フィジカルな魔法少女   作:なむさんばがらす

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…四千字
…難産
最近更新速度落ちてる…orz

前回のこのは嬢
・はやて脱出、このは忘れる。
・このは嬢、中二病に罹患、髪を脱色、カラコン入れる、『破壊を撒き散らす~』とか言い出すなどアイタタターな行為に走る。
・とりあえずボコっても大丈夫そうなので作戦開始


The end of journey・・・なの

 

本編

 

アキレウス視点

 

ひとしきりしゃべったり笑ったりした後、アルビノこのはは、体の最適化に集中するためか鼻提灯を出して立ったまま寝てしまった。

 

クロノは、結界を破っておく分にはこのは嬢の肉体にはダメージはないだろうと判断、状況開始の指示を出す。

 

「とりあえずサポート班は魔力を温存して、暴走体が動き出すまで待機、結界破壊担当の者は、手はず通りに頼む」

 

皆うなずき、所定の位置へ移動する。

 

「ちゃんと合わせろよ?高町なのは!」

 

「ヴィータちゃんもね!!」

 

一番槍のヴィータが次のなのはを叱咤する。対するなのはも余裕を持って返事をする。

 

「鉄槌の騎士ヴィータと、鉄の伯爵グラーフアイゼン!!」

 

名乗りを上げ、カートリッジロード。

槌の形状が変化し、身の丈の数十倍もあろうかという大槌に変化

 

「轟天爆砕!―――ギガント・クラーク!!!」

 

振り下ろされた大槌がアルビノこのはの周辺に球状に展開されている結界に当たる。

一瞬の拮抗の末、結界を叩き壊した。

それを感じ取ったのか、アルビノこのはは目を閉じたまま眉をヒクッと動かしたが、それだけだった。

 

間髪いれずになのはが動き出す。

 

「高町なのはと!」

 

『レイジングハートエクセリオン!(流暢なミッド語)』

 

「『行きます!!』」

 

杖を高く掲げ、カートリッジロード、膨大な魔力を蓄えた杖を踊るように回転させてから、両手に持ち、照準を合わせた。

標的(アルビノこのは)に避けるそぶりがないため、相手を避けられなくするためのバレルショットも必要ないようだ。

なのははレイジングハートと声を合わせて砲撃を放った。

 

「『エクセリオンッ!!バスタァーーーー!!』」

 

桃色の光の奔流に、たまらず二枚目の結界も木っ端微塵にされ、攻撃は次のシグナムへと続く。

 

「剣の騎士シグナムが魂、炎の魔剣レヴァンティン、刃と連結刃に続く、第三の姿」

 

『Bogenform.』

 

カートリッジをロードし、レヴァンティンの鞘と剣の柄を合わせると、二つが合体し大きな弓になった。

もう一発カートリッジを使用し、矢を形成、さらにもう一発ロードし、矢に膨大な魔力をこめ、弓を引き絞る。炎の魔力変換資質のせいか、矢と周辺に業火を纏う。

 

「翔けよ!!隼!!」

 

『Sturm falken.』

 

ヴィータが即席で作ったものとは異なる本物の絶技、カートリッジを四発も使用した威力は折り紙つきで、矢は結界に到達と同時に大爆発を起こし、結界を亡き者にした。

 

「フェイト・テスタロッサ…バルディッシュザンバー、行きます!!」

 

フェイトが愛杖(剣?)を構える。排莢音が三度響き、刀身に紫電がほとばしる。

 

「打ち抜け!雷刃!!」『Jet Zamber.』

 

大きく振りかぶり、振り下ろした。

文字通り、雷刃は最後の結界を打ち抜き、アルビノこのはへと迫り、左腕を切り落とした。

その衝撃と痛みで鼻提灯は割れ、アルビノこのはが目を覚ます。

 

「ふぅ、やっと最適化できましたよ…それにしてもひどいですねぇ。仮にも友人の体でしょう?…まぁ、いくらでも再生できるので心配要りませんが」

 

彼女は切り飛ばされた腕の代わりとばかりに傷跡から触手を三本生やし、フェイトに向け悪態をつく。フェイトはにわかに動揺するが、それをクロノが叱咤する。

 

「しっかりしろ。フェイト!ここで君が動揺したら相手の思うつぼだ!

…総員、非殺傷設定、奴の足止めをする。アキレウスは暴走体のリンカーコアのありかを探ってくれ」

 

―――了解、クロノ

 

俺はみえるくんを起動した。

 

 

三人称視点

 

体が自由に動くようになったアルビノこのは(以下闇このは)は空中に躍り出て、流派東方不敗の構えを取る。左手の触手が不自然に蠢き、名状しがたい不快感をかもし出す。

 

「なのはの砲撃とこのはの近接を合わせたバスターアーツで、神の世界への引導(インド王)を渡してやる!!」

 

言語野などはこのはの頭に依存しているため、割とネタな台詞が飛び出す。これらのネタがわかるのは、はやて、アキレウスの二人だ。

はやては「インド王w…インド王やてwwwあかん、これは不意打ちやwww」と声を押し殺して笑い、アキレウスは『テラコヤス』というにとどまった。

 

閑話休題

 

闇このはは身体強化をし、拳に魔力をこめ、腰だめに構えて

 

「星破ぁ!!天驚拳!!!『Star break phenomenal fist』」

 

振りぬいた。拳型の魔力弾を先頭にし、後から尾を引くような形で砲撃が飛び出す。

照準はクロノに向けられていた。

 

「くっ!!」『Round Shield』

 

とっさにシールドを展開、防がれる魔力弾を見て、闇このははニヤリと笑った。

 

「ばぁくはつ!!『Fist burst』」

 

「なにぃっ!!」

 

「クロノ!!危ない!!」『Blitz Action』

 

砲撃の拳の部分が炸裂してシールドを破り、後続の砲撃が無防備なクロノに向かったが、済んでのところでクロノはフェイトに助けられていた。

 

「次々とかかってこんかぁ!!この軟弱者共!!」

 

「言われなくとも!!烈火の将シグナム、推して参る!!」『Explosion. 』

 

「私にも敵が見える!!『Hyper view』

アータタタタタタタタタァ!!」

 

剣形態のレヴァンティンを持ったシグナムが炎を纏い切りかかる。対する闇このはは視覚強化魔法で見切り、左の触手と右の拳で応戦、速すぎる剣閃で常人には二人の間で火花が散っているようにしか見えない。

 

このままでは埒が明かない。とシグナムが大振りな攻撃をして意図的な隙を作り闇このはを誘う。カウンター狙いだった。

 

「吶喊します!!『Charging form&Jet fist』」

 

しかし闇このははシグナムの鳩尾めがけてジェットで加速した拳を振るった。あまりの速さに、かわすので精一杯でカウンターどころではなかったシグナムの脇を抜け、背面をさらしてしまった。

 

それを烈火の将が見逃すはずもなく。闇このはの背面から切りかかった。

 

「紫電、一s…」

 

しかし、その斬撃は届かず。

 

「月☆光☆蝶であるーーーーーーーっ!!!!『Moon light breaker』」

 

逆に、闇このはの背面から出た砲撃に飲み込まれた。

 

 

アキレウス視点

 

何だこの有様は!!

このは強すぎだよコメディ補正かよこんちくせう。シグナムかませ犬にするとかキチガイだろ!!訴訟!!

 

しかしまずいことになった。魔力量が多すぎて、みえるくんで見てもどこにリンカーコアがあるのかわかんないし、このままではアルカンシェルで海鳴が吹っ飛ぶ√が冗談じゃなくなって来たぞ。

 

…あ、魔王さま(なのは)が動いた。

どうか、主人公補正でコメディ補正を打ち消してくれ!!

 

 

なのは視点

 

「闇の書さん、何でこんなことするの?争って、壊して、奪って、その先に一体何があるって言うの!?」

 

皆悲しい思いをする。私はそう思う。少なくとも、誰も喜ばないし、誰も幸せにはならないはずだ。

 

暴走しているから、何を言っても無駄だ。

っていって頭ごなしに砲撃しても多分何も変わらない。

その人が何を考えて凶行に走ったのか、って言うのをきちんとしないといつか取り返しのつかないことが起きる気がする。

 

「ふむ…強いて言うなら、魔法を知るため、かな?」

 

そういって彼女はゆっくりと語り始めた。

――

―――少し、昔話をしよう。

昔々、あるところにこの世のすべての魔法が知りたいと願った科学者(変態)がいた。

彼は考えた。

 

…どうすれば、

生まれたての赤子が使う若輩の魔法、

大魔導士が生涯をかけて編み出す老練の魔法、

果ては、世界の端に潜む巨獣が外敵を亡き者にせんと放つ異趣の魔法

そのすべて(真髄)を知ることが出来る?と、

 

…不老不死の体?

否、彼のような只人には、それに耐えうるだけの精神がなかった。

 

いかなるの秘め事も丸裸に出来るマシン?

否、魔法自体を知ることが出来ても、所詮は他人の頭、発動までのプロセスが一向に理解できなかった。

 

…自分でありとあらゆる魔法を編み出す魔導機械?

否、これでは魔法を収集するどころか逆に種類を増やしているに過ぎない。

これはこれで興味深い研究だったが、彼の友人に言わせれば、「機械製の魔法は味気ない」のだそうだ。

 

…エトセトラエトセトラ

彼は三日三晩寝ずに考えた。

 

そして、結論を出した。

 

 

 

…他人から奪えばいいのだ。少量の魔力と共に

 

 

そう考えた彼は一週間不眠不休で研究に従事し、一冊の魔導書を完成させた。

 

『夜天の魔導書』

 

彼の『すべての魔法を知る』ということを第一に置いたこれは、持ち主の周囲の人間の魔力(リンカーコア)をごく少量吸収し、分析し、魔力の質、魔法使用履歴、からその人の魔力質と術式を完全にトレースし、記録し、持ち主が死ねば、また別の持ち主へ転移する、という魔導書だった。すべての魔力色を内包したために、その魔導書は黒い魔力光を纏った。

 

彼はこれを大魔導士と名高かった祖母に贈与、彼の住んでいた世界の魔法をすべて収集、祖母の死後、次元世界のありとあらゆる場所に転移、収集を繰り返した。

 

しかし、彼はここで間違いに気付く。

 

…魔法というものは生き物に似ている。なぜならそれはゆっくりと変化、進化、淘汰を繰り返し、常に新しいものが産み出されていくものだからだ。

 

つまり、魔法は無数に、無限に増え続ける。いくら収集しようともいたちごっこ。

すべての魔法を集めるなど、土台無理な話だったのだ。

 

だが、彼はあきらめなかった。

 

このとき彼の欲望は、『すべての魔法を知る』から『すべての魔法を知る魔導書を作る』に変遷し(捻じ曲がっ)ていた。

 

彼は、魔法の進化を促進させ、より多くの魔法を魔導書に修めようとした。

 

…先ほど、「魔法は生き物」といったが、魔法は技術(テクノロジー)としての側面も合わせ持っていると言える。なぜなら、人間が人為的に開発するからだ。

 

考えてみて欲しい。

世間一般に、技術(テクノロジー)の飛躍的発展が起こるのはいつなのか。

 

―――戦争である。

 

故に、彼は、夜天の書に戦争を誘発させるような機能をいくつか追加した。

 

…他人の魔力を必要以上に蒐集させ、人同士に諍いとわだかまりを

 

…争いを好まぬ主には、短命化を

 

…最終的に、破壊を撒き散らす人類の敵となることを

 

 

彼は狂った変態(マッドサイエンティスト)として、当時の警察機構に処刑された。

 

 

 

―――死に際、彼は遠足を待つ童(わらべ)のように無邪気に微笑んで逝った。

――

 

 

「いかがでしたでしょうか?闇の書の闇、誕生秘話…って何泣いているんですかぁ!!」

 

それは、あなたもまた、被害者だと思ってしまったから、

 

争いを強いられて、「暴走しているから」と問答無用で滅ぼされて、また別の世界で争いを強いられる。

 

彼女は暴走などしていなかったのだ。プログラム生命体として不完全な彼女は製作者の命令に従うしかなかったのだ。

 

憎むべきは製作者、なのに周囲の人間は彼女こそ悪だと決め付け、滅しようとする。

 

そんな彼女を、わたし達はまた滅しようとしてしまった。闇の書ごとならまだよかったが、今回は彼女だけをピンポイントで、もうよみがえらないように徹底的にやろうとしてしまった。

 

「ひっく…えぐっ…ぐすっ…」

 

必ず、助けるから…このはちゃんのことも、あなたのことも!!




うん、闇の書誕生のくだりは妄想だよ。
賛否両論あると思う。
でも、アニメ12話ではやてが暴走体に砲撃撃つときに「ごめんな」って謝ってたのが印象的だったから単純に滅ぼして終わり、って言う展開にはしたくなかった。

ていう独断と偏見

次回:「見えたぞ!!水の一滴!!」

お楽しみに
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