夏休みは2〜3くらい出せる様に頑張ります!
来週はRoselia走りながら書く予定です。
あれから一日経った翌日、僕は快斗君に呼ばれていた。待ち合わせの場所はファストフード店だった。ファストフード店はあまり行ったことがなかったので緊張したが、入ってみると意外と落ち着きを取り戻せた。レジに並んでワクワクするのを表に出さない様にしながら、ブシドー!セットというのを買い、快斗君のいる席に向かった。軽く挨拶して座ると早速本題に入った。快斗君は口ごもりながらも最近あった出来事についてだと言ってきた。早速で申し訳ないが芯を突いた質問を投げた。
「どうしてあんなことしたんだい?」
「俺は、別に……」
話すのを躊躇いながらもテーブルの上にバックルを置いて話し始めた。
「俺は、アイツがこれを持っていたのが許せなかったんです」
「ロストドライバーを?どうして」
「これは本来一般人が持っていてはいけないんです。メモリの力に支配されるかもしれない……そんなもの一般人が使ったら一体どうなるか」
「それは……」
「それにそいつが戦うことで誰かを守れるかもしれないけど、自分の大切な人を守れなかったら嫌じゃないですか」
「…じゃあ君は………」
「はい、そんなことさせないためにやりました」
先ほどまで暗い表情だったのに今は覚悟を決めたかの様な顔をしていた。彼なりに気を使った結果、ああなってしまったのだろうか。
「君の言いたいことは分かった」
「じゃあ次に会った時は邪魔しないで下さいね」
「……それは聞けないかも」
「じゃあそんときは、新一さんでも容赦しませんよ」
それは大変だと誤魔化して、僕はブシドー!セットのハンバーガーを食べ始めた。ジャンクフードってこんなに美味しいんだという驚きを隠せなかった。
「京君、急にどうしたの?」
同日の午後、京君に呼び出されていた。時間も時間だったのでお嬢様には買い物に行くと言ってcircleを出たが買い物はついでと言ったところだろう。京君は快斗君とは違い、ファストフード店ではなくカフェに呼び出していた。商店街の一角にある羽沢珈琲店。うちの学校の生徒がいるんだとかなんだとか。そんなことは今はどうでもよく、京君の話を聞くことにした。
「いや、すまねぇ。昨日は少し冷静さを欠いてた」
「少しどころじゃない気もしたけどね」
「悪かったっての」
バツが悪そうにコーヒーを飲む彼を見て、僕もコーヒーを一口飲んだ。そして一息ついたところで理由を聞き出す。
「理由を聞かせて貰えるかい?」
「……ああ。俺が冷静じゃいられなくなったのはアイツがこれを持ってたからだ」
そう言ってテーブルの上に置いたのはロストドライバーだった。数時間前にも同じ光景を見たがそれは黙っておこう。何も言わないまま京君の方を見る。
「これは相棒が俺に託してくれた力だ。これで町の人を守るって誓った。なのにアイツは
「つまり、戦う人は少なくて良いと」
「まぁ、そうだな。犠牲になるのは少人数で良いんだ」
「そっか………分かった。ありがとう。ちなみに聞くけど僕はいいの?」
「お前は…仕方ねぇだろ、それが仕事なんだから。それにお前ほんとは強いんだから問題ねぇよ」
驚いたいつの間に認めてもらえてたんだ。だけど気になる、彼がどこまで見抜いているのかを。まぁそうそう
「すまねぇなこんな話して」
「大丈夫だよ、全然問題ない」
「そうか、じゃあ次は邪魔するなよ?」
「どうかな、考えとくよ」
今回も笑って誤魔化し、席を立った。そろそろタイムセールが始まるからとコーヒー代だけ置いて店を出る。そして走ってスーパーに向かい今日の目玉品を全て手中に収めた。お嬢様達はまだ練習しているだろうか。差し入れにそこに売ってるたい焼きでも買っていこう。
「……あの曲……もう一度、聴いてみよう……」
夕方、家に帰ってきた私は部屋の中で古いカセットテープを再生した。私のお父さんが歌った曲。自分で歌いたいという気持ちは募るけど、どうやったらこんなふうに歌えるのかがわからない。
「お父さん……お父さんは一体、どんな思いをこめて、この曲を歌ったの……?」
声が漏れた瞬間、扉の方からノックをする音が聞こえた。
「友希那?少しいいかな?」
「お父さん?」
「部屋から懐かしい曲が聴こえて、ついな。もう10年以上前の曲じゃないか」
「私、この曲を歌いたいと思ったの。でも……私には……」
「それなら歌えばいい。何をためらっているんだ?」
目を逸らす私を見て、お父さんは疑問をぶつけてくる。
「この曲から感じる音楽への純粋な情熱…それを私の歌声にのせて歌える自信がなくて」
「それならその思いをのせて歌えばいい」
私の答えにお父さんはすぐに答えてきた。
「え? でも……」
「それが今のお前の、この曲……それから音楽に対する思いなんだろう。だったら、それを歌えばいいどんな思いを抱えていたっていい。それをぶつけろ」
「私が未熟でも……?」
「完成されていなきゃ演奏できない音楽なんて存在しないさ。ただ……お前がそれほどまでに技術や精神的な未完成さを思い悩んでいるとしても……その思いはとっても純粋で、素晴らしいものだと思うぞ」
お父さんは歌うのに技術なんて関係ないと語りかけてくる。その言葉を聞いて私の中を何かが通った気がする。
「……長く喋ってしまったな。それじゃあ行くよ」
部屋から出て行くお父さんの背中を見送って私は幼馴染に電話をかけた。
「もしもし、リサ? 私よ」
電話が繋がるなり心配をする様な言葉がくる。
「いいえ。もう大丈夫。……今、お父さんにあなたに言われたことと同じことを言われたわ」
『えっ……?』
「私が音楽を思う気持ちは純粋なものだ……とね。ありがとう、リサ」
『うん。アタシは友希那を見守るって決めたんだから。これくらいなんでもないよ。この先だって……友希那が道に迷ったときは、アタシが助けたい。幼馴染みって、そういうものじゃん?』
「……ええ、そうね」
二人の理由は聞き出せたもののまだまだ波乱の予感!?
友希那は何かに気付くことが出来たのか。
次回「衝突するSとE/気づけた歌姫」
次回もよろしくお願いします。
(良ければ感想もお願いします!)
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