青薔薇の歌姫と白き聖騎士   作:OSTO文明

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最近月1投稿になってることに気付きました。ちゃんと書いてるんですよ?ですがいつの間にか時間が経ってるんですよ………
あ、最新話です、どうぞ!


第肆話 セットリスト

「いやぁ、すまねぇな急にこんなことして」

「……」

「さっきまであんなに気軽に話してくれたのに…」

 

 何を言ってるんだろうか。突然手錠なんかかけられてフランクに話せるはずがない。

 

「まぁ、仕方ないよなー。っと目的地に着いたぞ。てかいつまで変身したままなんだ?」

「…それはお互い様でしょ」

「それもそうだな、ここまできたらいいっすよね?」

 

 そう言って彼は変身を解除した。驚いた。そこに現れた姿は僕と同じくらいの青年だった。抵抗しても仕方ないのでこちらも変身を解除した。

 

「さぁ、解除したら武装はこっちへ。ああ、隠してるものも全部お願いします」

「なんで急に敬語?」

「いや実は顔見るまで忘れてたんスけど、実は俺の方が年下なんですわ」

「え!?何…だって………」

「とりあえず来てください、当主直々(・・・・)に話があるそうです」

「…!分かった………」

 

 そう言う彼に連れられ、僕達は場所を移した。目の前にある大きな家の中に入り、奥の部屋へと足を運んでいく。部屋の中に入ると明かりはついておらず、真っ暗な部屋だった。入ってきた扉が閉められた瞬間、目の前が少しばかり明るくなり、一つのシルエットが姿を見せた。

 

「客人に顔を見せない無礼を許してほしい。こう見えて人見知りでな」

 

 嘘だ。おそらくは警戒だろう。

 

「いいえ、こちらこそお招き頂きありがたく存じ上げます」

「本題に入ろう。貴様の名を申し上げて貰えるだろうか」

「………名護新一です」

「!貴様…やはり名護の御曹司か」

「そのことを知っているって事は、ここはそっち側(・・・・)の家って事で大丈夫ですか?」

「ああ、貴様の思惑は知らんがそういう事だろう」

 

 なるほど、だから彼が僕の年齢と顔を知っているわけだ。

 

「状況から察するに僕のことは調べてたんですよね?」

「ああ、申し訳ないが調べさせてもらった。隅々までな」

「………詳細まで知っているのは何人ですか?」

「私とそこにいる側近だけだ。名前等具体的な情報が出てきた時に極秘に変更させてもらった。だから知ってる奴はここにいる三人だけだ」

「………そこにいる少年は?」

「そいつは細心までは知らん。そういえばまだ紹介してなかったな、快斗」

「はっ、改めまして。大道 快斗(だいどう かいと)と申します。先程申し上げましたが、仮面ライダーエターナルとして戦わせて貰ってます」

「………」

「そろそろ時間か。申し訳ない、ゆっくり話したいのだが予定が入っていてな。単刀直入で言わせて貰う。我が弦巻家と協力(・・)してもらえないだろうか」

 

 つっ、弦巻家!?あの世界を動かすと言われている家と言ったのだろうか。だとしたら敵に回すのは非常にまずい。

 

「申し訳ございません。先程までのご無礼、許していただき存じ上げます」

「顔を上げろ、名護の御曹司。貴様は今はそういう立場ではない。それにこちらが頼む側なのだからな。勿論、タダでとは言わない」

「…具体的にはどのような物でございましょうか」

「月に彼奴らを倒した数だけ給料を与えよう。一体三万でどうだ」

「………私は、金で雇われているわけではございません。もしそういう目的でしたら私は関与致しません」

「待て、我々は安寧と平和のために戦っている。そこだけは勘違いするな。そうだな………ならばこうしよう、食の流通や日常必需品についての特売情報などを………」

「受けさせて頂きます」

「話が早い奴だ。協力する上で快斗とは互いを知っておくといいだろう。それでは失礼させていただく。あとは任せたぞ、快斗」

 

 そう言ってシルエットは消えていった。返事をすると共にその場所に被るように快斗と呼ばれた少年が立つ。

 

「さて、何はともあれこれでちゃんと仲間なんですね。よろしくお願いします、名護さん」

「新一でいいよ、大道君」

「じゃあこっちも快斗でイイっすよ、新一さん」

「それで、これからどうするの?」

「その前に時間大丈夫ですか?新一さん」

 

 時刻は五時半、タイムセールは終わってるだろう。

 

「失うものは失ったから大丈夫、七時までに家につければ」

「じゃあ帰りは送って行きます」

「大丈夫だよ、迷惑かけたくないし」

「いえ、もとよりそうしろって当主からの命令ですので」

「………そう、それで何するの?」

「今から手合わせ願います」

「………はい?」

「模擬戦です、今から訓練場行きますんで受け身取る準備しといてください」

「ちょっと待って、どういう事!?」

「3−2−1!よいしょっ!」

 

 よいしょと聞こえた瞬間重たい音と同時に床が開き、重力に従うがままに落下していった。とりあえず言われた通り受け身の準備だけをして落下していく。床に着いたとき、なんとか体勢を立て直したが心臓がもたなそうだ。

 

「さぁ、着きました。時間もないんで早く始めましょう。30分マッチでいいですか?」

「すごい、淡々としてるね」

「こっちはやりたくてさっきからうずうずしてるんですよ。それにいくら年上でも俺より弱ければ敬意を表せない」

「そっか、じゃあやろっか」

「あれ、意外とすんなり受け入れるんですね」

「うん…あんまりやりたくないんだけどね。あの方も言ってたでしょ互いを知っとけって。だからやらなきゃなって」

「じゃ、やりますか。ルールは簡単、相手を行動不能に追い詰めるか、タイムオーバー。勿論ギブアップなんてつまんない事しないでくださいね」

「うん。じゃ、始めようか」

 

「「変身」」

 

 変身した瞬間模擬戦が始まった。なるほど、ナイフを使ったスピード重視の戦闘を得意とするタイプか。ナイフの持ち替えで連撃、さらには距離の取り方も上手い。距離を取りつつ投げナイフを繰り出してくる。この動きだけで分かる。この子は相当慣れてる(・・・・)。この組織にいる事、それが最初から強さを示していたのかもしれない。だったらこちらもそれなりに示さなければならない。攻撃を捌き続けてきたが、それもこれまでにして反撃に移ろう。快斗君が距離を取る瞬間イクサカリバーをガンモードに変形させて撃ち落とす。彼はすぐさま体勢を立て直すがその間に接近する。剣を振り下ろし牽制していく。近接戦闘のせいか向こう側にも有利性はある。お互いの攻撃を捌きつつ攻撃を繰り出す。それを先に切り抜けたのは僕の方だった。ナイフを頭上に蹴り上げ、武器を奪う。快斗君の喉元に剣を向けてお互いの動きは止まった。

 

「チェックメイト、かな?」

「…っすね。参りました」

「少しだけ手抜いてなかった?」

「そんなことしてませんよ。今回はメモリを使わなかっただけです。使えばダメージが強いので明日とかに支障が出るかなって」

「そうだね、お互い同じことを考えていたみたいだね」

「ハハッ、みたいっすね。さて、時間もいい感じなんで帰りますか」

 

 軽く返事をして快斗君について行くことにした。部屋の隅にエレベーターがあり、それに入る。それから車に乗り、お嬢様の家まで送ってもらうことになった。車内にて互いの情報の交換を行なったが京君の時とさして変わらなかった。しばらくして家付近に停まり、車を降りることに。最後に連絡先だけ交換して快斗君とは車と一緒に解散した。家に入ると部屋は静まっており二階に上がる階段を前にした時、音が聞こえて来た。階段を上がり、音が聞こえる方へ歩いてみると大きく聞こえてきたのはお嬢様の部屋だった。その音が聞こえてきた物は古いカセットテープだった。歌っている声は聞いたことのある声。曲が終わった時、お嬢様はこちらに振り返り、いたのかと驚いた表情を取ると、すぐに食事の支度をしろと言った。

 

 翌日いつも通りの学校を終え、circleに向かい練習が始まった。しばらく練習が行われた後、ここ最近出されていたライブのセットリストの話になった。

 

「みんなが考えてきてくれたセットリストをまとめると……1、2曲目は満場一致で決まりって感じだね♪」

「ええ。賛成よ。3曲目は……このまま勢いにのっていくか、緩急をつけるべきか、考えどころね」

 

 3曲目のところで上げていく派と一度落ち着かせる派の意見が出て相談しあう。そんな中お嬢様は一人で考えている様子だった。

 

(ラストの曲は、昨日聴いたお父さんの曲を歌ってみたい。だけど……)

「............?」

(友希那さんの様子……おかしい気がする……どうしたんだろう……)

「……でさ、友希那はどう思う?」

「え?」

「え?って……聞いてなかったの~?ラストの曲だよ。友希那は何がいいと思う?」

「それは…………ちょっとみんなに聴いてほしい曲があるの」

 

 そういってお嬢様が鞄の中から取り出したのは昨日使っていたテープと小さいラジカセだった。

 

「へ?聴いてほしいって……」

「……!」

 

 その場にいたお嬢様と僕以外が驚いた表情を見せた。でもやっぱり聞いたことのある声だった。どうして思い出せない。なぜだろう。

 

「…………ごいすごい、すごいっ……すっご~い!カッコいい! 超カッコいいですっ!!ね、りんりん!」

「うっ、うん……すごく……すてきな曲……」

「あこ、この曲ライブで演奏してみたいっ!さっきの曲の感じもいいけど、こうやってババーンッ!って叩くの!お客さんも絶対ぜ~ったい、わーって盛り上がるよ!」

「うん……すごくいい……Bメロは……こんな感じとか……」

「あっ、それもいいね!じゃあ、あこはこうしてみようかなっ。サビは激しく叩くから、抑えめにして……それで、最後に一拍置いて……こうっ!!」

「あこちゃん……かっこいい…………」

「あはは、完全に気に入ったみたいだね。ま、アタシもこの曲好きだな~♪」

「確かにこの曲はかっこいいと思うけれど……この曲は一体、誰が歌っている曲なのかしら……?」

「それは……」

「ねえ友希那、この曲ってもしかして……」

 

 リサが質問を口にした瞬間、お嬢様は切り上げるように片付けを始めた。

 

「……いえ、やっぱりこの曲は今のレベルには見合わない」

「えっ……!?」

「ごめんなさい、余計なことに時間をとらせてしまったわね。今の曲のことは忘れて、セットリストを考え直しましょう」

「かっこいい曲だと思ったのになあ……」

 

 切り上げたお嬢様を見てリサは思い当たるところがあるような、そんな顔をしていた。





【挿絵表示】

↑快斗君のイメージ図です。良ければ見てください。
次回「遭遇するSとE/歌う資格」
とうとうあの二人が………!?

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