まだ森崎くんとのいざこざも無いのにねぇぇえええええ!!
…………頑張ります。
SHRも終わり、校舎をまわりに行くグループと学校から帰るグループに別れてそれぞれ動いている。
「お兄様、やはり校内を見て周りませんか?」
深雪がまた聞いてくるが、学校外を見てまわりたいので断る。
「深雪は達也達と約束しているんだよね、ならそろそろ行かないと達也が心配するよ」
「わかりました…明日の見学案内は一緒に見てまわりましょう!」
一緒に見て回るって言ってもなんにしろクラスで動くからあんまり変わらないのに…。
深雪が廊下に出て移動を始めると、それを追うように校内見学組が動き始めた。
「それじゃ、僕達も行こうか。案内よろしくね」
ほのかと雫に声をかけると、ほのかは前髪を、雫は制服を確認していた。
「はい!行きましょう!」
ほのかを先頭に、僕と雫が着いていく。
校舎から出れば何人もの生徒から敵意と羨望が向けられるが、3人ともまったく気にせずに、今度は並んで歩く。
「そういえば、虎白さんの得意魔法ってなんなんですか?」
「私は朝に話したけど、振動系で、ほのかは光のエレメントだから光波振動系が1番得意。」
「僕は……」
………あれ?考えてみたら『空間支配』しか使ってない気がする。
その次………憑依魔法…うん、アウト。
考えろ…何が1番発動しやすい……。
「僕は加重系かな?あと振動系もよく使うかな」
言わずもがな、ブラックホールで重要な要素だ。
あと、憑依した時1番扱いやすい振動系。
「3人とも振動系なんですね!」
「ほのかは光波だけど…」
「意地悪しないでよぉ!」
校外に出ると、今度は雫を先頭に学校から駅までの間を案内してくれるらしい。
辻を入っていったところにケーキの美味しい店があるそうだ。
今回はそこじゃなくて、駅から高校までの一本道にあるスイーツ屋に行くようだ。
高校生が多く通るからか、花屋やアクセサリー、服、文房具、果てにはCAD取扱店などがある。
アクセサリー屋にほのかの希望で寄ったのだが、なぜか僕の後頭部に髪留めが着けられていた。
「雫?」
「虎白さんって髪長いから、暑い時そうすると涼しいって。」
後ろで束ねて垂れていた髪を髪留めを使って持ち上げているらしい。
うなじが出てるせいか風を感じる。
「……うん、こっちの方がいいよ。」
雫もヘアピンを選んだのか、顔がよく見える。
「雫もそっちの方が可愛いよ」
「虎白さーん、この色とこの色、どっちがいいと思いますか?って髪留めつけたんですね!すごい似合ってます!」
ほのかは僕の前に緑のヘアゴムと黄色のヘアゴムを見せてきた。
「僕は緑の方が良いと思うな、ほのかの綺麗な髪によく似合うと思うよ。」
「わかりました!黄色の方戻してきますね!」
ほのかが棚に戻っていく前に…。
「ほのか、ほら、持っててあげるから」
雫からヘアピン、ほのかからヘアゴムを受け取り、レジへ。
店員さんは僕の行動を見ていたのかニコニコしながら会計をしていた。
「お客様、お時間がございましたらお願いしたいことが…もちろん、タダでという訳ではありません!お客様がつけてる髪留めをサービスするので!
モデルになって貰えませんか!?」
とりあえず、2人の分の支払いを終えるとほのかがやってきた。
「はい、ほのか。雫も」
小分けの紙袋を渡せば、1拍置いてビックリしていた。
「あ、ありがとうございます!プレゼントですよね?!
とても嬉しいです!」
「開けてもいいですか?」と言うので、「ほのかのだよ」というとヘアゴムを取り出して付け替えた。
「どう…ですか?」
ほのかわいい……。はっ!?なんだ…現実か。
おかしい、ほのかの可愛さに呑まれている気が。
流れを、流れを変えなければ戻って来れなくなる気がする…!
主に氷漬け的な意味で。
「うん、可愛い」
「すいませーん!カメラ用意出来たのでモデルお願いしまーす!」
ナイス店員さん!
まだ承諾してないけどカメラが用意されてしまったのでホワイトをバックに頭のアクセサリーメインで何枚か撮る。
最初は雫の選んだ髪留めで撮り、その後、今度出る予定のメンズにも違和感のないカラーリングのアクセサリーを着けて撮影した。
「協力ありがとうございました!!ポスターとして使わせていただきます!撮った写真はデータでお渡ししましょうか…?」
自分の写真はいいかなぁ…。
僕が悪用しないよう釘をさしてから店を出ると、2人に少し待ってて欲しいと言われたので、店先の邪魔にならない所で立って待つ。
しばらくして2人が戻ってきたのだが、2人とも端末を手にしていた。
もし僕の写真だったとしても、2人なら悪用はしないはずなので何も言わずに雫について行く。
ほのかが上機嫌で束ねた髪を触っていた。
少し歩くと、甘いもの専門の店が見えた。
雫もそこに向かって歩いているので、あの店なのだろう。
クレープの店みたいだ。
「美味しそうだね」
「うん、下調べした時に美味しいって評判だったから」
メニューが少ないけどね、と言われ、メニューを見てみると確かにクレープならもっと派生できるんじゃないかと思える品数だった。
メニューを見ていると、雫は僕をまた凝視してきた。
「どうしたんだい?」
「虎白さんは何にするの?
個人的にはブルーベリーがオススメだよ」
特になに味を食べようとか考えておらず、雫にオススメを聞こうと思っていたのでちょうど良かった。
「ならそのオススメにしようかな」
「じゃあ、私はストロベリーにする」
僕と雫はすぐに決まったが、ほのかはまだ決まっていないようだ。
少し待っていると、決まったのか戻ってきた。
「チョコバナナをお願いします!」
カウンターに行き、注文をする。
僕と雫の注文に店員さんが微笑ましいような顔をしていたのが気になるが、お金を払い、クレープを受け取る。
食べ歩きするようで、今度はほのかを先頭に色々なお店を見て回るようだ。
「ねぇ、虎白さん。」
隣を歩いている雫が話しかけてくる。
「1口交換しよう?」
そう言って食べていたクレープをこちらに差し出してくる。
美味しそうなイチゴにストロベリーソースがかかっていた。
「いいの?」
「代わりに虎白さんのも1口ちょうだい」
雫からクレープを受け取ろうとすると、避けられる。
僕のを渡そうとすると、僕が持っている状態で1口食べられた。
僕のクレープをかじったあと、雫はまた1口自分のクレープを口にしている。
「はい、虎白さん」
若干顔が赤くなっている雫はクレープを両手で持ってこちらに向けてきた。
「あ〜ん…」
口で受け取らなきゃいけないらしい。
大人しく1口クレープを頂いた。
イチゴの甘さが、口に微かに残っていた、ブルーベリーの酸味によくあっている。
僕も自分のクレープを1口かじると、さっきよりも美味しさが強かった。
店を見ていたほのかが戻ってくる。
「やっぱりCADって高いですね…」
特化型を見ていたようだ。
補助金が出たとしても、CADはバイトをしていない高校生には少しお高い金額なのだ。
ほのかの手には既にクレープはなかった。
「チョコバナナはおいしかった? 」
「はい!おいしかったです、ご馳走様でした!
…でも、聞いていた裏メニューがどこにもなくて……」
裏メニュー?
「ダブルベリーって言うんですけど、食べると恋愛が上手くいくって言われてて…」
ダブルベリー?
もしかして……。
雫の方を見ると、赤い顔のまま無言でクレープを食べていた。
それでも見続けると、目線を合わせたあと、フイっと背けられた。
口パクで、”内緒”と言っているので、ほのかには悪いが内緒だ。
まて、恋愛が上手く行く効果は彼女がいない僕にとって無意味なんじゃ………。
今日はそのまま駅に行き、2人と別れた。
帰宅中、僕は髪留めを着けたままだったことを忘れていたため、コミューターに座った時に髪留めをぶつけてしまった。
幸い、壊れなかったので明日から着けていくつもりだ。
甘い感じになってるかな……?なってるといいな…!
誰か!砂糖!砂糖持ってきて!
次回!
深雪さんが……!!
魔法科高校の劣等生を独立させる
-
した方がいい
-
このままでいい