青薔薇の歌姫と白き聖騎士   作:OSTO文明

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お久しぶりです。最新話です。


第弐話 転校生

 翌日、いつも通り起きていつも通り学校に向かった。お嬢様と家を出るとリサと会い一緒に学校に行く。特に何も考えず、何もなく学校に着く。校門のあたりを見回すといつもの警備員がいなかった。後々聞く事になったがどうやら退職届を残してどこかに消えたらしい。無理もないだろう。あんなに怯えてたのだ。これ以上ここにいても苦しい思いをするだけだろう。まぁ、特に何もしてないとしか考えてないんだけど。教室に入って席に着くと一人の時間になる。因みに学校では放課後と必要時以外話しかけるなと言われている。そうすると学校では大体一人になるのだ。暇な時は一番端っこの席ゆえ窓の景色を見て時間が過ぎるのを待つ。………というのが日常だったのだがこれも束の間の休息だったらしい。朝の予鈴が鳴り、担任が教室に入ってきた。

 

「はーい、席についてー。今日は転校生が来てるからねー」

 

 『転校生』というワードを聞いて教室は騒ぎ出した。そうそうないイベントが訪れたのだ。必然的だろう。転校生、か………特に考えた事なかったが少しだけ興味があった。だけどすぐに女子だろうという推測が立ち通常スタイルに戻る。

 

「はいはい、静かに。ほんとは二人いるんだけど、今日は片方休みだから一人だけね。じゃあ入ってきてー」

 

 ドアを開けて入ってきたのは男だった。入ってきた男は紫のような髪色をしており、橙色の瞳をしていた。意外なことから教室が静まり返ったが、すぐにイケメンだのなんだのとヒソヒソと声が聞こえてきた。

 

「それじゃ自己紹介してね」

「はい、初めまして。鳴海 京(なるみ けい)です。特にいう事考えてなかったんで聞きたいことがある人は後で来てくれって感じです!よろしくお願いします」

「はーい、ありがとう。てか、考えといてって言ったのに考えてこなかったの?」

「いやぁ、ついつい忘れて」

 

 申し訳ないって感じの仕草をすると教室中に歓声が湧き上がった。だけど、何故かその声に聞き覚えがあったが、気のせいという事にした。席は僕の隣らしく指示されるとスタスタと歩いてきたがあと数歩で止まった。見ているのがバレたかと思ったが実際はそうではなく、数個前の席の子をじっと見て声を発した。

 

「お前、もしかして大和麻弥か?」

「えっ、じゃあ本当に京さんなんですか?」

「おー、久しぶりだな。まさか、ここに通ってたとは」

「いやぁ、自分もビックリっす。こんなところで京さんに会えるなんて」

「二人は知り合いなのー?」

「あぁ、ちょっとな」

「へー、あとで話聞かせてよ!」

「俺は構わないけど」

「自分もいいですよ。久しぶりに京さんと話したいですし」

 

 なんか怪しいなどという声をちらほら聞こえたが二人は気にせずその場で別れて鳴海くんがこっちに来た。目の目に来たところでこっちを見るなりニヤリと笑った。なんの意思なのか分からずにいると隣から一瞬だけ殺意を感じた。隣を見た瞬間一枚の紙切れが飛んできた。顔面寸前で止めることが出来たが失敗したら痛かっただろう。その紙切れをよく見てみるとそれはトランプだった。絵の方を見ると数字と記号は書いておらず、代わりに『昼休みに話をしようぜ』とだけ書いてあった。確認のために目線だけ隣を見ると顔つきは変わらず笑っていた。なんの意図があるのだろうか。とりあえず昼休みまでは何もしないでおく事にした。授業中、休み時間、特に何もなく進んでいき、約束の昼休みになった。担当の教師が教室を出た瞬間、クラスの大半の女子が隣の席に集まってきた。驚いた、来たばっかりなのにもうこんなに友達が出来たのだろうか。正直に言って羨ま、いや、なんでもない。彼がどう動くのか見ているとすぐに行動に出た。

 

「ねー鳴海君ー!」

「ああ、すまんすまん。今日は先約が入っててな」

「えー、誰と食べるの?」

「ん、答えならすぐそこにいるぜ。なぁ?」

 

 真っ直ぐ見下ろしてくる。周りに感づかれると気まずいので笑顔で対応する。

 

「うん、皆さんごめんなさい。明日は絶対この人をフリーにしますので今日はお貸しください」

「うーん、名護君ならいっかー」

「そうだねーって早くしないと購買ヤバくない!?」

「ヤバっ、みんな行こ!」

 

 最後の声と同時に近くにいた女子は全員消えていった。皆お弁当作れば良いのに………。そして改めて鳴海君の方を向くと上に行こうぜと言って歩いて行った。その後ろをついていくように僕も進んだ。そして階段を登り、屋上へ行くとベンチに座った。鳴海君はサンドイッチを食べ始めた。雰囲気に合わせて持ってきたお弁当を開いて食べようとすると鳴海君が話しかけてきた。

 

「そろそろ話したらどうだ?」

「………なんのことかな?君とは初対面のはずだけど」

「ん〜、俺からすれば初対面じゃねぇぞ。まぁ、顔隠してたから分からなくて当然だけど」

 

 突然理解しづらいことを言ってくる。何を試しているのだろうか。

 

「どういう事かな?ハッキリしてもらわないと困るんだけど」

「んじゃあもっとわかりやすくするか!」

 

 そう言って鳴海君は立ち上がり、数歩歩いたところでこちらを向き制服の内ポケに手を入れた。そこから取り出したのは変わった形のバックル(・・・・・・・・・・)だった。彼はすぐさまそれを腰に付けるとベルトが巻かれ、固定された。制服の内ポケットから黒いスティック状の物を取り出しボタンを押した。

 

『スカル!』

「変身」

 

 音が鳴った瞬間、声を出し、スティックをバックルに挿し、姿を変えた。その姿は先日見た髑髏の面と同じだった。黒い体に首に巻いてある白いスカーフ。さらに何処から取り出したのか白い帽子を被っていた。

 

「さ、これで分かりやすくなっただろ?」

「どうして………君がその姿を?」

「何、答えは単純さ。それは俺が『鳴海京』で『仮面ライダースカル』だからだ」

「仮面ライダー………」

 

 その単語は最近耳にした(もとい口にした)単語だった。まさかこんなにも近くに同業者がいたとは思いもしなかった。

 

「で、お前もライダーなんだろ?」

「………え?」

 

 突然鎌をかけてくる。どうしてわかった?今までそんな事は話してないはずなのに何故?

 

「お前、表情隠すの上手いな」

「えっ」

「あーいや、仮に本当だったとしたらポーカーフェイスが上手いなって話。それで、本当はどうなんだ?」

 

 同業者なら隠したところで良いことも無いだろう。むしろ話しといた方が良いのかもしれない。戦闘の時連携が取りやすくなるかもしれない。

 

「うん…僕もライダーだよ。でもこれは内密にして欲しい」

「え、どうしてだ?」

「それは………」

 

 それからこちらの事情を話すと鳴海君は納得してくれた。ついでにこちらの敵、ファンガイアについても話しておいた。すると向こう側もあちら側の敵について教えてくれた。昨日出てきた敵、総称してドーパントというらしい。元は人間であるけどミュージアムメモリといわれるメモリを体に挿すことでドーパントに変貌するらしい。変身する多数は復讐などの動機があるらしい。元に戻すにはドーパントを倒し、メモリを破壊しなければならないとのことだ。お互いの情報を交換し終わると鳴海君は突然笑い出した。

 

「しっかしお前、ライダーやりながら執事もやってんのかよ。忙しそうだなぁ」

「まぁね、正体隠さなきゃいけないし。でも鳴海君って凄いよね、僕を一瞬でライダーって見破っちゃうし」

「自慢じゃねぇけど、これでも探偵やってたからな」

「探偵?」

「ああ、ここに来る前探偵やっててな観察眼だけはあると思うぜ」

「なるほど、つまりこれから事件が頻繁に起きるようになると………」

「誰が死神だコラ。それに推理披露することはないだろうけどな」

「なんで?」

「尺的に?」

「それ以上言っちゃいけない」

 

 探偵………という事は言っていた通り目がいいという事だ。だから彼の武器は銃なのかもしれない。いつのまにか変身を解いていた鳴海君は肩を叩いてきた。

 

「まぁここまで話したんだ。これからよろしくな、えーっと…」

「名護新一、新一で良いよ。こちらこそよろしく」

「ああ、新一。俺は京でいいぜ」

「うん、わかったよ京k」

 

 最後の言葉を言い切る前に悲鳴が聞こえてきた。聞こえてきた方向、校門の方を見てみると黒いスーツの集団が駆け寄ってきた先生方を薙ぎ払っている。スーツ軍団の顔をよく見てみると顔には骨のようなものが付いていた。あれは一体どういう事だ?

 

「今あれ見てどういう事だってなってるだろ?」

「そこまで思考を読まれると流石に引くんだけど。それであれは?」

「マスカレード」

「…仮面舞踏会?」

「いや、まぁそうなんだけど、あれはマスカレードっていういわば一個小隊だ」

「軍人なの?」

「いや、どっかの金持ちの手下らしい。前に一人とっ捕まえて聞いたんだけどそれしか聞き出せなかった」

「でもなんでこんなこと……」

「簡単な話、実験体探しだ」

 

 実験体……何を言っているのだろうか。復讐などを考えている連中ではないということは分かった。けれども何故実験体探しなどしているのか。

 

「復讐などが多いとはいったが相手は組織だ。新しいものを作ったら実験体が必要となる。だからたまにこうやって拉致するようなことをしてんだ」

「………」

 

 ぎゅっと下唇を噛む。そんなことのために人の命を弄んでるのか。だとしたら絶対に許せない。顔に出てしまっていたのかこっちを見た京君が言った。

 

「なぁ、このままいるつもりか?」

「……?」

「俺らには力がある。だとしたら、やれることがあるんじゃねぇの?」

「…そうだね、この力、なんのためにあるのが改めて思い知らされたよ」

「先に言っておくが、あいつらは倒しても元に戻らない。マスカレードは一度刺したら死ぬか生き残るかだ」

「大丈夫、彼らを殺しても……人を殺した(・・・・・)ことにはならないよ」

 

 あんな下劣な奴らはもはや人ではない、そう決めつけている。だけど誰にも邪魔はさせない。それに人殺しなら慣れている(・・・・・)。もう二度と、あんな思いはごめんだ。

 

「じゃあついでだ、お前の力見せて貰うぜ」

「………いくよ」

 

 そこで京君は返事を軽くして僕と変身した。

 

『レ・デ・ィ』『スカル!』

「「変身」」

『フ・ィ・ス・ト・オ・ン』

 

 ライダーシステム(自分はセーブモードだが)を体に纏ったと同時に僕たちはフェンスを跳び越えて校庭に飛び降りた。地に足がついた瞬間体に衝撃が少しばかり走ったがそれを気にせずに殴り込みに行った。こちらに気付いたのかまとめてこっちに向かってきた。それに対して後ろから銃弾が飛んできた。後ろを見やるとそこには銃を構えた京君の姿が見えた。今回は後方支援なのだろう。援護に感謝しつつマスカレードを薙ぎ倒す。一人一人を伏せていく。個人個人の戦闘力は今まで戦ってきたファンガイア達より低いだろう。人が本当にただ強化された感じだ。全員を伏せさせたところでフェッスルを入れ、イクサナックルを引き出し、マスカレード達に向かってブロウクン・ファングを放った。一度に全員に当たったので纏めて消す事に成功した。マスカレード達は消え、そこには倒れている教師と自分達だけになった。教師に近づこうとすると走ってくる音が聞こえた。京くんだ。

 

「一気に片付いたな。それにしてもすごかったぞお前、意外とやるなぁ!」

「………」

「何で黙ってんだ?」

 

 答えるように親指で校舎の方を指す。すると納得したようにうなづいたてくれた。一度裏に引こうとするとまた走ってくる音が聞こえた。そっちの方を見ると水色の髪をした女の子が走ってきた。氷川日菜、この学校で天才と言われてる少女だ。テストで常に100点、運動神経も良し、おまけにアイドルをやっているとか………とにかくバレるわけにもいかないのでその場を頼んで急いで裏に逃げ込んだ。




急いで裏に隠れた新一
京に接触した日菜
一体どんな不思議な事が起きるのか
次回 「正体と歌と」
次回もRX!(すみませんRXはふざけました)

壁の色を変えるとしたら?

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