青薔薇の歌姫と白き聖騎士   作:OSTO文明

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第十八鏡 決戦・要塞攻略作戦2

 要塞に向かってバードのメモリを使って飛ぶ快斗、ロケットのメモリを借りて飛ぶ俺、そして俺に抱えられている獅郞。最短距離で接近する俺達を当然敵は見逃すはずがなく迎撃してくる。

 

「うぉい、どうすんだよこれ」

「快斗プランBだ」

「おっけ任せとけ!」

 

 マントを外してヒートのメモリを挿して熱を帯びる。

 

『マキシマムドライブ』

 

 火の鳥は大きくなり迎撃する弾頭を羽矢で全て焼き尽くす。そのまま要塞の下層に突撃すると入り口が出来たのでそこから侵入する。一度変身を解除して先に進むと獅郞が口を開く。

 

「お前らいつもあんなやり方してんの?」

「時と場合による。てかプランBでよく分かったな、打合せしてねぇのに」

「してねぇの!?」

「プランBなら突撃すればいいだけだろ」ニチァ

「よくわかってるじゃねぇか」ニチァ

 

 何故かドン引きされたがそれを無視して進んでいく。

 

「てかホントにコイツ連れてきて良かったのか?」

「ここのデータを知ってるのはコイツだけだ。役に立つ可能性だってあるからな」

「でもよ」

「安心しろ。何かあればコイツは俺が責任もって殺す」

 

 俺がコイツを連れてきた理由は利用価値しかない。私情は全て後回しにしている。そうだ、それ以外はない……

 

 

 

 

 

 

 

 

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「こんな時間にどうした?」

「お前なら分かるだろ」

「さぁな」

「この時間に起きて準備万端の様子を見れば十分だ」

 

 嬉々とした顔でこちらを見てくる。さっきの状況からして新一に地上を任せるのが一番だ。だったら俺達は心配なく要塞攻略ができる。でも分からない部分が多いというのも事実だ。それに利用できるなら何でも使った方がいいだろう。

 

「それで俺を使おうってか?」

「あぁそうだ。力を貸せ……いや、貸してくれ」

「?」

「今回ばかりはお前の力が必要だ。要塞のデータを知っているのはお前だけだ。用件が終わったら解放してやる」

「いいのか?そんな勝手な約束をして」

 

 解放すればコイツが暴れる可能性も勿論考慮している。それでも俺はやらねばならぬことがあると決意する。

 

「要塞の中にある主砲。あれは少なくとも個人の私情でとやかくいって破壊できませんでしたで許される代物じゃない」

「だろうな」

「だから俺はお前を利用する。大義のためだ」

「柄にもねぇこと言ってんじゃねぇよ……でも、利用されてやる」

「分かった……ありがとう」

「お前に礼を言われるとはな」

 

 部屋を出てどのように連れていくかを考える。これでアイツを罪が軽くなるわけじゃない。いずれ俺がアイツを殺すと再び覚悟する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 要塞の中を敵に見つからないようにしながら進んでいく。俺達がやることは大きく二つ。一つは主砲を破壊すること、もう一つはこの要塞を停止させること。各地への戦力投入を阻止する事に繋がり園崎の作戦を止めることができる。

 最初に止めるべきは主砲の方だと判断して進んでいく。だが入ってきた時から鳴り続けるサイレンは俺たちの居場所を示すように鳴る。

 

「せっかく隠れて動いてんのにこれじゃあ意味が無いな」

「一応この中には日本全土を支配できるレベルの戦闘員がいるからな」

「お前、この中の一人だったんだろ」

「多分な。でもザコは雑魚だからお前でもやれるだろ」

 

 それはそうだと納得しやってくる敵の一人を背後から襲い鹵獲する。銃を突き付け主砲と要塞のコントロールルームの場所を履かせて殺す。すぐに喋ってくれて助かったが厄介なことにそれぞれが別の場所にあった。

 

「どうする?」

「まあこの距離なら無線で会話はできるはずだから俺と獅郎、快斗で別れるか。そっちは主砲の方頼んだ」

「いいのか?俺機械の操作とかマニュアル無いと苦手だぞ」

「マニュアあっても読むの嫌いだろ」

「きっしょ、何でわかんだよ」

「割とそんな感じするからな。もし本当にわからなければ無線使え」

「オッケー、じゃあ頑張れよ」

 

 快斗は主砲のコントロールルームへと足を運んでいった。あっちなら最悪主砲を壊せばどうにかなるしアイツは脱出方法も色々あるから問題ないだろう。

 問題はこっち側だがあっちが最下層に行くのとほぼ同じため距離や時間的には問題なさそうだがこちら上に上がるのに時間を要するのは必須なようだ。最もこいつを引き連れている時点で遅くなるのは確定しているのだが。

 

「さっさと行くぞ」

「てかこの手錠外してくんね?動きづらいんだけど」

「足枷は外してんだ我慢しろ」

 

 早く移動しようと階段を登ろうとすると敵兵がぞろぞろと現れる。マスカレイドの集団なら容赦なく叩き潰せると簡易的に力を収束させて敵にぶつける。

 

「道を開けろぉ!」

 

 鉄砕拳を繰り出して邪魔する奴らを跳ね除けながら進んでいく。念のため確認すると獅郎は後ろをついてきていた。今裏切ってもどうしようもないことを知ったのかそれとも単に諦めただけなのかは知らないが手錠から伸びている紐を引っ張って連れて行く。

 しばらくすると階段は続かず別の道を行く他無かった。この状況でエレベーターを使うのは愚策だが使えるものは使おうと持ってきた四角い箱をエレベーター内に入れて上の階へ行かせる。

 

「お前最悪だな」

「割とタイミングゲーだと思うんだが」

「だとしても十階にいくようにしたろ」

「行き先はここから十二階だから邪魔を排除できるだろって考えたらよくね?」

 

 一つの上の階へ行くのに約七秒、ここから×10してからスイッチを押せば十分だと判断して上の階へ上り詰めていく。六階分階段を登るとちょうど計算した時間になっており近くのエレベーターを見るとちょうど止まったよおうすだったのでスイッチを押すと上から爆発音が聞こえる。頑張ってあと半分を登るとエレベーターの前に人が大量に転がっていた。十人転がっているからちょうど登った分だと指を鳴らすと後頭部を叩かれる。

 

「何だよ」

「何だよじゃねーよ。人に散々言っといてこれかお前」

「んなこと言ってる場合じゃねーだろ。それに俺だって腹括ってやってる」

「そうかよ…ってうしろ!」

 

 すぐにしゃがみ振り返って銃を撃つとマスカレイドの軍勢がいる。中に別のドーパントがいることか流石にもう戦闘は避けられないらしい。

 

「しゃーねぇ戦うか!」

「非戦闘民いるけど?」

「ガンバ」

「ふざけるなぁ!!」

 

 とか言いながら自己防衛出来てんだから充分だろと思いつつ敵を倒していくと後ろから不意を突かれる。鈍器にも似た一撃が背中を襲い痛みで動けなくなる。変身してる都合上死ぬことはないがそれでも激痛が走って立つことが出来なかった。

 

「痛いだろ、最大まで貯めたからな」

「ドンキーかよお前」

「これで終わりだ」

 

 俺を叩き潰そうとする拳が振り下ろされる直前、獅郞によって回避することが出来た。

 

「大丈夫か?」

「まぁな」

「じゃあお前のドライバーを貸せ。あと手錠も外せ」

「はぁ?なに言ってやがる」

「動けないお前より俺がやった方が生存率は上がる、そうだろ?」

「そりゃあお前、当たり前だろ」

「じゃあ渡せ」

「でもお前のメモリじゃ無理だろ」

 

 手錠のロックを外してロストドライバーを外すとぶん取られる。ドーパントのメモリはベルトに挿し込むことは出来ないはず、なのにアイツから聞こえてきた音はヤツのメモリの音そのものだった。

 

『Nazuka』

「なっ、ナスカ!?」

「行くぜ〜変身」

『ナスカ』

 

 青白い風が獅郎を包むとストールを巻いた青い戦士の姿が現れる。ブレードは前のやつと同じだが体は怪物らしさではなく俺達と同じ仮面ライダーらしさがある。

 

「風に斬られたことはあるか?」

 

 駆け出すと共に風が吹き出し敵を斬っていく。マスカレイド以外のドーパントすら敵ではないかのように斬り伏せていく。その姿を見て新一の姿と重なり同じ剣術を学んだというのは本当だったのかと驚かされた。俺の目の前に戻り剣を降り下ろすとドーパント達は爆発して消えていく。中にはメモリブレイクされたものもいるがそのまま放っておく。

 獅郎は変身を解除すると床に手をついて血を吐いた。

 

「おまっ、何やってんだよ!」

「でも助かったろ」

「そうじゃないだろ。らしくもないことすんな」

「お互い様だろ」

「はぁ?」

「お前だって、俺に利用価値があるとか言って適当な理由つけて守ってんじゃねぇよ」

「俺は」

 

 そんなものじゃない。本当に利用価値しか考えていないんだ。信用もクソもないがコイツは今だけは利用価値がある。だから庇っているに過ぎないんだ。

 

「てかお前何だよそれ」

「俺か?」

 

 手に持っている黄色のメモリを見せられる。確かに記号はNと書かれている。しかも形状はガイアメモリそのものだ。コイツを連れてくる時に持ち物検査はしたがそういうものは一切持っていなかったはずなのにどうして持っているのか。

 

「どこで手に入れた」

「快斗からスった」

「何してんのお前、てかアイツもアイツで緩すぎんだろ」

『もしもーし』

「何やってんだ、お前!」

『は?ル○ィ??』

 

 タイミングがいいのか快斗から無線が入ってくる。助かりはしたがコイツの管理が杜撰なせいでコイツが逃げる可能性があがったじゃねぇか。

 

「お前からナスカのメモリ借りてるぞ」

『何言ってんだよそんなもの渡してって、ない!?』

「報告書確定だな」

『何してくれてんだお前ぇぇぇぇぇぇぇぇ!』

「で、何で連絡してきたんだお前」

『あーそうそう』

「うわぁ急に落ち着くな!」

 

 散々ふざけ合った上で急に落ち着くと恐怖を感じる。今度新一にもやってみるかとも考えるが今は冷静になって話を聞く。

 

「んで何用?」

『主砲のコントロールルームっぽい所についた』

「敵は?」

『既に制圧した。ただこの辺の機械どうすればいいのかわからん。無理に壊すわけにもいかねぇだろ』

「お前、本物か…?」

『流石に今は頭回してるわ!いつもみたいに馬鹿やってるわけにもいかないだろ!』

 

 一応暗殺者だしなアイツ、その辺は鍛えられているんだろう。流石に馬鹿にしすぎたか。でもこの状況で解決方法を聞いてくるってことは複雑な機械なんだろうな。とりあえずどういうものかを聞こうとすると通信が切れていた。壊れたかを疑うと数秒後に善処はするけど期待するなという言葉だけ聞こえてプツッと切れた。

 

「どうやら結構強いのが現れたらしいな」

「……だな。てかお前な、今まで普通にスルーしてたけど体への負担はどうなってる」

「割とさっきの血反吐程度。ただ毒が除去しきれていない分はある程度弦巻で軽減する薬を打ってもらったから楽ではある。効果が切れればすぐに回るだろうがな」

「とっとと終わらせて戻っぞ」

「まさか俺を延命させようとしているのか?」

「俺を庇って死なれるのが気色悪いのだけだ」

「はっ、そうかよ」

 

 もう一回手錠をつけて獅郎を連れていく。もう少しで要塞のコントロールルームに着く。この要塞を止めて獅郎の件にも肩をつけられるようにする。それだけを考えて俺達は階段を登っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「さてと、そんであんた誰?」

「あら、私は坊やの事覚えているわよ」

「悪いけど年上は二つ上までしか許してないんだわ」

「アイツと同じことを言うのね」

 

 どこの誰だかは知らないが制圧して数分せずに入ってきたんだきっと何かある。それに一人で来た上に余裕のある感じ、多分レベルは高い。ナイフを構えて臨戦態勢をとる。

 

「あの日坊やに負けてからずっと悔しかったのだけれどやっと仕返しが出来るのね」

「だから俺はあんたの事なんか知らな…っ」

 

 懐から取り出したメモリは金色のTが書かれたメモリ。タブーと発声したそれを見て俺はあの日のことを思い出す。先輩が俺にドライバーとメモリを託したあの日の出来事。

 

「アンタまさか」

「そう、あの時はお世話になったわね。たっぷりお礼をさせてもらうわ」

「覚えていないのか?アンタ俺に一回負けてんだぜ」

「わかっているわ。だからこそこれを使うんじゃない」

 

 四角い小さな物体を取り出すとそれをタブーのメモリに取り付ける。アップグレードなどと音を出してメモリの雰囲気はより禍々しく感じるようになった。身体に挿し込んだそれは体内へ侵入していき一年半前に見た姿よりも禍々しい雰囲気を宿すドーパントの姿へと変貌した。

 

「さぁ、坊や、たっぷり遊んであげるわ」

「ちっ……悪いが遊んでいる場合じゃないらしいんでね」

 

 強がってはみせたものの正直威圧だけで圧倒されそうだ。正直あの時は無我夢中でどうやって勝ったのかすら覚えていない。けどあの時より確実に強くなっている。それを信じて俺は立ち向かうことを決めた。

 

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