青薔薇の歌姫と白き聖騎士   作:OSTO文明

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100話いつの間にか越えてましたね!
これから戦争が始まりますけども!!!
というわけでどうぞ


Nine noise 戦場パーティー

〔ここからsister's noiseを聴きながら読むことをお勧めします〕

 作戦開始十五秒前──緊張感が漂う中インカムを通して声が聞こえてくる。緊急の連絡かと意識を集中させた。

 

『せっかくだからよ、掛け声で始めようぜ?』

『いいじゃねぇか!坊っちゃんどうしますか?』

「悪くありませんけど……じゃあ言い出しっぺの京君お願い」

『うおっ、まじか。じゃあここはさっき全員に教えた快斗の台詞を借りて』

『えっ?』

 

 バイクのアクセルを握りしめていつでも行けるようにすると一人を除いた全員の声がインカムから聞こえてくる。

 

『『『『『『さぁ、地獄を楽しみな!』』』』』』

 

 その声と同時に紫の大きな骨手が見える。合図を受け取った僕はクラッチを回し、アクセル全開でトラックの中から飛び出す。骨手を追いかけるように宙を舞う。

 

『嘘だろぉぉぉぉぉぉ!!!???』

「ハハハッ!面白いなぁこれ!!」

「何で笑ってられるんですか!?」

「風が気持ちよくないですか?あと快斗君の反応も」

「それはそうかもしれないですけど!」

「あっ、そろそろ着地するんで舌噛まないよう気をつけてください」

 

 ドスンと地に落ちたバイクは壊れることなくそのまま進んでいく。さっきの骨手はスタジアムの壁を破壊してくれたのでその穴に向かって走る。勿論回りには敵がいっぱいだ。それを無視するようにバイクを走らせる。

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「ん?紗夜さんちゃんと捕まっててくださいね」

 

 よく見ると瓦礫が残っているのを確認する。このままじゃ突っ込めないと考え最大速度になるようにしてクラッチを固定する。それから紗夜さんを抱えて立ち上がりタイミングを合わせて跳ぶ。無人バイクはそのまま瓦礫に突っ込んで爆発してくれた。ありがとう名も無きバイク君、君のことは忘れない。

 

「紗夜さん怖いですか?」

「怖い以外あると思いますか!?」

「ですね!!」

 

 地に降りた僕はそのまま紗夜さんを抱えてスタジアムの中に入る。後ろから追いかけてくる音が聞こえたがそれも無視して通路を走った。

 

「待て!」

「そのまま行かせるか!」

「その言葉、そのままそっくり返すぜ」

「なっ!?」

「今日の主役はあの方達です」

「俺たち脇役はここにいようぜ」

「相手はたった四人だ!潰せ!」

「そんじゃあ暴れるぜ~止めてみな!!」

 

 通路には当然兵士がいる上に素直にスタジアムに入れないよう出入り口が封鎖されているのがほとんどだった。

 

「ここも入れないみたいですね」

「名護さんは人相手でもその姿で倒すんですね……」

「倒すと言っても峰打ちですけどね。それに変身解除したらまた変身するの時間の手間じゃないですか」

「おっしゃる通りですが……」

 

 さぁ行こうと走り出そうとすると前の方から金属を引きずる音が聞こえる。火花を散らしてるような高い音だった。見えた影から誰か来ると構えるとその正体はあの人だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「なんでこの人たちこんなところにいるんだよぉ!」

「それはお前、ここが戦場になること知ってて介入しないと思ったのかよ」

「知り合いが戦場で敵ってどんな気持ちなんすか?」

「えっと、教育のやり直しって感じですかね」

「一条コエー!」

 

 笑いながら敵を殴り飛ばしてるあんたも怖いけどな。俺たちは新一たちを追いかけさせないために駐車場にいる雑魚共を掃除してる。殺さないとはいえ相手がプロの戦闘集団だと身構えていたが生身の人間は新一の手下が勝手に一掃してくれる。だから俺たちもメモリ人間共を倒せてるわけだが。

 

「なぁ、もしかして俺たちいらないんじゃね?」

「あの人たちだけでドーパントもどうにかなるっしょ」

「若ぇんだからもっと働けよ!」

「仕事奪ってるのあんたらだけどな」

 

 やれやれと銃を構えると後ろからガコンと重たい音が聞こえてくる。全員が想定してなかったらしく敵味方関係無しに音の鳴る方に視線が釘付けになる。アスファルトが開いたかと思うとそこから戦車くらいの大きさの機械が二つ出てきた。

 

「な、な、なんじゃありゃぁぁぁぁぁ!!!???」

「おいおい嘘だろ!?」

「何故あんなものが……!」

 

 戦車らしき機械は一斉に動き始めた。敵味方は流石に分かっているのだろう。俺たち目掛けて砲弾やミサイルを撃ってくる。

 

「おいアンタらあれ知ってるんだよな!?」

「知ってるも何もありゃあうちの兵器だよ!」

「いえ、おそらくはその設計図に基づいて作られた量産型でしょう」

「よく冷静に見れるっすね!」

「現場は常に冷静に対処しなければなりませんから」

「あーそうかよ!」

 

 逃げ惑う俺たちを嘲笑うように雑魚共が見てきやがる。いっそのことあの中に紛れ込んでやろうかと思ったがそれをしてでも積まれてる細かい武装で撃たれるかもしれないかと考えると俺は盾骸骨を構えた。

 

「鳴海様!」

「京!」

「時間は稼いでやる!だからそれまでに解決方法を探れ!」

 

 いつまで持つか知らないから早くして欲しいというのが本音だ。いつもの倍以上の大きさを出して防いでいる。だからエネルギーの消耗も激しい。どうにかなってくれよ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 そこに現れたのは刀を引き摺る宗方さんだった。この状況で会うのはなるべく避けたい相手だったがここで会ったのならば仕掛けてくるだろうと構えると彼は刀をしまい壁に寄っかかる。

 

「どういうつもりですか?」

「俺はお前との真剣勝負をしたいのだ。そんな荷物があっては本気になれないだろう」

「いいのですか?井坂さんの指示ではないのですか?」

「フン、俺を騙した奴など知らぬ。それに俺は単独行動のライセンスを持っているからな」

 

 早く行けと言わんばかりにため息をつく宗方さんの前を警戒しながらも通り抜けると本当に何もしなかった。だが一つ気になったことがあった。

 

「どうして貴方のような人が園崎さんについて行ったのですか?」

「……貴様が俺と本気の死合をする前に消えてしまったからだ。こうやって敵の立場になれば貴様は必ず現れるだろうとな」

「なるほど。ありがとうございます、ご協力感謝します」

「フン、俺が来た道を進んで右に曲がれ。あとは貴様ら次第だ」

「!」

「ここまで教えたのだ。必ず俺と死合ことを忘れるなよ」

 

 顔を下に向けて居眠りするような態度をとって黙り込んでしまった。もう一度礼を言ってからその場を立ち去った。

 

「あの人は一体なんなんですか?この間は殺しに来たじゃないですか」

「さぁ?多分純粋なんですよ。自分がやりたいことに」

「純粋の意味をもう一度調べたほうがいいと思いますよ」

 

 紗夜さんを連れて走り出してかれこれ三十分、今まで倒した兵はマスカレイドと生身の人間のみ。このままいけるかと思った時ドーパントは現れる。重たい音がすると思えばアームズドーパントだった。

 

「やはりそう上手くはいきませんよね」

「あぁ、やっぱりアンタか。絶対に殺してやる!」

 

 ドーパンとは巨剣を振り回してくる。小回りの効く攻撃を与えようとするとキチンと防いでくる。うん、やはり戦闘に慣れてるんだ。剣を交えるうちに弱点を見つける。アームズが横に薙いだ時剣の持ち手を狙う。

 

「動きは良いものだと思います。しかし小手先の注意が甘い」

 

 手を切り裂き懐に入ってブロウクンファングを撃ち込む。爆破したドーパントはその場に倒れ込み人間の姿に戻る。メモリを粉砕してから紗夜さんに出てくるように伝えてスタジアム中央に向かう。

近くの扉を開けると奥の方から光が見えた。そこを出ると回りには観客席が広がっていた。どうやらスタジアムの中央に着いたらしい。グランドには緑や橙色のロボットがたくさん待ち構えていた。そいつらの見た目は以前に見たことのあるものではなかった。

 

「何ですかあれは?」

「さしずめ、ロボット兵というところでしょう。無人で動く戦闘ロボット……紗夜さん、向こうを見てください」

 

 グランドの奥を指差す。そこには縛られた日菜さんと井坂の姿があった。

 

「日菜ッ!」

『ようこそ、パーティー会場へ』

「井坂、早くその子を離しなさい」

『それは貴方方がこちらまで来たらにして下さい。この数の無人機を倒してこれますか?』

「図に乗るなよ、これしきのことで止められると思うか」

 

 フェッスルを装填してナックル取り出す。グランドの左側に狙いを定めてブロウクンファングを放つ。普段なら直線距離でしかやらないが気合いで横に凪いでいく。これに当たった機械共は爆発していった。

 

『あれだけの質量を動かして七割ほど消し飛ばすとは!流石は世界最強の執行者!!』

「紗夜さん、しばらくここにいてください」

「えっ」

「残りを全部壊してきます」

「待ってください!」

「もし襲われそうになったら呼んでください。すぐに行きますから」

 

 観客席から飛び降りてロボットを壊しに行く。簡単なAIしか積まれていないのだろうか。動きが単純で破壊しやすい。斬り伏せていくと動力部分を見つける。次からはここを破壊して極力機体を残しておこう。足場に使えるかもしれないし。

 

『余裕そうですがお仲間の方はどうですかね?』

「何を、ッ!」

 

 井坂の方を見ると大きなモニターの電源が付く。そこにはいつもより大きな盾骸骨を構えた京君の姿があった。シールドは今にも割れるのではないかというぐらいミサイルや砲弾を撃ち込まれている。

 

「あれは!?」

『私が開発した、遠隔操作型対軍兵器《ディオスクロイ》です。園崎さんからある設計図をもらいましてね、それを基に改造させていただきました。今は何とか保っていますがそれも時間の問題でしょう。そしてあの方達にはあれの装甲を壊すほどの出力を持ったものはない』

 

 ある程度予想はしてたが面倒なものを持ってきてくれた。だけどその為のあの人達だ。回りの機械を壊しながら連絡を取る。

 

「橋本さん、今何してますか?」

『管制室を探してる。他の二人にも指示は出した』

「流石です」

『見つけたぞ。今から無力化する』

『新様、こちら別のものを操作する機械を見つけました』

「そっちもオフにして構わないよ」

『分かりましたわ』

 

 数秒後、回りの機械達が動きを止める。それと同時にモニターに映る機械の動きも止まった。どっちがどっちだったかは分からないがとりあえずどうにかなったということだろう。

 

『まさか伏兵がいたとは』

「こんなパーティーに真っ向からしか来ない方がおかしいでしょ」

『仰る通りですね。面白いものを見せてくれたお礼に彼女を離しましょう』

「いいのか?まだそちらに着いていないが」

『いいですよ。ほら、行きなさい』

 

 縛られていた日菜さんは鎖から解放されて地に膝を付く。そこから立ち上がるとすぐにこっちに走ってくる。あと少しでこちらの手が届く範囲という時に井坂が姿を変えて火球を撃つ。振り返った日菜さんは動けずこのままだと危険だと火球の前に出て斬り落とす。

 

「残念ですね、もう少しでシナリオの完成だったのですが」

「させないと言ってるだろう」

 

 二人を一度グランドの端までつれていく。安心はまだ出来ないと考えるがここで一気に遠ざける方が危険だと考える。そして今がチャンスだとも考えた。

 

「紗夜さん、今のうちに」

「はい!」

 

 二人を残してグランド中央まで戻る。すると井坂は余裕そうに待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 デカブツの動きが止まってくれたお陰で何とか耐えきった。膝をついて一度休もうかと思ったが回りの奴らを蹴散らしていく。手を抜いてでも倒せる連中だったので力を抜いていたがそんな時間も大してなかった。空から何かが降ってきた。いや、俺はヤツを知ってる。この感じは忘れることはない。

 

「俺と遊ぼうぜぇ、京!」

「お前も来たか獅郎!」

「二度も同じこと言わせんなよ。俺は今虫の居所が悪いんだ!」

「ハッ、ンな事知ったこっちゃねぇよ!悪いな、俺はこいつをやらなきゃいけねぇからあとは任せた!」

「畏まりました。お気をつけて」

 

 振り下ろされる剣をマグナムで受け止めそのまま押していく。回し蹴りや裏拳を入れていくが全て躱されたり止められたりする。その分俺も奴の攻撃をすべて止めている。しかし今日のこいつはどうやら余裕がないらしい。いつものふざけた感じがない分気味が悪くも感じる。

 

「いつものお調子者感はどうした」

「うるせぇなぁ!」

「ハッ、本当に余裕がないみたいだな。お前のことだ、何かに焦っている。それとも最近誰かに負けたか?」

「今日の京は随分とおしゃべりだなぁ。加減抜きで斬り殺してやんよ!」

 

 斬りかかるスピードが極端に上がった。怒り任せに振り下ろされた剣は地面を軽く抉る。この様子を見るに後者の方だったか。せっかくだ、利用させてもらおう。そしてこのまま奴を落としてやろう。俺たちは周りの地形を少しずつ変えながらも周りを気にせず殺し合いを始めた。

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