フィジカルな魔法少女   作:なむさんばがらす

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ういーく明けになってしまって申し訳ないですがじわとうこうです。

シリアス5コメディ3その他1でお送りします。


いめーじとれーにんぐ(ルナティック)・・・なの

――山奥・アキレウス視点

 

七実さんが師匠をするということで、改めてこのは嬢の戦闘スタイルを『視て』いただいた。

このは嬢は今少し離れた木陰で休憩中である。

 

「ねぇアキレウスさん。聞きたいことがあるのだけれど」

 

『何でございましょうか七実さん』

 

「あの子の武器の素養について、あなたは本当に理解しているの?」

 

一通り確認した七実さんが尋ねてくる。

確かに、師匠の選択とか、魔法の手ほどきをしたのは俺だ。もしかしたら、このは嬢本人よりもこのは嬢については詳しいかもしれない。

 

『武器の素養(ウェポンマスタリー)? ……拳、というか素手、武器持ったら弱体化する……っとこんなところでしょうかね?』

 

メイドイン神のアプリ曰く、こんな感じだったはずだ。

 

「……あなたの目は節穴だったようね。それはあの子の才能の一部であっても全部ではないわ」

 

『どういうことですか?』

 

いまさら神アプリを疑うわけではないが、そういえばはかるくんの表示モードを分かりやすさ重視で「ディスガイア準拠」に設定してしまっていたなぁ、と思い出した。(だって「才能」っていうモノが曖昧すぎて、標準モードにすると小数点第二位まで表示される上に、項目が百個以上あったんだもの)

 

「あの子の素養の本質は……『己の体』。

つまり、それが自分の体の一部であれば、魔力だろうが、気力だろうが、触手だろうが、最高(SSS)の習得速度と威力を誇るの」

 

……その代わり「飛び道具」と、「武器」の類はてんで扱えないのだけれど。

と付け加えた。

 

確かに、流派東方不敗の奥義の習得速度が尋常ではなかったし、誘導触手は出来ても誘導弾の類がちっとも打てないのにも説明がつく。

 

「要するに、虚刀流を扱う才能は十二分にある、ということよ。でも、生憎と私は、前の師匠のように模擬戦の中で、というのは体力的に難しいの。だから……」

 

七実さんの体が光り、シルエットがどんどん小さくなって光が収まるころには、七実さんのいた箇所に小さなヘアピンが転がっていた。

 

「少し荒療治になるけれど、頭の中で特訓してもらいましょう」

 

七実さんが突然光ったので、このは嬢も驚いて見に来ていた。

 

 

七実さん曰く、『虚刀流養成ギプス』と化した(変化の魔法は俺のを見たらしい)彼女をこのは嬢が四六時中つけていることによって、マルチタスクを使っての戦闘訓練が自動的になされ、週末になったらあら不思議、虚刀流一の奥義まで習得できているではありませんか!! となるらしい。

これを数週間続けることによって、虚刀流をだんだんと覚える。というのが教育指針なんだそうだ。

 

さっそく、ヘアピン七実をつけて山奥で座禅を組むこのは嬢……

 

あれ? 俺もしかして今とんでもなく役立たず?

 

「そうだよ(便乗)」

 

『暇ならさっさと消えなさい。役立たず』

 

 

『うわぁぁーーーーーん!! このは嬢のバカァーーーー!!』

 

アキレウス は にげだした。

 

三人称視点

 

そして冬休みが明け、三学期がスタートして数日が経った。

お昼時の私立聖祥大学付属小学校の屋上には、もはやイツメンと化した七人(なのは三人衆+フェイトそん+はやて+このは+霧島)が昼食を取っていた。

 

「そういえば、霧島君って男友達いるんですか? いつもこの女子会の黒一点になってますけど」

 

「ばっ、おまっ、ババババカじゃねーの!? いるし! いないわけないし!!(震え声)」

 

『Nice jorking HAHAHA(ウソ乙)』

 

上から、このは、霧島、レイジングハート(!?)である。

 

「でも、来斗くんがユーノくん、クロノくんワイルさん以外の男の子と話してるとこ見たことないよね。ほかにはどんな子とお話しするの?」

 

となのはがまぜっかえし、霧島の針のむしろは続く。

 

「女子と仲良くしてるせいで他の男子勢から総スカン食らってるとか?」

 

アリサが嗜虐的な笑みを浮かべて追い討ちをかけ、図星の霧島は何にも言えなくなっている。

 

ませた男子から見たら、今の霧島は「ハーレム野郎爆ぜろ」で純粋な男子から見ても「女なんかと仲良くするいけ好かない奴」として写っている。

昔は神野という男子共通の敵がいたのだが、彼は既に転校してしまった。

 

それに対し、クラスの女子は彼に同情的だ。

だが、そこがまた男子との溝を深める結果になっていることを知っているのは霧島だけである。

 

「来斗、とってもいい人なのになんでだろう?」

 

「俺を慰めてくれるのはお前だけだよ、フェイト」

 

「来斗君、あんたは分かってへん。『天然キャラの何気ない一言』の怖さをな……」

 

はやてが教訓めいたことを言って、昼休みの終了を告げるチャイムが鳴った。

 

教室に戻りながら、なのはがこのはに言う。

 

「ねぇ、最近授業中にびくっ、ってなること多いけど、このはちゃんもマルチタスクでイメトレしてるの?」

 

「も、ということは高町さんも?」

 

「そうだよ! もっと強くなってみんなの役に立ちたいんだ。私、魔法以外はダメダメだから……」

 

そういってうつむくなのは。

 

「……そうやって、誰かのためにがんばれるのはとんでもない美徳です。私なんて、自分の『我』を通したいがために強くなるようなもんですからね。それに比べれば、

 

――あなたの『強さ』はとってもまっすぐで、清い。

 

ダメダメなんかじゃないと思いますよ。私は」

 

このははそういってから恥ずかしくなったのか、ろくになのはの顔も見ずに「お花を摘みに行って参ります」と告げて、走り去った。

 

「ありがとう。このはちゃん」

 

というなのはの呟きは、授業開始間際の喧騒にまぎれて消えた




このは嬢は、授業に遅刻した!(台無し)



次回:局員試験
お楽しみに
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