IS大戦〜無限の宇宙(ソラ)に飛び立て乙女〜再演版 作:帰ってきたクフフのナッポー
時は
日本の首都である帝都『東京』。その都市部から遠すぎず近すぎずといった距離にある家に一人の老人が住んでいた。
彼の名は
若かりし頃は帝国海軍の軍人を目指し士官学校を主席で卒業。その後、霊力と呼ばれる力を使い、帝都に住む人々の平和を脅かす異能の存在と戦う部隊『
かつての上官から
「まだ帝都には怪人達による事件が起こるがそれでも俺達が若い時に比べて幾分か平和になったよ、さくらくん。ああ、それと今度の土日に子供達が来るんだ…」
隠居した大神は妻であるさくらの遺影を前に話をするのが習慣となっていた。新聞の記事やその日あった出来事などを話すと不思議となくなった妻が今も自分の側にいてくれると感じるからだ。
だが、その日は違った。
「大神くん…大神くん…」
大神がさくらに話しかけてると天から女性の声が聞こえた。そして大神にはその声の主が誰か心当たりがあった。
「この声、もしかしてあやめさん?」
大神が海軍の士官学校を卒業して帝劇に配属されて1年目のときに出会い、その年にあった『
そんな彼女の声が何故今聞こえたのか?気になった大神はあやめの声をもっと聞こうと家の庭に駆け出して空を仰ぐ。すると天から一筋の光が大神に目掛けて落ちてきた。
「なんだあの光は?こっちに落ちてくるぞ!」
歳をとり心身ともに若い時に比べ衰えた大神は反応が遅れ、光を避けることができずに直撃した。
「ごめんなさい大神くん。でも未来を…霊力の技術が消えたも同然の未来で降魔の脅威から世界を救えるのは貴方だけなの…」
(あ…あやめさん…?)
光に飲み込まれ意識が薄れていく中あやめの声が聞こえた。光が消えるとそこには大神の姿がなく静かに風が吹き抜けただけだった……
後日劇場関係者が大神の自宅を訪ね、彼が失踪している事が発覚。警察と軍が日本中を探しても行方が分からず、彼は消息を絶った。
だが、大神一郎は死んだわけではなかった。
「う…うーん…ここは?」
頭がボンヤリとする中大神は目を覚ました。周囲を見るとどこかの病院の一室のようで部屋の中には自分が寝ていたベット以外にも他にもベットがあった。
(あやめさんの声が聞こえて庭に出た後は…駄目だ思い出せない。あの後意識が薄れていくのは感じたから多分そのまま倒れて誰かが病院に運んでくれ……あれ?)
何故病院にいるのかを考えながら自分の頭に手を当てると大神はあることに気がついた。それは、
自分の体を触って確認すると自分の体が5歳児ぐらいになっていることや、他のベットにいるのが皆が今の自分と同じぐらいの子供であること。そして極め付けが…
「一郎!アンタ熱は下がったのかい!?私やこの子が誰だか分かるかい?」
「あぁぁ、もう大丈夫だよ姉さん。新次郎も元気そうだね」
自分の歳の離れた実姉、
彼女の話では大神は突然高熱を出して病院に緊急搬送されて三日間まるまる寝込んでいたらしい。
だが大神本人としては事の経緯なんてどうでもよかった。
彼にしてみれば自分と姉が若返っていることに大きく驚いているし、姉の両手に抱っこされている赤ん坊の甥を見て『新次郎は赤ん坊にまで若返ってる』などと思っていたりとでパニック状態であった。幸い、姉や医者からは熱が下がったばっかりだから判断能力が一時的に鈍っていると思われているようで不審に思われずにいた。そして彼にとって最も驚きだったのがカレンダーに書かれてある元号だった。
「姉さん。今の元号って
「何言ってるんだいアンタ?太正なんて100年も前の時代じゃないか。今は
双葉が指差したカレンダーには確かに平盛と書かれてあり、その事実が大神の頭にある事実を知らしめることになった。
(この時代は…俺が生きた時代より遥か先の未来だ!なんでか知らないが、俺は未来の俺に…この平盛の時代の大神一郎に転生したのか!)
呆然とする大神。
はたしてこの先彼に待ち構える運命はどうなるのか。それは誰にも分からない。
〜次回予告〜
あやめさんの声に反応して平盛の時代に若返って転生した俺、大神一郎。
昔と同様、海軍もとい海上自衛隊になろうと思っていたが、男のIS操縦者を調べる検査でISを起動してしまった!
これからどうなるのか不安な俺の前に現れた人達は…!
次回、IS大戦。新たなる舞台IS学園!
平盛の空に浪漫の嵐!
「久しぶりだな。大神!」
「あ、貴方は!」