今回で5月最後の投稿になると思います。そして前回誤字があって申し訳ございませんでしたm(_ _)m
誤字の報告は報告欄があるはずなのでそこにお願いします!また、感想なども頂けると嬉しいです。感想がモチベを上げてくれますので、出来る方はお願いします!それでは最新話どうぞ!
練習が終わり、私は家に帰ってきていた。今日、新一は用事でいないらしい。話によると冷蔵庫に夕食が入っているということだ。久しぶりに一人で食べる夕食。
…もしお母さんが生きていれば、お母さんが夕食を作っていたのかしら。そして彼ももしかしたらいなかった………。けどお母さんが病気で亡くなって、数年後に彼がやってきた。お父さんは一体何を心配しているのだろう。お父さんは何故、彼を呼んだのかしら。………でもどちらにしろ、今はどうでもいいことだわ。早く夕食を食べて、休みましょう。
そうして私は冷蔵庫に向かって行く。だけど冷蔵庫に貼られているメモ用紙に目を留める。そこには今晩の夕食のメニューが書かれていた。…ちゃんと食べなきゃあの人に怒られるだろうか?そんなことを思いながらメモを見てみる。そこにはカルボナーラ、サラダ、その他の物が書かれており、最後にデザートが書かれていた。
…あの人はどうして、私のことを気にかけるのだろう………。
「今日…連れてきたかったとこ………ここだよ」
「ここって………」
りんりんが指差す建物は、昔住んでいた隣の家………りんりんの家だった。
「わ…私の……家……」
「だよ…ね……?なん…で?」
「き、昨日…お母さんたちに………話したの………」
「え?何を?」
「………新君が………帰ってきたこと……」
「ああ、なるほど」
「そしたら………うちに呼びなさいって………」
あーだから、りんりんの家の前なのね今。合点がいったわ。てっきり外食なのかと思ってたけど………。まあそっちの方向だとしたら、思いっきり家があるとこになんか来るはずもないか。しかし………隣の家は全く人が住んでない様子だった。前は住んでた家………売り払っていなかったのだろうか。疑問を抱いていると、りんりんが声を掛けてきた。
「前のお家………あれから誰も………住んでないの………」
「………やっぱり?」
「うん………そ、そんなこと…より………家………入ろ‥?」
「あ、うん…」
そう言われて家に上がるものの、今になってあるものがやってきた。そう今更になって…羞恥心がやってきた。凄い今更ながら年頃の女子の家に自然と入っている自分が恐ろしい。普通の男子高校生が女子の家に自然と入るか?いや入らない!そんなの陽キャでもない限り入ることは不可能に等しい。今心の中では大騒動だが外からすればなにも感じてない『ポーカーフェイス』が出来てるのもほんとに怖い。りんりんが自室に連れ、着くまで心の中が凄い大混乱だったが、自室まで着いて決意がした。よし、もう何も考えないようにしよう。というかこんなことで荒ぶってても何もならない。そもそもお嬢様と一緒に暮らしてる時点で………もう考えるのやめよ。
「…どうかしたの?…新君」
「ううん、何でもないよ」
「…お母さん……ご飯まだだから………部屋で待って貰いなさいって………」
「ああ、ごめんね。気にしないでくださいって伝えてもらえる?」
「う、うん………」
返事をするとりんりんは部屋を出てキッチンに向かった。さて、無心になろ。色即是空空即是色。色即是空空即是色。色s
「もう少しで…出来るって………」
「ありがとう。さて、何から話そうか」
「そ、そのこと……なんだけど………」
「?」
「お母さん達も………聞きたいって………」
「構わないよ」
そうだよね、色々と世話になってたんだし。気になることもあるよね……最悪知ってるかもしれないけど………。そうしているうちに玄関の方から鍵が開く音が聞こえてきた。すると「ただいま」と言う声が聞こえてくる。声質からしてりんりんのお父様だろうか。でも行ったところで人様の家だ。何もすることがない。仕方ないのでそこでご飯を待つことにした。りんりんは椅子に座ってこっちを見ている。何か付いているのだろうか?疑問をかけると目を逸らしてくる。相変わらずそういうところは変わってない。逆に安心する。そうしているとご飯ができたのか、りんりんがお母様に呼ばれた。それと同時に自分の名前も呼ばれる。りんりんの案内を基にダイニングに向かう。そこにいたのはりんりんのお母様とお父様だった。
「久しぶり、新一君!」
「お久しぶりです、お母様」
「あら、良い男になっちゃって。お母様だなんて、昔みたいにおばさんで良いわよ」
「いえ、そういうわけにもいきませんので」
「最近どうしてるの?妹ちゃんは?」
「妹は……」
「…久しぶりだな、新一」
「お久しぶりです、お父様」
「…いつ帰ってきたんだ?」
「えっと…数年前からですかね」
「そうか、ずっと前から………」
「申し訳ございません、こちらにくる時間が無くて」
「いや、良いんだ。気にしないでくれ。さあ、食事をしよう」
全員が食卓について、食事を始めた。りんりんのお母様の料理は食べてて普通に美味しい。あとから調味料を足さなくても良いくらいだ。こうやって他人の作った料理を食べていると、どうしたらこんな風に出来るのかをつい考え込んでしまう。外で外食することも少なく、かといって味の感想を具体的に伝えてくれる人もいない。お嬢様は美味しいとは言うが味付けに関しては何も言ってこない。正直料理をしている立場の人間からすると、少しばかり困ったものだ。そうして「美味しいです」などと言葉を交わしながら食事をしていると、お父様が声をかけてきた。
「…新一君、向こうでの暮らしは楽しかったかい?」
「はい、楽しかったです」
「………
…どういうことだろうか。自分は「楽しかった」と答えたはずなのに何故「本当に?」という質問が返って来るのだろうか。…本当は自分のことを知っているのだろうか?りんりんのお父様だが、少しばかり警戒することにした。
「はは、どういう意味でしょうか?」
「何、簡単なことだよ。
「どうしたのあなた、新一君は楽しかったって言ってたじゃない」
「そ、そうだよお父さん………」
「いや、すまない。こんなことを聞いてしまって」
「別に構いませんよ。だってそう感じる点が私から感じられたんですよね?」
「ああ」
「よければお聞かせ願いませんか?」
一度謝罪の言葉をかけてきたがお父様の姿勢は変わらなかった。その姿勢はまるで推理をする探偵のようだ。そう表現してしまうとこちらが犯人のようにもなってしまうのだが。この状況、自分でも困り物だが少しばかり楽しんでいる。
「構わないよ。理由としては二つある。一つは単純に…君の目が笑っていなかった。楽しかったなら笑っているはずだ」
「なるほど、二つ目は?」
「!……否定…しないの?」
「うん、否定しても自分の目は鏡でも見ながら喋ってないと自分では証明出来ないからね。そして今更ですが、お父様の職業ってなんでしたっけ?」
自分でも今更だなとは思うが、ここまで観察能力があると気になってしまう。普通の人間はここまで観る人はそんなにいない。すると質問に対してお母様の方から返答が来た。
「刑事さんよ、凄腕の!」
「まぁ、取り調べばっかりやっているんだけどね。そんなことは別に良い。さて、二つ目だ。君の今日ここに来ての言動だよ」
「……言動?」
「そうだ。人間ってのはね、歳をとってもそんなに変化はないものさ。言葉遣いが少しだけ変わったりするだけ………だけど君はどうだい?昔に比べて随分と丁寧になったじゃないか」
「………それは昔は雑だったと…?」
「いや、昔も丁寧だったよ」
「ではあまり…」
「いや、現に変わってるじゃないか。私たちのことを様付けで呼んだりしてる。変わりようが少なければ、そのような呼び方にはならないはずなんだ。あくまで推測だけどね。まるで今の君は、なにかに忠実な執事の様だ」
「………」
そこまで見抜かれるとは流石に思ってもいなかった。そして気になることがあったのでりんりんにこっそり聞いてみる。今の自分の立場のことも話したのかと。すると首を横に振って答えてきた。どうやらお父様は自力でそこまでたどり着いたらしい。もう探偵目指して良いのではないのだろうか。とまぁ、ふざけた事を言ってみたい気はするが、今の自分は探偵にチェックをかけられた状態だ。ならばそれは犯人らしく答えなければなければなるまい。
「お見事です、流石は刑事さんですね」
「………認めるのかい?」
「ええ、ただ楽しかったのは事実ですから。少しだけは………」
「…新君………?」
「少し聞いても良いかい?」
「………はい」
「君の家族は?」
「家族は………みんな亡くなりました」
自分のたった一言でその場の空気が重くなった。無理もない自分以外全員が死んだのだ。自分の立場だったらと考えてしまうだろう。…決めた。バレたのだったら仕方ない。迷惑を掛けない範囲で範囲で全て話そう。今まであったこと。事実を伏せることもあり得るが。
「…すまない……」
「いいえ………全部話しましょう、今まであったこと全部」
「………良いのかい?もしかしたら自分を傷つける頃になるかもしれないぞ?」
「そうよ、無理をしなくても…」
「いいえ、もう事実だって受け入れているので。傷つくことはありません、ただ、少しだけ時間を下さい」
そう言って深呼吸を行う。これは自分のためでもあるが、他の人を落ち着かせるためだ。色んなこと…正直常人とは思えないことの方が多いだろう。ただ、話すと決めたのだ。腹を括ろう。
「…もう良いのかい?」
「はい、ただこれだけは約束して下さい。絶対にちょっとやそっとで驚かないでくださいね」
「…ああ、わかった」
「わかったわ!」
「…うん………」
「あの時引っ越したのは、僕の本当の家の事情です。どうやら僕の家は本当は大きな財閥だったみたいで、僕はそこの継承者…後継だったらしく、家に迎えが来ました」
「それでここから離れたわけか」
「はい、家族みんなで行きました。父は何やら色んな準備に入って、母はいつも通りのことをなさってました。妹はいつも以上に便利な暮らしをさせてもらってました。ですが僕は義務教育と並行して色んなことをさせられてました。当主であるお祖父様のお仕事について勉強したり、必要なのか疑われる武術の訓練、音楽の技術だったり様々なことを詰め込まれました」
「…それって………苦しかったんじゃ………」
「うん、辛かった。自分ではあまり自覚がないのですが、どうやら自分が手をつけたもので出来るものは普通より上の段階まで出来るらしく、周りからは神童とかって言われてて………最初の方は楽しかったんですが、後から耐えきれなくなって全て投げ出しました。けど、家族が助けてくれました。月に一回、家族水入らずで出かける日があって、その日に色々と助けてもらって。本当に嬉しかった。楽しかった。でも、それも少ない………貴重な時間でした。本当に全部を失ったのはずっと後、今から3年前………あの事故です」
「あの事故‥?」
「皆さん、TVとかで見たことがあると思います。ニュースにもなってたので………」
「!もしかしてあの事故なのかい!?あのテロの様な爆発事故…」
「…!それ…私も見たこと………ある…」
「はい………あの事故であのバスに乗っていた人はほぼ全員が死にました。…僕はそれの生き残りです」
「それは………」
「大丈夫です、もう過去ですから。あの爆発事故でみんなが僕を庇ってくれました。お陰で全てを失いました。もう生きる気力もなく、たった1人の妹さえ守れない自分は生きてて良いのか考えました。事故を防ぎきれなかったのか、どんどん意識が遠くなって眠りそうでした。その時ある人に助けられたんです。病院に連れてかれて、入院して、その人に言われました。『うちに来ないか』って。『家族にならなくて良い。もし力が欲しいのなら来たまえ』と言われ、その人について行くことにしました。そのあと、家に帰って全てを捨てました。僕の持っていた権利を。でも優しい人達がいて、家とある程度のお金だけは残してくれました。それも…その時はどうでも良いと思いました。もう自分はここの人間じゃないからって」
「………その後君はその人物についたと」
「はい、ですので今は執事です」
「………色々と申し訳ない」
「大丈夫…です、過去ですから」
楽しいはずの食事が自分のせいで台無しになってしまった。…せっかく誘ってくれたのに申し訳ないことをしてしまった。今度埋め合わせしなければならないだろう。その後はお母様のおかげでなんとか元気を取り戻し、数時間して僕は帰ることにした。その時の夜道はまるで何もかも失った時に一人歩いていた暗闇と同じようだった。憂鬱な気分になっている中、一体のファンガイアが現れた。せめて空気くらいは読んで欲しいものだ。正直今は戦う気分じゃない。けれども目の前にいるやつからは嫌な感じしかない。仕方ないので変身する。相手はヒトデの様なのをくっつけた感じのファンガイアだ。真正面から突っ込んでくる。最初からバーストモードにしていたため、片手にはイクサカリバーがある。もう何もかもが面倒臭い。だから僕は突っ込んでくるファンガイアに対して歩いて向かっていく。そして近づいた瞬間に斜めに
「………その程度か」
気付いたら僕はそのような言葉を口にしていた。怒りに任せて斬り伏せたせいだろうか。…どうでもいいや。何かを忘れている気がするけどもどうでもいい。人の気分を悪くさせてしまった自分を責めながらその道をまっすぐ帰った。
新君が家を出て行った後、私は部屋に戻った。まさか…新君にあんな辛いことがあったなんて………知りもしなかった。今日は何をやっても集中できそうにないので机の物を片付けて寝ることにしよう。そうして片付けている時、一つのスマートフォンを見つけた。私のじゃない………新君の物だろうか?だとしたら急いで届けにいかなくちゃ。そう思い、急いで靴を履いて連れてきた道を通っていく。走っていると視界に、砕け散る怪物と白い鎧のような姿のシルエットが入ってくる。急いで物陰に隠れる。怪物の方は前にも似たようなのを見たことがあった。でも白い方は見たことがない。物陰からこっそりみていると、白いシルエットは角を曲がっていった。誰なのか気になってその跡をこっそり追っていく。角からこっそりみるとそこにはシルエットも姿は無く、新君の後ろ姿が映っていた。一体…どういうことなんだろう………?
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