汚い猫耳親子を拾ったので虐待する事にした。   作:ハヤモ

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不定期更新。

驚愕の お気に入り数やUA、まさかのランキング入り……!?
皆さまの愛、ありがとうございます!

一方で他の方々のを参考にしている手前、罪悪感や緊張が酷い事に。
展開も深く考えておらず……。
だれかたすけて(殴)。

一部書き直し。


不自由の中の自由

不自由の中の自由

 

猫耳どもめ。

拉致を躊躇するかと思いましたが、直ぐに終わらせてきやがりました。

 

新人の癖に生意気なんですよッ!!

 

 

「ですが! 早く終われば早く休めるワケじゃねーです!」

 

「早く終われば早く次の仕事を与えられるんですよ。 残念でしたね!」

 

 

洗脳された歯車共が、私の声に猫耳を傾けます。

 

 

「我が社における猫耳どもの労働時間を伝えます。 そして絶望しろぉ!」

 

 

一般社畜に聞こえるように、高らかに叫びます。

 

くくっ。 公開叱咤の部類、悪の極み!

 

 

日々のダーク★ワークは、過酷な道です。

 

これから楽出来る事は一切なし!

 

そういうわけで、説明をしたら、

 

 

「……あの、質問しても いいですか」

 

「はいぃ?」

 

 

母猫が、発言してきやがりました。

 

どうせ文句が来る事は想定済み。

 

社畜の運命に歯向かう輩は、珍しくないですからね。

 

素人から玄人まで、言う奴は言いやがります。

 

生意気です。

 

ですが私は寛容なので。

聞かせてもらいましょう。

 

 

「終業後……17時以降の空白は、私たちは どうすれば……」

 

「……はい?」

 

 

またナニ言ってやがるんですかね?

 

てっきり黒い内容に文句を言ってくると思っていたんですがねぇ。

 

別命あるまで仲間を勧誘。

午前8時までに この部屋に集合。

そして基本17時までに仕事終了。

以降に仕事をする際は報告して許可を得る。

 

口頭の簡易説明でこの過密さ。

だというのに、内容ではなく以降の話をしてくるとはね……。

 

 

「勝手にすれば良いです」

 

「はい?」

 

 

意味不明だと首を傾げるんじゃねーです。

 

母猫だけじゃなく、娘含む猫耳どもはハテナマークを浮かばせてます。

 

ははぁ、コレはアレですね。

 

畜生どもは、今までのノーワークライフに慣れ切ってんです。

 

自由の意味が分からないのです。

 

ふざけるんじゃねーですよッ!

 

 

「しょうがない畜生どもですね。 教えてやります」

 

 

私は再び口を開きました。

 

悪の所業、堕落の数々を。

 

食事、買い物、洗濯、料理、宿泊室の清掃といった家事全般。

他にはゲームに漫画。 街に遊びに行くとか。

 

なんなら恋とか。

 

畜生がやってこなかった事を書き込んでいく。

 

畜生は驚きの余り言葉もねえようです。

 

こういった娯楽を制限させられて……しとけば良かったと後悔しても、もう遅い!

 

それを見た猫耳、またも絶望!

 

見ていて良いッ! 良いですよッ!!

 

これだから虐待は止められません!

 

 

「つまり、好きに使える時間なんです」

 

 

呆然としている猫耳達。

 

これから束縛された生活を感じて、改めて絶望しているようですね。

 

 

「……ッ、本当ですか?」

 

「はぁい?」

 

 

出た。 社畜技。

 

なにが、本当ですか、だ。

 

上司に歯向かう言葉選びですねぇ!?

 

まあ。 精々の抵抗は こんなものですかね。

 

己の無力を感じながら、絶望の漆黒空間へ堕ちて行くと良いですよッッ!!

 

 

「ふっふっふ〜。 許可しますよ、嫌なら路地裏暮らしに戻るんですねッ!」

 

「ッ!」

 

 

私のダークネス★スマイルを見て、母猫は手で口元を抑えて俯きます。

 

いいねぇ、この感覚!

 

正しく虐★待!

 

それが今、行われてる現場の悪の空気ッ!

 

最高ですねぇ!

 

 

「さあ、早速午後の仕事と行きましょう、社畜の皆さん」

 

 

一般社畜の皆さんは昼食も終わったことです、仕事に戻って貰います。

 

私の号令に、社畜は各々動く。

 

午後の気怠さと睡魔に襲われる苦しみ。

早く終わって欲しい時ほど感じるトロい時計の針。

 

聞き飽きた打ち鳴らすキーボード音は地獄のようですかねぇ!?

 

 

「あの、猫耳の私達は」

 

「ああ、今日の午後は、とりあえず適当に着席しなさい」

 

 

こいつら猫耳は、知識が足りてねぇです。

このままでは、出来る事に制限があり過ぎです!

 

完璧な歯車にする為に、教育しますよ!

 

自分で考え、私と社の為に回る歯車。

それこそ本来の社畜の形。

 

私はホワイトボードに向かい、ペンを持ちます。

 

そして一般社畜がスタンバったノートと鉛筆を、畜生どもに配り、こう言い放ちます。

 

 

「さぁて、大嫌いな勉強の時間ですよッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

背広に眩しい笑顔を向けられた時、涙が浮かびました。

 

人間は嫌い。 だけどこの人間は……。

 

夜のお店で、嫌悪感を人間相手の時に少しでも出してしまえば、経営者に散々殴られ、蹴られて耐えて来た私。

 

その同じ人間に、だけど違う背広の優しさに心を温められて、思わず泣いてしまったのです。

 

 

「お母さん、よかったね」

 

「……ええ」

 

 

今日ほど、生きてきて良かったと、思った日は……きっとない。

 




謎の緊張が。 ががが。

この先どうなるのか……。

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