「な、なんだあれは!」
大和の目の前には、無数の所属不明の戦闘機が飛び回り東京に攻撃をしていた。
焼け落ちる皇居、崩れ落ちる高層ビル、そこまで高度は高くないため人が焼ける嫌な匂いがプンプンする。
「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
大和は叫び、一機の敵機に向かい急発進をした。
大和の眼前に飛んでいる敵機は見向きもせず、東京にミサイルを容赦なく撃ち込む。
狙いを定め、ミサイルを発射した。見事命中した。
「やったか!?」
しかし、ミサイルをまともに食らったはずなのに傷一つ付いていない。どういうことだ?
しかも、あのミサイルをまともに食らってるのにこちらの存在に気づいていない?
いや、もしかして俺のことは・・・俺たちのことは眼中に無いっていうのか?
「くそ・・・なめやがって!」
その時、味方の戦闘機が撃墜されているところを見てしまった。コックピットにミサイルが命中してしまっている。
パイロットが木っ端微塵になり、煉獄と化した東京に堕ちていった。見たくないものを見てしまった。
[こちら涼介!大和!聞こえるか!?どうぞ?]
[こちら大和。ああ、聞こえる。どうなっている?敵機にミサイルをぶち込んでも傷一つ付きやしねえ。]
[これ以上の戦闘は無駄に犠牲者を増やすことになる!ライオンの檻に鶏を放つようなもんだ!本部と連絡をとれ!]
連絡をとれだと?仲間があんな無残に殺されて言っているというのに!?俺は必ず奴らをぶち殺す。
死んでった仲間たちの仇を取るんだ!撤退なんてしない!
[なにを言う!仲間が殺されてんだぞ!俺は許さねえ!絶対に!]
そう言った途端、無線が割り込んできた。
[ザーザー… こちら本部、全隊員に告ぐ。これ以上の戦闘は危険と判断した。これより、本部への逃げ道を確保する。高尾山に滑走路を隠している。撤退せよ。]
なんと、本部から撤退命令が出された。俺はもちろん撤退はしない!
[こちら大和。本部、そのような命令は聞けません。特攻します!]
[なにを言っている!命令だぞ!はやく撤退しろ!]
[無理です!敵艦に突入します!]
[やめろ!…]
ピッ!
俺は無線を切った。
目指すはあの黒き巨大戦艦。
俺はエンジン全開で高度を上げ、艦内への侵入口を探した。
しかし、あまりのでかさに迂回するのにかなり時間がかかる。
そして、一つの侵入口を見つけた。
「よし、ここなら侵入できそうだ!」
大和は機体のスピードを落とした。その瞬間、粒子が集まっているのが見えた。
これは、もしかしてビーム!?
しかし気づいた時にはもう遅く、ビームは巨大なものになり発射寸前までにもなっていた。
「!?」
ズギャァァァァァァァァン!!!
ビームが大和に向けて発射された。
俺は・・・こんなところで・・・朽ち果ててしまうのか・・・?
・・・・・・
う、うぅ・・・ ここは・・・どこだ?
「あら?もう目が覚めたかしら?」
俺の目の前に白衣の女が上から覗き込んでいる。ということは、俺は今仰向けなのか?
「こっ・・・ここはどこだ?」
「ここは東京、自衛隊本部の秘密研究室よ。私は西条陽子。本部のドクターをやっているわ。負傷した隊員さんたちの治療をしたりしてるわ。ちなみに、研究員よ。」
本部?そういえば俺はなにをやっていたんだ?たしか、皇居に出撃していて・・・
「あら、その顔からしたら、あなたさっきまで何をしているか思い出しているところね。」
!?顔だけで心が読まれただと?こいつ、本当に人間か?
「あなたたちは皇居周辺の上空に出現した所属不明飛行物体と戦闘していたのよ。だけどあまりに状況が酷すぎたから、本部は撤退命令を出したのよ。だけどあなたは命令に背き、巨大戦艦の艦内への侵入を試みるが巨大ビームの餌食になり今に至るのよ。」
・・・この女、涼介より言ってる意味がわかんねえ。ほんとに人間かこいつ。
「ちょっとまて、巨大ビームをもろ食らったならなぜ俺は生きている?」
「いい質問!実はね、あなたの乗ってたF22は他のと比べて頑丈に作られていたのよ。そのおかげであなたは致命的な傷を負わずに無事救出されたのよ。」
俺は自分の体を見た。いたるところに包帯が巻かれている。すごく頭が痛い。
「あちらで見守っている彼女があなたを見つけて救出してくれたのよ。」
俺は治療台を降りて陽子の指す女の子を見た。
「あ、ど、どうも。無事で良かったです・・・」
「君が俺を救出してくれたのか、ありがとう。」
彼女は顔を赤くしている。どうしたのだろう。
「あ、いやっ、その、ど、どういたしまして・・・あ!自己紹介がまだでしたね。私の名前は新島優といいます。よ、よろしくおねがいします!」
この子、なんでこんなに恥ずかしがってるんだ?
「そうだ、大和くん。いきなりだけど、あなたは実験台になってもらうわ。」
「え?」
「あなたの体の中に、私たちが開発した薬を打ってある。その作用は、おそらく永遠よ。」
陽子が突然吐いた言葉に、俺は驚きを隠せなかった。だって、得体の知れない薬を打たれたのだから。
「な、なんだと!なんの薬だ!」
「それは、これからわかるわ。」
カチャッ!
そういうと、陽子はハンドガンを俺に構えてさらに引き金を引いたのだ。
バンッ!
俺はただ見ていた。驚いた。陽子が仲間である俺を殺そうとしたからではない。銃弾がすごく遅く見えるんだ。
俺は自分の感覚を信じて銃弾を掴んで止めた。
「な、なんだ今のは・・・!」
「それがあなたに打った薬の作用、超人化よ!」
つづく