているんです。くっつくのは必然なんですよ」

「ッ!」

駄目だ。全く話を聞いていない。

これはは本格的まずい。このままじゃうちも何されるか分からない。

一体どうすれば………。

 

 

 

 

 

コンコン

その時だった。

誰かがうちに用があったのか、ドアをノックしたのだ。

「………チッ。邪魔が入った」

業ちゃんは立ち上がると、ゆっくりと出口へと向かう。

「残念ながら凛さんとのデートはここまでみたいです。あーあ、もっと話して愛を深めたかったんですけどね」

「待って業ちゃん!うちはまだ聞きたいことががたくさん………」

「凛さんが聞きたいのは、私がこれからどうするかですよね?」

「!?」

業ちゃんは振り返ると怖いくらいの笑顔で答えた。

「安心して下さい。他の人に危害を加える事はありませんから。………凛さんが他の人と親密にならなければ、の話ですけどね」

「とにかく、私はこれから1人で行動します。…………けど大丈夫ですよ。毎日凛さんの部屋には行きますから。たっぷり私との時間を過ごしましょう♪」

そう言い残すと彼女は去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女の姿が消えると同時にうちは力が抜けて地面に尻もちをつく。

「…………狂ってる」

想像を遥かに超えていた。

もう業ちゃんを止めることは不可能だ。

彼女はうちの行動次第で、他の人を平気で傷つける。

最悪殺してしまうかもしれない。

「どうしよう」

このままでは全員殺されてしまう。

コンコンコン

すると、さっきと同じように扉が3回ノックされた。

そういえば誰なんだろう。

「………大丈夫っすか?」

少し警戒しつつ扉を開けると、柴崎君がいた。

「柴崎君………?どうしてうちの部屋に………?」

「アンタがチャットの返事返さないからっすよ。それで何かあったんじゃないかって心配になったんす」

彼は呆れた表情でチャット画面を見せてきた。

「嘘!?全然気が付かなかった!」

送られたのはちょうど業ちゃんと話してる時だ。

「ハァ………。まあ特に何もなかったらいいっすけど。それより………さっきドア越しから話は聞いてたんすけど、中々大変なことになってるみたいっすね」

「えっ!?業ちゃんとの話聞いてたの!?」

「ドアをノックしようとしたら話し声が聞こえたんで聞いてたっすよ。アンタ、かなり大胆なことするっすね。北条業を自室に招き入れるなんて、僕なら怖くて出来ないっすよ」

「だって…………業ちゃんを止められるのはうちだけだと思ってたから。でも………駄目だった。これからうち、どうすればいいんだろう」

「…………」

うちの嘆きに柴崎君は考え込む仕草を見せると、

「とりあえず、ちょっと早いすけど僕の研究教室に集まるっす。霜花サンも呼んで3人で情報交換しますよ」

 

 

 

 

 

 

 

B棟 才能研究棟 歴史学者の研究教室

 

 

 

 

「そんな事が…………!チッ、あの女…………!!」

「なんて顔してんすか霜花サン。まあとにかく、これで北条業が最警戒すべき人間だってことはよく分かったと思うっす」

「………うん」

業ちゃんに見つからないように柴崎君の研究教室に集まったうちらは、お互いに情報交換をした。

うちらは、D棟の探索結果と見つけた物、そして分かった事実を報告した。

優月ちゃんにはさっきの業ちゃんとのやり取りについて話した。

「やはり無理にでも北条業を拘束すべきでした。私が不甲斐ないばかりに……」

「優月ちゃんのせいじゃないよ。業ちゃんのことをちゃんと知らなかったうちが悪いんだ」

「はいはいそういう慰め合いは後にして下さい。とにかくまずは相川サン……、アンタは今後他の人とは極力接触を避けて下さい」

「そ、そんな!?凛に孤立しろと言うのですか!?」

「別に相川サンを輪からハブれとは言ってないっすよ。つまり北条業は相川サンが他の人と仲良くするのを良しとしないわけっすよ。なら相川サンが他の人と仲良くしていない()()をすればいいだけの話っす」

「ですが………」

「大丈夫だよ優月ちゃん。これが最善の手だよ」

「凛…………!」

うちが他の人と喋らなければ業ちゃんを刺激することはない。

これがみんなの命を救うことになる筈だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あくまで表面上なんで携帯で連絡とか取るのは全然大丈夫っすよ。アンタは1人じゃない。困った時はいつでも連絡して頼ればいいんすよ」

柴崎君がうちを気遣ってかそうフォローしてくれる。

「柴崎君………ホント変わったよね。もしかして柴崎君になりすました別人?」

「ぶん殴りますよ」

笑みを浮かべたままそう言われ思わず顔を逸らす。

「では他の皆さんにも事情を説明しましょう。単独行動をしてる3人には………」

「あの3人は僕が接触してみるっす」

「え?でも大丈夫なの………?」

「まあなんとかしてみるっすよ。それよりも相川サン、北条業のこと、よろしく頼むっすよ。悔しいけどこれはアンタにしか出来ない役目っす」

「凛。困った時はいつでも連絡してください。私に出来ることならなんでもしますから」

「ありがとう2人とも。なんとか彼女を説得してみせるよ」

こうして、うちの孤独な戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明智 麻音side

 

 

 

 

軟禁生活28日目  AM7:40 A棟1階 食堂

 

 

 

 

「…………………」

自分で淹れたコーヒをゆっくりと飲む。

やはり朝の静かな時間にコーヒーを飲むのは最高だな。

頭が冴えて気持ちも安らぐ。

ワタシが超人たる所以はこの一杯のコーヒーにあるのかもしれないな。

…………そんな自画自賛をしたところで、ワタシは昨日の出来事を思い出す。

独島灯里クンの裏切り。

千野李玖クン、万斗輝晃クンの離脱。

そして北条業クンの暴走。

想定外の事態と言えるだろう。

極めつけは昨日の助手を襲った出来事だ。

『うちは明日から単独行動をする』

最初助手からそう連絡が来た時、ワタシは珍しく冷や汗をかいた。

あの助手までどうして、と思わず立ち上がりその場を何度もくるくる回ってしまった。

しかしその後の文章を見て、ワタシはすぐ納得した。

助手の話を端的にまとめると、北条業クンは助手を独占しようとしている。助手がもし他の人間と仲良くするなら平気で傷つけ、最悪の場合殺す可能性だってある。だから助手はワタシ達と仲良くしないフリをして北条業クンの暴走を防ごうとしている。

………要は助手はワタシ達のために自ら危険を冒して北条業クンを抑えると言ってくれているのだ。

………いつでもワタシ達のことを考えて行動してくれる。助手の優しさは相変わらずだ。

後で感謝を伝えねばな。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、ワタシ達もそうのんびりしてはいられない。

助手が北条業クンを抑えている間に、この学園の謎を1つでも多く解明する必要がある。

それにモノカバの動機とやらがいつ来るかも分からない以上、悠長にはしてられない。

だが、そのためにはワタシだけでは時間がかかる。

だから少なくとも昨日残った助手を除く3人に協力してもらいところだ。

………果たしてこの後集まってくれるだろうか。

「おはようございます」

そんな事を考えていると、霜花優月クンが現れた。

「おはよう霜花優月クン。自分の気持ちに整理はついたかね?」

「………元々私に迷いはありません。私を助けてくれた凛のため、そしてこの馬鹿げたコロシアイを終わらせるため動くのみです」

「………そうか」

この様子だと霜花優月クンは特に問題なさそうだ。

さて、残りの2人は果たしてどうか。

 

 

 

 

 

 

「………」

すると、今度はジャック・ドクトリーヌクンが食堂へと入ってきた。

「おはようございます、ジャック」

「おはよう、ジャック・ドクトリーヌクン。頭は冷えたかね?」

「………あア。頭の整理は出来タ。俺は今俺に出来ることをすル。コロシアイを止める為に最大限努力するつもりダ」

ジャック・ドクトリーヌクンは腕を組みながら静かにこちらを見る。

「………ここに来てから俺は他人と馴れ合うなど時間の無駄だと思っていタ。だガ…………ユキはそんな俺と仲良くしてくれタ。アイツがいなければ俺は今も単独行動を続けここにはいなかっただろウ。アイツが俺と貴様らを繋ぎ止めてくれたんダ」

「ユキは全員で仲良くここを出たいとずっと言っていタ。………俺はその願いが叶わなかったアイツの為にも絶対にここを出ル。勿論、アイツが望んだように仲間と共にダ」

「そうですか。ジャックがいてくれると心強いです」

「………よろしく頼ム」

どうやら彼も色々考えて決断を出したようだ。

しかし、初めてここで会った時と比べ随分変わったものだ。

まさか彼がこんな穏やかな目をするようになったとは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっす!!」

8時になる直前、最後の1人である黒瀬敦郎クンが現れた。

上機嫌な様子でワタシ達を見渡す。

「なんだ、オレが最後か!悪ぃな遅れちまって!」

「黒瀬敦郎クン。ここに来たということは、昨日のことの整理はついたのかね?」

「おう!」

彼は掌を拳で叩き笑う。

「なんか悩むのもバカバカしいなと思ってよ!オレはこれからオレが正しいと思った風に行動するぜ!これ以上コロシアイは起こさせねーし、灯里にもちゃんと話を聞く!それでもし本当にスパイだったらぶん殴ってでもこっちに連れ戻すんだ!

「敦郎。暴力は駄目です」

「んなこと分かってるわ!冗談だよ冗談!」

「アツロウらしい考え方だナ」

「ふむ、独島灯里クンのことに関しても吹っ切れたようだな。では全員無事揃ったことだし、始めようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

ワタシ達は自身で用意した朝食を食べながら作戦会議を始めた。

「まず全員既に連絡が来てると思うが、助手はしばらくワタシ達と干渉することはない」

恐らく既知の事実である助手の件に関して一応話しておく。

「オレ達に危害を加えないように業のヤツを止めてくれたんだろ?アイツ、無茶しやがって」

「だガ、リンにしか出来ない役割なのも事実ダ。なら俺達はカルマの事はリンに任せるしかなイ」

「その通りだ。そこで、助手が北条業クンを止めてる隙に各場所をもう一度徹底的に調べ直すことにする。何か見落としている点等があるはずだ」

「そう思う根拠はあるのカ?」

「無い。ただの勘だ」

「勘かよ!?」

「世界一の探偵の勘だぞ。あまりワタシを舐めない方がいい、黒瀬敦郎クン」

「イマイチ信用できねーなー……」

「まあまあ敦郎。世界一かどうかはともかく、麻音は探偵です。私達素人の勘より余程信用できると思いますよ」

冗談を言いながらワタシは怪しい場所の候補を思い浮かべる。

D棟だけであれ程の手がかりが見つかったのだ。

今回解放された他の場所にも隠されている可能性が大きい。

 

 

 

 

「ジャック・ドクトリーヌクンと霜花優月クン。キミ達は自分の才能教室を見たかね?」

「軽くは見たが詳しくは調べてないナ」

「私も同じです」

「そうか。ならキミ達はまず自分の才能教室を徹底的に調べてくれ。ワタシの勘だが、才能教室がワタシ達の脱出への鍵となる気がする」

「そ、そうなのかよ!?」

驚きの表情を露わにする黒瀬敦郎クン。

「そうだ。そして黒瀬敦郎クン。キミはB棟の才能教室を調べてくれ。自分の才能教室は当然のことだが、他者の研究教室もくまなく探してみてくれ」

「それは………既に死んだ奴のもか?」

「そうだ。心が痛むとは思うが、これも脱出のためだ」

「………おう」

運動系の才能教室にある可能性は低いが、念のためだ。

…………可能性は徹底的に潰す。

「麻音、貴方はどうするのですか?」

「ワタシは霞ヶ峰麻衣子クンの研究教室を調べようと思う。さっきのUSBを貸してくれ」

「分かりました。お願いします」

ワタシは霜花優月クンからUSBを受け取る。

……さて、ここにはどのような情報が入っているのか。

不謹慎だが、ワタシはワクワクが止まらなかった。

 

 

 

 

「俺達がこれからやるべき事は理解しタ。だが、単独行動をしている奴らはどうすル?このまま放置するのカ?」

するとジャック・ドクトリーヌクンがパンを齧りながら質問してきた。

「ふむ、その話か。実はワタシは今朝、万斗輝晃クン、千野李玖クン、そして独島灯里クンの3人に会いに行ってみたのだ」

「は、はぁ!?」

ワタシの発言に全員が驚き呆れた顔をする。

「オメーオレらの知らねーところで何してんだよ!?」

「貴方、思っていたよりもずっと大胆ですね………」

「貴様は頭がいいのか馬鹿なのかよく分からないナ」

「ふふ、もっと褒めてくれて構わないぞ」

「褒めてねーよ!?」

「とにかくだ」

黒瀬敦郎クンのツッコミをスルーしつつ、ワタシは2杯目のコーヒーで喉を潤す。

「ワタシは3人の個室へ行き話をしようとした。しかし結果は散々だった。千野李玖クンは出てきてはくれたが、『あなたとは話すことは何もない』と言われ追い出されたよ。万斗輝晃クンに至っては姿を見せてすらくれなかった。『帰ってくれ』と怯えた声で追い返されてしまった」

「輝晃………アイツ相当だな」

「女性である麻音にすらその対応では、今は会うのは無理そうですね………」

「無理に干渉する必要はないのではないカ?下手に刺激すると危険だと思うガ」

ジャック・ドクトリーヌクンの指摘は正しい。今彼らに声をかけても逆効果にしかならないだろう。

「ワタシもそれに賛成だ。言い方は悪いが彼らに構っている暇はない」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで灯里は?アイツとは会ったのかよ!」

「そう急かさないでくれたまえ。彼女はノックしたら普通に出てきた。いつもと全く変わらない様子だったよ。彼女は『わたしがスパイなのは本当だけど、みんなのことは変わらず友達だと思ってるよっ☆だから今後とも仲良くしてくれると嬉しいなっ☆』と言っていた」

「………チッ」

ジャック君は舌打ちをして顔に怒りを滲ませた。

「………彼女が何を考えているのか全く分かりませんね」

「ああ、だが独島灯里クンが現時点でワタシ達に害を加えてくる可能性は低いだろう。警戒はしておく必要はあるがな」

「………ならオレに任せてくれねーか?」

「敦郎?」

「さっきも言ったけどよ、オレはオレが正しいと思うことをやるつもりだ。灯里をこのままにしておくのはオレは間違ってると思う。だからアイツとはオレが話す。………麻衣子の時みてーに後悔したくねーんだよ」

彼の言葉には決意がこもっていた。

仲良しだからこそ、このままの状況が許せないのだろう。

「ふむ、ならキミに一任しよう。ジャック・ドクトリーヌクン。キミもそれでいいかね?」

「………好きにしロ。オレはその女の件に関しては一切干渉しなイ」

多少不満げではあるが、彼も黒瀬敦郎クンに一任することに賛成のようだ。

「よし、これで話は終了だ。各自警戒を怠らず作業に当たってくれ。何かあったら連絡を忘れるな」

「分かりました」

「了解しタ」

「分かったぜ!」

3人は食堂から出て行く。

 

 

 

 

 

 

 

1人残されたワタシはコップに残った少ないコーヒーを見つめる。

「………………ワタシもそろそろ本気を出さねばな。探偵の底力を見せてやろう」

半分くらい残っているコーヒーを一気に飲み干し、カップを厨房で洗ってからワタシは外に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相川 凛side

 

 

 

軟禁生活31日目   

 

 

 

 

『業ちゃんを極力刺激しないようにしよう作戦』から3日が経過した。

うちはあれから作戦通りみんなとは離れて単独行動をしている。

チャットで連絡は取り合ってはいるが、実際に会話出来ないのはやはり寂しい。

そして肝心の業ちゃんはというと………。

「凛さん!!今日も愛しの業が来ましたよ!」

こうして毎朝必ずうちの部屋にやってくる。

うちが誰かと一緒にいないかチェックするためだろう。

「はいはい今開けるよ」

渋々扉を開けると業ちゃんが抱きついてきた。

「おはようございます!!」

「お、おはよう………」

「朝一番の凛さんの温もり………。これで今日も一日頑張れそうです!」

ここ最近、彼女の言動はエスカレートしている。

言っている事が完全にストーカーだ。

「凛さん今日は何するんですか?」

「今日はちょっと外に出て色々調べたいことがあるんだ」

「なるほど!じゃあどこから行きましょうか!」

あ、当然のように付いてくるのね。

「まずはB棟の才能研究棟に行ってみようと思う」

「分かりました!じゃあ手繋ぎながらいきましょう!」

うちの手をがっちり掴んで業ちゃんは部屋を出ようとする。

その様子はかなり上機嫌に見える。

そう、これでいいんだ。

こうしてうちが業ちゃんに付き合ってあげれば彼女が誰かを殺すことなんて無くなるし、他のみんなも守ることが出来る。

これが今うちに出来る最善の策なんだ…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

B棟 才能研究棟

 

 

 

才能研究棟に着くと、明智さんが向こうからやってくるのが見えた。

普段なら迷わず挨拶に行くところだけど………。

「こっち行こう、業ちゃん」

うちは明智さんを避けるようにUターンして別の道へと向かう。

ちなみに、業ちゃんには『これからの方針についてみんなと揉めたからもう会いたくない』と説明してある。

そして今のうちの態度に業ちゃんは満足そうな笑みを浮かべる。

「そうですそうです!凛さんには私だけで十分なんです!!」

胸が締め付けられる思いだった。

表面上とはいえ、人を無視することは心情的に辛い。

「ん?相川サンと北条サンじゃないッスか。何してるんスか2人とも」

すると今度は柴崎君と鉢合わせた。

彼はまずうちを見た後業ちゃんの様子を伺うように視線を向ける。

「………近寄るな汚らわしい」

「おーおー酷いッスね〜。ただ挨拶しただけなのに」

「喋るな生ゴミが。………いいか、凛さんと私は今デート中なんだよ。今すぐ視界から消えろ」

「はいはい言われなくても消えるッスよ」

柴崎君はそれだけ言うと、最後にうちに目を合わせ去っていった。

「チッ、なんであんなクソ野郎がまだ生き残ってるんですかね。最初の方で退場しておけばどれほど嬉しかったことか。………しかしあのゴミ、普段と様子が少し違う気がします。いつもなら私達に嫌味の1つや2つ言ってくるはずなのに………それに最後の凛さんへのアイコンタクト…………」

「…………!」

顎に手を当てながら深く考え込む業ちゃんにうちは焦る。

うちと柴崎君が裏で協力関係にある事を薄々勘づいているのかもしれない。

「か、考えすぎだよ!とにかく行こう!今日は行きたいところがたくさんあるか…………」

 

 

 

 

 

 

 

『ピーンポンパーンポーン…………』

  

 

『えー校内放送、校内放送カバ。オマエら、至急A棟101教室に集合するカバ!来なきゃオシオキしちゃうカバよ〜〜〜!』

 

 

 

 

 

 

「このタイミングでこの放送………。まさか……!」

「まったく、また邪魔が入りましたね。ホント憎たらしい奴です」

恐らく、また動機が発表されるのだろう。

いつか来るとは思っていたけど。

「行きましょう凛さん」

「うん」

うちらは駆け足でA棟へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A棟 101教室

 

 

 

教室へ入ると、既に他の人は集まっていた。

3日間、ほぼ業ちゃんと一緒にいたからこうしてみんなと会うのは久しぶりだ。

「お待たせカバー!オマエらコロシアイ大学生活はエンジョイしてるカバー?」

すると天井から突如モノカバが現れた。

「それで拙僧らを集めた用件とは何ですかな?」

「もーせっかちカバねー千野クンは。こういう時学長のオイラとコミュニケーションを取るのも大事な勉強カバよ。オマエらは大学に学びに来てるカバ。それを忘れないで欲しいカバー」

「ふざけんなよ!!コロシアイさせておいて何が学びだコラ!!」

「コロシアイは娯楽カバ。娯楽と勉学。両立こそがオマエらを立派な人間に育て上げるのカバ!」

「クソ野郎が………」

「んで?どうせ今回の動機発表ッスよね?いったいどんなの用意してるんスか?」

「はいはいはそんなに気になるのなら今発表してあげるカバ。………オマエら、今すぐ目をつぶって両腕を前に出すカバ!」

「両腕、だと?何をするつもりかね?」

「いいから言う通りにするカバ!!」

モノカバから意味不明な指示を受け、うちらは困惑しながら言われた通り両腕を出した。

「それじゃあ動機の発表カバ!」

うちらは黙って目をつぶり発表を待つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、手首に突然何かを重量のある物を付けられた。

 

 

 

 

 

 

「キャッ!?」

 

 

 

 

 

その重さにびっくりしてうちは思わず腕を下ろしてしまった。

目を開くと…………うちの両手首には銀色のバングルが付いていた。

周りを見るとみんなにも同じようなものが付いている。

「な、なんですかこれは?」

「これは名付けて『モノカバングル』カバ!オマエらにはこれからそのバングルを付けて生活してもらうカバ!」

「な、なんでこんな邪魔な物付けるんだよ!外してくれよ!」

「当然一生付けろってわけじゃないカバ。外すには………誰かが死ぬ必要があるカバ」

「まあ動機なんだし当然そうなるッスよね」

「それデ?これはただのバングルではないんだロ?」

「今からちゃんと説明してやるカバ。オマエら、これを見るカバ!」

モノカバは前にスクリーンを出すと文章を映し出した。

 

 

 

 

 

[動機]モノカバングル

 

 

 

・誰かが死亡後1時間が経過するまで外れないバングル

・自力で外すのは不可能

・付けられた次の日から、毎日下の10個のうちからいずれかの症状が発症する。

 

 

 

 

 

①くしゃみと鼻水が止まらなくなる

②全身に酷い倦怠感、寒気

③酷い頭痛に襲われる

④高熱にうなされる

⑤食欲が失せ、吐き気が止まらなくなる

⑥幻覚が見えるようになり、意識が朦朧とする

⑦殺人衝動が抑えきれなくなり、常に誰かを殺したいと考えるようになる

⑧手足が麻痺し、歩く事が困難になる

⑨気分が高揚し、自分で何でも出来ると思い込むようになる。

⑩変化なし(健康のまま)

 

 

 

 

 

 

「なに、これ…………」

「まあ簡単に説明すると、これからオマエらは1人を除いて毎日、このバングルによってどれかの病気に侵されるってことカバ!」

モノカバの説明を受けたうちらは改めてその症状を見直す。

「ど、どうしてボク達がそんな事させられるんだよ!?」

「そんなの決まってるカバ。コロシアイがより盛り上がるからカバ!」

万斗君の問いにモノカバは何を言っているんだといった反応だ。

「ふむ、なるほどな。動機としてはよく考えられている」

明智さんは表情を変えず納得した様子を見せている。

「考えられている、とは?」

「最初の5つの症状はよくある風邪の範囲内だ。どの程度酷い症状なのかは予想がつかないが、一日で終わる以上、これだけで殺人が起きる可能性はそう高くはない。しかし残りの5つを見たまえ。どれも殺人が起こる原因となりそうな症状だとは思わないかね?」

「幻覚、殺人衝動、歩行困難、気分の高揚。そして1人だけ健康、カ。確かにどれも殺人に繋がる可能性があるナ」

「な、なんでだよ!?」

「幻覚により思わず誰かを殺めてしまう可能性。殺人衝動が抑えきれず殺してしまう可能性。麻痺して動けない人間が狙われて殺される可能性。気分が高揚しいつもなら殺人などに手を染めない者が誰を殺す可能性。そして自分だけ無傷ゆえ病気で弱っている人間を狙い殺す可能性。どうかね、無限に可能性が湧いてくるだろう?」

「症状が重い人間ほど殺されやすく症状が軽い人間ほど殺しやすくなる。……力の弱い人間への救済措置ってことッスかね」

 

 

 

 

 

「柴崎君の言う通りだよっ☆」

みんなが混乱している中、口を挟んだのは独島さんだ。

「これなら普段力で敵わない人もサクッと殺せちゃうでしょ〜?例えばわたしすっごく非力だから普段黒瀬くんを殺すなんてできないけど、もし黒瀬くんが⑧の症状になれば動けないんだし殺し放題でしょ〜?この動機はいわば弱者の救済なんだっ☆」

「やめろ灯里っ!!そんな事冗談でも言うんじゃねーよ!」

「えー?冗談じゃないよ〜?それにスパイのわたしがみんなに説明してあげるのは当然でしょ〜?」

「灯里………!」

黒瀬君の言葉は独島さんには全く届いていない。

「独島サンに言われちゃったけど、つまりそういうことカバ!オイラはオマエらに等しく殺人の機会を与えたいと思ってるカバ!」

「ふざけないで!!」

うちは思わず大声を張り上げた。

「そんな事誰も頼んでない!」

「あららそんなこと言っちゃって〜、本当は相川サンも嬉しいんでしょカバ?だって相川サンも弱者側の人間だもんカバ」

「ち、違う!そんな事思って………」

 

 

 

 

 

 

「1つ質問いいッスか?」

うちの否定を遮るように柴崎君が手を挙げる。

「ん?なにカバ?」

「さっき毎日いずれかの症状が出るって言ってたと思うんスけど、これって何か規則性とかあるんスか?例えばこの人はある症状は絶対出ないようになってるとか、この日はこの症状が出るって決まっているとか」

「そんなの教えるわけないカバ!自分で調べるカバー」

「規則性を見つけろってことッスね。りょーかいッス」

それを聞くと彼は満足そうに笑みを浮かべた。

「このバングルの症状で死んだ場合はどうなル?学級裁判は行うのカ?」

「う〜ん………そんなツマラナイ展開になって欲しくないけど、もしそうなったら自殺として学級裁判はやらないカバ。バングルも外してこの動機は終了になるカバ」

「どちらにしろ、誰か1人が死ぬまでこれは外れないということですか………」

優月ちゃんは自分のバングルを見ながらそう言葉を呟く。

「そう言うことカバ。じゃあオマエら、何か他に聞きたいことあったら遠慮なくオイラに聞いていいカバよー!じゃあさらばカバ!」

モノカバはそれだけ言い残すと、どこかへと姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またうちらの前に立ち塞がる絶望の壁。

 

 

 

 

 

 

 

一体うちらはあと何回、この壁を乗り越えなくちゃいけないのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

生存者

 

 

LA001 相川 凛《外国語研究家》

MA002 霞ヶ峰 麻衣子 《動画投稿者》

MC003 喜屋武 流理恵 《調理部》

SA004 銀山 香織《棋士》

MB005 黒瀬 敦郎《バスケ部》

MC006 柴崎 武史《歴史学者》

MB007 霜花 優月《狙撃手》

MA008 ジャック ドクトリーヌ 《医者》

MC009 千野 李玖《茶人》

MC010 独島 灯里《サブカルマニア》

MB011 飛田 脚男《バイク便ライダー》

SB012 中澤 翼 《フットサル選手》

LB013 錦織 清子《テニスプレーヤー》

MB014 分倍河原 剛 《空手家》

015 北条 業 《希望ヶ峰学園予備学科生/放火魔》

MA016 万斗 輝晃 《情報屋》

MB017 幸村 雪 《激運》

MA018 明智 麻音《探偵》

 

残り10人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

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