ガールズ&パンツァー サイレンがなる頃に‥‥   作:ステルス兄貴

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7話

 

 

廃墟の周りを取り囲んでいた得体の知れない気配の連中が去った後、まほは再びみほを背負い、廃墟を後にする。

この時、まほはある決意を胸に抱いていた。

みほを背中におんぶして我武者羅に家まで走る。

そして、ようやく家に辿り着く。

常夫はまだ家に戻っている様子はなかった。

まほはみほをベッドに横たえ、玄関、勝手口、そして家中の窓と言う窓のカギをかける。

それからまほは、汚れた服を着替え、身の回りに必要なモノを片っ端からバックへと詰める。

自分の荷物の荷造りが終わると、次にみほの部屋に行き、自分と同じく、みほの荷物をバックへと詰める。

みほの荷造りをしていると、横になっていたみほがムクッと体を起こす。

どうやら、目が覚めたようだ。

まほはみほが目を覚ましたことに気づくと、彼女の手をとる。

 

「みほ‥‥」

 

まほがみほに声をかけると、みほは無言のままジッとまほの事を見つめてくる。

 

「みほ‥‥私の‥‥お姉ちゃんのこと好き?」

 

「うん‥‥」

 

まほの問いにみほは無機質な声で返答する。

みほは、自分の事を嫌ってはいなかった。

 

「お姉ちゃんのこと、信じてくれる?」

 

みほは、今度は無言のままだが、首を縦に振り、頷く。

あの忌まわしい大会の後、学校で虐めにあい、母親から半ば見捨てられ、重度の対人恐怖症を患ってしまうほどの事態を招いたのに‥‥みほが虐められている時、自分はみほに何もしてやれなかった。

自分がもっと早く対処しておけば、みほは対人恐怖症なんて患わなかったかもしれない。

いや、それ以前に自分があの大会でみほの戦車をフラッグ車に任命しなければ、そもそもこんな事にはならなかった。

それなのに、みほはまだそんな自分の事を好きでいてくれた。

健気な妹の姿にまほは、目から鱗が落ちるほどの思いがまほを包み込む。

 

「だったら、よく聞いて。明日の朝、連絡船で、この島を出るの‥‥」

 

「‥‥?」

 

みほはまほの言葉の意味が分からなかったようにキョトンとした顔でまほを見つめる。

まほは、語気を強めてみほに言い聞かせる。

 

「恐いお化けから逃げるためよ‥‥みほも恐いお化けと一緒にいるのは嫌でしょう?」

 

「うん‥‥」

 

「だったら、お姉ちゃんの言う通りにして、みほの事は私が必ず守ってあげるから」

 

まほはみほに小指を差し出す。

みほもまほの動作からその意味を理解したのか、みほもまほの小指に自らの小指を絡ませる。

まほは、みほを強いまなざしで見つめ、指切りをする。

 

(明日の朝一に連絡船でこの島を出た後、エリカと連絡を取り、ヘリで迎えに来てもらおう)

 

(黒森峰の学園艦に戻ることになるが、それも一時的な事だ‥‥)

 

エリカに迎えに来てもらった後、まほはみほを連れて実家には帰らず、黒森峰の学園艦に戻ることにした。

実家ではしほが再びみほをこの島に戻す可能性があるからだ。

こんな不気味で化け物だらけの島にみほを戻すなんて冗談じゃないし、自分だってこんな島、もううんざりだ。

 

(みほの療養地の選定は、私がする‥‥こんな化け物だらけの島ではなく、みほが落ち着いて静かに療養できる場所を‥‥)

 

黒森峰の学園艦に戻った後、自分かエリカの寮の部屋に一時的、みほを匿い、その間にみほの新たな静養場所を捜そうと決意するまほ。

出来ることなら、今からでもエリカと連絡をして、ヘリでこの島に迎えに来てもらいたかったが、夜間でのヘリの離発着はいくらヘリの免許を保有しているエリカでも危ない。

ヘリが墜落すれば、それこそこの島からの脱出なんて不可能になってしまう。

それに携帯を見ると、圏外になっており、エリカと連絡を取ることが出来ない。

当然、家の固定電話も同じように使用不可の状態となっていた。

 

自分とみほの荷物をまとめた後、まほは常夫の部屋に入る。

確かに常夫が居ないことを確認すると、部屋にある机の引き出しの中を探る。

そして、そこにあった現金と通帳、印鑑を上着のポケットに入れる。

他にも何か持っていける貴重品は無いかと引き続き、引き出しの中を探っていると、引き出しの中に入っているあるモノに気づく。

 

「っ!?これって‥‥」

 

まほは恐る恐るソレを手に取る。

それは、犬の首輪だった。

 

「‥‥こ、これ、もしかして、ヴィットマンの‥‥」

 

震える手でまほが首輪を調べると、裏側に『Wittmann』と彫られていた。

この首輪は間違いなく、ヴィットマンの首輪であり、首輪にはヴィットマンの毛の他に少量の血もついていた。

 

(やっぱり、ヴィットマンはお父さんに‥‥)

 

ヴィットマンの首輪を見て、あの日ヴィットマンは出ていったのではなく、常夫に殺されたのではないかと言う推測はますます強くなる。

 

「ん?」

 

引き出しには更に『夜美島島民消失前の現場写真』と書かれた大きな茶封筒があった。

時間もないし、昔消えた人たちの事なんて、正直どうでも良かった筈なのにまほはそれを確かめずにはいられなかった。

茶封筒を開け、中の写真を取り出す。

一枚一枚、めくっていくと、写真自体に年季を感じ、写っている写真の中にはいかにも昭和時代って感じの島民の生活風景が写し出されている。

この写真に写っている人たちはあの夜美島集団失踪事件で、消えてしまった人たちであり、そう考えると考え深いものがあるが、今はそんな感傷に浸っている暇はない。

機械の様に一心不乱で写真をめくっていると、一枚の日本家屋を写した写真がまほの目に留まる。

 

「っ!?この家‥‥」

 

そこに写っていた日本家屋は紛れもなく、現在、自分たちが住んでいる家そのものだった。

しかも、その中にはまさに今、自分が居る部屋の写真もあった。

まほは振り返り写真と実際の部屋の様子を見比べる。

家具も写真と同じ状態のままの部屋‥‥

まほは写真をめくり、この家の中を写した写真をピックアップして、写真が写っている場所と実際の場所を見比べる。

台所も実際の台所と写真に写っている台所は寸分たがわぬ配置のままだ。

違うとすれば引っ越しの際、持ってきた冷蔵庫や電子レンジなどの家電ぐらい‥‥

廊下を写した写真には壁に飛び散った飛沫血痕の様なモノを写した写真があった。

まほは、この家に来たばかりの頃、廊下にあったあの黒ずんだシミの事を思い出し、その場所へと向かう。

壁にあった黒く変色したシミは、写真の中では同じ形のまま、真っ赤な色で写っていた。

それからまほは、みほの部屋へと向かう。

写真の中にはみほの部屋を写したモノもあった。

ただ、これまで写真と見比べて来た部屋と異なり、みほの部屋には違う部分が一つあった。

みほの部屋にあるふすまの部分が、写真ではふすまではなく、扉の様なモノが写っていた。

まほは、ふすまを開け、写真に写っている扉がある部分を調べる。

そこには沢山の新聞紙がベタベタと張り巡らされており、目隠しされていた。

みほは、気づかなかったのだろうか?

そんな疑問を感じつつも、まほは、新聞紙を剥がしていくと、その下には写真で映し出されていた扉があった。

 

「‥‥」

 

まほは、ゴクッと生唾を飲み込んだ後、恐る恐る扉を開ける。

扉にはカギはかかっておらず、あっけなく開く。

天井からぶら下がっている裸電球に気づき、スイッチを捻るとパッと薄暗かった部屋が明るくなる。

そこは畳二畳ほどの納戸で奥にはこの家の前の持ち主の荷物が積み上げられたままになっていた。

まほは、奥の壁にしつらえた棚の上に、礼拝堂で見かけたのと同じ、両耳を塞いだ土偶があるのに気づいた。

土偶の胸にはやはり、『REVIVER』の文字が刻まれている。

そして、辺りを見回していたまほ、床に落ちていた一枚の写真に気づく。

少なくともそれは、自分が手に持っていた写真ではない。

写真の上には埃が乗っており、この写真が長い時間、この床に放置されていたことが伺える。

まほはその写真を拾い上げる。

その写真も古いもので、写真の隅には「1976・3・12」と写真が写し出された日付があった。

よくよく見れば、納戸の壁にはこれと同じ、古い写真が沢山貼ってあった。

この家の前の持ち主はカメラマンだったのだろうか?

 

(‥‥っ!?カメラマン?‥‥まさかっ!?この家の前の持ち主って‥‥)

 

カメラマンと言う職業からまほの脳裏に蘇ったのはあの夜美島集団失踪事件の唯一の生存者である富竹の事だった。

彼もカメラマンだったからだ。

まほが壁の写真を見ていると、ある不自然なことに気づく。

写真の隅には写真が撮られた日付が書かれているのだが、どれも集団失踪事件の前に撮られたモノなのだが、その中で見かけた様な気がする島民の写真がいくつもあった。

 

(この写真は集団失踪事件の前に撮られたモノの筈‥‥それ以前に三十五年前のことなのに、どうして‥‥どうして、みんなの姿が変わっていないの‥‥?)

 

写真の中にはレナが写し出されたモノもあり、あの集団失踪事件に行方不明になったはずのレナが今も存在しているのに、富竹以外に生存者が居ないと世間に知らされているのは可笑しいし、何より三十五年の年月が経っているのに、自分の知っているレナと写真に写っているレナの姿は全く変わっていない。

写真に写っているレナと自分の知るレナが親子とか、親戚とかの可能性もあるが、それにしても、写真のレナと現在のレナは本人ではないかと言うレベルでそっくりである。

更にレナの隣には駐在所でとったと思われる駐在警官の写真もあり、写っているのは紛れもなく前原の姿だった。

 

「ま、まさか‥‥」

 

まほが振り返ると、納戸の壁に吊るされていた鏡にあの土偶が映っている。

そして、土偶の胸の文字、『REVIVER』は鏡越しに見ても同じ、『REVIVER』。

 

「リバイバー‥‥蘇る者、変わらぬ者‥‥不老不死‥‥」

 

REVIVERの意味を口にするまほ。

そして、極めつけが診療所の写真‥‥

そこには入江の写真もあり、彼もまた、レナや前原同様、一切、三十五年前と同じ姿で、全く年を取っていない。

まほの背筋が寒くなり、身震いしたその時、大きな雷鳴と共に納戸の明かりがフッと消えた。

さきほどの雷で、停電したみたいだ。

 

「停電‥‥?‥‥こんな時に‥‥」

 

辺りが停電で暗くなったと思ったら、

 

 

ウウウウウウウウウウウウウウ~

 

ウウウウウウウウウウウウウウ~

 

ウウウウウウウウウウウウウウ~

 

ウウウウウウウウウウウウウウ~

 

ウウウウウウウウウウウウウウ~

 

 

またもやあのサイレンが鳴り響いた。

 

「停電に三度目のサイレン‥‥」

 

まほは、手帳に書かれていたあの文章‥‥

 

『三度目のサイレンで島民に変化』

 

と言う内容を思い出した。

手帳を拾った時には分からなかったが、今ならその意味が分かる。

この三回目のサイレンの音を聞いて、きっと島の人たちは人ならざる姿になるのではないだろうかと言うことに‥‥

これ以上、この家に居るのは危ないと思ったまほは、みほと共に家を出ることにした。

 

「みほ!!」

 

懐中電灯を持ち、みほを連れ出そうとするが、部屋にみほの姿はない。

 

「みほ!!どこ!!」

 

居間にも人の気配がなかった。

まほが居間を出ようとした時、ごそっと物音がした。

振り返ると、それは押し入れの中から聞こえた。

 

「みほ?」

 

恐る恐る押し入れに近づき、押し入れのふすまを開けると、そこには膝を抱えて蹲るみほの姿があった。

 

「みほ‥‥ダメじゃない、ちゃんと待っていないと‥‥ここで何しているの?」

 

まほはどうして、部屋から出て今の押し入れに隠れていたのかを訊ねるが、みほは無表情で黙ったまま、まほの顔をジッと見つめてくる。

やがて、みほは押し入れから出て来ると、まほに抱き着いてきた。

 

「みほ?」

 

みほから自分に抱き着いてくるなんて、いつ以来だろうか?

まほはそんなことを考えながら、みほを抱き返す。

その時、まほは、何かを引きずるような物音と背後に何かの気配を感じて、ゆっくりと後ろを見る。

黒い人影が何かを振りかぶっている。

そう感じた瞬間、まほはみほを抱きかかえたまま、身を翻す。

その直後、二人の身体を掠めるようにして鈍い音がした。

まほが見ると、そこには先が尖った大きなスコップが壁に突き刺さっていた。

壁に突き刺さって抜けなくなったスコップを手に、ワナワナと震えながら此方を睨んできたのは、紛れもなく自分たちの父である常夫だった。

 

「お、お父さん‥‥?」

 

常夫はカクカクとした変な動きで、ゆっくりと顔を上げる。

その顔色は血が通っていないのかと疑うぐらい蒼白で、目からは赤い血がまるで涙の様に流れていた。

常夫は壁からスコップを引き抜くと、再び大きく振りかざしてきた。

まほは立ち上がり、片手で荷物が詰まったバックを掴み、もう片方の手でみほの手を掴むと、その場から一目散でその場から逃げ出す。

その瞬間、まほたちが居た場所にスコップが叩きつけられる。

そして、フラフラとした足取りで、常夫は後を追いかけてきた。

まほは信じられなかった。

母であるしほは、西住流の家元と言うことで、昔からまほにもみほにも厳しく育ててきた。

反対に父である常夫は、しほとは異なり、まほとみほにはどちらかと言うと、甘かった。

まさに、飴と鞭の様な家庭環境だった。

その常夫が自分たちを殺そうとスコップで襲ってきたのだ。

あれはどうみても、冗談では済まない。

 

(本気だ‥‥本気で、お父さんは私たちのことを殺そうとしている‥‥)

 

(あの最初のサイレンの夜にお父さんは化け物になってしまったんだ‥‥)

 

(やっぱり、ヴィットマンはお父さんに殺されたんだ‥‥)

 

常夫はスコップを振り回し、追いかけてくる。

今の常夫の姿を見るとヴィットマンが常夫に殺されたのも納得がいく。

スコップが壁に当たり、ガキンっと金属質の音が後ろから聴こえ、まほを恐怖に陥れる。

廊下を奥まで運んだまほとみほは角のところで、身を潜め、懸命に息を殺して、常夫の気配に意識を集中させた。

ガラガラとスコップを床に引きずりながら歩く常夫の足音が遠くから迫ってくる。

 

「ま、マ‥ホ‥‥ドコ‥ダ‥‥?マホ‥‥」

 

自分の知る常夫と思えない野太い声が、途切れ途切れに聞こえる。

スコップが壁に当たる音、ガラスが割れる音も鳴り響く。

その音は次第に自分たちの方へ近づいてくる。

 

(殺される‥‥見つかったら、殺される‥‥)

 

優しい父とは違うモノに代わってしまった常夫の姿と行動にまほの恐怖は募っていく。

しかし、みほは泣き叫ぶ様子もなく、無表情のまま‥‥

声をたてて気づかれないだけましであるが、このまま此処に居れば確実に見つかって殺される。

まほは意を決し、みほの手を引いて、回廊になっている廊下を進んだ。

一周して台所に逃げ込んだまほとみほは、壁に身を潜めるようにして、そっと背後を覗いた。

常夫はやはり、スコップを振り回しながら自分たちを捜している。

外は、雷とサイレンは相変わらず鳴り響いている。

まほとみほは息を押し殺して、常夫の気配に集中していたが、激しく壁を打ち付ける音は少し遠ざかって行く。

どうやら、常夫は自分たちを見失ったみたいだ。

まほは、家から脱出のタイミングを見計らっていると、

 

piririri‥‥

 

まほのポケットから携帯が鳴り響く。

慌てて取り出すと、ディスプレイには『お父さん』と表示されていた。

しかし、アンテナのところには『圏外』と表示されたまま‥‥

 

(なんでっ!?どうして、圏外なのに!?)

 

圏外の筈なのに、常夫からの電話を受信している。

そんなあまりにも非現実的な事実に理解が追い付かない。

しかし、この携帯の着信で‥‥

 

「ミィツケタァ~‥‥マホ‥‥ソコニイタノカイ?」

 

「っ!?」

 

台所に不気味な常夫の声が響く。

雷光を浴びて、常夫のシルエットが浮かび上がる。

 

(見つかった!?)

 

「マホ‥‥オマエモ‥‥コッチヘ‥‥コッチヘ‥コイ‥‥」

 

「キャッ―!!」

 

悲鳴を上げて、まほが身を翻すと、その場にスコップが振り下ろされる。

間一髪で躱したまほ、みほを連れて再び廊下に逃げのびた。

背後から物凄い音を立てながら、常夫は後を追ってくる。

常夫とある程度の距離を取り、まほは息を整える。

少しして、常夫の気配が不意に消え失せた。

集中して気配を窺うが、雷鳴とサイレンがまほの集中力を阻害する。

まほは、廊下の壁からそっと、向こう側を覗こうとした。

雷鳴が轟いた瞬間、まほの目の前に、ヌッと血走った目をした常夫が現れた。

 

「いやっー!!」

 

常夫は反射的に後ずさったまほの正面に立ち、スコップを振り上げる。

まほは悲鳴を上げるが行動し、常夫に体当たりをする。

常夫はまさかのまほからの反撃に合い、尻餅をつく。

その隙をまほは見逃さず、みほの腕を引いて、その横をすり抜けた。

居間に逃げ込むと、常夫がよろよろと立ち上がり、自分たちに向かってくる。

まほは、みほを庇って、抱きかかえるようにしながら、居間に入ってきた常夫を睨みつけた。

 

「やめて!!お父さん!!」

 

常夫がスコップを振り上げ、まほとみほ目掛けて、振り下ろしてくる。

その瞬間、

 

バリン!!

 

ガラスが砕ける音がした。

常夫は、ハッとした。

先程、常夫がスコップを振り下ろしたのは鏡に映っていたまほとみほだった。

まほは、鏡を叩き、唖然としている常夫に対して、廊下で見つけた殺虫スプレーを常夫の顔めがけて吹き付ける。

 

「グワーッ!!」

 

常夫が獣の様な声をあげ、スコップを手から離し、両手で目を抑え、のたうち回っている。

 

「みほ、逃げるよ!!」

 

まほは、みほの手を掴み居間を飛び出し、家から出ていく。

背後からは未だに悶えている常夫の声が不気味にまほの耳に残った。

 

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