TRUNKS THE STORY -目覚める戦士達‐ 作:ちーにょす
BOOM!!!
先生の挑発に乗ったかっちゃんが周りを顧みずに爆発で勢いをつけて飛び出す
「ぶっ倒す!!!」
「待ちたまえ爆豪君!いくら先生が良いと言ったからって個性をむやみに使ってはダメだ!」
やはりというべきか、かっちゃんは飯田君の制止も聞かずにその勢いを更に増していく
それどころか…
「大丈夫だよ飯田君、彼が俺に攻撃を当てるなんて不可能だからね」
「一人だけじゃつまらないからみんなも見てないでかかってきなよ」
「ぶっ殺す!!!!!」
かっちゃんはさらに怒り狂って右腕を大きく振りかぶる
(何言ってんだあの先生!いくら何でも無茶苦茶だ!)
そして動く気配もない棒立ちの先生の顔面目掛けてその手を降り抜く
「死ねこのクソがああぁぁぁ!!!!」
BOOOOM!!!!!!
(やっちゃったよ!先生もろに食らっちゃった!)
と、思っていた
だけどコンクリートの床を削り取った爆発の巻き上げられた煙が晴れたとき、先生の姿はそこになかった
「おい先生どこ行っちまったんだよ!」
「まさかアイツ消し飛ばしちゃったんじゃねえの!?」
立ち尽くしていたかっちゃんがその言葉に即座に反応する
「そんなわけねぇだろうがぁ!ぁあ?」
振り返った鬼の形相のかっちゃんが困惑の色に染まる
「どうした爆豪?」
「それがてめぇの個性か」
かっちゃんがにらむその先は僕たちがいる場所よりも更に後ろ
その目線の先には、
「個性なんて使ってないさ。ただ少し早く移動しただけでね」
先生がいた
(どーなってんだ!瞬間移動の個性!?でも個性じゃないって…いやいやいくら何でも正面から後ろに動いてたら絶対に気づくはずだ!)
「もしかして見えていなかったのかい?それじゃあヒーローなんて無理だろうな」
「ふざけんなああ!!」
かっちゃんの顔が怒りと戸惑いでひどく歪む
「先生!それはあまりにもひどすぎませんか!確かに俺たちの実力はプロヒーローには遠く及びませんが、その差はこれから雄英で埋めていくわけで…!」
「君はさっきから口だけでそこから動こうともしないな。敵は君のその足踏みと空想の三年間を待ってはくれない!」
「そ、それは確かにそうですが…」
「君の個性はスピードが自慢なんだろ?さっきの俺の動きは見えたのか?あれこれと理屈と言い訳をこねる前に、かかってきな!」
「クッ……うおおおおおお!!!」
「飯田君!」
「すまない緑谷君!俺を止めないでくれっ!!」
「ほら、ほかの人も見てないでかかって来なよ!」
気合とともに飛び出した飯田君を筆頭にみんなが続々と先生に向かっていく
「俺をシカトしてんじゃねえ!!」
「ガチンコ対決だ!」
「どうやって先生をとらえようかしら」
「我が暗黒は光速を覆い尽す…」
「キラメキなら僕も負けないよ!」
(轟君、八百万さん、口田君以外はみんな先生に向かっていってる、けど同時に戦えるのはせいぜい3、4人。また移動するかもしれないしここは様子を伺いつつ出現の警戒がベター…)
ポンっ
「君は何もしないんだね」
一瞬の悪寒、状況を理解することもできずに反射的に振り向いたとき
「その力使わないのかい?」
「え…」
〜〜〜
(十分くらい経ったしもういいかな)
「はいっ!終わり!」
生徒たちは不意を突かれた、というよりもその一言を待っていたかのように緊張を解く。その場にへたり込む者、悔しがる者、構えを解けないでいる者、様子は様々であったがやはり…
「勝手に終わってんじゃねえ!!!」
爆豪君だけはあいもかわらず突撃してくる
(その心意気はいいんだけど…)
左手を真っ直ぐに突き出し気合いで彼を制止する。見えない壁にぶつかった様に戸惑い、そして僕の目を見て彼は渋々退散する。
「それじゃあ講評といこうか、全員集合!」
まず、と話し始めようとした途端、これもやはりというべきか生真面目なあの男子生徒が手を頂点に挙げる
「先生!あの先程の模擬戦闘は一体何のために行われたのでしょうか!」
今それを言おうと思ってたんだけどな…
「まずそのことから話そうかな」
「単に点数や書面だけじゃわからない実際の君たちの純粋な"戦闘力"を計ることが目的だった。つまるところどれ程の敵に対抗しうるか…」
「このクラスの現時点での強弱も知りたいことの一つだったんだけど、それよりも大事なことはこれからどれだけ成長するかの可能性。君たちがだらしない学校生活を送らないように今からその現時点での順位を発表したいと思います」
全員の顔が引き締まる。ほとんど全員が雄英に合格したという自負とあからさまには出せない秘めた対抗意識、それを目に見える形で提示される二回目の場。
「まず、最も見込みがある人は…」