「またあんたか駄目神」
「2ちゃん用語ばっかりでろくに説明も受けず転生した罰じゃ」
「だいたい急かしたのはそっちだし、転生特典が叶えられていないじゃないか♯」
「化け物界隈では指折りのイケメンにしたつもりじゃ。それにお前の前世での死に方だと人間には転生させられなかったのじゃ。ひきこもりで餓死って情けないにも程がある」
神いわく、飽食の現代日本で餓死するのはかなりの重罪らしい。神のミスにより寿命がかなり前倒しになっていたのだが、死因まで決まっていたわけではなく、それにしてもこの死に方はないわー、ということになっていたらしい。さらに、転生特典をもっとうまく使えば回避も出来たらしい、ということも聞いた。
「ニコポ、ナデポは?」
「人外限定じゃな、人間には効かん」
「魔力量は?」
「最盛期のはやてぐらいにしといたぞい。でもデバイス単独で魔法は使えんようにしたからの」
「詐欺だ。訴訟も辞さない♯」
「だから転生のときによく確認しなかった罰じゃといっとろうが!!」
「修正とかは?」
「無論、ない。おぬしは一生そのままじゃ。ちなみに原作キャラのデバイスにはなれんように設定したからの。」
「これまたどうして?」
「すずか、アリサにはリンカーコアないし、そのほかのキャラで自分のデバイスがない者はいないじゃろう。じゃから、おぬしがそのデバイス達のポジションを奪ってしまうとそのキャラが実力を発揮できなかったりして死亡フラグやその他諸々発生するからじゃ」
「なるほど、あと俺がマスターを見つけて、そいつが素人だった場合教育とかはどうすんだ?俺はレイハさんみたいに教育はできないぞ?」
「無問題じゃ、その辺の知識と教育プログラムはおぬしの記憶領域の中に入ってるし、マスターとなった人物にふさわしい魔法を自動で作成してくれるアプリ、能力や適正を見極めるアプリもつけたしのう」
いちおう育成チートはもらっていたらしい。なぜ特典以外のところを充実させてくれたのか聞いたところ、
「おぬしのように面白おかしい転生者は稀での。大抵は気持ち悪い性格になるかシリアス重視になるかの二択じゃから、早々に死なれてはつまらんからの」
「了解。んで、いつ戻れるの?」
「いつでもいいぞ。ほれ」
といって指をパッチンと鳴らし、俺は目が覚めた。
「おーい、ヒトデさん?」
『悪い、寝てた』
「宝石なのに寝るんだ。面白いね」
『そんなことよりも、ここは君の家か?』
「そうだけど?」
『家族は?あんな時間に出歩いて心配されなかったのか?』
「私に親はいないよ。弟を生むと同時に二人とも蒸発しちゃって…」
『ごめん、余計なこと聞いた』
「いいよ、それに弟がいるから天涯孤独じゃないしね。そんなことより、自己紹介がまだだったね。私は茂部このは、あなたは?」
苗字が茂部(モブ)って…悲しすぎないか?
『フゥーハハハハ!!良くぞ聞いてくれた。我が名はh…』
「厨二乙、鳳凰院乙」
『マジレスすると、名前がない』
前世の名前わすれちゃったし、それに「田中太郎、セットアップ」とかはずかしいしね
『なんかかっこいいの付けてつかーさい』
「よし、なんか神話とかその辺から引っ張ってくる!!」
少女A、もといこのはは本棚から分厚い「猿でもわかる神話大全」という本をとりだして、読んでいる。
『メジャーなのはやだなぁ、だれかとかぶるとやるせなくなるし』
「わがままな名無しヒトデさんだなあ……アキレウス、なんてどう?」
『あのトロイの木馬を云々、とかアキレス腱の語源だったりそこを弓で打たれて死んだ人か?』
「詳しいね。ヒトデさんの海魔の姿はアキレス腱なんてないでしょ?棘皮動物っぽいし、だから最強に見える。それに、アキレウスだったら縮めてアキ、って呼べば厨二ネームじゃなくなるよ」
『わかった。今日から俺はアキレウスだ。よろしく、茂部このは』
「こちらこそ、アキ」
ふたりで談笑して、眠りについた。
とうとう名を明かした少女Aこと茂部このは、もちろん、弟の名前は小太郎です。
茂部家は、姉が就職するまで父方の祖父祖母に生活費を援助してもらっています。
感想まってます。