汚い猫耳親子を拾ったので虐待する事にした。   作:ハヤモ

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猫耳じゃなくて、とある犬耳の話。
ちょっと無理矢理感あるかも。 微エロかも。

更新や今後が心配で、不安定ですが、書いていけたらなと思います。


犬耳を お風呂に。 そして……。

 

ある日の裁判。

 

それを機に、世界は転覆していく。

 

猫耳族を拉致していた会社を、公僕が訴えたのが全ての始まり。

 

私は路地裏に流れてきた新聞を読んで、初めて知った。

 

あの日ほど、文字の勉強が無駄じゃなかったと思えた日はない。

 

 

《猫耳族、無罪!》

 

《前代未聞! 人間敗北!》

 

《拉致を承認か!? 問われる道徳》

 

《獣人族を社会に入れて良いのか!?》

 

 

その言葉が目に飛び込んだ時、見間違いかと何度も見た。

 

そして間違いじゃないのを知ると、不思議と涙が溢れて、止まらなくて。

 

私は仲間の群れに戻ると、何度も吠えた。

 

 

「やった! やったよ! 獣人族は認められたんだ!」

 

 

仲間は一瞬、犬耳を尖らし、尻尾を上げたけど直ぐに下ろして、

 

 

「でも猫耳だろ? 犬耳じゃない」

 

 

気持ちを いつも通り暗くしてしまった。

 

 

「で、でも」

 

「ナニを期待するのよ」

 

「人間同士の裁判だったんでしょ?」

 

「獣人族が直接戦ったワケじゃない。 人間同士の問題で終わらせられるよ」

 

 

そう言って、ソッポを向いてしまう。

 

確かに新聞の記事では、あくまで人間同士の裁判だったと書いてある。

 

やはり、期待してはいけないのかも知れない。

 

そう思うと、急に熱が冷めてしまった。

 

 

「…………ごめん」

 

 

そうして、私まで耳と尻尾を下げて暗くなる。

 

何度も人間さんに辛い目に遭わされたというのに、ナニを今更に期待しようか。

 

この時は、そう、刹那の期待を捨てた。

 

だけど、少ししてからだった。

 

犬耳族も喜んで良いんだって感じられたのは。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「犬耳族は、この辺ですかねぇ!?」

 

 

私は、わざわざ隣町まで来ています。

犬耳族を我が町に拉致って働かす為です。

 

モタモタしてると、他社に歯車を奪われてしまいます。

 

アイツらも、大抵は路地裏にいるもんです。

猫耳と同じくゴミ箱に悪戯。

 

 

「暇なら我が社に来てもらいますよぉ!」

 

 

咆哮しつつ手頃な路地裏へ。

 

薄暗い中、ガサガサと音が聞こえます。

 

それで目の前を見ますと、お尻のフサフサ尻尾を此方に フリフリしながら、ゴミ箱に顔を突っ込む犬耳族が。

頭隠して尻隠さずってとこですかぁ!?

 

隙だらけなんですよッ!!

 

 

「おらぁ! 悪い子はオシオキですっ!」

 

「キャウンッ!?」

 

 

首根っこの、着ているボロ布を掴み上げます。

 

すると、同じようにジタバタする犬耳族。

ふむ。 猫耳族よりパワーがありますねぇ。

 

 

「ですがぁ! そんなんで、振りほどけませんよ!」

 

 

やはりガリガリの貧相な身体。

私の拘束を振りほどけません。

 

残念ですね!

所詮、畜生は人間の下僕になるしかないんですよッ!

 

 

「酷い事する気でしょ! 離してよ!」

 

「嫌です。 貴女には私の元で働いて貰います」

 

 

すると、振り向いてサァ……と青ざめていく犬耳族。

 

くくっ。 良いですねぇ、その絶望顔。

 

ですが、更なる深みに堕ちて貰います!

 

 

「アソコで働くんですよ?」

 

 

そう言って、買い取った お城を模した建物を指さします。

 

煌びやかで、しかし闇の雰囲気。

魔王の城の様に感じられる、あの禍々しい建物。

 

犬耳、更に青くして 嫌がります!

 

 

「いやぁ! もう、もう痛いのは嫌ぁ! 薬もいらない! 気持ち良いのも要らないっ!」

 

「泣き叫んでも、貴女の運命は決まってるんですよ?」

 

 

くくっ。 この嫌がりよう。 闇の経験者でしたか。

 

なら話は早いです。 余計な手間要らずで、働かせられますよ!

 

 

「はっはっはー! これから毎日、苦しむが良いです!」

 

「いやああああああッ!」

 

 

路地裏に響くワンコの悲鳴。

私は暗黒微笑のコクを深めながら、魔王城へ連れ込みます。

 

さあ! 地獄の宴が始まりますよぉ!?

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

私は唯一の服を剥かれて、お城の建物の中にある風呂場に連れられてしまった。

 

手足は縛られてない。

視界も塞がれてない。

 

だけど、怖くて……とても怖くて、身動き出来ないよ……。

 

 

「くくっ! 舐めるような視線、ゾクゾクするでしょぉ?」

 

 

背広は、風呂場でも背広。

私の汚い身体をジロジロ見てくる。

 

きっと、そういう《ぷれい》なんだ!

 

この後、昔みたいに痛い事をされるんだ!

 

 

「ちっ! 汚いし、臭いますねぇ」

 

「これは タップリ薬品を染み込ませないとねぇ!?」

 

「ヒィッ!?」

 

 

薬品という言葉に、震えてしまう。

 

私は知ってる。

身体が熱くなって、息苦しくなるヤツだ!

 

嫌! それだけでも苦しいのに!

 

逃げたいのに、身体が萎縮して動かない。

 

足がガタガタしちゃって、逃げられない。

 

 

「逃げられるなら、逃げても良いんですよぉ? 出来るものならねぇッ!」

 

「ッ!」

 

 

私が逃げられないのを知って、高圧的な言葉を投げてくる人間さん。

 

 

「今日はウンと強力なのを持ってきました」

 

「安心して、ウンと気持ち良くなってしまえば良いですよぉ!?」

 

「あ……あぁ」

 

 

涙がボロボロ零れ落ちた。

 

イヤ……そんなの、苦しいだけ。

意識が遠のいて、身体中が痛くなって。

 

かつて一緒にいた仲間は、それで還らぬ子になっちゃったんだ。

 

私は、運良く……いや、悪く生き延びただけ。

 

 

「ひぐっ……ぐすっ」

 

 

きっとバチが当たったんだ!

 

あの時に死ななかったから、こんな目に遭わされているんだ!

 

 

「ふっふっふっ〜。 さあ、薬品を染み込ませて やりますよッ!」

 

 

人間さんは そう言って、頭から お湯を無遠慮に被せて、手を頭にのせ……。

 

 

「ッ!?」

 

 

ワシワシと優しい手つき で薬品を髪の毛に染み込ませてきた!

 

犬耳の裏側から先まで、丁寧に擦り、泡立てる。

 

良い香りが ふんわりと漂ってきて、自然と緊張がほぐれていく。

 

 

「くくっ。 どうですか、良い様にされて苦しいでしょお〜?」

 

 

気を遣ってか、苦しくないか聞いてくる人間さん。

 

純粋に気持ち良い。

苦しくない。

 

あれ……ひょっとして、良い人間さんなの?

 

 

「だ、大丈夫」

 

「そうですか。 なら、次の辱めも耐えられますよねぇ!?」

 

 

そう言うと、薬品が染み込んだのを確認してかザパァとお湯を再び掛けてくる人間さん。

 

付着した余分な薬品を付いていないのを確認して、次には、人間さんはスポンジを見せてきた。

 

 

「くくっ。 次は、これで身体中を擦られる屈辱と恐怖を味わって貰いますよ?」

 

 

そういって、今度はスポンジに別の薬品を染み込ませてモミモミし……泡立っていくサマを見せてきた。

 

またも良い香りが漂ってくる。

 

 

「上から下へ、泡だらけになるが良いです!」

 

 

人間さんは、首回りや、細い腕を丁寧に滑らかに洗っていく。

 

そのまま滑る様に、胸元からおへそへ滑り降りて、お腹を優しく撫で回し。

 

その流れで下半身も満遍なく洗っていく。

 

あっという間に泡だらけ。

でも、辛くない。

苦しくない。

 

逆に気持ち良い……。

 

 

「どうです! 恥ずかしいでしょう!?」

 

 

細い足まで到達した頃に、人間さんに声をかけられたけど、ウットリしちゃって返事を出来なかった。

 

 

(くくっ。 恥ずかし過ぎて返事もできなくなりましたか!)

 

 

考える間もなく、お湯を頭からぶっかけられて薬品を落とされていく。

 

あれ……終わっちゃうの?

 

名残惜しさすら感じる手つきに、ねだる様に人間さんの顔を見る。

 

もう、恐怖なんて なかった。

 

 

「そんな顔しても、このサイクルは毎日続きますよぉ〜?」

 

「この建物を改装し、派遣会社の支社ビルに改造!」

 

「お前は、そこの派遣社員として働くのです!」

 

「衣食住を管理されてね!」

 

 

何を言ってるのか。

理解する前に、今度はタオルで乱暴にもみくちゃにされた。

 

表面の水分を吸われたと思ったら、今度は《てっぽう》みたいな道具を突きつけられ、熱風をかけられた。

 

一瞬、ビックリしたけれど。

 

その 温かさが心地良くて、人間さんに身を委ねてしまう。

 

 

「もうグッタリですかぁ?」

 

「これが毎日続きますよ、覚悟して下さい!」

 

「まい、にち?」

 

 

ああ……毎日されちゃうんだ。

ちょっと恥ずかしいけど気持ち良いアワアワ……。

 

 

「さあ! もう乾いたから充分でしょう!」

 

「次は服を着るんですよ!」

 

 

そういうと、グッタリした私をお座りさせて、上等な下着やら背広を着させてきた。

 

ボンヤリと私はソレを眺める。

ああ、お着替えさせられちゃってる……。

 

そんな……高価なモノを着させてくれるなんて……どう恩返しすれば……。

 

 

「くくっ! 着せ替えられて恥辱でしょう!?」

 

「しかも知らない人間がチョイスした下着を履かせられる!」

 

「そして無理矢理に企業戦士のユニフォームを着せられる!」

 

「なんて酷い! 私は その手の天才かも知れませんね!」

 

高らかに響く、背広の嬉しそうな声。

 

それが遠くなって。

私は闇の中へと堕ちていった。

 

 

……覚えているのは、この辺まで。

 

 

 

 

 

そうして気が付いた時には。

 

私は背広を着て、決められた事務所の席に座っていた。

 

ハッとして周りを見ると。

 

私と同じ様に背広を着て、働いている仲間の姿が。

 

あれれ。

 

いつの間に……社会の歯車に?

 

 

「おはよう社畜の皆さん!」

 

 

やって来る、あの時の人間さん。

 

挨拶をされたから、反射で挨拶をする。

それは皆も同じみたいで。

 

だけどイヤイヤじゃなくて。

みんな、尻尾をフリフリして喜んでる。

 

私の尻尾も、無意識にフリフリしちゃった。

 

 

「おはようございます! ご主人さま!」

 

 

そして、自然と口に出る《ご主人さま》。

 

え!?

 

ご主人さま!?

 

 

「ご主人じゃねーです! 何回言えば、お前らは学習するんですか!」

 

 

そして反論する人間さん。

 

反射でコレも謝ってしまう。

 

 

「すいません、ご主人さま」

 

 

あれ。 勝手に口に出ちゃう。

その度に喜びを感じちゃう。

 

 

「ワザとですか? そんな子達は お風呂の刑ですよ!?」

 

「「「はい、ご主人さま♡」」」

 

 

自分って ちょろいな、と思った。

 

そして無意識に行動や口に出ちゃうくらいには、私たちは今、幸せ者なんだとも思った。

 




気が付いたら、社畜になって従順になっている恐怖。

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