俺と運命の物語(仮)   作:桜井舞人

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俺と弟の再会

「先生……毎度のことながら言わせてもらいますが……ここは俺のベットですよ。」

「む……すまん、また間違えてしまったようだ。

最近徹夜が多くてな……どうも疲れが取れん。」

「えっと……今回の仕事は九条ビルのデザインでしったけ??」

「あぁ、それもそうだが、また面白い仕事が入ってな。」

「あぁ、今までにない人形を作って欲しいとか言う。」

「そう、それだ。アレは私に対する挑戦と受け取ったね。

人形師の私に新たな人形を作れとは……」

「餅は餅屋ということですよ、先生。

それで……先生??いつまで俺に抱きついてるんですか??

もうそろそろ仕事にかからないと、納期は明日のはずですよ??」

「お前も結構言うようになったな。もう少し位良いだろうに。

寝起きで頭が回らないんだ。」

「コーヒー入れますから離して下さい。」

「嫌だ。少なくても後30分はこうしていろ。」

「今日はお客さんが来るんですよ。早く起きてシャワーを浴びてきて下さい。」

「誰が来るって??」

 

『魔術師殺しとアインツベルンのホムンクルスです。』

 

「随分と面白い客だな。一体誰の差し金なんだか。」

 

そう言っていっそう力を入れる先生。

どうやらというか、やはりというか30分は動く気がないらしい。

こうなるとテコでも動かないので、あきらめる。

ただ、やられっ放しも性に合わないのでこちらも抱きつくがね。

抱きつくと、んっ、っとくぐもった声が聞こえる。

 

「最初から素直にそうしろと言うんだ。」

「何か言いました??もしかして痛かったですか??」

「別に……もう少し力を入れろ。」

「はいはい。わかりました。」

「それで、その二人はいつ来るんだ。」

「えっと……午後と、聞いてます。

何分冬木から来るそうで、これと言った時間は分からないそうです。」

「わざわざそっちから……大変なことだ。」

 

神○から○京まで出てくるのは大変だよね。

しかしとうとうご対面かぁ……。

あの3人を助けてからもう2年がたったのか。

去年の今頃はフィナに第五魔法をぶっ放してたな。

今は猫のような人が、猫のような行動をして、猫のようにあやしている俺。

最近は7:3のツンデレだった橙子さんが、4:6になってきた。

勿論ツン比が7だったんだけどね。

どういう心境の変化なんだろうか。

うん……そして俺何やってるんだろうね。

 

「しかしアレですね橙子さん。随分と珍しくないですか??」

「何がだ。」

「現役を退いたとはいえ、魔術師殺し……衛宮切嗣の依頼を受けるなんて。

彼は封印指定の代行者だったんですよ??」

「む……そのことか。まぁ金払いがよかったことが一点。

面白い依頼だった事が一点という所だな。

何せホムンクルスの代わりの体を作れという依頼だ。

中々体験できることではないだろ??

しかもあのアインツベルンのホムンクルスのだぞ。」

 

まぁそう言うと思って切嗣に情報を流したんだけどね。

あの程度の人形じゃ、とてもじゃないけどガタが来るだろうしね。

そーいや、イリヤはどうなったんだろう。

士郎と一緒に暮らしてればいいけど……

 

30分がたって、やっと離してもらえた。

ちょっと名残惜しいのは内緒である。

朝食の準備に取り掛かると、「風呂に入るぞ」と引きづられるが、それは困る。

私のジュニアの戦闘力が跳ね上がってしまう。

命からがら脱衣所を離脱。

 

朝食を作り始める。

今日はきのこ雑炊ととろろ昆布とオクラのお吸い物。

さわらの照り焼きと春菊とセロリ、くるみのサラダだ。

橙子さんの寝不足発言が気になったので、胃に優しいものが中心だ。

橙子さんはコーヒー党なのだが、今日は和食だから緑茶を入れる。

この程度のメニューなら15分も要らない。

準備があらかた終わると、ムスッとした橙子さんが脱衣所から出てきた。

 

「何故一緒に入らん。」

「俺は男ですよ、橙子さん。」

「知っているが??」

「思春期のいたいけな少年に対して、一緒に入ろうとは残酷ですよ??」

「どこにそんな可愛げのある少年がいる。」

「さぁ……何処にでしょうか。」

「少なくとも、別にもう恥ずかしがる関係ではあるまい。」

「あーソーデスネー。」

「不満があるのか??」

「小学生に手を出す大人な女性とは何ぞやと問いかけたい所です。」

 

そう、2週間位前に橙子さんとパスを作った。

これは生殖行動のテストのついでに行われた。

一様橙子さんはもう人形のボディな訳だ。

そこで妊娠ができるかのテストを行った訳だ。

まぁ結果としては失敗した訳だが、パスは作りましたという訳だ。

よく考えて欲しい。

9歳に精○を出せると考えるほうがおかしい。

つまりそういう訳だ。

これ以上この話はしない。

無しったら無し!恥ずかしいわっ!!

 

「最近の子供は精通がはy「俺はまだ無いっ!」そうか……

まぁお前が中学になったらもう一度テストさせてもらう。」

「俺の意思は??」

「師匠命令だ。この実験によって子供が妊娠すればすごい事だぞ。

何せ、人形に妊娠させることができるんだからな。」

「そこに魂が宿って入ればですよね。」

「まぁな。まぁ朝からする話題でもないか。頂きます。」

「はい、頂きます。」

 

橙子さんは食事中黙る。

躾の厳しい家庭だったのだろう。

俺はそんなこと気にしないが、郷に入ったら郷に従えというし、まぁ黙って食う。

 

「ご馳走様。うまかったぞ。」

「はい。コーヒー入れますから、早くその格好をどうにかして下さい。」

「はいはい。では頼んだ。」

 

はだけたワイシャツに下着しか着ていない。

家族を男としてみない女性陣みたいな感じです。

だらしない姉だと思いつつも、橙子さんは俺のお気に入りだ。

だから、ついつい淡い恋心を抱いてしまう。

というか蒼崎姉妹は俺の好みを完璧に抑えている。

本当、毎日我慢するのがつらいです。

 

そうこう考えている間に、洗い物は終わりコーヒーメーカーの中身を注ぐ。

丁度いいタイミングで部屋から出てきた橙子さん。

コーヒーを手渡すとふーと息を漏らし、タバコに火をつける。

それを確認して俺も火をつけた。

俺のはタバコではなく薬草だがね。

さすがの橙子さんもタバコは認めてくれなかった。

理由は教えてくれない。

 

「さて、キョウ。仕事は……」

「とりあえず昼食までで。

依頼人に連絡してみて、それから考えましょう。」

「分かった。しかしお前がいると本当に助かる。」

「俺がいないと本当に不安になります。

お金遣い荒いし、不摂生な生活をするし、納期も守らない。」

「耳が痛いな。」

「駄目ですよ……いつまでもここにいる訳にも行かないでしょ。」

「お前が望むならいつまでもいていい。

そう、私は考えている。」

「橙子さん……」

「キョウ……」

 

「あー、すまない。その早く着すぎたようなんだが……」

 

そこには4人の人物がいた。

衛宮切嗣。

士郎。

アイリスフィール。

そしてイリヤスフィール。

何とかなったらしいな。

 

「こ、これは衛宮切嗣様。お待ちしてました。」

「いやぁ、すまない。本当に早く着すぎたようだね。」

「いえ気にしないで下さい。それでは……改めてご用件をどうぞ。」

「私の妻と娘に、人形を作って頂きたい。」

「妻というのは……後ろの方でいいのか??」

「はい。私はアイリスフィール・フォン・アインツベルン・衛宮です。

私はこの体もすでに人形なのですが……そのガタがきてしまって……。」

「成る程な。それで私という訳か……それで娘さんは……」

「イリヤスフィール・フォン・アインツベルン・衛宮といいます。」

「イリヤは……成長を望めない肉体なのです。」

「成る程な。アインツベルン……冬木から来たといったな。」

「はい。」

「聖杯戦争……アインツベルンの担当は聖杯らしいな。」

「は、はい。」

 

クックックと悪党笑いをする橙子さん。

まぁ考えてることは“面白い”なんだろうけど。

 

「橙子さん。もうその辺にしてあげましょうよ。」

「おっと、そうだったな。

依頼は受けるが、前金が欲しい。

作りたいのは山々なんだがね、材料がない。

中古でいいならそこら辺にいくらでもあるがそうもいかないんだろ??」

「えぇ。どれ位でしょう。」

「二人分だ易くて200。ちゃんとしたので500は欲しい。」

 

うわ。

真面目にやるんだ。

一体あたりに大体コストが500万かかる。

だから大体その半分を前金で払ってもらうシステムにしている。

まぁ完成品は700万位がいつものパターンだけど……

 

「いえ、見積もりを出していただきたい。」

「ほぅ。なら話は早い。今回は1500万だ。

完成には早くて2ヶ月。遅くて半年かかる。

何分私もホムンクルスの人形は作ったことはないからな。

手探りの作業になる。

基本は人間と代わりがないだろうが、適合しなくては意味がないからな。

どうだ??」

「ここに2000万用意してあります。

残り500万も作業費にあてて頂いて構わないのでお願いします。」

「了解した。

早速取り掛かりたいが……簡単に診察して構わないだろうか??」

「えぇ、お願いします。」

「切嗣様はどうぞこちらへ。」

「はい。では、お願いします。」

「では1時間後にこちらに来ますので。

それでいいですか橙子さん??」

「構わん。」

 

失礼しますと挨拶を済まして部屋を後にした。

衛宮切嗣と士郎を応接室に案内した。

すると切嗣が話しかけてきた。

 

「2年振り……だね。あの時は助けてくれて助かったよ。」

「おぼえて……いるんですね。」

「ははは、知人に頼んでね。君の魔術を解かせてもらったんだ。」

「そうですか……差し出がましいことをしましたね。」

「とんでもない。おかげで妻も娘も助けられた。君の弟もね」

 

そうか、やはり調べはついているという訳だ。

まぁ当然といえば当然だよね。

 

「君は……2年間どうしてた??」

「修行してましたよ。俺にはまだ知らない事が多すぎるから……」

「こんな事を聞いて申し訳ないが、親御さんはどう「死にました。」

そっか……どうだろう、よかったら僕の家に来ないかい??」

「それは……」

「士郎と君は兄弟なんだ。一緒にいた方がいいんじゃないかい??」

「俺は家を継いだ身です。魔術師の貴方なら分かるでしょ。

いえ……貴方にそのこだわりはなかったんでしたよね。」

「うん。別に僕は魔術師としての使命感とかはないね。

でも、男として……父親としての使命感なら持っている。

香耶君……衛宮の家に……僕の家に来ないかい??」

「考え……させて下さい。僕には一応養父もいますので。」

 

その言葉にびっくりしたらしい。

感情を表に出すようになった切嗣に俺はびっくりしてるけどね。

 

「あ、蒼崎橙子は結婚してるのかい!?」

「いえしてませんよ。」

「あ……え??じゃぁ誰が君の養父(ちちおや)なんだい??」

「いやぁ、聞いたらドン引きするんでやめときましょう。」

「え!?そんなに酷い人なのかい!?」

「えぇ。家は四六時中空けて、約束は守らない。

家の中の世話は俺に任せて、自分は一人旅に出るんですよ!!」

「あ、あははは……。(やばい、それは僕とそっくりだ。)」

「全く。爺の癖に自重という言葉を知らない。

帰ってきたら修行に行けと言ってここにたたき出す次第です。」

「ま、まぁ考えておいてよ。」

 

冷や汗を流す切嗣。

そりゃぁそうだ。

似たような点が沢山あるんだしね。

 

「なぁ、アンタ……アンタが俺の兄ちゃんなのか??」

「そうだよ士郎。俺が君の兄、相楽香耶だ。」

「ふーん。なんで髪が白いんだ??」

「魔術刻印が原因でね。俺とお前の父さんもこの髪の色だ。」

「アンタも魔術が使えるのか!?」

「ん??士郎も使えるぞ。忘れてるだけさ。

まぁ、こんなもん使えないほうがいいと思うがね。」

「なんでさ。使えれば、沢山の人を守れるだろ??」

「士郎。誰かを守ると言うのは、誰かを見捨てるって事なんだ。

今のうちに誰を守るか決めておくといい。」

「なんでさ。何でそんな事言うんだよ。切嗣もアンタも……」

「士郎……ヒーロー戦隊モノ好きか??」

「あぁ!」

「じゃぁ誰を守ってる??」

「そりゃぁみんなさ!」

「じゃぁ敵は??敵はどうしてる??」

「それは……倒してる。」

「そう。ヒーローは敵を倒してしまうんだ。

敵を倒すということは、敵を守らないという事なんだ。

つまりヒーローは、みんなを守るために敵は見捨ててるのさ。

士郎。敵にとってヒーローは敵。

ヒーローの敵は、敵なんだ。

だから互いに戦って倒そうとする。

自分の言い分を通すために。

100を助けるためには1を見捨てなくてはいけないんだ。

士郎……それは悲しいことだよ。

士郎にとって大切な人が1だとする。

でもその人を助けると周りに迷惑がかかる。

そういう時はどうする??」

「助けるに決まってるじゃないか!!」

「ヒーローの場合はね……見捨ててしまうんだ。

それはね……みんなのヒーローだから。

だからさっきの話になるんだ。

お前の、守りたい人を決めておかないと、みんなのヒーローになるぞ。

大切な人を守れなくなる。

いつかわかるよ。

10よりも……たとえ100万よりも大切な1の存在を。」

 

難しい顔をしている切嗣と士郎。

この話題はしょうがない。

でも今の内に言っとかないと、アーチャーになるからな。

 

「そうだ……切嗣さんにお願いがあります。」

「なんだい??」

「士郎に……魔術を教えてあげて欲しい。」

「それは……「聖杯戦争に選ばれてからでは遅いんです。」!!」

「どういう事だい??」

「聖杯は使うことなく砕いてしまった……。

あの溢れんばかりの魔力は使われていない。

なら、起こる時間が早まってもおかしくはないんです。」

 

実際10年で起きている訳だからな。

士郎にも強くなってもらいたいしね。

 

「成る程……でも何故士郎なんだい??」

「貴方が入れた鞘ですよ。」

「そうか……触媒に使った鞘……。」

「士郎の得意な魔術は投影です。属性は剣。

それ以外はからきしです。

ですが、構造把握能力、それと魔術回路は27本と破格です。」

「そ、そんな事まで調べてあるのかい??」

「貴方の後継者になれますよ。

もっともその気はないでしょうが、基礎だけでいい。

自衛ができない愚かな魔術師に付きまとうのは死だけです。

お願いします!!」

「わかった……士郎に魔術を教えよう。

だけど僕のようにはしないし、させない。」

「ありがとう御座います!!」

 

計画通り(ニヤリ

これで士郎がパワーアップ。

こういう小さな原作ブレイクって重要だよ。

いや……大きいか。

イリヤがいるし、アイリと切嗣も生きている。

あー桜を助けなきゃ。

俺あんま好きじゃないんだけどねー。

どちらかと言うと黒桜の方が好き。

でも俺ヤンデレ好きじゃないからね。

俺はギャップ萌であって、メンヘラとか興味……ないよ??

 

もう一時間経ってるな。

そろそろあちらに向かおう。

あーそろそろ動き出さんと、本格的に。

 

 

 

 

「失礼します。診察は……終わってるみたいですね。」

「遅いぞぉキョウ。」

 

うわ、なんで今このタイミングでデレ入ってるの??

マジで困る。

 

「いえ、すみません。結構話し込んでしまって。」

「えぇ、僕達……知り合いだったもんですから。」

「なぁ兄ちゃん。俺見つけて見せるから、大切な1を。」

「頑張ってな。」

 

マジで空気読んで士郎君。

このタイミングじゃないでしょう。

切嗣も相当焦ってるじゃん。

 

「そ、それじゃぁお暇しようかアイリ。」

「??……それじゃ、失礼します。橙子さん続きはまた。」

「あぁ、待っている。すぐに作らせていただく。」

「じゃぁね、お兄ちゃん♪」

「みつけてみせるから~~~!!」

 

あ、嵐は去った。

そして初発言がじゃぁねってどうよ、弟子一号。

いや、イリヤスフィールよ。

 

「キョウ。お腹すいた……なにかスタミナつくものが食いたい。」

「分かりましたすぐに仕度を……」

 

皆さんお分かりですね、またもや貞操の危機です。

おそらくアイリスフィールの仕業です。

いや、間違いない。

面倒ごとばっか増やしていくなよ~~~!!

ばっきゃろーーーーー!!

 

 

 

俺の叫びはむなしく、転生2年目は始まった。orz




正直にすみません。
説教パート長すぎました。
そして見逃してください、橙子ファンの皆さん。
そして一話ごとに過ぎ行く一年は作者の力不足です。
本当に申し訳ない。

まぁこれから蟲爺を潰しに行きます。
そして桜は……内緒です。
では次回もお楽しみに~~~。


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