「設計者によると〝せめて安らかに死ねるように〟だそうですよ。実際の戦場では魔王という声が聞こえましたが」
まぁやってることはかなりエグいですからね。
では最新話どうぞ!
巨大な怪鳥が朽ちていく中私は撤退していた。今回白騎士が出てくる事はなかったが代わりに奇妙なものを見た。あれは人類の兵器なのだろうか。だとしたら何故今まで白騎士を使って我々に対抗していたのか気になるところではある。どう見てもあの兵器は量産できる物ではないがその分兵器としての理には適っている。だがあれは放置しておけばかなり危険なものになりかねない。
考えながら歩いている私の前に一人の青年が横切って行った。その青年は先程のスーツの男が持っていたようなスティックを手で回転していた。もしやと思い私は後をつけてることにした。
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「ソイツは新一じゃねぇ!」
「……」
京が銃を持って構えている。新一は何も反応せずリサは慌てていた。この状況で慌てないってことはやっぱりこの人は偽物なのね。
「ちょ、ちょっと京、何やってるの!?」
「いいから離れろ。じゃねえとお前も巻き込まれるぞ」
「芝居はこの辺りにしましょうか」
「ほ、ほら、こう言ってるしさ」
「いえ、やめるのは私と鳴海京です。そろそろ人の感覚が分かり始めて来たと思ったのですが」
「え?」
新一は鞄を地面に置くと指を鳴らした。その瞬間周りに変な板が出てきて姿を変えた。
「ど、どうなってんのこれ!?」
「簡単に言うとなればもう名護新一はいないということです」
「えっ?」
「鳴海京、そこまでして演技をしたことは誉めて差し上げましょう」
「んなもんいらねぇよ。お前が人質取る前にこっちが取っただけだ」
「…やはり機械に人の心など解らないモノですね。ですがその方が楽でしょう。かつて名護不比等が考えたように」
「今は見逃してやる、とっととどっか行け」
「お言葉に甘えましょう。それでは」
新一?は宙に浮く板に乗って何処かへ飛んでいってしまった。あれは本当に新一ではなかったのだろうか。でも今までとは違う感じがする。その不確かな感覚を抱きながら京に質問する。
「今のはどういうことなの?」
「……」
「新一に何かあったの?」
「…何もねぇよ」
「嘘よ、あれは新一だったもの」
「見た目はな。それ以外は偽物だ」
「そうね。そろそろ話してくれてもいいんじゃないかしら」
「んなことより学校遅刻すんぞ」
「話を逸らさないで」
「これ以上は関わらない方が」
「アタシたちだって心配なんだよ!」
「……行くぞ、歩きながら話してやる」
帽子を伏せて歩く京の後ろをついて行きながら私たちは話を聞いた。新一は知らないところで無茶をして今は体が乗っ取られていること。下手をすれば新一は二度と戻ってこなくなること。そして相手は一瞬で街を滅ぼせる相手だということ。最初は信じられなかったが話を聞いていくうちに信じられていた。あの人なら確かに人を守る為に自らを犠牲にするだろう。
「腑に落ちてる顔をしてるな」
「えぇ…そうね……」
「まぁお陰でこっちは毎日ボコされてるってわけよ、恥ずかしながらな」
「にしてはそっちも悔しそうじゃないね」
「いや悔しいぜ。勝てないレベルの強さ、圧倒的な差を目の前で見せつけられてんだ。でもアイツを取り戻さないといけないんだ」
「京……」
「じゃないとやられた分仕返さなきゃ気がすまねぇしやった分説教だ、お前らの分も含めてな」
フンと鼻を鳴らす京はまだ希望を捨てていないようだった。私も諦めてはいなかった。新一ならなんとかして戻ってきてくれると信じているから。でも聞いている限り彼一人ではどうにかすることは厳しそうだ。
「私に何か出来ることは」
「ない」
「即答!?」
「聞いての通り言っちゃ悪いが相手は歩く核兵器だ。お前らがどうこう出来る相手じゃねぇ」
「で、でも……」
「いいから待っとけ。俺たちがシバいた後に帰れるところがあった方がいいだろ」
「…わかったわ」
受け入れ難かったけど納得すると学校に着く。ちょうど予鈴がなるタイミングで急がないと遅刻すると全員で校舎に向かって走り出した。
学校での時間は憂鬱で、それでも時間はあっという間に過ぎて放課後になっていた。今日は練習があるためサークルに向かうと近くで爆発音が聞こえた。そっちの方へ向かうと近くのビルが崩れ落ちてきた。
「友希那っ!」
リサがこっちに向かってくる。
──ああ、ダメ。あなたまでこっちに来たら一緒に下敷きになってしまう。お願いだから来ちゃダメ。
私の思いなど通じるはずもなくこっちに向かって走ってくる。ダメだ、このままじゃ二人とも死んでしまう。
──何でこんな時にあなたはいないの?あなたならきっと私たちをどちらも助けてくれるんでしょう?ねぇ。
────助けて、新一──────
「〈
いくら待ってもビルが私たちを潰すことはなかった。空を見上げてみるとまるで氷のような空が私たちを見下ろしていた。その上を大きな光が過ぎ去っていく。そこにあったはずのビルは綺麗さっぱり消えていた。何が起きたのかわからない状況で後ろからストンという音が聞こえてきた。振り返るとそこには新一らしき人が立っていた。朝来ていた制服とは違い特別なスーツのようなものを着ている。そうだ、この人は新一じゃない。話に聞いていた人工知能だ。
「全く、何故貴女方がここにいる」
「あなたは……」
「早くここから去りなさい。さもなくば命の保障はありません」
周りに板のような物を浮かべてそのうちの一つに乗って飛んでいく。その姿を見ていると遠くから呻き声のようなものが聞こえる。その方向を見てみると巨大な化け物が浮かんでいた。アークは板を集めて弓のようなものを作り上げると怪物に向かってその矢を放つ。それは巨大な光となって怪物を貫いた。怪物は爆発してガラスを撒き散らした。地に降りたアークはそのまま歩いてどこかに行こうとしていた。だけどその前に快斗が現れる。
「またですか。本当に聞き分けの悪い」
「人間ってのはそういうもんだろ」
「皆が皆そうとは限りません。それに人間だけ出なく生物全体にも言えることでもあります」
「ご丁寧に時間潰しご苦労様だぜ」
「お前にしてはなかなかやるな」
「タイミングが良かっただけだ」
京まで道を塞ぐとアークは呆れるような仕草をする。
「やはり人間は理解し難いですね。もう諦めるべきではないですか?私に危害を与えなければこの体は確実に安全に保たれます。完全なる管理の下、名護新一は生きていけるのです。貴方達だってその方がいいでしょう?」
「それは生きているって言わねぇんだ」
「新一さんの意思がない限りそれはただの人形なんだよ」
「ふむ、確かにそうとも言えますね。それでいつまで時間稼ぎをしているのですか?」
「もう終わりだぜ。なぁ?」
こっちを見る京たちに疑問を抱くと二つの影が私とリサの間を過ぎ去っていく。誰が通ったのだと見てみると後ろ姿だったが片方はしっかりわかった。ターコイズブルーの長髪、花咲川の制服を着た後ろ姿は間違いなく紗夜だった。もう一人は少し紫がかった黒い髪のスーツを着た男性でよくは分からなかった。何よりそれを見て一番に反応したのはリサだった。
「紗夜!?」
「今井さんたちは下がってて下さい」
「氷川様、鳴海様の言いつけをお守りして頂けるようお願いいたします」
「わかっています」
「氷川紗夜?何故貴女がここに?」
「答えはわかってんだろ」
「名護さんを…あなたから取り戻すためです」
紗夜は腰に何かを巻くと拳を掌に合わせた。私たちは何が起きているのだと場所を変えて見てみると紗夜の手には新一が持っていたものがあった。なんで紗夜があれを持っているの!?
『レ・デ・ィ』
「変身!」
『フ・ィ・ス・ト・オ・ン』
その瞬間紗夜は仮面ライダーと姿を変えた。手に持っている剣を振り翳しアークに向かって剣を向ける。他の二人も変身してアークに向かって戦闘態勢をとる。
「その体、名護さんに返しなさい!」
「(イクサシステムは本来基準値を超えている肉体を持つ人間にしか装着出来ないはず。しかし女子高校生が使えている現状を考慮すると…)なるほど、そう来ましたか」
「少しは驚いているみたいだな。想定外か?」
「そうですね。私の想像を越えたことは評価に値します。しかし現状それだけです」
アークは浮かべていた板を京と快斗に向けて飛ばしビームを撃ち始めた。二人はそれを防ぎながら板と戦っている。
「氷川紗夜、貴女から相手をしてあげましょう。さあ、持てる力全てを出しなさい」
「手加減などありませんよ。名護さんを返してもらうために!」
「ねぇなんで紗夜が戦ってんの!?」
「私だってわからないわ……」
紗夜は走ってアークに斬りかかる。手に槍を持っているアークは躱して挑発するような態度をとる。なんで紗夜があれを持っているのかさっぱりだった。けどあそこにいる男の人…新一の部下だった人がいることを考えると納得がいくかもしれない。躍起になる紗夜は剣を振り続けるが無意味なまでに当たらなかった。聞いた話だとアークは人工知能、そんな相手に勝てるのかさえ不安になってきた。
「伏せろ氷川ァ!」
「「!」」
京の声がする方向から大きな紫色の骸骨が飛んできた。紗夜は伏せてそれを回避するとアークはそれを槍で突いた。槍の先で爆発は起き二人は見えなくなった。しかし煙幕を振り払うように剣を振った者がいる。それは紗夜だった。空を裂くその刃をアークは後ろに飛び避けようとする。
「前が見えない中その動きをするとは、戦場が初めてにしては中々やりますね。しかし彼女よりもプロの貴方方の動きは見え透いている」
「チッ」
「やっぱりかよ!」
後ろからやってくるパンチを槍で受け止め、紗夜の上からやってくる京のパンチをもう片方の手で掴んでいる。私だったら絶対あそこまで反応できない。なのにあそこまでやってのけるということはやっぱりあれは人工知能が入っているということなのかしら。でも二人からは諦めない声が貼り上がってくる。
「「今だ氷川(先輩)!!」」
「はい!」
紗夜は右手に変身するときに使っていたものを取り出していた。いつ手を変えたのだと思って左手を見てみると
「ユニットが反応しない、どういうことでしょうか」
「俺がちゃあんと凍らせといたぜ!」
「なるほど、凍結による機能障害ですか。オートでも急激な反応に遅れをとってしまったとは」
「それ以上に俺が早かったなぁ!」
「なるほど、これを狙っていたのですか」
「いいや、偶然が重なっただけだ!」
「元からユニットは俺たちで引きつける予定だった。けど氷川の方を見た時にキツそうだったから援護したらあら不思議!」
「なるほど、これが人の協調性……いえ、偶然だというのなら人が創り上げる
「茶番はここまでだ!いくらお前でもこの距離ならバリアは貼れないな!」
「やってください、先輩!」
「ハァァァァァ!」
偶然が重なる連携がアークを追い詰めた。この一撃で全てが終わることを祈った。だけど現実はそうはならなかった。アークはニヤリと顔を歪ませた。
「完璧です、人間にしては。だがそれ以上に貴方達は、
アークは槍を持っている右手を背中からお腹の方へと体の内側へ引き寄せ快斗を薙ぎ払う。その勢いで紗夜の攻撃を防いだ。目の前にいる二人はその動きに驚きやってくる攻撃に反応が遅れてしまった。三人は変身が解除されて地を転がった。
「私を人間の脳だと勘違いされていては困る。
「くっ……」
「なんで……」
「通常のAIを超える演算領域を作るためのシステム。せめて私の体を拘束していればトドメは刺されていたでしょう」
「嘘だろ……」
「それにこれは名護新一の体。制限をかけているみたいですがそれさえ無くして仕舞えば貴方方では太刀打ちできないでしょう」
「だからあんな動きができたってか?」
「そうかもしれませんね」
アークは槍を手放すと槍は他の板のところに向かって飛んでいき氷を砕いた。その拍子に出て来た板たちはアークの周りに浮かんでいる。無表情だった顔が今では悪魔が笑っているようにも見える。
「貴方達は私の想像を二度も越えました。これはかなりの評価に値します。故に私自ら葬ってあげましょう」
「なっ……!」
「これは私からの、個人に対する初めての手向けです。ありがたく受け取りなさい」