青薔薇の歌姫と白き聖騎士   作:OSTO文明

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 1週間ぶりです。体調が少しすぐれず描き終えられなかった為お休みさせて頂きました。申し訳ありません。
さて、体を乗っ取られた新一君ですがその代わりに最凶装備を手に入れられました。イメージとしてはダブルオークアンタが常にソードビットを展開している感じ、とでも思っていただければ幸いです。
 では最新話どうぞ


Sixteenn noise ARtifact Clear UNIT

「……あの装備は、本来封印されていなければならないものです」

「何故だ?」

「あれは、名護家が開発した戦略殲滅兵器。あれを完全武装し、慈悲を無くせば現時点で発見されている地球生物及び全世界の兵器の中で頂点となり誰も手が出せなくなるでしょう」

「は?」

「今はまだAIが様子見をしているから大丈夫だとは思いますが、時期にそうも言ってられなくなります」

 

 真剣な顔で話していてる一条の言っていることが理解しづらい。しかしかなりヤバいって事を表情と声色だけで分かる。

 

「待て、完全武装をすればと言っていたがどういう事だ?新一も簡易武装とだけ言っていたが」

「おそらく新一様はペンダントのみを使用されたのでしょう。その場合そこに入っているARCの情報が入ったデータチップからユニットのみを呼び出した筈です。完全武装の為のスーツは着ていることが前提ですから」

「てことは更なる武装展開があるのか」

「嘘だろおい。今の段階でもストライクフリーダムみてぇだってのによ……」

「因みにだがあれが今の状態でミサイルの破壊とか対人戦で余裕なのはわかった。フル武装したら火力はどうなる?」

 

 質問すると一条は人差し指を立てた。

 

「町一つか?」

 

 首を横に振った。

 

「じゃあ都市一つ?」

 

 気まずそうに首を振る。

 

「東京ドーム一個分か?」

「出た、日本人が実際どんくらいか分かってない人が多い東京ドーム比較論」

「大変申し上げにくいのですが、最終安全装置を解除した場合、少なからずとも東京は壊滅します」

「「……は?」」

 

 あんな薄い板みたいなのが集まっただけでそんな威力出るとかもはや人智の域を逸脱してやがる。だからこそ奴しか使えないのだろう。だとしてもそんな危険な物を何故アイツが持ってたんだ?謎はどんどん深まっていく。

 

「そういえば一条…さんはなんでここに?」

「任務の帰投中だったのですが本部から連絡を受けてですね」

「なるほど、流石に自分たちが管理している物が消えたら探すか」

「はい、ですがこのようなことになってるとは……」

「でもいつかは考えられたこと、なんだよな?」

「仰る通りです……」

 

 とりあえず全員戻って各自状況をまとめること、そして対策を練ることになった。二人は状況報告もするらしい。俺も帰路に着くながら対策を考えてみたが物理的に対処する方法はないと考える。実際に戦っていたからこそ分かるがアレは普通の人間が勝てるものじゃない。寧ろまだ敵として認知されていないだけマシといったところだろうか。それに最終安全装置を解除した際の被害範囲、それを聞いた瞬間からもはや勝ち目などないのではと考えていた。

 家に着いた俺はとりあえず腹に何か入れるかと冷蔵庫にあるものと戸棚から適当に引っ張り出してチャーハンを作る。米を炒めながらあの時の状況を振り返った。

 俺たちが動けない中あいつは一人で戦っていた。しかし本来なら本気を出せばあいつもケチらせていたのではないのだろうか?なぜそれをしなかった?考えられる答えは二つ。相手に希望を抱いて攻撃できなかったか、それともあれだけの量は流石にキツかったのだろうか。どちらにせよあいつが禁忌を破るって言うくらいに危険な状況になったのは間違いない。おかげで俺たちは助かったがあいつ自身はどうするつもりだったのやら。

 出来上がったチャーハンを皿に移してそのまま立って食べる。意外と味は悪くない。ただあいつの料理には劣るけど。考えながら飯を食っていると電話が鳴る。かけてきたのは湊だった。

 

「はいこちら鳴海です」

『ねぇ、新一が帰ってこないのだけど』

「買い物じゃねぇの?特売パーティーでもやってんだろ」

『だとしたら連絡が来るわ。でもそれもないもの』

「……じゃあ知らねぇよ」

『あなたなら何か知ってるんでしょう?』

「…本当のことを言うと、ちょっと遠出するから伝えとけってよ」

『嘘ね、あの人はそんなことせずに私の所に来るもの』

 

 この間言ったことが身に染みたのかちゃんと気にしていやがる。にしてもこの短期間でそこまで気にするか。

 

「お前も随分と新一の事を好きになったな」

『なっ……!』

「心配しなくても戻ってくるだろ」

 

 適当にあしらって電話を切る。しかしよりあいつを取り戻さなければと考えた。少なくとも今のアイツは帰りを待つ人がいる。それに俺も結構助けられてるからな。恩返しと共にでっかい貸しにしてやろうか。チャーハンをかき込んで洗い物をさっさと済ませて策を広げる。色々と思考を広げ使えるものは使おうと考えるとある策が浮かび上がってくる。だがその瞬間に錠前が鳴り響き策は沈んでいった。クソ野郎と思いつつ錠前を起動させると高城の野郎の声がした。

 

『鳴海君聴こえるかね?』

「えーえー聞こえてますよー!」

『何か邪魔をしたのならばすまない。快斗から話は聞いた』

「そうかよ、そんで?」

『ターゲットが見つかったけどどうする?』

「新一が!?今行く、早く迎えをよこせ!」

 

 荷物を持って玄関のドアを開けると既に黒服の人が待ち構えていたらしい。鍵を閉めて連れて行くよう言うとすぐに車に乗せて連れて行ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は高城さんからいち早く情報を貰って現場に直行していた。理由は簡単だ。少しでも早く新一さんを元の状態に戻さないと危険だからだ。一応高城さんに相談したらかなり危険だと言われた。そもそも人工知能を人間の頭の中に入れること自体が常軌を逸しているだとか。だったら今度は俺があの人を助ける番だとメモリを握りしめる。

 現場についてまず見えたのは地図にはあったはずの小さな工場が燃やされていることだ。近くには縛られている人や木の後ろに隠れている人たちがいる。一体どういう状況だと周りを見ると炎の前に羽を生やしたヒト型の影があった。目を凝らして見てみるとそれは昼間に見た顔と同じだった。

 

「何やってるんすか新一さん!」

「大道快斗、今のこの体の持ち主は私、ARCだと言ったはずです」

「んなこと聞いてねぇ!」

「はぁ……見ての通りです。私は私の使命(・・・・)を果たしただけ。何も間違ったことはしていません」

「だとしてもなんで情報を持ってんだよ」

「そこは機密情報ですので」

 

 やっぱ頭いい手を使ったんだろうな。その時にやったのかどうかは知らねぇけどなんか昼間より体にパーツが増えている気がする。あんま難しいこと考えるの苦手だからこれ以上考えるのはやめだ。バックルを腰に当ててベルトを巻く。

 

「貴方も戦いますか?」

「新一さんを返してもらうぞ」

「全く、何も学びませんね。人間は昔から何一つ変わっていない」

「知るか!ごちゃごちゃうるせえんだよ!」

『エターナル』

「変身!」

 

 メモリをドライバーにセットして変身する。先手必勝、すぐにゾーンのメモリをエッジの中に入れて地面に投げる。

 

「自分の領域を作るつもりですか?無駄なことを」

「それだけじゃないんだよなぁ」

 

 マゼンタの線が俺たちをすり抜けて大きく数を増やして広がっていく。パンと音を立てて手を合わせるとアークの周りにあった板が消える。流石に驚いたのか少しだけ表情が変わった気がした。勿論実際には消えていない。ただ俺たちの近くから消しただけだ。

 

「なるほどフィールドの端に置く事で妨害を防ぐつもりですか」

「まぁそういうこと。やっぱバレるよな」

「その様子だと砲撃もフィールドの効果で違うところにいくのでしょう。わかりました。では貴方の得意な近接戦を行いましょうか」

「いいのか?お前の得意な戦法じゃなくなるけど」

「甘く見てもらうのは困ります」

 

 その瞬間奴の姿は視界から消え

 

「私は──兵器ですよ」

 

 すぐ目の前まで迫っていた。正拳突きを喰らったがすぐに両手でガードして正解だった。ライダーシステムを纏っていても軽く後ろに下がる威力のパンチ。生身の人間の領域を超えているとしか思えない。ただまだ救いがあるのはあの槍が無いことだ。さっき浮かせていたせいかそれも一緒に向こうの板の群れの中にいる。これなら無意に殺すこともないはずだ。だからこそ全力で殴りかかる。

 

「流石は弦巻家の暗殺者。きちんと対人戦も出来ている」

「それはどうも!」

「しかし殺さずに私を倒そうと考えているつもりなら、考えが甘い」

 

 仰向けに逸らした顔面の上を構えた掌が通っていく。当たったら確実にやばいことがわかるくらい風が強かった。

 

「貴方は殺す気がなくてもこちらはいつでも殺せます」

「ッ〜〜〜!」

「それでも戦うというのなら、生き抜くことだけを考えなさい」

 

 ARCの攻撃は続いた。時には地を割り時には風を切る。正直抵抗出来る隙などほとんどなかった。それでも戦わねばと必死に拳を振るった。今まで身に付けてきた技術を使い戦い続けた。十分した頃だろうか、希望が薄れ始めるのがわかった。圧倒的な差が身に染みてくる。読めない攻撃にたかだか拳一発の力の差、一つ一つの技術に力の差を感じる。

 

「そろそろやめにしましょうか」

「なっ、俺はまだ戦える!」

「これ以上は無駄です。貴方の体力の限界そして何より貴方から勝つという気力が感じられなくなりました」

「そんなことは」

「そのような者と戦っても時間の無駄です。そして何より貴方に進化はない」

「どういう意味だ?」

「いえ、こちらの話です。それに招かれざる客が来ましたよ」

 

 ARCは目を瞑り手を後ろに回す。意味が理解出来ずとりあえず変身を解除すると車の音が聞こえる。振り向くと同時に京が車から出てきた。その反対からは一条さんも出て来た。

 

「まだお前なのか」

「先に言った通りです。本体が死ぬまで名護新一の体は私の体です」

「もう貴方の出る幕ではないはずだ!」

「忠誠心だろうが絆だろうが関係ない。この体はそう簡単に渡しはしない」

 

 もう一度変身しようとすると遠くの方からヘリコプターの音が聞こえてくる。音の正体はすぐに気付く。最近俺らを殺そうとして新一さんをこんな目に合わせた元凶の一つ。園崎の兵隊たちだ。今度はヘリコプターらしき乗り物に乗ってこっちにやってきている。招かれざる客とはこっちのことかと認識した。

 

「彼の方も諦めが悪いです」

「ちっ」

「どうしますか名探偵。この状況で再戦でもしますか?結果は予測するまでもありませんが」

「舐めたこと言ってんじゃねぇぞ」

「鳴海様、あちらを」

 

 もう一度ヘリコプターの方を見るといろんな種類のドーパントらしき化物がいた。一個一個に戦闘力がそれなりにあるのならキツイと思う。

 

「なんであんなに種類豊富なんだよ」

「どうやら近くの工場から増援が送られたらしいな」

「こんな時にめんどくせぇな!」

「あれも排除対象ですか。ではサービスというものをしてあげましょう」

 

 ARCの周りに槍と2枚の板が飛んでくる。槍を手に掴むと板が2枚が槍のリーチを長くするように合体した。もはやその姿は槍ではなく大きな剣にしか見えない。

 

「Ⅰ・Ⅲ・Ⅷ装填、《星閃天装(サンダルフォン)》」

 

 あの時の弓っぽいのと同じような名称を言ってそれを構えた。大きく振りかぶるように持ち上げると長剣が光り出す。夜の闇の中それは大きく目立つもののあまりに綺麗で言葉を失った。剣が振り下ろされると光は弧を描くように宙を飛んでいく。まるで三日月のような刃はヘリコプターの方へ飛んでいき空を飛ぶ機械の体を真っ二つに斬る。ヘリコプターは爆発を起こして墜落していった。

 

「これでも、まだ戦いを続けますか?」

「たりめぇだ。そんくらいでビビって戻れるかよ!」

「圧倒的戦力差を見せつけられても諦めないその姿勢、評価に値します」

「ARC、もういいでしょう。新一様を返してください」

「先ほども説明したはずです。都合のいい体をそう簡単には手放さない。これは人間も同じだと思いますが」

「何言ってんだ?」

「人間は自分にとって都合のいい存在を贔屓する。その役目を果たしている限り相手に利用していることをバレないように隠しながら。そして役目が終わった時に捨てる。同じことでしょう?」

「知るかよ。人間誰しもがそういうわけじゃねぇ」

 

 ARCは表情を一つも変えずに話を続ける。それはもう人間の全てを見てきたかのように人の絶望性を語る。

 

「人とは醜い生き物です。ですが文明の発展を続けるには必要な存在。同時に地球上にて最も傲慢な生物とも言えますがね」

「さっきから難しいことばっか言ってんじゃねぇよ頭痛くなんだろ」

「はぁ……ですが時間稼ぎにはなりましたね。そうでしょう、一条?」

 

 一条さんの方を見るとキッと睨むようにヤツを見ていた。手にはスマホを持っている。何か連絡が入ったのだろうか。

 

「何かあったんすか?」

「ARC……貴方という方は」

「状況を把握したみたいですね」

「どういうことだ?」

「………一時間ほど前、名護家が襲撃されました──あの方によって」

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