汚い猫耳親子を拾ったので虐待する事にした。   作:ハヤモ

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駄文更新。

入社前から虐待は始まっていた? 拉致の経緯。

書くのって、とても難しいですね……。 書いてる人が凄いと思います。


残酷で親切との出会い

毎日が辛かった。

 

それでも生(せい)にしがみついて、我が子を守らなきゃと、今日も目を開ける。

 

陽がのぼる前には起きて、路地裏をこそこそと移動して、ごはんを探します。

 

ごはんと言っても、人間とは違います。

ちゃんとしたパンや水は手に入りません。 ゴミ箱や飲食店の裏に捨てられた残飯を漁ります。 水は雨水や公共のトイレの水道から手に入れます。

 

昼間と夜もおおよそ同様です。

お店の裏に捨てられたくず野菜を口に入れ、夜は、屋台の人間さんが捨てて帰ったくず野菜、コンクリートに落ちた食べカスを口に運びます。 どれも生臭いです。

 

まともなのは、コンビニというお店の裏に捨てられた、消費期限切れの弁当です。

 

丸ごと中身が残っていて、とても美味しそうだけれども、私は食べることができません。

 

私達よりずっと身体の大きな子が、縄張りにしているからです。 その子だけが ごはん にありつくことができます。

 

それを、私達は眺めているだけ。 ハンバーグやスパゲッティって、どんな味がするのか想像しながら。

 

 

(いつか、ちゃんとした食事を この子に食べさせてあげたい)

 

 

思っても仕方ない。 いつまでもこうしては居られない。 人間がやって来る前に動かないと。

 

昼夜問わず、なるべく目立たないようにしないといけない。

 

猫耳族は人間の標的。 特に子供を見ると意地悪をします。

 

連れて行かれた子は、ボロボロになって帰ってくるか、二度と帰ってこないかのどちらかです。

 

 

「お母さんから離れちゃダメよ」

 

 

私達は、頭からフードをかぶって耳を隠す。服の中に尻尾も隠す。 それでも、ちゃんとした食事の事が頭から離れなかった。

 

だからか。

 

あの人が近付いてくるのに気づけなかったのは。

 

 

「おやおや〜。 良いところに歯車が」

 

 

路地裏の生ゴミあさりに夢中になっていると、後ろから声がした。

 

中性的な人間だ。 よく見かけるスーツの格好。 つまり、乱暴で怖い大人だ。

 

捕まると、きっと痛いことをされてしまう。

なんとか走って逃げようとするけれども、我が子が捕まってしまった。

 

 

「ショコラ!」「お母さん助けてっ!」

 

「捕まえましたよ。 禄に食べてない、ガリガリの子供の足で、私から逃げれるとでも思いましたかぁ?」

 

「離しなさい!」

 

 

必死に手足で殴りかかって助けようとする。

けれど、相手は人間。

 

拳にどっしりした、まるで木でも殴ったかのような感触が返ってきて、助けるのは困難だと痛感してしまう。

 

そうこうしているうちに、この人間は娘を どんどん、どこかへ連れて行く。

 

娘を奪われてなるものか。

 

私は必死に、無駄だとしても殴ったり蹴ったりして人間を攻撃し続ける。 表通りに出て怪異の目で見られても構わず続ける。 無駄だとしても。 それでも。

 

やがて 何かを想像した すれ違う人たちが、ヘッヘッと私を見てきた。 暴力と欲望を混ぜた怖い瞳。

 

それを私は知っている。 他人の不幸を悦ぶ目だと。

 

脳裏に、人間に連れて行かれた仲間の姿がよぎった。 攫われた仲間は酷い乱暴を受けて死んでしまうか、もう動けないくらいボロボロになって帰ってきた。

 

今度は、娘と私がそうなる番なのだ。

 

そう思うと、ただでさえ貧弱な拳に力が入らなくなる。 虚しくて悔しくて。 抵抗する気力も失せて、手足から力が抜けてしまう。

 

運命を呪った。

 

 

ああ、神さま!

私は構いません。 でもどうか、どうか ショコラだけでも助けて下さい!

 

 

そんな私を見て、中性のスーツの人間は嬉しそうに笑った。

 

人生は終わった。 そう覚悟した。

 

 

「抵抗しても無駄ですよ?」

 

「貴女と娘は これから社畜となり、この世の歯車となるんです」

 

「「…………え」」

 

 

言われて、娘共々呆けた声を出してしまった。

 

娘は意味が全く分からず。

私は なんとか働き口を与えてやると聞こえて、困惑した。

 

何か裏があるんじゃないか。

好意的なものじゃない筈だ。

 

経験からネガティブな思考が働く。

だけど、それも段々と薄れていく事になる。

 

 

「此処が今日から勤める社畜の檻ですよ!」

 

「ようこそ悪の結社へ!」

 

 

何を言ってるのか分からないけれど。

この時、脱力した私達は この人間の言う事に従うしかないと思った。

 

時は午前7時半過ぎ。

この約30分後に私達は皆に、仲間となる人間さんに紹介される事となった。

 




続くか未定です……。

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