程なくして、俺たちは屋上にたたずむシャマルさんを見つける。
「シャマルさん…やっと見つけた」
『待てこのは、何か様子が変だ』
シャマルの背後に何かいる…黒い塊みたいな
「あれ…クロノ…一足…遅かった…かも」
あの黒いのはクロノだったのかwwwまったく気付かんかったわwww
「笑って…ないで…キリキリ…働け…」
『はいよ。accel jet increase』
このは嬢の腰部、背中、脚部にブースターが増設され、いっせいに火を噴き、クロノに向かっていく。
「い…な…づ…ま…キィーック!!!」
片足を突き出した状態で、トップスピードに乗り、無防備だったクロノの背面にクリティカルヒット!!
そのままビルにシュゥゥゥーッ!!
―――超!エキサイティン!!
「また…つまらぬものを…蹴ってしまった」
あらためてシャマルさんの前にくる。幸い、怪我はないようだ。
「このはちゃん…その姿は?」
「管理局員に知り合い…いる…変装…しないと…まずい」
『調整ミスってしゃべり方変わっちまってるけどあんま気にすんな』
「そうなの?あと、そこの仮面の人は知り合い?」
「『!?』」
このは嬢はとっさに振り返る。すると、グレアムさんちの猫姉妹ver仮面男が空中にたたずんでいた。
「あなたは…誰…味方…?」
このは嬢がそういうと、仮面の男はシャマルに見えないように後ろを向いてから、自身の額の部分を指差す。
そこにははっきりと「肉」の文字が(爆)
「あのときの…片割れ…?」
仮面の男がうなずくと、このは嬢の表情がにわかに厳しくなる。それもそのはず、仮面の男たちははやてを封印しようとしているのである。馴れ合えるわけがない。
仮面の男は「肉」の字を消し、シャマルに向き直る。
「使え…闇の書の力を使って結界を破壊しろ」
「でも、あれは!!」
「使用して減ったページはまた増やせばいい…仲間がやられてからでは遅かろう?」
シャマルは躊躇しているが、仮面の男の提案に乗るのは時間の問題に見えた。
「そんな奴の…言うこと…聞く必要ない…。ページは…はやての…ために…温存推奨…結界なら…私が…破壊する…。」
「無理よ。あなたの魔力量じゃ結界は破れない!!シグナムのファルケンか、ヴィータのギガント級の魔力が必要なの!」
「出力だけなら…問題ない…アキ…漢のロマンとか…言って…作ってた奴…出せ…」
『わかった。だが、まだプロトタイプだから失敗は許されないぞ。パイルドライバー(仮)起動』
このは嬢の左手にごついひじまである盾のようなものが現れる。しかし、それは盾ではなくカートリッジ付きの杭打ち機なのだ。
トゲゾーの甲殻より削りだされた外装部分、強度は一級品、しかも、魔法生物由来の素材なので、高濃度の圧縮魔力でさらに強化することも可能、杭の部分には、胃袋から出てきた杖型デバイスの柄をそのまま使用、ここは、圧縮魔力による強化を前提として運用する。
そして、念願のカートリッジシステム!!
ここは、戦車の大砲のように、ひじ側から排莢、装填を手動で行う。オートマもリボルバーもボルトアクションも再現できなかった妥協案だ。
しかし、このカートリッジシステムはこのは嬢への負担はゼロ!!なぜなら、デバイス自体に
[カートリッジから出た魔力は杭強化と薬室内での魔力爆発エネルギーに変換する]
という魔法式で固定化しているため、このは嬢のリンカーコアに魔力が流れ込むことはない。その分、応用も聞かないが。
『使い方の説明をする』
「…おう」
『まず、ひじ側にあるカバーをはずして、初弾を装填する』
このは嬢が文句も言わずに普通のカートリッジの大きさの三倍以上はある弾丸を装填する。出力は普通のものの五倍。もちろん、ワンオフの専用弾だ。
「それ、弾丸って言うより砲弾よね」
はたから見ていたシャマルが突っ込む。
『ロマンだ。気にしたら負けだ。次の工程は、カバーを閉めて対象に杭で攻撃する。それだけで、勝手にロードされ、強力な一撃になる』
「おーけい…わかった…念のため…パワーアド…重ねがけ」
『了解。power add×3』
『ぷりーずぎぶみーまいねーむ。さー?』
簡易AIがようやく起動したのか、このは嬢に名前を求める。
「あなたは………串刺し公…ヴラド・ツェペシュ…略してラド」
『おーるらいと。まいねーむいずらど!!』
心なしかうれしそうだ。というか名前が俺よりかっこいい(泣)
「そろそろクロノが復帰してくるぞ、急いだ方がいい」
仮面の男が言う。
「わかって…る」
このは嬢はそういうと、ジェットを吹かし、結界に肉薄、強化された腕力でラドを振るい、結界にたたきつけた。
『ろーどかーとりっじ。ぴあーしんぐ…すてーく!!!!!!!』
デバイス内をめぐる膨大な魔力が結界に叩きつけられる。一転突破の衝撃に、ピシリ、ピシリと結界のヒビが広がっていく。
「壊…れ…ろぉぉーーーーーー!!!!」
『accel jet increase』
ダメ押しとばかりに腕にジェットを増設。これにより、結界はたまらず砕け散った。
「今!!皆撤退!!」
守護騎士たちは、それぞれの相手になにか思うところがあったのか、二言三言交わしてから転移した。俺たちは、シャマルの転送に付いていった。
結局大型化するパイルドライバー
肉の字が残ってたのは、彼女ら元が猫なので猫形態で水に触れない。というのが主な原因だったりします。
次回「このはの楽しい楽しい折檻教室」
お楽しみに