IS〜焔の月と冬の桜〜   作:黒蜜黄粉

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久しぶりに書いたww


episode1・恐怖、怪力鬼女。~無理やり適性検査~

 ピピピピピピピピピッピピピピピッピピピピピッ

けたたましいアラームの音に無理矢理起こされる。

目が覚めるとカーテンの隙間の日差しが容赦なく起きろと照らしてくる。

「もう、朝か・・・・・・」

昨日ジョギングしてISを使い、風呂に入って寝た。

「そっか、一応あのアクセサリー学校に持っていくか」

そう思ってテーブルを見たがそれらしきものが無い。

「あれ?」

ベッドも見たが何処にもなかった。

「あれ?まさかの夢オチ?」

他にも部屋の隅々まで探し回ったが何処にもなかった。

「・・・・・・うそん

は、てかもうこんな時間!?」

 

俺は時計を見ると遅刻ギリギリの時間だった。

アクセサリーを探すのに時間を費やしすぎたのだ。

俺はバッグを持って家を出て、自転車を大急ぎで漕いで、やっと学校へと到着する。

「ゲホッ、ハアッ、ハアッ、」

あとチャイムが鳴るまで一分だった。

「うおぉぉぉぉ!!」

廊下を全力疾走し、教室の扉を開ける。

「(間に合ったか!?)」

 

結果は・・・・・・・

      ギリギリセーフだった。

 

俺は静かに席へと着いた。

「また遅刻ギリギリやな」

後ろの席の田中がニヤニヤした表情で言ってきた。

「まあな、遅刻はしない。それが俺の信条や」

「よく言うわ、遅刻ばっかりしてるくせに」

田中は呆れ顔でそう答える。

「うわー、今日はギリギリか!」

2列向こうの奴らが騒ぎ始める。

「くそー、俺は遅刻で賭けてたのに」

「俺も」

「よっしゃあ、じゃあ俺が千円ずつ貰うぞ」

 

「いや、俺で賭けるなよ!」

「席に着けーい!今からホームルームを始めるぞぃ!」

毎回思うけど俺んところの担任個性的だよな。ほんと。

「ワシが今から話すのは・・・………」

ダラァーっと担任の話を聞き流してホームルームが終わった。

チャイムが鳴りホームルームが終わるとみんな突然廊下に並びだした。

「?」

「何やってんだ、早く行くぞ」

「え?今日何かあるの?」

何があるのか聞くと田中はため息をついた。

「今話してただろ、今日の一時間目は授業変更で体育館に集まるって」

「体育館?何するんだ?」

「さあな」

俺は渋々みんなと一緒に体育館へ向かった。

体育館に集まると巨大なカーテンが引かれて舞台の方が見えなくなっている。

 

「?なんだ」

「騒ぐな!今からIS適性検査を行う!」

見たことない女性がざわざわとしていた体育館を鎮める。

 

IS適性検査!?

そんなことしたら俺はIS学園(ブタ箱)にぶちこまれちまうな。

てかIS学園の上空を飛んだのがまずかったか?

いや、夢だったんだっけ?まあいいや……

色々な考えが交差するが今はそんなことどうでも良かった。

とりあえずどうやって適性検査を回避するか……。

 

俺は考えた末、()()()()()()()()でやることにした。

俺は担任の元にかけよる。

「………先生、少しトイレに行ってきます…」

「うい、分かった」

 

よし!トイレ作戦大成功だ!

俺はそのままそそくさと体育館を出ようとした。

第一の敵が現れた。

「お、叶嶋君今日もトイレでサボりですかー!?」

田中だ。

 

俺は周囲を見渡した。

他の生徒はさほど気にしてないがスーツを着た女性数人がこちらを見ている。

俺は会釈するとそそくさとトイレへ行った。

 

体育館トイレだともしかしたらバレるかもしれないので体育館トイレへ行くと見せかけて校舎のトイレへ駆け込む。

トイレの個室へ篭るとスマホを取り出しゲームを始める。

そのまま50分が経過した。

チャイムが鳴り、皆が教室へ戻っていく。

 

よし、そろそろ良いかな………。

俺はゲームを切りあげ、立ち上がろうとすると

 

「随分長いトイレだな?」

聞いたこともない女性の声がした。

「はい、まあでもたった10分くらいですよ。もう適性検査もやりましたし」

俺は嘘をつく。

「はぁ……見え透いた嘘は止せ」

「え?」

「お前が適性検査をやっていないことなど知っている」

「………嫌だなぁ、ちゃんとやりましたよ」

「……お前は適性検査が始まる10分前にトイレへ駆け込んだ。田中という生徒にからかわれながらもな」

「(田中め、後で処すか)」

「………無言か」

「取り敢えず……ここ男子トイレっすよね?ちょっと出てもらって良いですか?」

「お前はいつまで茶番をするつもり……だッ!」 

その瞬間トイレのドアが凹み、ぶっ飛んだ。

ギャグ漫画でしか見たこともないその光景に呆然とする。

「ほら、やはりズボンを脱いでもいないじゃないか」

「ゲッ!」

そこには黒い髪と黒いスーツを着た女性が立っていた。

 

誰だ?どこかで見たことあるな……。まあいいや

取り敢えず扉を蹴りで壊す怪力バカな事だけは分かった。

「さあ、さっさと行くぞ」

「は?何処に……」

「決まっているだろう、体育館だ」

「…………マジで?」

「…………マジだ」

そう言って俺の腕を引っ張り無理やり連れていかれた。

いや、力強すぎや……。途中何度か抜け出そうとしたのにがっしり掴んで離してくれない。

マジで怪力可笑しいだろ!女とは思えん……。

「……今何か思ったか?」

「いやいや、何の事ですかね~。人間誰しも生きてれば頭の中は思考だらけですよ、オホホホホ」

「……まあいい」

体育館の中には軍服着た女性等が仁王立ちで立っている。

「うわ、怖っ、めちゃめちゃ睨んでますやん」

適性検査の職員皆が俺を見てピリつく気配を出している。

「気にするな、いつもああいう顔だ」

「ほんとかよ……」

俺は黒い女に連れられてカーテンの向こう側に入る。

中には白衣を着て眼鏡をかけた女性が出席簿を持っていた。

「これで全部か?」

「ああ」

「まったく、何故サボろうとした?」

「何の事でしょう?………俺はちゃんと終わらせてから便所に行きましたよ?」

俺は冷や汗を垂らしながら応える。

「う・そ・を・つ・く・な!君が適性検査を(おこな)ったかなんてこの表を見れば分かるのだよ!」

白衣女に出席簿で何回か叩かれる。

………理不尽だ。

世界は何故俺にいつも理不尽なことばかり………。

そんなことを考えていると黒い女が「もういい」と制した。

「おい、いいからさっさとこのISに触れ」

「これに……ですか?」

そこには白い機体がドカッと置かれている。

「ああ、それに触れるだけで適正かどうか分かる」

「触れたら反応するとかですか?」

「……いいから早く触れ」

俺は黒い女に背中を押される。

そしてそのまま倒れるように機体へと触れた。

途端、機体がひかりだす。

「………バカな!」

「………当たりだ」

俺は上体を起こす。

「チッ………!」

機体は光っていた。

この『光り』が何を意味するのか何となくで分かった。

ならば行動は一つ。

俺はカーテンをくぐり、体育館の外へ走った。

少し運動音痴とはいえ、運動部だ!

女の一人や二人………逃げ切れるに、決まってらァ!

俺は体育館を出て曲がり角を曲がる。

よし、このまま無断早退して家まで………。

俺は浅はかだった。

あの女は扉を蹴りで壊した女だということを忘れていたのだ。

 

「どうした?その程度か?」

真後ろから声がする。

バカな!?完全に撒いたと思ったのに………!!

後ろを振り返るのが怖い。

真後ろから声がしたのに息が聞こえてこない。化け物だ。

俺は恐る恐る振り返る。

そこには不敵な笑みを浮かべながら汗一つかかずに走っている女の顔があった。

「っひいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」

情けない声をあげながらも全速力で走る。

「お、少し上がったな。だがもう終わりだ」

俺は首根っこを掴まれた。

制服が喉を締め付ける。

「っぐえっ!!」

「捕獲完了」

「ば……化けもんかよ……」

「女性に化け物呼ばわりとは感心せんなぁ……」

「………っくそ」

ゲホッゲホッ

予想以上に走った。

限界越えた気がする。

「ま、私の目の前で逃げの一手を使ったその勇気だけは褒めてやろう」

……この女、息切れも無しかよ……。

こっちは限界突破したってのにどこまで人間辞めてやがる……!?

「これで、決まりだな」

「え、何が?」

「ふん、今更とぼける気か?決まっているだろう、IS学園への編入だ」

これから地獄が続くのか………。

 

こうして俺の『ドキッ女だらけの学園生活!』は幕を開けさせられたのだった。

 


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