フィジカルな魔法少女   作:なむさんばがらす

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まさかの日常回


ガラケーのガラはガラパゴスのガラ・・・なの

このは視点

 

最近学校で変な視線を感じます。何だろう?と思って振り返ると、いつも決まってテスタロッサさんの花のような笑顔が……一体、どういうことだってばよ!?

 

―――時は過ぎ、放課後

 

「霧島君、一緒に行こうよ~」

 

「いやだ!俺には昼寝という崇高な使命が…」

 

高町さん、月村さん、バニングスさん、テスタロッサさんの仲良し四人組と、霧島君が何か会話をしています。

…この分だと、最終的にお人よしの霧島君が四人組の圧力に折れ、連行されてしまうでしょう…南無。

 

―とか思いながらゆっくり見物していた私は、このときの行動を後でかなり後悔することになる。

 

「では、これにてごめん!!(アルバート、頼む!)」

 

『Flash action』

 

「「「「あっ!!」」」」

 

目にも留まらぬ速さで、霧島君が私の脇を抜け、教室をあとにする。

そのとき私は追いかけようとしていた四人組とばっちり目が合ってしまった。

 

このは は にげだした。

 

「このはちゃん、まだ帰ってなかったんだね♪」

 

しかし まわりこまれてしまった。

 

「これから私のけいたいでんわ?っていうのを皆で選びに行くんだけど、来るよね♪いろいろ聞きたいこともあるし」

 

高町さんとテスタロッサさんに両腕を組み敷かれました。二人とも私の膂力を警戒しているのか、力いっぱいしがみついてくる。

 

…関節、キマってます。

 

『アキ…どうしよう。』

 

『笑えばいいと思うよ』

 

『二度と笑えない体にされたくなかったらまじめに答えろ』

 

『このはさん、口調、口調!!……っとマジレスすると、別に行ってもいいんじゃないかと思う。だってバニング氏も月村氏もいるんだろ?彼女らと一緒にいる間は魔法関係の話はしないと思うが?』

 

『それもそうですね。あとは、念話が来ても無視する、とか気をつければだいじょうぶかな』

 

『油断は禁物だ。今度捕まったら、向こうも多分警戒しているから隙を突いて脱出はもう出来ない』

 

『おっけいです』

 

私はアキとの念話を切り上げ、目の前の状況の収集に従事する。

 

「痛いって二人とも!逃げないから腕を放して!!このままじゃ関節があらぬ方向に曲がっちゃう」

 

「…ごめん」「…計画通り…ニヤリ」

 

「今、計画通り、って言ったの誰!?」

 

二人の顔を交互に見る。

 

高町さん:「なんのこと?」といった呆けた顔、かわいい。

テスタロさん:満面の笑み、かわいい。

 

正直どっちも怪しいのですが…

考えても仕方ありません。ポジティブに行きましょう。

 

・・

 

・・

 

三人称視点

 

―――家電量販店

 

携帯電話を選びながら、リンディとフェイトはこのはについて会話をする。

 

「あの子がこのはさん?見たところ、魔力量はそんなに多くなさそうだけど…」

 

「はい、でも見かけによらずすごく強いんですよ」

 

「フェイトさんみたいに嘱託魔導士として管理局に協力してくれないかしら…」

 

魔力量至上主義の管理局だが、魔力ランクが低くかつ優秀な魔導士は重宝される。なぜなら、部隊ごとに保有魔力ランクに上限があり、高ランク魔導士を多く部隊に配属できないため、部隊の戦力を低リスクで底上げできるからである。

 

「一応今日お話してみます」

 

「じゃあお願いするわね」

 

「はい、あと携帯電話…ありがとうございます」

 

「いいのよフェイトさん」

 

 

アキレウス視点

 

あはは、うふふ、キラキラと効果音が出そうなほほえましい光景を周囲に見せつけながら、携帯を購入し、リンディと分かれるフェイト。

 

「ごめん皆、待たせちゃって」

 

「大丈夫よ。今日はすずかも私も習い事はないし、今日は目いっぱい遊ぶわ!!…ってこのは!何逃げようとしてるの!いい加減観念なさい」

 

用は済んだ。とばかりにこっそり帰ろうとするこのは嬢だが、アリサによって呼び戻され、しげしげと会話に加わる。

 

「いい携帯ですね…どんなのにしたんですか?」

 

「アリサとなのは、すずかがいってた、デザイン性、操作性、機能性が総合的に優れたものにしたんだけど…そういえばこのはは携帯持ってるの?」

 

「いいえ。私は携帯電話は持っていません」

 

英語の文章の和訳のようなこのは嬢の返答に違和感を覚える一同、そこに聞きなれない着信音が鳴り響く

 

「もしもし?…ああシグ…さんでしたか…すみません。実はかくかくしかじかで…今日はお休み、ということに…はい…では」

 

一瞬の躊躇の後、電話に出たのはこのはだ。数十秒で短いやり取りを終える。

 

「…このは、うそつき」

 

「なによ~このは携帯持ってるじゃない、さっさとアドレス教えなさいよ」

 

ジト目でこのはに視線を送るフェイトを尻目に、アリサは自分の携帯の黒っぽい部分をこのはに向ける。赤外線受光部だ。

 

このは嬢 の がまん が とかれた。

 

「これ…携帯電話じゃないんです!!PHSなんです!!それにに旧型でカメラはついてないし、携帯ほど内蔵メモリもないし、電波は時々つながりにくいし、赤外線なんか夢のまた夢!!こんな状態じゃあ、皆と同じように『携帯持ってる』なんて大手を振っていえないじゃないですか…グスッ」

 

このはは逆切れ気味にまくし立てたあと、涙ぐんでorzの体勢になってしまった。

 

ここに来る途中、彼女らはフェイトのために、と自分達の携帯の機能や、デザイン、操作性について熱く語っていた。それに対し、このは嬢は相槌を打って乾いた笑いを浮かべているだけだったが、その実、相当な針のむしろであったに違いない、このはのPHSは彼女らの『携帯』の足元にも及ばなかったのだから。

 

「このはちゃん、元気出して!PHSにもいいところあるよ!!」

 

「…例えば?」

 

「うーんと、そう!病院!病院で使えるよ。後は、料金設定とかバッテリー長持ちとか」

 

落ち込むこのは嬢にすかさずフォローを入れるすずか氏となのはさん。二人の必死のよいしょにより、このは嬢は立ち直ったようだ。

 

そこですかさずフェイトが皆に言う。

 

「あのね…うち、翠屋のケーキとシュークリーム買ってあるんだけど…寄ってかない?」

 

「「「いいっすねー!!」」」「・・・」

 

予定調和のようなやり取りに、このは嬢は口を挟む余地はないようだ。

 

道中、このは嬢はみんなの携帯に自分のアドレスを手打ちしたりしながら過ごしていた。




友人の影響でちょっといんむネタが混入する今日この頃…

あとPHSに関しては、作者(今でもPHSオンリーのユーザー)の実体験に基づいています。あと、携帯電話とかの時代考証はしていないので破綻していると思いますがそこは生暖かい目でお願いします。

また嘘次回予告になってしまった…誠に申しわけないです。

でも次回か次々回までに次回予告フラグは回収するようにするのであしからず。

次回:フェイト「うちに屋上があったらなあ…」
   クロノ「おいやめろ」
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