五等分の花嫁 JUVENILE REMIX 作:people-with-名無し
ついでに、キャラ紹介なども収録してあります。
考えてみると、俺と彼女の関係は数奇な物だった。たった3日で二転三転したのだから。
「最初は助けて、次に助けられて。で、クラスメイトになって、家庭教師と生徒になって、脅迫犯と被害者になって、それから友達になったのか?」
「違うよ。クラスメイトになった時には友達だったでしょ」
「そうだったの? 転校したばかりで、唯一頼れるのが俺だったからだと思ってたんだけど」
「そんな理由で、嫌いだった勉強を教わったりしないよ」
「それを言うなら、友達だからって勉強を教わる?」
「……その時は、まだ好きだって気づかなかったんだもん」
「まあ、今にして思えば、お互いに一目惚れしてたのかもな」
「皆、鈍感だったからね」
「ああ……特に風太郎は拗らせてた」
「そのフータローが、明日には結婚するんだよね」
三玖がベッドのサイドボードに置いてある手紙をつまみ上げる。
「また世界から中野さんが消えるわけだ」
「そう思うなら、婿入りすれば良かったじゃん」
「それもそうだね。でも、気に入ってたんだ」
「自分の名字が?」
「いや、三玖に『アンドー』って呼ばれるのが」
「うぅ……割と黒歴史なのに」
「なんでさ。ちょっと変なイントネーションだったけど、可愛かったよ」
「だって……あ、貴方の名前を呼ぶときに緊張して、上手に呼べなかったんだもの」
「前言撤回、今でも可愛い」
「××の意地悪」
「脅迫は許してくれるのに、これはアウトなのか」
「うん」
そう言って、彼女は寝返りを打って背を向ける。まあ、繋いだ手は解けていないから、本気で怒ってはいないのだろう。
「寝るか」
一度手を離し、大切な人を抱きしめる。
「お休み、三玖。消灯ですよ」
「お休み、××。消灯ですよ」
ランプを消して、真っ暗にする。
「あ、手紙置かないと」
「消す前に思い出してよ」
「誰かさんが虐めるから忘れてた」
「勘弁してくれ。そんな理由で招待状を無くしたら、末代までの恥になる」
「私の子供まで呪わないで」
「俺たちの、だろ?」
「あ、今のちょっと格好いい。元ネタ知らなければ」
「なんでだよ。ダブル格好いいだろ」
「でも、ハーフボイルドだし、素直に格好いいって言いたくない」
「確かに、揶揄った方が面白いよな」
「うん、楽しいよ」
あ、俺が半熟卵扱いされてるのか。まあ、一人で戦える強さなんていらないし、構わないけどな。
キャラ紹介
安藤
本作の主人公にして語り手。「自分が思った事を他人に言わせる」腹話術という超能力を持つ。
中野一花
バイトの関係上、ヤバい人物の演技は見慣れている。安藤の危険性は認識しているが、何もしなければ無害という事で静観しつつ揶揄ってている。
中野二乃
安藤の外見は少し野暮ったいがイケメンだと評価している。姉妹を巻き込んで脅迫してきた彼の事を恐れている。
中野三玖
本作のヒロイン。安藤が風太郎の味方である以上、自分たちが学校にいられなくなるような脅迫はできないと読んでいる。
中野四葉
中野家の忠犬。安藤の目論見を把握してはいないが、姉妹を虐める悪人として嫌っている。
中野五月
安藤が風太郎の家庭事情を利用した事には激怒している。その一方で、らいはに会えた事は感謝している。
上杉風太郎
安藤の友人で五つ子達の家庭教師。らいはが喜んでいたから許す、と躊躇なく言える兄バカ。
上杉らいは
風太郎の妹。安藤はよくお裾分けしてくれる優しいお兄さんだと思っている。
島
安藤の友人。
アンダーソン
安藤の友人。この作品にアンダーソングループは存在しない。
慎一
安藤の友人。「陽気なギャングが地球を回す」より拝借。
安藤潤也
安藤の弟。安藤ファンクラブの副会長をしている。兄曰く、籤運がメチャクチャ良い。
詩織
潤也の彼女。安藤ファンクラブの会長をしている。
大西若葉
安藤のクラスメイト。「ポテチ」より拝借。
春
安藤がバイトしている落書き消しの専門家。「重力ピエロ」より拝借。