難産
―――ハラオウン宅
「こ↑こ↓」
高級そうな一軒家を指差すフェイト。
まだ日本語を使い慣れないのか、普通とは異なるイントネーションに言い知れぬ不安を覚える。いろいろな意味で
―――ピーンポーン
フェイトが自宅のインターフォンを鳴らし、数秒の後、ドアが開き中から茶髪の活発そうな少女が現れる。
「あっ。エイミィさんこんにちは」
「皆、いらっしゃい。上がって、どうぞ」
そういって居間に案内する。
中は豪邸とはいかないまでも、機能性重視かつ高級感を感じさせる家具がしつらえてあり、ハラオウン一家はかなりの高給取りであることが伺える。
「なのはおねえさまーーー!!!!」
お菓子を用意してもらっている間、居間で談笑していたなのは四人衆+このは嬢だったが、突然、玄関の方から聞こえた大声の主を見た。
パツキンょぅι゛ょ が あらわれた。
「アリシアちゃn…」
―――ボフッ
パツキン幼女はなのはを視界に捉えた瞬間に突撃、受け止めようと立ち上がったなのはに飛びついた。
たまらずなのはは床に尻餅をつく。アリシアと呼ばれたパツキン幼女はなのはの胸に顔をうずめて、何かぶつぶつ言っている。
「なのはお姉さま…いいにおい…クンカクンカスーハスーハー」
聞かなかったことにしよう。うん、そうしよう。
キャラ崩壊なんてなかった。
「ちょっと、アリシア!、なのはが困ってるから離れて!」
「イ☆ヤ。いもうとのさしずなんてうけないもん!!」
「にゃははは…」
フェイトが強い調子で言うも、アリシアは聞く耳持たず。今まで幾度となく行われたやり取りであったらしく、なのはは困ったように笑っているだけだった。
「そういえば、アリシアちゃんはフェイトちゃんよりも一足先にこっち(海鳴市)に来てたよね?」
「そうなの。おうちが準備できるまで、おねえさまのおうちでくらしてたんだぁ♪」
すずかの問いに、流暢に答えるアリシア。まさかとは思うが、精神年齢だけ異常に発達しているのではないだろうか…ロリb…おっと、危うく死亡フラグが立つところだった。
…幸い、アリシアはなのはの香りに夢中だった。
次の質問はアリサからだ。
「ところでなのは、その『おねえさま』ってのは何なのよ…?」
「お姉ちゃん、って呼ばれたかったから、「なのはお姉ちゃんって呼んで!」って頼んだらこうなったの…」
ありのまま、当時起こったことを話すなのは、
アリシアは十分堪能した。とばかりになのはから離れる。
そこに、キッチンからクロノがお盆を持ってあらわれる。
「アイスティーしかなかったけど…いいかな?」
「「「クロノ(君)さんありがとうございます」」」
「…あれはクロノって言う名前なのね」
「リンディ茶じゃなくてよかった…」
なのは、アリサ、すずかの謝辞に混じって呟いたのはこのはとフェイトだ。
この前一矢報いたとはいえ、このは嬢に黒星をつけた相手に、このは嬢は自然と警戒する。
そんなこのは嬢をよそに、フェイトは胸をなでおろしていた。
このは視点
翠屋の超絶品スイーツを前に、私の気分は複雑だった。まさかまっくろくろすけがいたとは…
なんでも、クロノという名前らしいですね。初耳です。
いつか絶対に倒してやる~、と息巻いていたところで、アリシアちゃんが駆け寄ってきた。
「あなたはだあれ?」
「トトr…じゃなくて、なのはちゃんの友達Cをやらせてもらっている、茂部このはっていうんだ。よろしくね」
「あなたがこのはね!!ぐていからはなしはきいていたけど…はじめまして、アリシアです!こちらこそよろしくおねがいします」
そういってにこっと笑うアリシアちゃん
さ、殺人的なかわいさだ・・・
…抱きしめたいな、アリシア
と言おうとした瞬間に、私はアリシアちゃんを抱きしめていた。
思ったときには既に行動が終わっていた。「抱きしめた」なら使っていいのかもしれない。
「…きょかもなしにだきつくなんて…でもこのはちゃんもいいにおい…」
アリシアちゃんは、なにかぶつぶつ言いながら顔を赤くしていましたが…いったいどうしたのでしょうね?
・
・
・・
・・・
・・
・・
・
そして…時は流れて
アリシアちゃんになつかれました。
今は私の膝枕で眠っています。へたに動けません。
「じゃあわたし達はこの辺で」
「今日は思いっきり遊べて楽しかったわ。また明日学校でね」
「じゃあ私も…」
月村さん、バニングスさんが帰宅の準備をします。私も一緒にお暇しようとアリシアちゃんを持ち上げてどかそうとしたのですが、アリシアちゃんは私の服を掴んだまま離れてくれません。
「このはちゃん…もう少しお話しよう?」
これ幸いとばかりに高町さん、テスタロさんが退路を絶つ。
月村さんとバニングスさんが帰った後、部屋の空気が変わった…気がした。
次回「このは、爆裂」