ダンガンロンパ キャンパス   作:さわらの西京焼き

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更新頻度が中々戻らない…………







(非)日常編②

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっほ〜相川さん☆ずっと待ってたよ☆」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緊張しながら入ったうちを迎え入れたのは、嬉しそうに笑みを浮かべる独島さんだった。

千野君を除く『絶望の庭』幹部唯一の生き残りである独島さん。

うちは、どうしても彼女と話がしたかった。

どうして『絶望の残党』としてうちらにコロシアイをさせているのか。

彼女の目的は何なのか。

どうして………あの時あんなに()()()()()()()

聞きたいことは山ほどある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめん、急に訪ねちゃったりして。でもどうしても、あなたと話がしたかったの」

「うんうん、そんな顔しなくても分かってるって〜。あ、今飲み物用意するからね〜。………ありゃりゃ、でも今ジュースしかないや。オレンジジュースでもいい〜?」

「う、うん。うちは大丈夫だよ」

「ほいほ〜い。あ、テーブルにあるお菓子食べてもいいからね☆」

「うん、お気遣いどうもありがとう………」

口笛を吹きながら、ご機嫌な様子で準備をする独島さん。

昨日の裁判での様子とは全然違うのが一目見て分かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

うちは今まで、彼女の様子の変化を3回見てきた。

1回目は彼女が自身で『絶望の庭』幹部だと明かした時だ。

初めて会った時の、話してるこっちが眠くなるようなのんびりした性格とは打って変わって、異常にハイテンションな性格に変わった。

2回目は、昨日の裁判の時だ。

発言する時はすごく遠慮がちだったし、何より千野君に対して異常に怯えていた。

そして3回目は今だ。

最初会った時みたいにのんびりしてるけど、どこか機嫌がいい。

1回目と2回目の性格の変化を混ぜ合わせたようなイメージだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………一体、どれが本当の独島さんなんだろうか。

うちは彼女のことを何も知らない。

どんな過去を持ち、どんな経緯で超高校級になったのか、どうして絶望の残党になり、『絶望の庭』に入ったのか。

うちらは、独島灯里という人間を全く理解していない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほい、ジュースお待ち〜。あ、警戒する気持ちは分かるけど何も入ってないから安心していいよ☆」

しばらくすると、独島さんがグラスに入ったオレンジジュースを持ってきた。

「………ありがと。いただきます」

うちは特に警戒もせずに口をつけ、1口、2口と飲んだ。

………うん。普通のオレンジジュースだ。

すると、目の前の独島さんが目を丸くしてこちらを見ていることに気がついた。

「…え?ど、どうしたの?」

「いや、確かに()()が警戒しなくていいよーって言ったんだけどさ、まさか全く疑いもせずに飲んでくれるとは………。だって()()、一応絶望の残党だよ?相川さん達の敵だよ〜?」

「あ………」

しまった。そんなこと考えもしなかった。

「……相川さん〜、相川さんの素直な性格、()()はとってもいいと思う。けど、流石に少しは警戒心を持たないとダメだぞっ☆。もし()()が殺意を持ってて毒入れてたら、相川さん死んでるからね〜」

「き、気をつけます………」

こんなことやってるから、明智さんに怒られちゃうんだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ早速、相川さんの話、聞かせてもらおうかな☆お笑い話?それとも恋バナ?それともそれとも人生相談とか☆」

「………ううん、残念ながらそのどれでもないよ。でもさ、本題に入る前に独島さんにお願いがあるんだ」

「ん?お願い〜?」

首を傾げる独島さん。

 

 

 

 

 

 

 

「そう。それは……………今からでいいから、独島さんの()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………え?」

独島さんの動きがピタリと止まる。

「そう。うちは本音であなたと話がしたいの。だからお願い」

「………言ってる意味がよく分からないよっ☆これが()()の素だよ〜?」

「とぼけても無駄だよ。うち、人の些細な変化とかすぐ気づくタイプだから」

「またまたご冗談を〜。そんなハッタリ、()()には通用しない………」

「………それだよ」

「………え?」

「自分で気づいてないのかもしれないけど、独島さん、一人称が変わってるよ。『わたし』から『ぼく』に変わってる」

「………!?」

彼女は目を見開き、そして自身の過ちに気がつく。

「きっと、本当は『ぼく』なんだよね。だけどキャラを作るためにコロシアイでは『わたし』って言ってたんでしょ?」

「…………」

「それに、これはうちの勘なんだけど、あなたは人に言えない何かを隠している。そんな気がするんだ。霞ヶ峰さんの時みたいにさ」

「…………」

「お願い。うちに本当のあなたを見せて」

うちは独島さんの目をじっと見つめ逸らさない。

彼女は先程まで浮かべていた笑みを引っこめて真顔になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ハァ、バレてるならしょうがないか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると独島さんは諦めたようにため息をつくと、

「あなたの言う通りだよ。さっきのお気楽で世の中を舐めてるようなテンションはキャラを作ってるだけ。これがぼくの素だよ」

真顔のまま、彼女は自分が性格を偽っていたことを認めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………やっぱりそうなんだね」

「うまく隠しきれてると思ったんだけど、まさか見破られるとはね。流石は相川さん。全員と交流を深めてきただけのことあるね」

褒めてくれてはいるが、その表情は暗い。

陰鬱な雰囲気をまとっているというか、なんだか顔に生気が宿っていない。

同じ人間なのにさっきとはこうも違うのか。

「じゃあお言葉に甘えてこのテンションでいくよ。あの馬鹿みたいなキャラ演じるの疲れるんだよね」

「………キャラを演じてたのは、自分が『絶望の残党』ってバレないようにするため?」

「そのとおり。『絶望の庭』幹部ってバレないために色々苦労してキャラを作って口調も変えてた。こんな陰のオーラ漂わせてたら、怪しい奴だってすぐ疑われるでしょ?」

呆れたように独島さんはこちらを見る。

「………確かにそうだね」

今の独島さんの雰囲気だったら、間違いなくうちは心配になっ真っ先に声をかけてたと思う。

「それで?相川さんがぼくを尋ねてきた理由って?まあなんとなく想像はつくけど」

そっけない態度でそう聞かれたうちは、改めて正面の独島さんの目を見つめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「独島さん。千野君がこれから何をしようとしてるのか、あなたは聞いてるよね?」

 

 

「まあね。一応同じ幹部だし」

 

 

「なら分かってるよね。このままだと、うちらは生存者同士でコロシアイをさせられて、最終的には1人しか残らない」

 

 

「まあ、昨日の説明だとそうだね」

 

 

「それがいつ始まるか分からないけど、うちらには本当に時間がないの」

 

 

「…………」

 

 

「うちはもうこれ以上誰も死ぬところなんて見たくないし、もちろん自分も死にたくない。コロシアイなんて馬鹿げたことはもう終わらせないといけない」

 

 

「…………」

 

 

「こんな話を敵である独島さんに話したのは、あなたがまだ話の通じる人だと思ってるからなんだ」

 

 

「…………」

 

 

「だからお願い。うちに色々教えて欲しい。コロシアイのこと。それに千野君を始めとするあなたの()()のこと。それに……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やめてくれない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うちが言葉を続けようとした瞬間だった。

彼女は一言だけ、けど強くはっきりとした口調で言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「仲間なんかじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぼくとあいつが仲間なんて、反吐が出る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え…………?」

彼女の別人のような低い声で言われたその言葉に、うちは驚きを隠せなかった。

「………ごめん。つい感情的になっちゃった。この感情だけは押さえつけるのは難しいや」

ははは、と自嘲気味に彼女は笑う。

「いや、それは全然いいんだけど………仲間じゃないってどういうこと?だって2人は同じ『絶望の庭』幹部で………」

 

 

 

 

 

 

 

「………もう話したほうがいいかな」

独島さんは小声で何かを呟くと、

「いいよ。相川さんが知りたい情報、教えてあげる」

「え!?そんなあっさり………」

うちが驚いていると、独島さんは静かに首を振る。

「全然問題ないよ。むしろあいつの計画を阻止してくれるのはこっちにとっても()()()だから」

「え?」

駄目だ。話がよく分からない。

「………いきなりこんなこと言われても混乱しちゃうよね。………分かった、じゃあ順を追って話すよ。でもその前に、1つだけ条件を出させて。それを呑むなら、相川さんに情報を渡すし、あなた達の命の保障はする。もし呑めないのなら、この話はなし。ぼくに二度と干渉しないで」

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

独島さんの条件。それが何かは聞いてみないと分からないけど………。

もしその条件を呑まなければ、二度と彼女との対話は出来なくなってしまう。

コロシアイを止めるために、独島さんとの対話は必要不可欠だ。

だから………

「分かった。その条件って何?」

「聞き分けがよくて助かるよ。その条件は………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()。ぼくが提示する条件はそれだけ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………は?」

想像の斜め上をいく発言。

うちは一瞬思考がフリーズするのを感じた。

「どうする?それでこの条件吞むの?」

「ちょ、ちょっと待ってよ!?どうして独島さんが仲間の千野君を殺すの!?」

「だから仲間じゃないって。あんな人間のクズ、同じ人間というカテゴリーに属しているっていう事実だけだけで吐きそう」

独島さんがうちを睨む。

「………とにかく、その理由は条件を呑んでくれるなら話す。相川さん、今ここで決断して」

「………っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うちは、千野君を含め誰も殺さずにコロシアイを終わらせたい。

もう誰も死ぬのは敵であれ見たくない。

そう思ってた。

けど………独島さんは千野君を殺したがっている。

もしこの条件を呑めば、殺人を許容することになってしまう。

どうしよう。どうするのが正解なんだろう………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お人よしの相川さんに聞きたいことがあるんだけど」

うちが答えを出せずにいると、独島さんが顔を覗き込んできた。

その暗い闇を宿した目にうちは思わず後ずさる。

「な、なにかな………」

「さっき誰も死なせずにコロシアイを終わらせるって言ってたけど、それってどうやってやるの?何か具体的なプランはあるの?」

「そ、それは…………今コロシアイを支配してる千野君を止めて、説得して、千野君から黒幕の話を聞いて………」

 

 

 

 

 

 

 

「…………ハァ、そんなことだろうと思った」

独島さんはうちが言い終わる前に大きなため息をついた。

「初めに言っておくよ。あいつは絶対に説得になんて応じないよ。どんなに拘束しても、どんなに拷問されても、あいつは吐いたりしない。説得なんて不可能だから。断言するよ。というかそもそも、イカれた『絶望の残党』をあなたの説得ごときで改心させられる筈ないでしょ?」

「うっ………!でも、独島さんはこうしてうちの話を聞いてくれるし………!」

「ぼくは別だよ。とにかく、説得なんてそんな甘っちょろい方法でこのコロシアイが終わるなんて考えない方がいい。相川さんの気持ちは分からなくないけど、ね」

「…………」

「このコロシアイが終わるには、参加者が死ぬか、黒幕が死ぬかのどっちかしかないんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんでそんな事言うの!!というかそもそも、こんなことになってるのはあなた達『絶望の庭』のせいじゃん!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

うちは思わず立ち上がり大声を出していた。

独島さんは驚いたのか、目を大きく開けてこちらを見ている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなた達が訳わからないコロシアイにうちらを巻き込んで!そのせいでみんな死んだ!」

 

 

 

 

 

 

 

冷静に話をしなくちゃいけないのに。

頭では分かってるのに、コロシアイに対する怒りの気持ちを抑えきれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしてうちらがこんなことさせられなくちゃいけないの!!うちらが一体何かしたの!!!!うちらの罪って何!!!ねえ教えてよ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

自身の目から溢れ出る涙で視界がぼやけるのを感じながら、ここ最近で一番大きな声で、目の前の同級生に言葉を浴びせ続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うちらは、いつまでこんなことをしなくちゃいけないの…………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その場に崩れ落ちる。

言ってしまった。

穏便に話をするために来たのに。

それなのにうちはまた感情的になって………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ごめんなさい」

頭が真っ白になったうちが固まっていると、独島さんは悲痛な表情で頭を下げて謝罪した。

「言い訳にしかならないと思うけど、ぼくは他の奴らとは違って、みんなをコロシアイに巻き込んだことについては本当に申し訳ないと思ってる。出来れば、ぼくもコロシアイなんてしたくなかったし、させたくなかった。けど…………」

「ぼくの()()のためには、どうしてもこの舞台が必要だった」

「それでも、ぼくはその個人的な目的のために、他の『絶望の庭』幹部の奴らがすることを黙認した。その事実は一生消えない。特に喜屋武さんと銀山さんには本当に申し訳ないと思ってるよ。頭を下げて許される問題じゃないけどね」

「……………殴りたいなら殴ってもいい。気が済むまで罵倒してくれていい。けど、ぼくは必ず復讐を果たさなくちゃいけない。ここで逃したらもうチャンスは来ない。巻き込まれて死んだみんなに罪を償うためにも」

彼女の言葉からは強い決意を感じた。

けど………それって結局『個人の都合』じゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………うちは、あなた達『絶望の庭』を許すことが出来ない。うちの大切な友達をコロシアイに巻き込んで殺したあなたたちを」

 

 

「………そうだろうね」

 

 

 

「あなたが他の『絶望の庭』の人とは違うっていうことも、信用出来ないよ。何か目的があろうがなかろうが、うちらの敵としてコロシアイを起こしたんだから」

 

 

 

「………そうだね」

 

 

 

「だから、まずあなたのことを聞かせて。どうして千野君に復讐しようとしているのか。どうしか『絶望の庭』に入ったのか。うちはあなたのことを知りたいの。さっきの条件を飲むかどうかはそれから答えるよ」

 

 

 

「…………」

 

 

 

「理不尽なコロシアイに巻き込まれてるのはこっちなんだから、そのくらいの要求をこっちから出してもいいでしょ?もし独島さんがうちらに申し訳ないと少しでも思ってるのなら、要求を聞いて欲しい」

 

 

 

 

 

 

 

今度はうちから彼女に条件を出す。

「…………そうだったね」

すると独島さんはまた自嘲気味に笑った。

「なんて馬鹿な勘違いをしてたんだろうね。本来、こっちは偉そうに交渉出来る立場じゃないのに、『条件を飲まないなら二度と関わらない』なんて事言って」

「………分かった。まずはぼくの人生の目的を話すよ。ちょっと長くなるかもしれないけど、聞いてもらえる?」

「うん。聞かせて」

うちは頷いた。

「ありがとう。………まだぼくが中学生の時なんだけど………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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これは、ぼくが中学生に上がったばっかりの話。

田舎の集落に住んでいたぼくは、集落から離れた中学校に通っていた。

その帰り道、集落から煙と火が上がっているのに気がついた。

慌てて戻ったら、集落の人達が血塗れであちこちに倒れていた。

結論から言うと、ぼく達の村は結成されたばっかりの『絶望の庭』に襲われたんだ。

必死にみんなは抵抗したけど、武力に勝る絶望の残党には勝てなくて。

朗らかで優しい集落の長、買い物に行くとサービスしてくれる八百屋のおばさん、顔が怖いけど心優しい肉屋のおじちゃん、近所の仲のいい小学生の友達、みんな殺された。

 

 

 

 

 

ぼくは隠れながら自分の家に辿り着いた。

家族が生きていることを信じてね。

けど………家の中には信じられない光景が広がっていた。

お父さん、お母さん、お姉ちゃんが地面に倒れていて、お姉ちゃんの上に人が跨っていた。

3人とも血を流してピクリとも動かなかった。

けど、それよりも信じられないのが……………お父さんは服を着ているのに、お母さんとお姉ちゃんは全裸だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ん?」

すると気配を感じたのか、お姉ちゃんの上に跨っていた人物がこちらを振り返った。

その男は血だらけになった和服を来ていて、手が真っ赤に染まっていた。

坊主頭で、下卑た笑みを浮かべながらこちらを凝視した。

「おいおい、まだ女がいたのかよ。こりゃ楽しみが増えたな」

「………い、いやああああああああああああ!!!!」

私は悲鳴をあげて逃げた。

けど、家の入口には既にあいつの部下らしき人間が待機していた。

「おい、そのガキ捕えろ」

「はっ!」

当然大人の男から逃げられる筈もなく、ぼくは捕らえられた。

 

 

 

 

 

 

 

「おーおー、こりゃそそるね。おい嬢ちゃん、この女、お前の姉か?」

「………殺してやる。殺してやる!!」

ぼくはその時、一度も使ったことのない言葉を目の前の男に浴びせた。

「こりゃいい目をしてるなあ。こういう憎しみに満ちた奴を味わうのが至福ってもんだ。………おい、こいつ連れてけ」

「し、しかし………」

「なんだ?下等な人間が俺に逆らうのか?俺は幹部、お前らは平社員だろ?誰に向かって口聞いてるんだ、おい?」

「し、失礼しました、千野様!」

ぼくはそこで、家族を殺した奴の名が千野だということを知った。

そして、今回集落を襲ったのは、ボスからの命令ではなく、千野が独断で自分の欲望を満たすためだったということも後で知った。

 

 

 

 

 

 

そしてぼくは、アジトらしきところで監禁されて、あのクソ野郎(千野)のおもちゃにされた。

千野李玖という男は、女の悲鳴、泣き叫ぶ声が何よりも好物であるとかいう人間の皮を被った化け物だ。

女を監禁して、拷問して、最後は陵辱して殺す。

お母さんとお姉ちゃんが裸だったのも、身体中を傷つけられた挙句レイプされたからだったというのを、ぼくは後で気がついた。

当然、ぼくも同じような仕打ちを受けた。

何度体を傷つけられ、そして辱めを受けたのか分からない。

 

 

 

 

 

 

でも、ぼくは諦めなかった。

集落のみんなのため、そしてぼく自身の復讐のため、ぼくの心が折れることは決してなかった。

必ずあの男を殺す。

そのためにひたすら耐えた。

耐えて耐えて耐えて、耐え続けた。

 

 

 

 

 

 

 

そしてある時、ぼくにチャンスが訪れた。

千野が今回のコロシアイ作戦を実行することになったという。

ぼくは作戦の内容には全く興味がなかったけど、あのクソ野郎(千野)も作戦に参加するということを聞いて、これはチャンスだと思った。

だからぼくは千野に『絶望の庭』に入れてくれ、と頼んだ。あなたの道具として何でもします、という文言を付けて。

そうしたらあいつはいつもの下卑た笑みを浮かべて了承した。

あいつを殺せるなら、たとえ非人道的な、『絶望の残党』という集団に属し、人生を捨てても構わない。

そうぼくはずっと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

そしてぼくはクソ野郎(千野)の指示のもと、コロシアイの準備期間、忠実に働き続け、ついには幹部まで昇進した。

そして今は、あいつに怯えながら仲間として働いているように見せかけて、あいつを殺す機会を窺っているんだ。

………まあ正直、怯えは演技じゃない部分もあるけどね。

あいつの近くにいると、過去のトラウマが蘇って今でも心の底から恐怖を感じるんだ。

でも、そんな甘えたことは言ってられない。

恐怖があろうとそうでなかろうと、ぼくは必ず成し遂げる。

あいつを無惨なまでに殺して、この世界に生まれたことを後悔させてやる。

 

 

 

 

 

 

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「…………そんな」

「…………」

話を終えた独島さんに対して、うちは絶句して開いた口が塞がらなかった。

そして、今までの疑問も一気に解決した。

 

 

 

 

 

 

独島さんが『絶望の庭』に入ったのは、千野李玖を殺す機会を窺うためであり、絶望自体には微塵も興味がないし、コロシアイにも関心はない。

 

 

 

 

独島さんが彼に対して怯えていたのは、過去の千野李玖にされた陵辱行為がトラウマになっているから。

 

 

 

 

 

 

 

「長話でごめんね。けどこれで分かったでしょ?ぼくが『絶望の庭』にいる理由。そしてコロシアイに参加した理由。それは『このコロシアイで千野李玖を殺すため』。人1人殺せば終わる、すっごくシンプルな生きる目的」

彼女の生きる意味。それは1人の男に対する復讐。

その復讐心は、とてもうちらじゃ推し量ることなんて出来ない。

それに…………独島さんの話が本当だとしたら、千野君、いや、千野李玖は最低のクズ野郎だ。

女の子を弄ぶことに喜びを感じる?

そんな私利私欲のために独島さんの人生をめちゃくちゃにしたというのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………いくつか聞きたいことがあるんだけど」

「うん。いいよ」

あんな想像を絶する話をした後にも関わらず、彼女の感情は全く乱れていない。

「………あなたは『絶望』には全く興味はないの?」

「ないよ。ぼくが『絶望の庭』にいる理由は、千野李玖を殺す機会を窺うのに都合がいいから。絶望なんてこれっぽちも興味ないよ。それに、『絶望の庭』も一枚岩じゃないわけだしね」

「どういうこと?」

「うちの組織は全員がボスの考えに心酔してるわけじゃない。だからそれぞれが向く方向が全然違う。例えば幹部で言うと、ぼくはボスの考えに興味はないし、千野もボスをあんなに憎んでるのを見た感じ、多分ボスを殺すためにこの組織にいると思う。詳細は知らないけどね。分倍河原はわけ分かんないイカれた奴だから知らない。もう1人は………」

「中澤君、でしょ?」

うちは、確信に近い口調で答える。

「ん?中澤くん?」

今までの情報から、うちら生徒の中にいる幹部は全部で4人。4人のうち3人は既に判明してる。

分倍河原剛。

千野李玖。

独島灯里。

そして残りの1人は………中澤翼君。

飛田君を殺して、そして処刑された彼が最後の絶望の残党。

そう考える理由は………あの時見つけた()()()があるからだ。

 

 

 

 

 

 

 

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4章 (非)日常編②

 

 

 

 

 

 

業ちゃーん。何か見つかったー?こっちは何も成果なしだよー」

呼びかけながら入ると、業ちゃんがロッカーの前で固まっていた。

ある物を見つめながら。

「ん?どうしたの?」

「…………………凛さん。これを見て下さい」

業ちゃんは真顔で手に持った物を見せてきた。

「ノートじゃん。あ!もしかして何か重大な手がかりがあるとか!!」

「……いえ。期待してる凛さんには申し訳ないんですけど、中は全て白紙です」

持っていたのはごく普通のノートだった。

どんな手がかりが……と思ってワクワクしながら聞いてみたけど、どうやら何も書かれていないみたいだ。

「そっか。それは残念………。でもなんで新品のノートがこんなところに………」

「凛さん」

うちが言葉を続けようとした時だった。

業ちゃんが開いていたノートをパタリと閉じた。

「確かに中身は全て白紙でした。けど、このノートは新品ではないです。表紙を見て下さい」

「ん?表紙がどうしたの……………………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『全人類再絶望計画書』」

 

     

 

 

 

 

 

 

「嘘………何これ………?」

「それだけじゃありませんよ。裏を見てください」

業ちゃんはノートを裏側にひっくり返す。

すると右下に『中澤 翼』と書かれていた。

「え………」

驚きのあまり声が出ないうちに対して、業ちゃんは困惑した表情でボソリと呟いた。

「凛さん。私達はとんでもない物を見つけてしまったみたいですね」

 

 

 

 

 

 

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「あの時、うちと業ちゃんは中澤君の研究教室から『全人類再絶望計画書』って書かれたノートを見つけた。そしてそのノートには中澤君の名前があった。だからうちらは彼が4人目のスパイ、つまり『絶望の庭』幹部だと思ってる」

うちは自信のある口調で根拠を話す。

「…………違うよ。それはボスが仕込んだダミー」

しかし、彼女の回答はうちらの予想とは違った。

静かに首を振りうちの答えを否定する。

「…………え?」

「ボスが混乱させるためにわざと仕込んだ偽の情報だよ」

「………じゃあ、中澤君は『絶望の庭』とは何の関係もないただの生徒ってこと?

「そう。彼は『絶望の庭』幹部ではないよ」

……………ふざけたことを。

どこまで黒幕はうちらをおちょくれば気が済むんだ。

「そ、それじゃあ誰が………」

中澤君ではないとするなら、一体誰が最後のスパイなのか。

困惑するうちを見て独島さんは軽く嘆息すると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最後の『絶望の残党』幹部。それはね…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「賢い相川さんならなんとなく想像ついてると思うけど、一応ヒントをあげる」

 

 

 

 

 

 

 

「………スパイとしてこのコロシアイに潜入したぼく達『絶望の残党』は、あらかじめボスからそれぞれ役割を与えられていたんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たとえばぼくは、『分倍河原剛が殺人を犯しやすいように手助けをする』『敢えて自身の正体を明かし、生き残った生徒達に不安を与える』みたいなことをボスから指示されていた。そしてぼくはそれをこなしてきた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勿論最後の1人も例外じゃないよ。ちなみにその人に与えられた役割は…………『もし長時間コロシアイが起きなかった場合、その均衡を自ら破り、コロシアイが起きやすい状況を作る』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

独島さんの言葉を聞いた瞬間、全身に稲妻のような衝撃が走るのを感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『コロシアイの均衡を破る』……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初に殺人を犯した中澤君のこと?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それとも、閉じ込められた空間で2人を殺した霞ヶ峰さん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いいや違う。

もっと前だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うちらは、()()()の死のせいで、これがドッキリでも何でもない、本当の命懸けのデスゲームであると認識させられたんだ。

あの時から、コロシアイは一気に動いたといっても過言ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最後の1人って……………………………………()()()()、なの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うちの呟きに、独島さんは頷く。

「………錦織さんが死ぬまで、うちらずっと仲良く過ごしてた。けど、彼女が死んでからうちらの不安はどんどん大きくなって………それでその後すぐに最初の殺人が起きたんだ」

モノカバの言葉は嘘であり、実際はただのドッキリか何かと信じ込んでいた人達は、錦織さんが処刑される姿を見て、死の恐怖を感じ心に余裕がなくなっていった。そしてそれが引き金となり、中澤君は飛田君を殺してしまった。

彼女は忠実に自身に課せられた役割をこなしたんだ。

「正解。()()()()は、最初の均衡を崩すっていう役割を与えられていた。でもまさか、自分の命を犠牲にしてまで目的を果たすとはぼくも予想外だったよ。だって最初の打ち合わせでは彼女自身が誰かを殺す予定だったんだから」

「清子先輩?」

「千野とぼく、それに分倍河原が『絶望の庭』に入るずっと前からあの人は組織にいるからそう呼んでるだけ。別にあの人に敬意なんて微塵もないから」

 

 

 

 

 

錦織さん………。

みんなをまとめてくれたのも、励ましてくれたのも、全部演技で、うちらを絶望させるためだけに、わざと学則違反を犯して処刑されたってこと?

どうして……………どうしてそこまでするの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………待って。今の話だと、独島さんが中学生の時、千野君は村を襲ったグループのリーダーだったんだよね?なら、彼は私達と歳がだいぶ離れている、ということでいいの?」

「そうだね。あいつはぼくより10歳年上。だから同級生としてぼくらの学年にはいたけど、実際はとっくに高校は卒業してる歳なんだよ」

なるほど。まあどうして年齢の違う彼が一緒に入学出来たか、なんて疑問はあるけど、ひとまずそれはいいや。

「…………それで、相川さんにどうしても話しておかなければいけないことがあるの」

すると独島さんは、うちの目を真っ直ぐ見てそう言った。

「………うちに?」

「相川さん。今から話す内容は、あなたにとって本当に辛いことだと思う。けど………()()()()()()()()あなたに隠しておくわけにはいかないから」

「な、なに………?」

嫌な予感がしたうちは、思わず声を震わせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千野李玖(クソ野郎)が女を陵辱する奴だってことはさっき言ったでしょ?………当然、このコロシアイも例外じゃない。あいつはコロシアイが始まる前から女子生徒のことを品定めしてたんだ」

 

 

 

 

「けど、このコロシアイで被害に遭ったのは()()()1人だけだったんだ。その人は、自分が身代わりになる代わりに、相川さん達を始めとする他の女子には手を出すなとあいつに言った。それから死ぬまで………その人はあいつの被害に遭っていた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その人の名前は…………………………()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………は?」

「銀山さんは、コロシアイの始まってしばらくした後、クソ野郎(千野李玖)から脅されていたみたい。そこで彼女はさっきのようなことを約束して…………」

「…………なにそれ」

うちは思わず立ち上がっていた。

「どういうことなの。じゃあ香織ちゃんはずっと千野君に襲われてたってこと?」

「………」

「答えて」

「………そうだよ」

「……ねえ独島さん。独島さんは知ってたってことだよね。香織ちゃんが毎日千野君に酷いことされてたってこと」

「…………」

「当然だよね。だってあなたは千野君と同じ『絶望の庭』幹部だもんね」

「………うん」

「それをあなたは見て見ぬふりをした。自分の欲望のために」

うちは怒りのあまり独島さんの肩を掴んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「………どうして。香織ちゃんが何をしたっていうの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんなに優しくて仲間想いの香織ちゃんが、死ぬまで辱めを受けて、最後は『絶望の庭』の分倍河原君に殺されて…………どうしてなの…………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うちは今日2回目の涙を流しながらそう訴える。

独島さんは衝撃を受けたような表情をしていたが……やがて悲しそうな目でこちらを見ながらゆっくりうちの手に触れる。

「………さっきも言ったけど、銀山さんのことはごめんなさい。確かにぼくは銀山さんが凌辱されているのを知っていたけど何もしなかった。でも………ぼくはそれ以上にやることが…………」

「もういいよ。()()でしょ?あなたはそのためならうちらがどうなってもいいんだもんね」

「…………ッ」

「キツい口調になっちゃってごめん。でも今は、あなたに気を遣える程心に余裕がないから………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うちは、拳を握りしめ、怒りに震えていた。

ここで独島さんを責めても何の解決にならないことは分かってる。

今、湧き上がる怒りの矛先は、千野李玖と自分自身に対してだ。

あの男に対する怒りは勿論だけど、どうして陰で苦しんでいる香織ちゃんに気がついてあげられなかったんだろうという、自分に対する怒りが大きい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………待って」

 

 

 

 

 

 

違う。

 

 

 

 

 

 

 

うちは苦しんでいる香織ちゃんを見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見たのに気がつかなかったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

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3章 (非)日常編④

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軟禁生活18日 AM2:00

 

 

 

「………トイレ行きたくなっちゃった」

夜中に目覚めたらうちは、トイレに向かう為個室を出て廊下を歩いていた。

寝る前に水を飲みすぎたのかもしれない。

「ふあーぁ。早く済ませてまた寝よう」

うちは寝惚け眼で女子トイレのドアを開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゲホッ!!ゲホッゲホッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………え?」

中に入った瞬間、誰かが嗚咽している声が聞こえた。

「誰!?大丈夫!?」

慌ててその誰かに駆け寄る。

「………!!」

「か、香織ちゃん……!!」

その人物の正体は香織ちゃんだった。

「あ、相川か………。済まない、見苦しいところ見せてしまったな」

「そんなのどうでもいいよ!!それよりどうしたの!?具合でも悪いの!?」

「………実はさっき食べた菓子を喉に詰まらせてしまってな。それでトイレに駆け込んだだけだ」

「そう、なの………?」

「ああ。だから君が心配する事は何一つないんだ。気を遣わせてしまって済まない」

香織ちゃんはスッと立ち上がると、何事もなかったかのように出口へと向かう。

「ま、待ってよ!!」

うちはなんだが様子がおかしい香織ちゃんの腕を慌てて掴んで止める。

「相川……?どうしたんだ一体」

「だっておかしい………え?」

振り向いて困った表情を見せる香織ちゃん。その右目の横に………痣があった。

「香織ちゃん、その顔にある痣なに?」

「ッ!?ああ、これはだな……さっき部屋で転んで派手に顔をぶつけてしまったんだ。我ながら情けない」

「香織ちゃん………」

苦笑いする香織ちゃん。その表情は…………明らかに無理をしてるように見えた。

「待って!」

「もうこの話はいいだろう?それよりも相川。もし君が良ければ……少し散歩しないか?」

話を強引に打ち切った彼女はさっきの表情のままそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「…………くそ」

 

 

 

 

 

 

 

 

うちは大馬鹿野郎だ。

 

 

 

 

あの時無理にでも香織ちゃんの相談に乗っていれば、彼女を救えたかもしれないのに。

 

 

 

 

 

 

また目に涙を浮かべる。

怒りと悲しみで握った拳が震える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、後悔しても遅い。

どんなに泣いても、後悔しても香織ちゃんは戻ってこない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去を振り返るな。

メソメソしてもしょうがない。

今に目を向けろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パン!

「!?」

うちは自分の頬を叩き喝を入れた。

「分かった。あなたのことも、千野李玖が最低な奴だってことも、香織ちゃんのことも、全部理解した」

「その上で重要な確認をさせて。……………『千野李玖が死んだら、コロシアイは終わるの?』

「………………………………」

独島さんは暫く黙る。そして

「正直、可能性は五分五分だと思う。今、このコロシアイの首謀者はあいつってことになってる。だからあのクソ野郎が死んだら、コロシアイが強制的に終了するのが普通だけど………絶対とは言い切れない。主導権を奪われた()()が今何をしてるか分からないし、クソ野郎が死んだ後もコロシアイを続ける可能性も否定出来ない」

「………そっか」

今まで姿形が見えなかった黒幕。

けどそれが千野李玖という、正体の分かっている人間にゲームマスターが入れ替わった。

柴崎君も言っていた。

『誰だか分からない黒幕より、目の前にいる千野李玖の方がまだ勝機がある』って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………分かった。ならそれを踏まえてあなたに提案させて。…………()()()()()()()()を張らない?」

「共同………戦線?」

顔を上げ驚きの表情を見せる独島さんにうちは話を続ける。

「うん。あなたの目的は千野李玖を捕まえて殺すこと。うちらの目的はコロシアイを止めること。コロシアイの主導権を握っているあいつならコロシアイを止める方法を知っている。だからうちらもあいつに用がある。『千野李玖を捕える』という点で利害は一致してるでしょ?だからそこで協力しよう」

今必要なことは独島さんが千野李玖を殺すことを止めることじゃない。

このコロシアイを終わらせること。

なら………。

「うちらは千野李玖がやろうとしてることを絶対に止める。だから捕まえて吐かせて、意地でもコロシアイを終わらせる方法を見つけるよ。それが出来たら良いし、それが出来なかったから、別の方法を探す。その後の千野李玖については、独島さんに任せるよ。あなたがあいつに復讐することは絶対に邪魔しないし、関与しない。もしあなたが千野李玖を殺した結果、コロシアイが終わるのであれば、それはうちらが一番望んでいることだから」

「…………!」

「あなた1人で千野李玖を殺すって言っても難しいんじゃないの?すぐ殺すにしろ、じっくり殺すにしろ、彼の身柄を捕える必要がある。そのためには人手は必要でしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

今、うちは最低なことを言っている。

 

 

 

 

 

 

だって、目の前で殺人を起こそうとしている人に協力しようとしているんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

それでも………うちは彼女の境遇を聞いた今、殺人は何が何でも駄目、なんて綺麗事を吐く程愚かじゃない。

独島さんだけじゃない。

香織ちゃんだって被害を受けた。

その報いを………受けてもらわないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ぼくとしては千野李玖を殺すのを邪魔しないでもらえばそれでいいんだけど、相川さんはそんな簡単に決めていいの?だってずっと、誰も死なせずにコロシアイを終わらせようとしてるんでしょ?」

「そりゃ理想はそうだよ。けど、あなたの話を聞いて、考えが少し変わったんだ。やっぱ理想だけじゃ駄目だと思った。うちだけの話ならいいけど、うち以外のみんなの命もかかってるんだし、いつまでもわがままは言ってられないよ」

優月ちゃん、黒瀬君、柴崎君、明智さん。

うちにはまだ仲間がいる。

その仲間のためにも、今は一刻も早くコロシアイを終わらせなくてはならない。

「………そう。けど………」

「独島さんに抵抗があるのも分かるよ。立場上難しいのも理解してる。けど、今はこれが最善だと思うの。独島さんが協力して情報を色々提供してくれたらうちらも助かるし、千野李玖をうちらが捕えれば、あなたもその後色々行動しやすいでしょ?」

「それにうちは無理に『仲間になれ』とも言うつもりはないよ。うちは勿論、独島さんがうちらを仲間として認識してくれるなら凄く嬉しいけど、あなたが嫌ならそう考えなくていい。()()()()()()()()()。これでいいじゃん」

「…………」

「ね?どうかな?」

うちからの提案に対して彼女は、しばらく黙り込む。

 

 

 

 

 

 

 

「………どうして?」

「…………え?」

「どうしてそこまで普通に接してくれるの?ぼく、あなたにも、あなたの仲間にも酷いことをしたんだよ?」

悲しい、というより困惑している表情だった。

「…………確かに、あなたは『絶望の庭』の一員としてコロシアイを起こしたし、みんなが死ぬのを見て見ぬふりをした。自分のことだけを考えて人の命を軽んじた。それは許せない」

「でも…………あなたの話を聞いて、やっぱりあなたも被害者だと思った。それは分倍河原君もそう。彼も最低最悪なことをしたけど、彼をあんなに狂わせたのは黒幕なんでしょ?なら彼も被害者だよ」

「だからうちはあなたを否定しない。もしあなたが千野李玖を殺したとしても、うちはあなたを救いたい。その後こうして話せる友達になりたいと思ってる」

「…………!?」

「ごめん。正直自分でも何言ってるのかよく分かんないや。でもさ、うちはあなたとも友達になりたいっていうのはずっと前から思ってたんだよ。前までは独島さん、なんか思ってたよりも距離があってちゃんとした友達になれてないと思ってたんだよね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「相川さん。あなたは本当に甘いよ。お人好しだし、純粋すぎる。けど………あなたのその綺麗な心が本当に羨ましいよ」

うちの言葉に対して独島さんが最初に発した言葉は、うちに対する困惑と羨望の言葉だった。

「………その共同戦線、乗ったよ。ぼくはあなた達にぼく達しか知らないコロシアイの情報を提供する。あいつを捕まえるための協力もする。その代わり、千野を捕まえてあなた達の用が済んだら、ぼくはあいつを殺す。あなた達はその邪魔はしない。それでいいよね?」

「うん。いいよ」

「けど、ぼくは現状()()()()()ってことになってる。もしあなた達と協力してることがバレたらぼくの復讐も失敗する可能性が高い。だからぼくは表向きは()()()()()()ってことで動くから。だからあなた達もぼくとの話は監視カメラがあるところでは絶対にしないで」

「分かった。それは徹底するよ」

今うちらが話してるのは各個人の研究教室。ここには監視カメラがないため、思う存分話が出来るということだ。

「じゃあ、今日の話はみんなにもしておいて。あ、今更やっぱ共同戦線はなし、なんてことは言わないでよ」

「大丈夫!うちがしっかりみんなを説得するから」

「それなら良かった。………じゃあ、今日はそろそろ解散しよう。あんまり話し込んでると千野に勘付かれる」

「そうだね。じゃあこれで」

うちは立ち上がり、独島さんの研究教室の出口へと向かう。

「じゃあ、何かあったらカバフォンに連絡するから」

「うん!今日はありがとう!じゃあね、()()()()()!」

「じゃあまた。……………ん?」

うちは手を振り、独島さんの研究教室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()って………。距離急に詰めてくるじゃん」

ぼくは、地面に仰向けになり、天井を意味もなく見つめる。

ちょっと身の上話をしただけであんなに仲良くなった気になって………。

おまけに許可もしてないのに名前呼びって。

本当にお気楽で腹が立つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…()()、か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友達なんてぼくの人生に必要ない。

ぼくの人生は、復讐をすれば終了するのだから。

 

 

 

 

 

 

 

それでも。

 

 

 

 

 

 

こんなクズを友達と呼んでくれる相川さん達を死なせるわけにはいかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな、あと少しだから。あと少しでみんなの仇を取れる。待っててね」

 

 

 

 

 

 

「あの男は、何がなんでもぼくが殺す」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

既にこの世にいない村のみんなのことを思い浮かべ、改めてそう誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んで?なんだよ急に?しかもこんな狭めーところに呼び出しなんかしてよ」

うちは灯里ちゃんの研究教室を出た後、みんなにもう一度集まって欲しい旨をカバフォンで伝えた。

ちなみに集合場所は柴崎君の研究教室だ。

理由はいつもと同じ。『研究教室には監視カメラがない』からだ。

つまり、千野李玖には聞かれたくない内容をこれから話す。

「狭いのはあんたの図体がデカいからッスよ。人の研究教室に文句言うのはやめてくれませんかね?」

「うるせー!」

「喧嘩するのは後にしてください。今から凛が重要な話をするようですから」

優月ちゃんの言葉で静かになったタイミングで、うちは口を開く。

「さっき、灯里ちゃんに会ってきたんだ。そこで彼女から色々話を聞いたんだけど……………」

 

 

 

 

 

うちはさっきの彼女との会話を余さずみんなに伝えた。

 

 

 

 

 

 

「……………あのクソヤローが」

黒瀬君は顔を真っ赤にして拳を震わせている。

「…………今まで殺人を犯したどんな奴よりもクズじゃねーか」

「救いようのないゴミッスね」

「………まさに『外道』とは彼のことを指すのでしょうね。同じ人間とは思いたくないです」

「…………………………」

柴崎君は呆れ果て、優月ちゃんは嫌悪感を剥き出しにして、明智さんは神妙な顔つきで黙っている。

「うん。確かに灯里ちゃんは『絶望の庭』として罪を犯した。けど、それは彼女も被害者で、加害者である千野李玖に復讐するためだった。だからってわけじゃないけど…………うちは、彼女も助けたい。そして千野李玖を殺す事になってしまったとしても……………もしそれでコロシアイが終わるならそれでいいと思ってる」

 

 

 

 

 

 

「ごめん。うち、今までずっと誰も死なせたくないって言ったのに急に殺しを認めるようなこと言って。自分の意見が全然定まってないっていう指摘も最もだと思う。けどうち、改めて考えてみたんだ。もしここにいるみんなと灯里ちゃんの命と千野李玖の命、どちらかをとれって言われたら、うちはみんなの方を取る」

「勿論誰も死なないことがベストだけど、その僅かな可能性に縋ってみんなを危険に晒したら本末転倒でしょ?誰も死なせないための努力を止めるつもりはないけど、それでも無理だったら、うちは彼の死をもってコロシアイを終わらせるって選択肢を選ぶつもり。灯里ちゃんの復讐を止めるつもりはないよ」

うちはゆっくりと、全員に言い聞かせるように意見を伝える。

もしこれで全員に駄目だと言われたら、灯里ちゃんに頭を下げて謝るしかない。

 

 

 

 

 

 

「だから、うちは灯里ちゃんの復讐を手伝って、その後彼女を救う」

 

 

 

 

 

 

復讐に囚われた人間が復讐という目的を果たすとどうなるのか。

答えは……………もう生きる希望を見いだせず、闇という沼にはまったまま抜け出せずにその人生を終えるだろう。

復讐で人を殺した人間が、後に社会復帰している、なんてハッピーエンドは滅多に聞かない。

殆どの場合、自ら()()()()だろう。

生きる希望なんてもうない。

やることなんてない。

もう疲れた。

そんな風に思ってしまうのだと思う。

 

 

 

 

 

 

きっと灯里ちゃんもそうだ。

彼女は恐らく、千野李玖を殺した後自ら死を選ぶつもりだ。

灯里ちゃんの目には…………全く希望の光が宿っていなかった。

俗に言う、『死んだ魚のような目をしている』状態だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

だからうちは、彼女を救う。

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()んじゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()、彼女に『生きたい』と思わせたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ハァ。あんたは本当に猪突猛進というか、見切り発車というか…」

まず初めに口を開いたのは柴崎君だった。

こめかみに人差し指当てながらため息をつく。

「どうして決める前に僕達に相談してくれなかったんスか?相川サンの話だと、独島サンとの『共同戦線』とやらは既に決定事項になっちゃってるじゃないッスか」

「ご、ごめん。あの場でつい決めちゃって………」

「それにずっと前からあんた、『誰も死なせない』って言ってたじゃないッスか。それを独島サンの意見だけでころっと変えちゃって………気持ちブレブレッスけど、大丈夫ッスか?」

厳しい目をこちらに向けられる。

「………うん。もう大丈夫。もう曲げない」

「…………」

うちは強く頷くと、柴崎君は一瞬無言になる。そして、

「…………まあ、覚悟が決まったならそれでいいッス。僕はあんたに協力するって決めてるんで」

「……え?」

あっさりとうちの意見に賛同してくれた。

「………正直、柴崎君には反対されると思ってたよ」

「さっきあんたが自分で言ってたじゃないッスか。『全員を救おうとした結果僕たちの中からまた死人が出たら本末転倒だ』って。僕もその意見に同意ッス。僕は1人の命を生贄に全員が救われるのなら、喜んでそっちを選びますよ。………こんな事言うなんて、未来機関の人間失格ッスけどね」

腕を組みながら笑みを浮かべる柴崎君。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………オレは正直、気が向かねーけど…………でも、オレもそれ、協力するぜ」

黒瀬君は下を向きながら、ぽつぽつと言葉を紡ぐ。

「オレは…………ここまで生き残ってきたテメーらを何よりも大事な、大切な仲間だと思ってる。だからオレは、テメーらと一緒に生き残りてえ」

「それに灯里も…………アイツはオレのダチだ。アイツとは色々馬鹿やったけど、アイツとはまだ、ちゃんと本音で話せてねー…………だからオレは、このコロシアイを終わらせて、アイツとまた色々遊びてーよ」

「オレも凛と同じだ。………李玖の馬鹿の命か、オレらの命かって言われたら、オレらの命に決まってる。もしそれでコロシアイが終わるなら、オレはそれでいい」

独島さんととりわけ仲がよかった黒瀬君。

彼は………そんな彼女も含め、うちらと一緒に生き残りたいと言ってくれた。

「ごめん。黒瀬君にも辛い選択させちゃって」

「別に凛が謝ることじゃねーよ。だってこうなったのは全部『絶望の残党』のせいだろ?オレらはこんなクソみたいな場所で必死に生きようと足掻いてるだけじゃねーか。それの何が悪いんだって話だろ?」

顔を上げ、どっしりと座る黒瀬君。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほう。随分と気恥ずかしいことを言うものだな。『何よりも大事な仲間だと思っている。だからテメーらと一緒に生き残りたい』か。ワタシもそのような立派な台詞を堂々と吐ける人間になりたいものだ」

明智さんは黒瀬君の方を見ながらからかう。

「や、やめろって!!改めて言われると恥ずかしくなるだろうが!!」

「しかし、その台詞にはワタシも同意する。ここまで戦ってきたキミ達はいわば『戦友』だ。『世界一情に熱い探偵』と呼ばれるこのワタシが、『戦友』であるキミ達の命を軽視することはあり得ない。要するにキミ達と一緒に生き残りたい、ということだ」

「それに、独島灯里クンの人生をめちゃくちゃにしたあの男に同情の余地はない。キミ達の命とあの男の命を天秤にかける必要はないのだよ。あの男を殺してコロシアイが終わるのであれば、喜んでこの手を血で染めよう。何より、あの男にいいようにされるのが腹立たしくてならないのだよ。ワタシを下等生物呼ばわりしたこと、後悔させてやる」

何故か闘争心を燃え上がらせる明智さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

「何度も言っていると思いますが、私は貴方に救われました。だから私は恩返しとして、貴方を支えると決めました」

優月ちゃんは優しい笑みを浮かべている。

「それに私も想いは同じです。ここにいる皆で生き残りたい。そして灯里を救いたい。そのためなら私は、李玖の命を奪うことも厭いません」

「灯里の復讐したいという気持ち、私も少し理解が出来ます。私にも一時期、そんな気持ちがありましたから。………もう終わらせましょう。こんなコロシアイ。これ以上、『絶望の庭』に振り回されるのはうんざりですから」

そう言って優月ちゃんは強く頷いてくれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな…………ありがとう。もう終わらせよう。こんなコロシアイ。そしてみんなで生き残ろう。そして灯里ちゃんを助けよう」

うちはそう言って目の前に手を出した。

「何スか?この手」

「ん?あれだよ、えいえいおーっ!てやつ。やったことあるでしょ?」

「ええ…………そんな小学生みたいなキツいノリ、絶対やんないッスよ。あんた達もそうッスよね?」

「私はやりますよ」

「オレもやるぜ!」

「ふむ、面白い。実に助手らしいな。ワタシも一員として参加しようではないか」

「…………………」

「柴崎君?」

「………ああもう、分かったッスよ…………!」

最後に渋々といった形で柴崎君が手を出し、全員の手が中央に集まった。

「ここまで頑張ってきたし、最後はコロシアイを終わらせて、みんなで生き残ろう!!」

「「「おー!」」」

1ヶ月以上かかってしまったが、ようやくうちらの心が一つになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生存者

 

 

LA001 相川 凛《外国語研究家》

MA002 霞ヶ峰 麻衣子 《動画投稿者》

MC003 喜屋武 流理恵 《調理部》

SA004 銀山 香織《棋士》

MB005 黒瀬 敦郎《バスケ部》

MC006 柴崎 武史《歴史学者》

MB007 霜花 優月《狙撃手》

MA008 ジャック ドクトリーヌ 《医者》

MC009 千野 李玖《茶人》

MC010 独島 灯里《サブカルマニア》

MB011 飛田 脚男《バイク便ライダー》

SB012 中澤 翼 《フットサル選手》

LB013 錦織 清子《テニスプレーヤー》

MB014 分倍河原 剛 《空手家》

015 北条 業 《希望ヶ峰学園予備学科生/放火魔》

MA016 万斗 輝晃 《情報屋》

MB017 幸村 雪 《激運》

MA018 明智 麻音《探偵》

 

 

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