新年開始とともに新章開始です!どうぞ!
第壱話 白い仮面と骸の面
コンテストの日から1週間以上経った。いつも通りの日々は変わらず、学校に行きバンドの練習を見届け、家では家事を行う。そしてファンガイアを倒す日々が続いていた。今日は練習がなく、一人でスーパーに買い物に来ていた。夕飯は何にするかお肉を眺めながら考えていると聞き覚えのある声に声をかけられた。
「やっほ〜新一ー♪」
「ん、リサ?」
「なにしてんの………って夕飯の買い出しか」
「うん、今日は何にしようかなって」
「うーん、なにで悩んでんの?」
「ハンバーグか生姜焼き……かな?」
「なるほど〜今日はお肉なんだ」
「うん」
それからしばらく話していると夕食の話が発展して料理の話になった。難しいところに共感したりコツを共有しているといつの間にかタイムサービスの時間になろうとしていた。サービス品を確認すると、ちょうど切らしてるものがあったのですぐに向かうことにした。リサも向かおうとしていたが、流石に人が多かったため、リサの分も回収しにいくことにした。始まりの鐘が鳴った瞬間走り出した。今回の要である醤油と卵を回収しに向かう。人壁が出来そうであったがすり抜けるなどして回避していく。途中、極道のような人達が数名いたが、気にしないでおこう。回収が全部終わるとリサのところに戻った。
「おつかれ〜ありがとね、新一」
「ううん、これくらい大したことないよ。それにいつもの御礼ってことで」
「いやいや、こっちがお世話になってるのに」
それからお互い譲歩をしようとしたが、なにやってるんだろうとお互いに笑った。そして帰るためにレジに向かい、会計を終わらせて帰ろうとすると後ろの方から声が聞こえた。
「待ってくださーい!」
「ん?リサどうしたの?」
「え、アタシなにも言ってないけど」
「へ?」
リサは全く持って関係なく、誰だと考えていると後ろの方から走ってくる音が聞こえた。次第に大きくなり振り返ると女の子が走ってきていた。どうやら全力疾走しているようで止めないとかわいそうだなと思い受け止める姿勢を取った。全力でぶつかってきた子を受け止め、姿勢を正すとその子の姿をしっかりと見ることができた。日本人にしては珍しい銀髪、水色の瞳。この二つの特徴から外国人という発想に至った。すると突然その子が話しかけてきた。
「お久しぶりです、シンさん!」
「…え?」
「新一、知り合いなの?」
「え、あーうん。どこであったっけ?」
「えっ、どっち?」
「覚えてないんですか?イギリスであったんですよ」
「あっ、もしかしてイヴちゃん?」
記憶にある名前を出すと女の子がぴょんぴょん跳ねて喜んでいた。
「そうです!イヴです!覚えてくれていて嬉しいです!」
「えーっと……二人はどういう関係?」
聞かれた瞬間すぐに答えようとしたがここで
「話したいのは山々なんだけど、今度にしない?」
「え、なんでですか?」
「そっか、イヴちゃんにはわからないよね…」
「何が……ですか?」
「まぁ、すぐわかるよ」
そう言った瞬間近くの窓ガラスが割れた。割れた窓ガラスが落ちたところには黒い人のようなものがいた。ただそれはただ黒いだけでなく、何故か所々
「キャァァァァ!?!?」
「新一、アンタまさか」
「うん、いつもの流れになりそうだけど……ああいうのは初めて見たよ」
燃えているそれは当たりを見回すとこちらを見てゆっくり近づいてきた。
「リサ、申し訳ないけどイヴちゃんとこの荷物お願いするね」
「う、うん。気をつけてね!」
「ありがとう。でも大丈夫、鬼ごっこは得意だからさ!」
そう言ってファンガイアに石を投げてターゲットをこっちに集中させる。こっちに走り出した瞬間、こちらも全速力で逃げる。見た目からしてファンガイアではないことは明白だった。いつものステンドグラスの様な模様が無かったからだ。もっと言えばファンガイアが燃えているはずがないという直感的なものもある。じゃあ、あいつは一体なんなんだということになるが………。そう悩んでいるとリサたちの姿が完全に見えなくなったのでブレーキを踏んで止まった。すると追いかけてきた怪物も止まった。
「あのさ、一つ聞きたいんだけど………君誰?」
「……」
「意思疎通は無理なのかな………分かった。申し訳ないけど倒させてもらうよ!」
意思疎通が無理だと判断した瞬間、ベルトを腰に巻きイクサナックルを掌に当てた。
『レ・デ・ィ』
「変身!」
『フ・ィ・ス・ト・オ・ン』
ベルトにナックルを装填し、イクサに変身した。未知の敵でもあるため最初からバーストモードになる。イクサカリバーを取り出し、怪物に向かって行く。だがやることはいつもと変わらなかった。敵が変わろうとただ戦うだけ。強いていうならば相手が炎を吹き飛ばしてくることだけだろうか。しかしそれが厄介だった。途中から奴はそれしかやってこない。近づこうにも炎が邪魔で近づけないのだ。今は物陰にいるからなんとかなっているが、それも時間の問題である。どうにかチャンスが来ないかそう思った瞬間だった。
「⬜︎⬜︎⬜︎ーーーー!?」
奴の動きが止まった。何があったのだろうか。やつの頭を見てみると一本のナイフが刺さっていた。そのナイフは一般のものとは違い、特注品のような形状をしていた。よくわからないが今が勝機だと思い、物陰から身を乗り出して近づいた。こっちに気づいた怪物は反撃するも身に合わず僕に斬られて爆散した。いつもならば砕け散る筈なのだが、爆発した場所を見ると中から人が出てきて倒れた。すぐに駆け寄ると意識はあり、ただ寝ているだけのようだった。安心してため息をつくとあるものが目に入った。下を見ると地面に赤い長物が落ちていた。よく見ると変わったメモリだった。形的にはUSBメモリの様なのだが、側面にアルファベットでMと書かれていた。よくわからないものなので調べようとするとチャリ、と金属を拾うような音がした。後ろを振り返るとそこには黒いマントを背負い、所々青くなっており、白い面に黄色い目をした
「そこのあんた、怪物退治おつかれ」
「え、あ、うん」
「よし、じゃあそのメモリを寄越せ。投げていいから」
「え……?」
「いいからこっちに投げ渡せ」
「えっ、うん」
軽い返事をして鎧の方に投げるとその鎧はそのメモリを拳で破壊した。何故破壊したかわからずただ立っているとまた声をかけられる。
「ご協力感謝。で、あんたナニもんだ?」
「え、それはこっちのセリフなんだけど。そっちこそ何者?」
「んなもん見れば分かるだろ。
「………えっと、つまり同業者?」
「ってことはアンタも同じってことか。ん?ちょっと待ってろ」
彼は急に耳元に手を当てて独り言のように話し始めた。誰かと通信しているのだろうか。となると組織的なものの一員だろうか。想像を膨らましていると彼が近づいてきた。
「残念ながら今日はここまでだ」
「ちょっと、どこ行くのさ」
「なーに、心配しなくて良いさ。どうせまたすぐに会える。こんな戦場でな」
その言葉を残して彼は消えた。一体どこの誰だったのだろう。とりあえず変身を解除しようとするとリサとイヴちゃんの声が聞こえてきたので急いで物陰に隠れる。それからはいつも通り誤魔化した。一通り終わらせた後に全員がそこで解散した。
その日の夜、完全に自由時間となった二十二時。リサからメールが届いた。内容は至って単純なのだが少しばかり遠慮しかけた。
『今から学校行くんだけどさ、一緒に行ってくれない?」
この時間に学校という時点でおかしい気がする。しかしリサとてそこまで悪い子じゃないだろうと思い、理由を聞き出した。すると納得せざるを得ない文が返ってきた。
『教室に数学のノート置いてきちゃってさ。それの課題が明日提出なんだよね。一人で行くの怖いからお願いっ!!!』
正直なことを言うと僕も幽霊とかいう類が苦手なのだが、この時間に一人で行かせるわけにもいかないので5分後に家の前で集合しようと返信し、支度をする。本当に何も起きなければいいのだが………。急いで事を済ませるために移動はバイクにしようとイクサリオンを準備する。その状態で待っているとリサが現れた。バイクを見た瞬間は驚かれたが、すぐに納得してくれてスムーズに移動できた。目的地である学校に着くと不自然なことに門が少し開いていた。それに奥の方を見ると生徒玄関の方も開いていた。この奇妙な状況がどうしても引っかかるが、嫌なことを想像する前にリサが早く行こうと急かしてきたので急ぎ足で学校に入っていく。教室前まで来るとあることに気づく。そういえば教室の鍵持ってない。
「ここまで来て鍵がないって状態だけどどうするの?」
「大丈夫大丈夫⭐︎確かここら辺が………ほら♪」
ほらと言った瞬間教室の廊下側にある窓が一つ空いた。事情を聞くとどうやらこのクラスの窓の鍵が一つ壊れてるらしい。それで閉まらないようになってるらしく、忘れ物をした時はここから入れるらしい。唖然としながらついていくとリサは自分の席に向かって行った。その間待っているしかないので僕は窓側の席に座って待機していた。
「あったよ新一!」
「うん、ならよかったよ。さぁ、早めに撤退しよ」
「うん、そうし………」
「どうかしたのリサ?」
リサがこちらを見ながら震えている。僕はさっきと何も変わってないはずなのに何故か僕の方を見ている。
「し、新一…う、う、」
「何?はっきり言わないとわからないよ!」
「う、うしろ!!」
「後ろ?」
リサが指差した後ろを見てみると窓の外に通常ではあり得ない大きさの蝙蝠が羽を広げてぶら下がっていた。
「キャァァァァ!!!!!!」
「ゑーーーーー!?!?!?!?」
「⬜︎⬜︎⬜︎ーー!!」
十分叫んだ僕とリサは教室から逃げ出した。二人揃って全速力だった。教室からそれなりに離れて後ろを振り向いてみると化け物が教室の中から出で来た。さっきまで外にいたはずなのに何故だ。とりあえず逃げようとすると目の前で止まっていたリサにぶつかってしまった。
「リ、リサ、こんな時に止まらないでよ!」
「ねぇ、新一。こういうのってなんて言うんだっけ…」
「何ふざけたことを…………」
リサの指差す方向を見ると言葉が出て来なくった。指さす方向には髑髏が立っていた。帽子をかぶっているようだが間違いなく顔は骸骨だった。
「え、えーっとね、似たような状況だと『前門の虎黄門の狼』って言うんだよ⭐︎」
「へ、へ〜……」
「…………ごめん、ふざけてる場合じゃないのはよくわかってるけどこうでもしないとどうにかなりそうで」
「どっ、どうしよう新一。ももも、もう逃げられないよ!」
リサが動揺しすぎておかしくなり始めているのがわかった。化け物相手ならイクサを使うべきなのだが、こんなところで正体を知られたくもなく、変身に戸惑う。するとコウモリの方が走って近づいて来た。もうダメだとナックルを出そうとすると目の前に火花が散った。化け物が悲鳴をあげてその場に転んだ。何事かとあたりを見回すとさっきの骸骨が銃をこちらに向けていた。おそらくそれで撃ったのだろう。一方化け物はすぐに立ち上がり骸骨に向かっていった。危ないと叫ぼうとした瞬間、骸骨は腰に巻いてあるベルトからスティック状のものを取り出して銃に挿し込んだ。その瞬間、銃を両手で構え始めた。
『スカル マキシマムドライブ』
「⬜︎⬜︎⬜︎!!!」
「大人しくしてろ、一瞬で終わらせてやる」
刹那に聞こえた声は若い男の声だった。その言葉と同時に銃口が光り、一筋の光が化け物を貫いていた。貫かれた化け物は爆発し、その場に倒れ込んだ。しかしそこにいたのは化け物ではなく、人間だった。さっきまで化け物がいたはずなのにどうしてだろう。倒れている人物に話を聞こうとすると足元に何かがぶつかった。足のつま先を見てみるとさっき見たスティックと同じようなものが転がっていた。触ろうと手を近づけるとそれは割れてしまった。一体何なんだろうと思いはしたがとりあえずそこの人物に話を聞くことにした。
「あのー、生きてますよね?」
「う、うぅ……」
「大丈夫かな?」
「!リサちゃん!」
突然声を出したかと思えばリサの名前を呼び始めた。驚いたリサは硬直して動けなかった。
「僕に会いにきてくれたんだね!?」
「何言ってんの、この人」
「酷いよ、せっかく入りやすいように門とか開けておいたのに」
「!貴方、よく見ると警備員の人ですよね?」
「そうだけど。あのね、僕は男に興味はないんだよ。ね、リサちゃん!」
警備員は気持ち悪い手つきをしながらリサに近づいていく。それに対してリサは嫌がるように後退っていく。それを見た骸骨は止めようとしたが、僕がそれを止める。そして二人に対して悪魔のような一言を吹き込む。
「じゃあ好きにしてください。僕は後ろから見てますから」
「新一!?ちょ、助けてよ!」
「やった!これでリサちゃんとお話しできる!」
そう言って離れるとすぐ警備員はリサとの距離を縮めた。時間がいると思ったのだが、
「おめでとうございます。これで貴方はテレビに出れて一躍人気者…………貴方の人生終了ですね♪」
「な、なんで、どういうことだよ!何もしないんじゃなかったのかよ!?」
「誰もそんなこと言ってませんよ。それに本当ならさっき止めてもよかったんです」
「は?」
「でも、さっき止めても貴方はまた繰り返すでしょう。もしかしたらその時は僕がいないかもしれない、そうしたら彼女は確実に危ない。ならば答えは簡単です。今日という日に確実に貴方を絞めて差し上げます♪」
「そ、そんなことして良いと思ってるの!?今すぐにリサちゃんを襲うことだって」
「黙れ、口を開くな下衆が。それ以上喋ってみろ、この人の銃口が貴方に向けられるぞ」
ようやく黙り込んで静かになったところで話を戻そうと咳払いをする。これからの結末は決まったようなものだが本人に確認しておこう。
「さぁ、貴方の選択肢は二つです。この写真をテレビに出して人気者になるか、二度とこの子に近づかないの二択です。選んでください♪」
「あ、あ、あの、今回だけ見逃すって選択は…」
そのくだらない質問を聞かされた瞬間右手を上げた。すると彼はノリがいいのか銃を警備員に向けた。その瞬間、警備員の顔は青ざめて泣き叫びながら謝罪の言葉を述べ逃げていった。とりあえず一件落着といったところだろう。大丈夫かとリサの元に寄るとリサに半分涙を出しながら睨まれた。手は出されてない(出す寸前まではいったけど)ので許してくれと頼みながら校舎を後にした。外まで見送ってくれるのか骸骨の人もついてきた。聞きたい事はあったが、まぁ何か縁があればまた今度会えるだろうと思い聞かなかった。だが、その再会はすぐ側にあった。
新「いやぁ、もう夜の学校イベントは体験したくないよ」
お疲れ様でした。また今度行ってもらうかもしれませんのでその時はよろしくお願いします。
新「嫌ですよ、いくら作者でもそれは許され」
肉じゃが用意しとくから
新「……少しだけ考えさせてください」
(はっ、チョロw)それでは次回「転校生」お楽しみに!
新「あれ?軽くネタバレしてません?」
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