青薔薇の歌姫と白き聖騎士   作:OSTO文明

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皆さん夏休みは楽しめましたか?え?そんなものはない?ははっ、私も一緒です。やることこなしながらイベランしてたらいつの間にか睡眠時間失ってました。
メリジューヌ周回最高でした。


第五話 party

 帰国してから一週間、今日は予定していたライブの日だ。年末最後のライブということもありPoppin party、Afterglow、Pastel pallet、ハロー、ハッピーワールドも勢揃いだ。弦巻家と連携して僕達ライダー組は会場の設営を手伝っていた。会場設営がある程度できると僕はRoseliaの皆と合流する。

 

「あ、戻ってきた」

「皆さんお疲れ様です。リハーサルはどうでしたか?」

「完璧だったわ」

「ですがここで満足は出来ません」

「ならよかったです。ライブまで時間がありますので皆さん休んでてください」

「おねーちゃーん!」

 

 扉から出てきた日菜さんは紗夜さんに飛びつく。その光景を見て周りは笑うのだが当事者である紗夜さんの顔は赤くなっていた。控室はサークルの都合上数がそこまでないため他のバンドとも同じになることがある。その結果Roseliaはパスパレと同じ部屋になった。

 

「日菜は元気だね〜」

「だって今日を楽しみにしてたんだもん!おねーちゃんのるん♪ってする音が久しぶりにライブで聴けるんだよ」

「日菜……」

「でもあたしたちも負けないからね!」

「日菜ちゃんここにいたのね」

 

 続いて入ってきたのは白鷺さんだった。困ったような顔をしながら日菜さんを紗夜さんから剥がす。後ろから覗き込む大和さんとピンクの髪の子はは苦笑いをしている。パスパレの残りの人数を考えるとそろそろ来てもおかしくないと考える。

 

「シンさーん!」

「うんやっぱりそうなるよね」

 

 この場で逃げるのは無理だと考え受け止める姿勢に入る。案の定飛びついてきたイヴちゃんは顔を埋めてくる。それを見た日菜さん以外のパスパレは驚いている。

 

「イヴちゃんダメでしょ急に抱きついたりしたら!」

「い、イヴさん、名護さんとお知り合いなんですか?」

「そんな千聖さん、いけずです」

「はは、また変な日本語覚えちゃって………」

「すみませんまたこの子が」

「いえいえ大丈夫ですよ元気な子ですから」

「あなた保育所の人かなんかなの?」

 

 子犬のように懐いてくるイヴちゃんを撫でながら千聖さんと話す。でもアイドルが公共の場でこんなことをしてはいけないと話すとしょぼんとした顔で離れる。

 そんな中ピンクの髪の人が千聖さんの後ろから僕のことを覗き込んでくる。

 

「えっと、何か御用ですか?」

「いっ、いえ、にゃにも!」

「彩ちゃんまた噛んでる」

「面白いよね〜」

「す、すみません〜」

 

 彩ちゃん──ということは彼女がパスパレのボーカルをやっている丸山彩さんか。快斗君から時折話は聞いていた、確か噛み噛みアイドルだとか何だとか。

 

「そんな風に言われてるんですか?」

「そりゃ彩さんが噛むからっしょ」

「快斗君!?」

「チッスチッス」

「仕事は?」

「終わりましたよ。少し休憩したらこころたちのところに行くんすよ」

 

 休憩がてらこっちの様子も見にきたらしい。念のためと言うが本人はあまり考えないようにしているのか丸山さんをいじって遊んでいた。そのまま白鷺さんの顔をチラ見するとすぐにハロハピの元へと行ってしまった。

 

「今のはなんだ?あのバカが血相変えて走ってったけど」

「さぁ?」

「来てくれたんですね京さん」

「まぁな。客席で見てるから頑張れよ」

 

 京君が軽く挨拶をしていくと白鷺さんを見た瞬間すぐに退室していった。メモリを使っている人達は白鷺さんと何かあるのだろうか。

 本番が近くなるまで最後の確認と体調などの確認を済ませておく。かくいう僕も今日は客席で見るつもりだ。乗り越えられた彼女達ならきっと大丈夫だと思う。

 

「そろそろ開演ですね」

「あなたはあっちに行くのよね」

「お嬢様達の勇姿を客席から見させていただきます」

「わかったわ。しっかり目に焼き付けなさい」

「かしこまりました。皆も頑張ってね」

 

 Roselia全員から返事が聞こえると僕は控室を出ていく。入り口で待っていたのか京君と快斗君がやってきて合流する。今日はこの後パーティーもあるからそちらも楽しみのようだ。

 僕達は開演するステージを目に焼き付ける。それぞれのバンドが今年最後のライブを行う。その中で一番記憶に焼き付けられたのは、やはりRoseliaのライブだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お疲れ様でした〜!かんぱーい!』

 

 ライブが終わり各バンドが着替え終わるとcircleのロビーがパーティー会場になる。勿論会場の方は皆が着替えているうちに弦巻家とライダーズで片付けた。それぞれのバンドメンバーが散らばって意見を交換しているのを見て心が穏やかになる。そんな風景を見ながらジュースを飲むとまりなさんがやってくる。

 

「あ、まりなさん。設営とか色々お疲れ様でした」

「新一君もお疲れ様。お手伝いとかありがとうね」

「いえ、自分は少ししかやってませんから。それに快斗君とかも手伝ってくれましたし」

「でもほら、手伝ったことに変わりはないし、ほら!」

「わっ⁉︎…なんです、これ?」

「オレンジジュース、おねーさんの奢りだ〜。飲みたまえ〜」

 

 そう言ってまりなさんは何処かへ行ってしまった。もう酔ってんのかあの人………まぁ、いっか。いただきますと呟いてからオレンジジュース(・・・・・・・・)を口にした。一口飲んだだけで意識が朦朧としてくる。近くに椅子があるのを見て座り込むと見える世界が斜めに見えてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ひまりやモカたちと話したアタシは新一の元へといく。こういう時こそ攻めるに限るのだと考え探し始めたが姿が見えなかった。

 

「どうしたのリサ?」

「いや、新一の姿が見当たらなくて…遠慮してたりしてないかなーって」

「新一なら今頃、栄養バランスが、とか言ってるんじゃないかしら?」

「あははっ、それもそっか☆……ってあれ?この音……」

「ヴァイオリンね、誰が弾いてるのかしら?」

「待って、あれって……」

 

 音が聞こえてくる小さなステージを見るなり、そこには新一がいた。気持ちよさそうにしてヴァイオリンを弾いている姿を見て今止めるのもなんだと思い演奏が終わったときに声をかけた。

 

「新一やっぱり凄いね。びっくりしちゃったよー!」

「良いヴァイオリンだったわ」

「………」

「おーい?」

「新一?」

「お嬢ひゃま~?どうかなひゃいましたか~?ヒッグ」

 

 反応のなかった新一は顔を見せると少し赤くなっていた。普段見せないような気の抜けたアホっぽい顔。こんな顔は見たことがなかった。

 

「えっ!?何これ、どうなってんの!?」

「どうかなさったんですか?」

「そ、それが新一が!」

「あれ~、ひゃよひゃんじゃないれすか~。何ひてるんですか~?」

「名護さん!?一体何が…」

「それがよく分からなくって……」

 

 呂律が回っていないところを見てかなりの異常事態だと思うとパニックになってきた。どうしようかと考えていると友希那が落ち着いた声で聞いてくる。

 

「……新一、ここに来て何飲んだの?」

「え~っと~、確か…まりなひゃんから貰ったオレンジジュース(・・・・・・・・)だけ~」

「えっと…これか!ん?甘い匂いするけど、お酒っぽい匂いもするような……」

「まさか…」

 

 取ってみた缶と新一を見比べて非常事態を考える。でも新一は自分から飲むようなことはしないはずだと話していると燐子もやってくる。

 

「どうかしたんですか?」

「あ、燐子。実は新一が…」

「えっ!?と、とりあえず…確認……しましょう!」

「あれ~りんりんだ~」

「ね…ねぇ、新君………もしかして…酔ってる?」

「え?酔ってなんかないに決まってるでひょ~、ヒック」

「「「………」」」

「これって…」

「酔ってますね」

「み…水…!」

「りんりんー?どうかしたのー?」

「あ、あこちゃん…お水…貰える?」

「良いよー!はい、これ!」

「あ、ありがとう…」

「新一、これ飲んで!」

「え~?うーん……」

「どう?」

「……」

「ふー……大丈夫かな?」

「んっ…」

「あ、起きた」

「ふわぁ~」

「新一ー?大丈夫ー?」

「ん……お姉ちゃん?」

「「「「……え?」」」」

 

「お姉ちゃん」と言う単語を口にした新一はあたしのことを見てくる。なんでだ?

 

「え、えーっと…お姉ちゃんって?」

「?お姉ちゃんはお姉ちゃんだよ。リサお姉ちゃん」

「…リサ、まさか弟が……」

「え!?あたし弟なんかいないよ!」

「でも名護さんが…」

「リサ姉ー弟いたのー?」

「あこちゃん…見ちゃ駄目……あっちいこ……」

「え?うん」

「えーっと待って………新一、友希那のことは?」

「え?」

「友希那はお姉ちゃんじゃないの?」

「……なにいってるのー?友希那お姉ちゃんは姫様だよー?」

「………」

「じゃあ紗夜は?」

「紗夜お姉ちゃんは……」

「わ、私は…」

「厳しいお姉ちゃん!」

「え………」

「でもね!優しいところいっぱいあるんだよ!」

「…この子は私が責任を持って育てます」

「紗夜?」

「…はっ!私は………」

「紗夜〜?一瞬ハイライト消えてたよー?」

「何を言ってるんですか?ここからがハイライトまであるってあれ、名護さんは………?」

「え?あれ!?新一がいない!」

「シンさーん!」

「…あの声は………まさか、イヴ!?」

「若宮さんが危険です!いや、そんなに危険は無いかもしれませんが………」

 

イヴの声がする方に向かってみると、そこにはおかしな光景が広がっていた。普段抱っこなどするはずのない新一がイヴを抱え上げていた。

 

「わーい♪」

「え……何あれ?」

「たかいたかーい♪」

「すごいです!いつもよりたかいです!」

「へへ〜すごいでしょ〜」

 

 中身が幼児退行したような新一がイヴを持ってたかいたかいをしている。あの年頃の女の子なら普通嫌がるはずだがイヴの純粋な心は素直に喜んでいた。一方周りはそれを不思議な目で見ているのが半数、面白そうという目で見ているのが半数だった。当然その光景を信じられない人もいた。

 

「…あれはどうなってるの?」

「あ、白鷺さん、実は‥」

 

 事情を説明すると理解したくはなさそうだったが理解してくれたみたいで何かを見つけると安心した顔をした。

 

「なるほどね、そういうことなら任せて頂戴」

「白鷺さん何か方法が!?」

「ええ」

「新一、さ、私のとこにいらっしゃい」

「シンさん?」

「ごめんね、イヴちゃん。なんれすか、ちひゃとひゃん」

「これ、飲んでちょうだい」

 

 それは黄色が濃い飲み物であり大抵の人は飲んだらすぐにでも退場していたかもしれない飲み物だった。新一は不思議なものを見る顔をしつつも一気にそれを飲み干す

 

「何を飲ませたんですか?」

「濃度100%のレモンジュースよ、酸味が強すぎて目を覚ますでしょう?」

「!その手がありましたか」

「それほぼ原液だよね。飲んでも大丈夫なのかな………」

「ふー………それで、用ってのは?」

「ほら、戻ったでしょう?」

「なんでもないわ、今解決したもの」

「…ほう、()を呼んだのにか」

「ん?我?」

「本当は、もっと大事な用事があるんじゃないか?なぁ、千聖(・・)

「…え?ほんとにどうなってるの?」

「今度は王様みたいに………」

「まあ、良い。我の手が必要になったらいつでも呼べ。ハハハ」

「…大丈夫ですか?」

「あれはもう眠らせるしかないわ………」

 

 またキャラが変わってしまった新一はそのままどこかへ行ってしまった。結果として元に戻す事が出来なかった千聖は悔しかったのかその場に膝をついて敗北を認めたくないようなことを呟いている。どうにかすることは出来ないだろうかと近くにいると次のイベントが起きそうで怖かったので新一が戻るまで遠くから見守ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?新一さんどうしたんすか?」

「あの声は‥快斗!ああ、でも快斗なら大丈夫か」

「よお快斗、ちゃんと食ってるか?」

「あれ、口調変えました?なんか新鮮ですね」

「大丈夫そうね…」

「あ、そうだ!これ飲みます?」

 

 出したのはオレンジ色のした飲み物。少しドロっとした流体を見て何を渡されたか大体わかるだろうが新一さんは見たことがないものを見るようにじっくり見てから聞いてくる。。

 

「なにこれ?」

「野菜ジュースっすよ、うまいっすよ!」

「サンキュ、それじゃ早速」

「大丈夫かしら………」

「どうっすか?」

 

 俺がいつも飲んでいるこの野菜ジュースは喉を心地よく通っていく飲み物の感じがとても爽やかだ。他の野菜ジュースを飲んだことはあったけどここまで野菜の実の感覚がなくてすんなり飲めるのは初めてだった。

 

「すごく美味しい!」

「あれ?戻りましたね」

「?何を言ってるの?僕は元々こんな感じだけど」

「え、まぁ。ん?でも変わってたような………?」

「あれ?なんでここにいるんだろ。というか記憶が…」

「え?どゆこと?」

「何してんだお前ら」

「「あ、京(君)」」

 

 事情を説明すると京は全てを察したように目をつむる。新一さんと見合わせたがお互い理解していなかった。ただ半分ジト目をして質問を投げてきた。

 

「ほー……因みにそのオレンジジュースって誰から貰った?」

「えっ、確か………まりなさん…?だったような…?」

「おぉ、そうか。じゃな」

「えっちょっ、どゆこと?ちょっと待ってよ!」

「それ以上近づくとお前の肉じゃが全部食うぞ」

 

 驚いたような顔をして何かを探し始める新一さんは京が指差した方向へと走っていった。

 

「あれ、新一さん!?お前何したんだよ!」

「別に。お前は来る?」

「なんか面白そうだし行く」

 

 どこに行くのかを聞くと強要罪を背負いそうな駄目な大人の下としか言わず誰のことだか分からなかったが当事者を目の前にしてようやく理解した。その大人は笑いながら酒を飲み続けている。

 

「よぉ、まりなさん。飲んでるか?」

「あれ、またまた若い人達じゃない」

「ちょっとそれよこしな」

「なんだこれ」

「千%お酒だな、果汁入りの」

「それ千%じゃなくね?」

「おいまりなさん、アンタなんだろ新一に酒飲ませたのは」

「そうだよ〜」

 

 犯人を縄で縛り付けて黒服の先輩たちに見張ってもらうようにお願いすると彷徨っていながら肉じゃがを食べている新一さんの姿が見えた。しかし彷徨っているところに面白そうなのを見つけたので俺たちは声をかけずに見ていることにした。

 

「二人ともどうしたんだろ……」

「シンさーん!」

「あれイヴちゃん、どうしたの?」

「また高い高いしてください!」

「………え?」

「どうかしたんですか……?」

「いや、なんで急に高い高い?」

「えっ、だってさっきしてくれたじゃないですか」

「ごめんね、なんかさっきから記憶がなくて………もしかして何かしちゃったかな?」

「いえ、大丈夫ですけど…」

「…高い高いでいいんだっけ?」

「!…はい!!」

 

 そのままイヴを持ち上げて高い高いしているのを見て笑いが堪えきれなかった。普通の高校生は絶対あんなことしないだろ口に零すと言わない約束だろと震える手を肩に置かれる。

 

「新君………大丈夫………?」

「うん、なんとか。でも記憶がないんだよね。なんかやらかしたりしてないかな?」

「うん………………」

「あれ、何で目逸らすの?りんりん!?待って、怖いよ!」

 

 そのまま白金が離れていくのを見てそろそろなんとかしてやろうと新一さんの元に行くとさっきより生気を感じられなかった。

 

「新一、生きてるか?」

「心はズタボロだけどね」

「安心しろ、もう犠牲者は出ないはずだ」

「ドユコト?」

 

 ここに至るまでの全てを話すと一瞬ゴミを見るような目で見られたが隣のやつを指差すとわかっているとジャスチャーを返され俺は一人安心した。

 

「なるほど、つまり事の発端はまりなさんだと」

「みたいっすね。けど柱に縛りつけたんでもう大丈夫っすよ!」

「さらっと言ったね」

「ま、これ以上は大丈夫そうだ。しばらくはお前が変な目で見られるのが確定しているから俺はそれを楽しませてもらうぜ」

 

 京は笑いながら逃走すると新一さんは笑顔のまま姿を消していつの間にか京をとっ捕まえてまりなさんと同じところに縛り付けていた。

 

 

 

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