青薔薇の歌姫と白き聖騎士   作:OSTO文明

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はい、なんか題名ですごい展開を想像してた皆様、期待しといてください。色んな意味で理解頂けると思います(勝手に)。


第釟話 衝突するSとE/気づけた歌姫

 今日、僕は初めて友人を呼び出した。因みにお嬢様は今自主練習でcircleとは別のスタジオにいる。しかし、友人とは言ったが友人と呼んで良いのだろうか。正直なところ片方は戦場でのみ遭遇し、本部たるところに連行された。もう片方は一応クラスメイトではあるがそこまで表現していいのか………。約10年近く一般人していないとこうも悩むことになってしまう。

 

「何考えてんだお前」

「あ、京君。おはよう」

「おう。で、何考えてたんだ?」

「うーん………一般人について?」

「は?」

 

 自分でも何言ってるのかわからなくなると京君が呆れた顔をしてくる。そんな事をしていると遠くから自分を呼ぶ声が聞こえてくる。

 

「新一さん、お待たせしました」

「ううん、大丈夫。僕たちも今来たところだから」

「そこの人は誰っすか?」

「ああ、紹介するよ。鳴海京君、僕のクラスメイト」

「鳴海京だ、よろしくな」

「大道快斗って言います。よろしくっす」

「で、新一。なんで俺たちは集められたんだ?」

「まぁまぁ、みんなでお昼でも食べに行こうよ」

「あ、ここら辺なら美味しいラーメン屋知ってますよ」

「奇遇だな、俺も知ってる」

「じゃあ行こうか」

 

 ここら辺の事は知らなかったが二人が知っているようで助かった。目的地のラーメン屋に着き、店に入っていく。店の風景は古き良きといった感じだ。店員に案内されテーブル席に着く。三人でメニュー表を読み始める。

 

「決まった?」

「「決まった(っす)」

「すみません、醤油ラーメン一つ」

 

 注文をすると二人がこっちを驚いたような目で見てくる。何かおかしなことでもあっただろうか。

 

「おい、新一。なってねぇぞ」

「そうっすよ、ここの名物といえば………」

「「麺細め&硬め超絶マシマシもやしチャーシュー2枚味玉三つのニンニク大盛り塩(味噌)ラーメン一つ………ッ!?」」

「かしこまりました。他は宜しいでしょうか?」

「二人とも他は?」

「………」

 

 無いのだろうか、餃子も頼んで注文を終わらせた。ラーメンの注文においてここまで息ぴったりだと驚きを隠せざるを得ない。しかも二人は初対面なのだ。だが、店員が離れ、少ししたところで京君が切り出した。

 

「テメェ、なんであそこまで来て味噌ラーメンなんだよ!普通塩だろ!」

「はぁ!?味噌ラーメンだろ!アンタ、さては味噌の良さを知らねぇな!」

「「はぁ!?」」

 

 譲れないプライドがあるのだろうか、二人は一切引くことなくお互いをにらみ合っている。まるで目の前で火花が散っているようだ。

 

「ちょっと、二人とも落ち着いて…」

「新一、お前は塩と味噌どっち派だ」

「新一さんはどっちが好きっすか?」

「ええ………」

 

 急に話の腰をこっちに振られる。しょうじきなことをいうとあまりラーメンは食べたことがないので基本的にベースと呼ばれる醤油を食べるのだ。味噌とかの味はあまり知らない。

 

「「どっちだ(っすか)!!」

「僕は、僕は…」

 

 そんなやりとりに巻き込まれている最中、注文の品が届き全員が食することにした。食べてて思うがやはりラーメンは醤油がいいと思うんだよね。確かに味噌のコッテリ感や塩のあっさり感も良いとは思うけど個人的は醤油が落ち着く。そして周りを見てみると二人とももやしの量が半端なく、卵とチャーシューが載っている丼を食べていた。………あそこに麺は入っているのだろうか。そう思っていると快斗君の方から麺を啜る音が聞こえてきたので安心した。しばらくして全員が食べ終わると会計を済ましてお店を出た。

 

「…俺は味噌派なんで」

「はぁっ!?」

 

 店を出るなり耳元で大声を出される。鼓膜が破れて死んでしまいそうだ。喧嘩を落ち着かせながら街を歩いているとどこに行くか話し合う。カラオケに行こうという話になりカラオケに向かう。だが、カラオケに着き入ろうとした瞬間悲鳴が聞こえてくる。全員が急いで向かうと二体のファンガイアが暴れ回っていた。片方は蟻の様な見た目であり、もう片方は腕にヤイバのついた虫類のファンガイアである。

 

「新一さん、住民の避難を」

「うん、わかった」

「ああ、気をつけろよ。あとなるべくは早く戻ってこいよ」

(ん?なんでコイツ戻ってくる事わかった様な話し方したんだ?)

(あれ、この人なんで戻ってこいって言ったんだ?)

((ま、いっか))

 

 遠くから見ているとわかるが、本当は仲が良いのではないだろうか。さっきの事と良い、喧嘩するほど仲がいいというし………。

住民の避難が終わり、戦場に戻る。二人はまだ変身せずに注意を引きつけていたのかお互い背中合わせに言葉を交わしていた。

 

「お前、なかなかやるじゃねぇか」

「そっちこそ、一般人にしては」

「ハッ、黙っとけ」

「お待たせ」

「早かったな。周りにはもういないはずだからお前も遠慮なくやれるな」

「そうだね」

「それじゃあいきますか!」

 

 なんか二人とも意気投合してるっぽいし、これならなんとかなるかも知れない。全員がベルトを巻き付け、それぞれのアイテムを取り出す。

 

『レ・デ・ィ』『スカル』『エターナル』

「「ん?」」

「二人とも行くよ!」

「えっ、あ、おう!」

「うっす!」

「「「変身!」」」

『フ・ィ・ス・ト・オ・ン』『スカル』『エターナル』

「「は!?」」

 

 変身を終えると驚いた様に二人同時に声を上げてくる。今日はあと何度耳元で叫ばれればいいのだろうか。固まっていると京君が肩を掴んで激しく揺らしてくる。

 

「おい新一、これはどういう事だ!なんでコイツがあの時の奴なんだよ!」

「それはこっちのセリフだ!説明してくださいよ新一さん!」

 

 勿論、説明しなければいけない。だが優先事項はそちらではない。目の前にいる敵を倒す事だ。私情と仕事、優先順位は言うまでもない。

 

「説明は後でにしよう。今は目の前の敵を…」

「んなことよりコイツをだな!」

「あぁ!?テメェ、何言ってんだ!」

「あ?捻り潰してやろうか?」

「お?じゃあこのまえの続きすっか!」

 

 暴走を始めようとする二人を見て、頭が痛くなる。本来こんな予定ではなかったのだ。仲良く、和解をさせる予定であった。………なんて綺麗事だろうか。とは言っても状況は変わらない。とにかく二人の敵を一度変えよう。

 

「二人とも、仕事を優先させて!」

「んなこと言ってられっかよ!」

「そうっすよ!」

「私情と仕事、その切り替えもできない奴にこの仕事をする資格はない!」

「「ッ………!」」

 

 反抗する二人の動きも止まった。何故かファンガイアの動きも止まってこっちを見て固まっているが気にしないでおこう。二人はしばらく互いを見つめあってから舌打ちをしてファンガイアの方に向かっていく。

 

「しゃーねぇから今だけだぞ」

「こっちのセリフだっつの」

 

 キレながらも走っていく快斗君をサポートする様に後方射撃をする京君。見ている限りだと二人とも戦闘でのコンビネーションは良いのかもしれない。そんな中僕も走って戦闘に介入する。京君に援護を頼みながら攻撃していく。快斗君は攻撃しながらもこちらの状態を理解しているかの様な身動きを取ってくる。この状況、まるで戦場で戦場で踊っている様だ。決まると確信を得て僕と快斗君はそれぞれ必殺技を決める。ファンガイアはガラスとなって爆散する。

 

「二人ともお疲れ様。とてもいい連携だった」

「………だな」

「気に食わないっすけど」

「やるかテメェ」

「上等だ、力の差見せてやるよ」

「そんな事今すぐやめなさい」

 

 二人してこっちを見てくる。そこで今日の本意を伝える。

 

「今日の本当の狙いは二人に仲良くして貰うために来てもらったんだ。素顔はお互い知らなかっただろうからそこから知って徐々に仲良くなって敵対しない様にって………ね」

「なるほど………」

 

 快斗君は納得してくれたかの様な返事をした。しかし京君の方は納得どころか反論をぶつけてくる。

 

「新一、お前なりに考えたみたいだがそれは無理だ。それとこれはまた別の話だからな。それにこいつは塩じゃなくて味噌派だしな」

 

 まだそんなこと引きずってるのか。

 

「そうっすね、新一さんには申し訳ないっすけど俺はこいつを許せない。それにこいつは塩派っす」

 

 許せない理由は知ってる、でも分かり合えるはずなんだ。そうすれば今よりも強くなれる。そうなれば犠牲だって出さなくて済む。てか君もそこ引きずるの?

 

「白けたから今日は帰るわ。また今度決着をつけてやる」

「ふん、こっちのセリフだ」

 

 二人は言葉を吐き捨てながら反対方向に歩いていく。やはり普通の方法でわかりあうことはかなり難しい事なのだろうか。でもせっかく力を持っているんだからそれは喧嘩のためでなく守るために使ってもらいたい。………いつかそれが叶う日は来るのだろうか。いや、それを願うことしか今の僕には出来ないのかもしれない。

 時間もいい頃合いだったのでお嬢様を迎えに行く。スタジオの前にバイクを停めるとちょうどお嬢様が出てきた。移動しようと声をかけられるわけでもなくお嬢様は横を素通りして行く。その姿を目で追いかけるとお嬢様は僕のバイクに乗り座って待っている。早く連れて行けという事だろうか。急いで予備のヘルメットを渡して騎乗する。準備は出来たか確認すると黙って頷く。それから僕は安全に細心の注意を払いながらバイクを飛ばした。circle付近に到着するとリサの姿が目に映る。するとお嬢様が肩を軽く叩いて降ろしてと言ってくる。バイクを止め、ヘルメットを預かりお嬢様を降ろす。そしてバイクを置きに行くため先にcircleに向かって二人を待つ。だが待つ時間はそれほど無く、意外と早くスタジオ内へ入って行った。予約していた番号の部屋に入ると既に紗夜さん達が待っていた。

 

「おっす、おはよ~。アタシ達が最後か」

「あっ、友希那さんにリサ姉!」

「突然呼び出して、ごめんなさい。今日は改めて、みんなに話しておきたいことがあるの。先日、みんなに聴いてちらったあの曲だけど……」

 

 言うことを一度は躊躇いながらもお嬢様は事実を口にする。

 

「あの曲は、私の父の曲なの」

「ええ~っ!?」

「友希那さんの……お父さん……?」

「あの曲をはじめて聴いた時、私はこの曲を歌いたいと、思った。だけど…今の私に、あの曲を歌う資格があるのかわからなかった。少なくとも資格がある、と胸をはっては言えないと思ったのあの曲の持つ、音楽への純粋な情熱を今の私では歌いきれないと、そう思ったのよ」

 

 嫌いだったわけではない、むしろこの曲を演りたかったからこそ難しく考えてしまったのだろう。誰でもそういったことはあるだろう。好きだからこそ戸惑ってしまう。おそらくお嬢様はそれと似た状態だったのだ。

 

「曲がレベルに見合ってない、って……そういうことだったんですね」

「だけど、あの曲と向き合いたいという気持ちは本物だと……それも音楽への情熱なんだと……それに気付かさせてくれた人がいた」

「友希那……」

「そんな事情があったんですね」

「もし……もし機会をもらえるなら私は、あの曲を歌いたい。お父さんの残したあの曲にもう一度命を吹き込みたい。それが、私ができる向き合い方だと思うから……」

「ライブまで日がない上に、私情で申し訳ないと思ってる。でも、私は……」

「ダメだなんて言っていません。ただ……少し、驚いただけです」

「あこは大大だ~い、さんせ~ですっ!」

「わ、わたしも……みんなであの曲が……演りたいです……」

「だってさ、友希那?」

 

 みんなの意外な反応にお嬢様は戸惑いを隠せないでいた。時間が少ない状況でここまで賛同してくれるとは思いもしなかっただろう。実際のところ見ているだけだが僕自身も驚いている。

 

「みんな……」

「あの曲が演奏できるのうれしいなあ~!がんばらなくちゃ!」

「演るからには全力でやらねば、湊さんにも、湊さんのお父様にも失礼よ。これから本番まで練習の時間を増やして完成させるわよ」

 

 紗夜さんの号令で皆がやる気を出していく。ここまで意気投合していると感動せざるを得ない。まぁ、顔には出さないが。

 

「よかったね、友希那」

「ええ……みんな、ありがとう」

(よかった。友希那がまた少しだけ前を向いて歩きだせた気がする。……ううん、友希那が嬉しそうだからって、これで満足してちやダメだよね。ライブ本番まで日がないんだし、アタシもがんばらなくっちゃ!)

 

 

 

 




皆さんはどっち派ですか?自分は新一君と同じ醤油派です。やっぱりね落ち着きがありますわ、はい。まぁ、ラーメンで食べるの大体蒙古タンメンなんで関係ないんですけどね←なんやねん
次回も戦闘シーン作ろうか悩んでますって報告して終わりますね。
今回は次回予告なしです。

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