フィジカルな魔法少女   作:なむさんばがらす

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休みに入ったから更新速度が上がりました。
しかし、明日から二、三日ほど、リアルの都合で感想とか返しにくくなるので、ご了承ください。




労働なめてんじゃねぇよ!!・・・なの

○←このは嬢視点の意

 

今日は待ちに待った初出勤日、ワイルさん曰く、顔合わせと仕事の概要説明だけで、よほどのことがない限り仕事をすることはないそうです。

 

『ほんとに大丈夫なのかその仕事?』

 

数日前からそんなことばっかり言うアキを無視して、ミッドの首都、倉那岩……じゃなかったクラナガンにあるWWW社の本社ビルにやってまいりました。

 

受付の人に、場所はどこかと尋ねると、親切に教えてくれました。

 

「ここから出て、街の中心部に向かってずーっと歩いていった先ですよ」

 

どうやら、本社ビルとは別の場所で行うようです。

 

 

 

~少女歩行中(十分ぐらい)~

 

 

 

『うん、わかってた。街の中心に何があるのかぐらい……って、ほんとにここなのか?』

 

管理局の建物である。

とにもかくにも、受付の人に事情を話しました。

 

「それでしたら、ここから出て東に500mほど歩いていただければすぐですよ」

 

どうやらここでもないらしいです。

言われたとおりに進んでいくと(7、8分かかった)管理局所有の演習場のような場所に出た。

そこには、管理局の制服を着たワイルさんと、その後ろに十数名の管理局員がずらりと整列していました。

 

「遅かったな……言葉(遅刻の言い訳)は不要か……」

 

私の姿を見つけたワイルさんが遅刻をとがめてきますが、ひどい言いがかりです。

 

「場所を詳しく聞いていませんでしたからね。まさか本社ビルから二十分も歩いたところだなんて思ってませんでしたよ」

 

そうか、それは済まなかったな、とワイルさんが言って、先ほどから私をいぶかしげに見ている管理局員に居直りました。

 

「今、重役出勤を果たしたこのお方こそが、我が隊の副隊長、民間協力者のコノハ・グラスパートさんだ」

 

グラス(茂)パート(部)って、偽名にしても安直過ぎやしませんかワイルさん、それに、なぜ偽名にする必要が? そもそも副隊長ってナンデスカ?

 

『説明は後だ。とりあえず黙って話を聞いていてくれ』

 

私の懐疑の視線に気付いたのかワイルさんが念話をよこしてくれました。

 

「この隊の存在意義は、『いくらでも補填の効く捨て駒』だ……おっと、勘違いするなよ。俺は上層部のお歴々の考えを言ったまでであって、俺自身はそんなことミジンコ一匹分も思っちゃいないんだぜ?」

 

ワイルはにわかに騒ぎ出す隊員たちをなだめてから、話を続けた。

 

「言い方を変えよう。この隊にお呼びがかかったお前達の平均魔力量はB-だ。この数字をどう思う? クスノキ隊員」

 

「すごく……低い?」

 

「そうだ。魔力量の少ないヤツを管理局中から根こそぎ引っ張ったからな、言っちゃ悪いが、低い……最低だ。だから管理局も、捨て駒同然、つまり無理難題を押し付けてくる……もしこの無理難題を、完璧に達成できたら?」

 

――上層部は君たち(低魔力魔導士)を評価せざるを得なくなる。

 

「今の魔力量至上主義を変えることができる。それが、この隊の役割だと俺は思っている」

 

どうやら、ワイルさんが作ると前々から言っていた隊の副隊長に任ぜられたようです。

……おかしいですね。私はWWW社に就職したはずだったのですが?

 

『契約書に詳しく書いたろ? よく読まない方が悪いんだよ。あーあ、これだから最近の若いもんは……』

 

「……ぐぬぬ」

 

ワイルさんのあおりに、今世紀最大のぐぬぬ顔をさらしてしまいました。末代までの恥です。

 

・・・

 

「本当に、そんなことできるんですか?」

 

ワイルの話が終わり、クスノキ隊員と呼ばれた灰髪の女性が尋ねた。

その疑問はもっともで、ワイルは作戦の成功を前提として話していて、失敗したときのことは話にはなかった。

 

「いい質問だな、どう説明したものか…………ガジェット、って知ってるか?」

 

「最近巷を騒がせている全自動型のロストロギア収集マシーン、『ガジェットドローン』のことですか?」

 

「そうだ。おそらく俺達の任務のほとんどは、このガジェットの殲滅になる。

 

ガジェットドローンは小型のものでも独立してAMF(アンチマギリンクフィールド)を展開することが出来る。

 

だから、今まで、他の管理局員がやっていたように『バカ魔力を叩きつけてハイ終わり』とは行かない」

 

従来のやり方しか知らない魔導士にとって、これほど厄介な敵はいない

 

「そこで、だ。俺たちは対ガジェットの訓練を積んで、陸、空の区別なくガジェットの殲滅任務に当たる部隊……というポジションに滑り込む」

 

対ガジェットの訓練メニューは既にワイルの頭の中にある。

魔力量が少ない面子を集めたのも、彼らはその分魔力の操作に長けているからだった。

魔力操作がうまければ、多重弾殻射撃や無機物操作を習得するのも早い。

 

ワイルはそこまで考えて、この部隊を作ったのだった。

 

次の質問、とばかりに、今度は大柄な男の局員が前に出た。

 

「……まぁ、隊の意義はわかった。訓練もしよう。だがな、俺はこのちんちくりんのガキが副隊長ってのが気に食わねぇ」

 

彼はこのはが副隊長であることに不満があるらしい。

ワイルは、薄ら笑いを浮かべながら、これもいい質問だ。と呟いた。

 

「知ってのとおり、この人は、民間協力者だ。なぜ、民間協力者が部隊の重要なポジションにつけているのか。それはひとえに、彼女が強いからだ。おそらく、この隊のなかで一番実力がある」

 

――なにせ、俺の剣を折ったんだからな

 

「何なら模擬戦で試してもらってもいいぞ。今日はそのためにこのはに来てもらったんだからな」

 

ワイルはニヤニヤしながら、このはを見た。

 

 

 

「ふぁっ!? ……話が違うじゃないですか、今日は仕事はないって」

 

ひどい裏切りです。誠に遺憾であります!!

 

「あぁん? これは隊員同士の結束を強める『親睦会』の一環だから仕事じゃないぞ?」

 

『親睦会(物理)じゃないですかーやだー』

 

……鬼畜(ワイル)の理論の牙城は難攻不落のようです。

 

たきつけられた大柄な局員さん(ノストーンさんというらしい)はもう臨戦態勢のようで、今さら「話せばわかる」という状況とは程遠くなっています。

 

…………致し方ありません。

 

「アキレウス、セットアップ」

 

『All right my master』

 

私の給料の礎になってもらうしかないようです。




新キャラ

・ロボ・O・ノストーン隊員
・クスノキ隊員

ロボさんは駄洒落、クスノキさんはあるゲームから名付けました。
詳細はじわあたりに書きます。あしからず

では、じわまでゆっくりとお待ちください。
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