フィジカルな魔法少女   作:なむさんばがらす

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後編


そして伝説に・・・なの

ちょっと用語解説

 

魔槍ゲイボルク

 

技1『刺し穿つ死棘の槍』

 

相手の心臓に槍が命中したという結果を作り上げてから槍を放つという因果の逆転現象を起こす・・・らしい

 

簡単に言うと

「心臓を刺す」と心の中で思ったならッ!

その時スデに行動は終わっているんだッ!

『心臓を刺した』なら、使ってもいいッ!

 

って感じ(ヲイ

 

技2『突き穿つ死翔の槍』

 

炸裂弾のように一撃で一軍を吹っ飛ばす威力を誇る。

ホーミング性能を持ち『命中するまで何度でも襲い掛かる』。・・・らしい

 

用は便利な誘導ミサイル?・・・って感じ(ヲイ

 

本編

 

アキレウス視点

 

そこから始まったのは虐殺だった。

 

このは嬢はその身に無数の槍を突き立てたまま高らかに笑い、その槍のうちの数本を引き抜くと

 

「突き穿つ死翔の槍(ゲイボルク)」

 

といって投擲、後方に下がっていた「無限の剣製」「王の財宝」組を軒並み串刺しにし、周囲のものを巻き込んで爆砕した。

 

投影によって作られた槍は消滅したが、王の財宝によって出現したものは健在で、未だ彼女の心臓に突き立っている。それらを引き抜き、二本を残して投擲する。

 

前衛の『反射』持ちたちに魔術的な槍は完全には反射できず、驚異的なホーミング能力を持つ槍によって手傷を増やし、集中力を欠いたものから串刺しにされていった。

 

このは嬢は手に持った二槍をバインドで背中にくくりつけると、目にも止まらぬ速さで移動、拳の一振りで数十人が頭部を打ちぬかれ、彼女が駆けた後には転生者たちの死体の山が出来た。

・・・まあ、自分の能力を過信し、研鑽を怠った者達にも責任はあるが。

 

 

西園寺 麗華視点

 

端的に言うと・・・我が軍は壊滅いたしました。

最初の魔槍による攻撃を逆手に取られる形で・・・

あの宝具の怖さを知っているものは恐怖におののき、それが全軍に伝染してもはや軍とはいえませんでした。

仮に指揮系統の乱れがなかったとしてもあの膂力はチートですわ!!

呂奉先もかくや、という無双プレイを見せ、死体を量産している彼女を見て発狂したものもいたほどですから。(史上最強の胆力のおかげで私はなんともありませんでしたが)

しかし、なぜ心臓を突かれて平気なのでしょう?

それを思考する間も、マルチタスクによって生き残った部隊をまとめようと指示をだそうとして・・・

 

―――ドスン

 

目の前に黒鎧の女が現れました。私はとっさにデバイスである槍を連続で突き出し、接近を阻みます。歴史上最強のパワーとスピードによって行われる神速の突きに、さすがの化け物も攻めあぐねているように感じました。

 

黒鎧の女は私から少し距離を取り、何かをつぶやいた後私を見、くつくつと笑い出しました。

 

「まさか、あなたが生きているとはね、アキ《・・》」

 

「やっぱりお前なのか…このは《・・・》」

 

「どういうことですの!?アキレウスさん!?」

 

「どうもこうもないよ。元男の西園寺麗華《・・・・・》さん」

 

「なぜ私の名前を…」

 

「アキは『はかるくん』のことも伝えてなかったの?それじゃあ麗華さんがかわいそうだ。いいよ、冥土の土産に私が話してあげる」

 

彼女が言ったことは三つ

 

・アキレウスさんにはマスター探しのためにかなり強力なサーチャーとアナライザーを持っていること。

・彼女はアキレウスさんの前のマスターであった、ということ。

・今、彼女が使用しているデバイスはアキレウスさんのアプリの一部を搭載したもので、転生者であるかの有無や魔法の素質などを見極めることが出来るということ。

 

だった。

 

「最後に一ついいかしら?」

 

「なに?西園寺さん」

 

「なぜ、あなたは心臓を突かれても動けるの?」

 

「私はある魔法を応用しただけ、って言えば…わかるよね?アキ」

 

 

アキレウス視点

 

盲点だった。

 

彼女が基にした魔法は『藍より出でし青は藍より青し』の中に記されていた『師匠召喚』の魔法だ。

 

自分の命が消えると同時に、その死体に自分を霊魂として憑依させる。それに、原作でもキャロがそうであったように補助魔法に適正があるものは召喚魔法と相性がよい。このは嬢は自分しか強化できなかったため、召喚魔法は使えなかったが、召喚対象が自分自身となればまったく支障はない。

 

文字通り、彼女は人間をやめてしまった。

 

そのことを西園寺公に伝えるとこのは嬢が

 

「ご名答~♪今の私は心臓を突こうが首をはねられようが死なないのですww」

 

ケタケタと笑いながら肯定する。鎧のせいで表情こそ確認できないが、言葉の端々に狂人の言動が見受けられる。

 

やはり、あの日にこのは嬢は完全に壊れてしまったようだ。

 

それを聞いた西園寺公は戦意を完全に喪失し、その場にへたり込んでしまった。

 

俺はセットアップを解除し、触手形態でこのは嬢と対峙する。

 

「アキ、あなたは神の特典の異常な再生能力のおかげで、あの日私の拳では殺せなかったのですね♪」

 

「だったらどうした?」

 

「今すぐ殺してあげますよ♪」

 

そういって背中の魔槍に手を伸ばすこのは嬢、俺はその隙を突き接近、彼女の掴もうとしていた槍を弾き飛ばし、彼女の体に組み付いた。

 

「!?」

 

彼女の動きが止まる。原因は俺のニコポナデポだ。

彼女は今は霊魂だけの存在、つまり人外だ。しかも原作キャラなんかではない。感応魔法耐性があるとしても、かかりにくくなる程度だ。思考を乱すには十二分に効く。

 

彼女が動きを止めている間に、鎧の隙間に触手を入り込ませ、さらに彼女の動きを奪う。

そして、この体に備わっていた機能を利用した。

 

すなわち捕食だ。

 

触手から消化液をだし、このは嬢の体を溶かしていく、よりしろがなくなってしまえば魂は消える。触手を動かし、さらに溶かそうとして・・・

 

「最悪です『刺し穿つ死棘の槍』」

 

胴体に組み付いているであろう本体にもう一本の魔槍が刺さった。再生の要である臓器に狙い過たず刺さった魔槍は、容赦なく俺の体力を奪っていく。しかし、このは嬢の体のほとんどは溶かし終わった。

 

「ぐっ・・・はぁ…」

 

「結局エロ同人みたいに乱暴しましたね…この変態」

 

これを聞いたのを最後に、俺の意識は途切れた。

 

西園寺 麗華視点

 

倒れ伏す触手の絡みついた黒鎧の女

 

恐る恐る近づいて見ると、鎧の中身は空っぽであった。

 

アキレウスの絶命と黒鎧の女の消滅を確認して、私は安心すると共に、数ヶ月ではあったがいい相棒であった彼の冥福を祈るために目を閉じた瞬間―――

 

背中に違和感と共に、何かに貫かれるような感覚、猛烈な痛みを感じ、意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――残機1まで残り0人

―――やったねこのはちゃん!!弟が生き返るよ!!

―――でもこのはちゃんが死んじゃったから無効だね♪

―――あははははははは!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

後に、唯一その場に残った真っ黒に染まったアキレウス弐式は『血溜りの中の木の葉』というオーバーSロストロギアとして封印されることになるが、それはまた別のお話




―――神は言っている。「お前(作者)にシリアスは似合わない」と


次回「原作介入(シリアスブレイカー)」

ご期待ください

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