皆さん。森ガールってご存知ですか?
…はい、言わなくてもわかりますよね?森に住んでいる少女のことです。
狩りと採集によって日々の糧を得、鬱蒼とした森を颯爽と駆け抜ける存在であります。
そう。今の私のように…
えっ!?「俺の知ってる森ガールと違う?」
そうだよ(逆ギレ)
察しろよ!!管理局が張り込みしてて今家に戻れないんだよ!!
…確かに?自然と共に生活した方が?流派東方不敗の修行ははかどりますけれども!?
『そう腐るなよこのは。俺の見立てでは、クリスマス前後でこの騒動は片がつく。後数日の辛抱だ』
そんなこと言われたって…
朝:蒐集
昼:蒐集
夕:修行
深夜:就寝
こんな生活では、いつかぶっ倒れます。
今までは学校という睡眠時間があったので、何とか睡眠時間をやりくりできていたのですが、学校に大っぴらに行けない今は24時間フルタイム蒐集なんて出来るはずもなく、数日前の夜、蒐集で途中寝落ちしてしまって以来、シグナムに「夜中は休め」とメンバーからはずされてしまいました。シカタナイネ
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数日後(クリスマスイブ)
無理がたたって、目の下に真っ黒な隈を作り、会うたびにシグナムたちから心配されていたのですが、気力と魔力を交互にやりくりすることによってだましだまし戦っていた体はとうとう限界を向かえ、朝、高熱でねぐらから一歩も歩けませんでした。
シグナムに連絡すると、今日ははやての見舞いのため蒐集はない、と言われたので、朝から夕方までずっと安静にしていました。
夕方になって、熱は収まってきたので、気力をめぐらし、無理矢理免疫を活性化させ病魔を駆逐しました。
次に、一人きりのクリスマスイブが嫌だったので、日が落ちてからこっそりとはやてちゃんのところに行くことにし、潜伏している山を下りはやてちゃんの病室に開いていた窓からダイナミックエントリーしました。
「なっ!なんやのん!?このはちゃん!!いきなりそないなとこから!」
「えへへ、来ちゃった(はぁと)」
「何が「来ちゃった(はあと)」や!!ここ八階やで!ロミジュリやないんやから普通に入り口から入ってくればええやろ」
スパァン、とどこからともなく取り出されたハリセンが火を噴く。
さすが関西人、ツッコミ力が違う。
「面会時間外だったから部屋に入れてもらえなかったんですよ。シグナムさんたちに迎えに来てもらおうと思ってもうかつに連絡取れないし…」
病院なので、当然携帯電話は使用禁止。PHSはその限りではないのですが…
「ウチは小さいころから入院ばっかしててPHSの方持ってるから、掛けても大丈夫なんやで?そや、アドレス交換しよ?このはちゃんもPHSもってたやろ……って何泣いとるんやこのはちゃん!?そんなに嫌やったか?」
思わぬところで同志発見。
…おや、目頭のようすが…
「ちがっ…ぐすっ…うれしくて…PHSのっ…なかま…はやてが初めてだからっ…」
今までの迫害の歴史が思い出され、嗚咽を漏れる。
『ここそんなに泣くとこか?』
「たしかに、そこまで重要じゃあらへんな。さっさとアドレス交換しよ…ってなんやこの声!!」
『なんだかんだと聞かれたr…』
「…ひっく、ロケット団自重…」
・・・ぶち壊しである。
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落ち着きを取り戻し、アキのことと、私が魔導士であることを明かした後、はやてちゃんとアドレス交換(お互い手打ち)をしています。
「そういえば、シグナムさんたちは?」
「今すずかちゃん、ってゆうてもわからへんか…私の友達が友達連れて見舞いに来てくれてな、下まで送って行ってるところなんよ」
まさか…
「高町三人衆+テスタロ妹…」
だったら、まずいですね。はやてが闇の書の主であるということがばれてしまったかもしれません。おそらく、シグナムたちはなのはとフェイトと戦闘中でしょう。
『助太刀に行くか?』
アキがはやてに聞こえない念話で言う。
『やめときます。今はやてを一人にしたらまずい気がするので』
『そうか』
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そのあと、私ははやてといろいろなことを話した。
なのはやフェイト、アリサやすずかと友人であること。
なのはとフェイトは魔導士であること。
管理局といういけ好かない組織があること。
化け物サボテンの浅漬けやキンピラがおいしいこと。
この世に存在する生物はわりと食える、ということ。
話し込みながら、ということもあって、アドレス交換はまだ終わっていない。
何度か打ち間違え、メールが届かないこともあったが、これも手打ちアドレス交換の醍醐味やね~とはやては笑っていた。
不治の病で余命が幾ばくもないなど信じられないほどに本当に楽しそうであった。
そのときまでは…
「えっ!!?」
はやてが急に目を見開き、驚いたように上を見る。
「どうしたの?」
「今、守護騎士の皆が…」
はやての足元に魔方陣、強制転移のようで、はやてが消える。
「アキ!!みえるくんは?」
『今やってる………屋上だ!!ついでに仮面男の魔力反応もある。奴等仕掛けるつもりだ。』
彼らが寄ろうとしていることは、闇の書の意図的な暴走、からの封印。闇の書の被害を食い止め、大勢の人命を助けることにも繋がっているが、そこにはやての命は考えられてない。
私は、それが許せない。
窓から飛び出し、セットアップしようとして、アキに止められる。
『今魔法を使ったら仮面の男にばれて戦闘になる。奴のバインドはクロノほど甘くない』
やむなく階段を使い屋上へ、気力マックスで上ったにもかかわらず、かなりのタイムロスだ。
屋上への扉を開けたとたん―――
「闇に、染まれ…ディアボリックエミッション」
『Diabolic Emission』
圧倒的質量の闇に飲まれた。
最近あとがきに書こうと思っていたことを忘れる。
次回「信念」
お楽しみに