参考にしている手前、何処かで見た言い回しが目立つかもですが、成る可く自身で考えていけたらなと思います。
更新未定。 駄文。
私は、猫耳族のショコラです。
なにやら暗くて、ジメジメした路地裏で生まれたと聞かされています。
お母さんは言いました。 私たち猫耳族は嫌われていて、道を歩けば舌打ちされ、人間さんの子どもに石を投げられるのは当たり前だと。 嫌われ者だと。
どうして嫌われるの。
その問いに、お母さんは答えました。
───人間からしたら、耳と尻尾が生えている獣人は気味が悪いから。
だから陰に隠れて、夜の街で働くしか生きていく方法はないんだと。 それしか許されないのだと。
幼い私は、それが理解出来ませんでした。 陽の光を浴びて表通りを歩くスーツ姿の人間さんを路地裏から見ます。
その姿は眩しくて、そして耳と尻尾は生えてません。 だけど一緒に歩いて笑えたら素敵だと夢想しました。
そして、お母さんの目を盗んで昼の表通りに飛び出しました。
───その日。 私は現実に打ちのめされたのです。
猫耳の化け物が!
人外め!
売春婦の分際で!
屍肉食家!
病原菌!
臭えんだよ!
生ゴミが!
昼間に出て来んな!
腹立たしそうに怒鳴り散らされて。
事あるごとに、私の事を『化け物』『人外』と罵ってきました。
そして私を蹴ったり殴ったりして楽しそうに笑い始めたのです。
私は痛くて、悲しくて、どうしてこんな目に合わされるのか理解出来なくて。
にゃあにゃあ泣きました。 すると更に「煩い!」「迷惑だ!」「早く死ねや!」「ゴミでも漁ってろ!」と更に蹴り飛ばされました。
痛くて辛くて悲しくて。 私は蹲って、早く終わってと願い続けます。
だけど蹴り止みませんでした。 笑い声が遠くなり始めます。 意識も朦朧としてきます。
すると、微かにお母さんの悲鳴が聞こえました。 同時に蹴り止みました。 だけど、蹴る音は響き続けます。
薄目で外を見ると、今度はお母さんが蹴られていました。
幼い私は、その現実を受け入れたくありません。 目をぎゅっと閉じて逃避します。
神さま。 どうして、私達が こんな目に遭わされるのですか。
どうして……生まれたのですか?
私は本気で問いたい気持ちになりました。
お母さんは隙を見て、私を抱き抱えて路地裏に逃げ込みます。 背後からは笑い声が聞こえます。
人間は怖い。 人間の笑い声なんて聞きたくない。 見たくない!
お母さんに怒られる覚悟をしました。 だけど、お母さんは生きていて良かったと涙目になりながら、ボロボロの身体で抱きしめてくれます。
そして笑顔でご飯にしましょう、と言いました。
出されたのはカラカラに渇いたパンくずとコップ一杯の雨水。
ゴミ箱を漁るだけじゃ手に入らない贅沢品です。
私は知っています。 これは『泥棒』して手に入れたものだと。
普通に買い物する事を許されない猫耳族は、夜の限られた、獣人相手に割増の商品を売っている商人から買うか、こっそり店舗に忍び込んで泥棒するしかありません。
一度、ボランティアの人間さんが、ちゃんとしたご飯を作ってくれようとしたらしいけど、それが気に入らない人間さんにバレたそうです。
そして泣いて謝りながら蹴り飛ばされる人間さんを見て、お母さん達、大人は泣いたと言います。
その日から、もう誰もご飯に文句は言わなくなったそうです。
私達は、人間さんが怖くてしょうがありませんでした。
また殴られる、怒鳴られる、そう思うと足が竦んで動かなくなってしまうんです。
最初は反抗していた獣人族も結局心が折れてしまいました。
私達は人間に対して『普通の子』としての力しか出せません。
力が無い私達に、人間さんを止める事は出来ませんでした。
人間さんは、私達を1匹も殺しませんでした。
私達が死ぬと、社会に非難されるからでしょう。
命を奪うのは『やり過ぎ』。 その程度の認識のみで、生かされています。
その代わり気絶するまで殴るのは許されるそうです。
それでも稀に逮捕者が出て……だけど社会的地位の低い猫耳族の所為にすれば、全ての犯罪を猫耳族に押し付けて丸く収まるそうです。 そして、無罪の猫耳族を適当に捕まえて来て牢屋に入れます。
牢屋は暗くて狭くて、酷い所だそうです。
1回だけ、猫耳族の仲間が入れられるのを見ました。
泣いて謝りながら、人間さんに尻尾を引っ張られて引き摺られていきました。
可哀想。
でも逆らったらどうなるか……もう蹴られるのは嫌だから、見て見ぬふりをしました。 その日は、罪悪感が凄かったです。
もう、こんな世界は嫌でした。
もう、人間さんは嫌でした。
もう、生きていたくありません。
だけど願わくば。 誰でもいいから、この地獄から救って下さい。
そして、その祈りは 叶う事になりました。
時は午前8時。
残酷を道理とする悪の結社の朝は早い。
「おはよう社畜の皆さん」
先ずは部下に威厳を見せるところから始まる。 くくっ。 恐怖心からか皆ビシッと立っていますね。 ある意味滑稽。
そんな恐怖の空間の中、私は今日の目玉だとばかりに捕まえて来た猫耳族2匹を皆の前に曝け出します。
くっくっくっ。 怯えてしまって。 これだけ大勢から注目されてるワケですからねぇ。
特に猫耳族。 耳と尻尾が生えている異端種族は注目のマト。
服もボロボロで、リーマンと比べられるレベルでなし。
くくっ。 この貧富の差がさぞ恥ずかしいのでしょう。 羞恥心で震えています。
私に捕まったのが運の尽きでしたね。
今までは、それでものうのうと生きてこれたのでしょうが本当の恐怖はここからですよ!
「通勤中、路地裏で見つけました。 栄養不足でヒョロヒョロでしたから、捕まえるのは楽勝でしたよぉ」
「今日から、コイツらも貴様ら社畜の仲間入りです! 人員不足で文句言っていた方、これで文句ありませんよね?」
猫耳が私の事を絶望に染まった眼で見ています。
当たり前でしょう。 今まで自由気ままに生きてきたのに、捕まって社畜にされるんですから!
「先に言っておきますが、私は獣人を歯車としか見ていない。 覚えておいて下さい」
猫耳の顔に、更に絶望の色が広がっていく。
今まで、猫耳だ、尻尾だと可愛がられてきたのでしょ?
良かったじゃないですか。
ですが、これからは そうはいきません。
なんせ、歯車なんですから!
「さて、では最初の仕事です。 その猫耳をかっぽじってよぉ〜く聞くが良いです!」
猫耳親子の顔に、更に絶望の色が広がっていく。 くくっ。 恐れ戦いていますね。
「先ずは風呂入って下さい!」
「え……?」
は? 私の命令に文句あるのですか?
「あ、あの、フロって?」
「風呂も知らないのですか!?」
なるほど。 コイツらは常識知らずでしたか。
これだから獣人は困りますねぇ!
「風呂は風呂! 身体を清める場所及び浴槽の事です!」
「場所はそこの突き当たり!」
「貴女達のような汚ねぇ『歯車』を見ていると、虫酸が走るんですよ!」
驚いた顔で俺の顔を見る猫耳親子。
そりゃそうでしょう。 今まで罵られなかったのでしょうから。
だけど、私は遠慮しません。
なんせコイツらは社会の歯車。 手下。 ハッキリ言わなきゃモノは分からない。
「お、お風呂に入っても良いのですか?」
母猫が不安と驚いた顔で、困惑気味に話し掛けてきます。
「さっさと娘を連れて入れて下さい。 これは命令です」
コイツ、命令してんのに全く動きません。 これだから獣人は…………。
「あ、ありがとうございます!」
泣き出しながら、浴室へと駆けていく猫耳親子。
言われたのが余程ショックだったのでしょう。
さて。 居なくなった事だし、次のステップを踏むとしますか。
休む暇なんてありませんよ?
続くか未定。 何か反する場合、削除する場合があります。