青薔薇の歌姫と白き聖騎士   作:OSTO文明

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新キャラきます。


第5話 そんなことある?

 あれから数日経った。あの件での死者は十数人、負傷者は百人満たない程度らしい。腕を切り落とした人はどうなったか聞くとなんと元に戻っているらしい。話によると僕が切り落とした腕は切り口が綺麗すぎたので簡単にくっついてしまったという。今その人たちは取り調べと更生されているらしい。

 僕はというと元の生活に戻る事はできたがどうしてもあの時の話が忘れられない。どうして園崎はガイアメモリを開発しているのか。そして何故名護家を離れていったのか。だが裏に園崎がいることを知ったおかげでガイアメモリの黒幕が誰なのかは把握することができた。あれから弦巻家は園崎の居場所を探している様なのだが見つからないらしい。園崎のことだから追跡対策などは万全にしているのだろうが相手が相手だから時間の問題にはなるだろう。

 

「新一ー?」

「ん、どうしたのリサ」

「いやーなんか真剣に考えているみたいだったから何か悩み事かなーって」

「そんな顔してた?」

「うん、何考えてたの?」

「言ってもしょうがないことだけどね。今日の晩御飯はどうしようかって考えてた」

「お前夜ご飯も作ってるのか」

「まぁね、僕の仕事だし」

 

 ふーんと言いながら京君は卵焼きを頬張っている。

 時刻はお昼休み。校舎の屋上にて昼ごはんを食べているのだが普段は僕と京君の二人なのだが、今日は四人になっている。リサがお嬢様を誘って屋上で食べようと誘ってきたのだ。屋上でのこの人数で食べるのは初めてなので少し緊張したがメンバーがメンバーなので問題はなかった。

 実はこの中のお弁当の四分の三は僕が作ってきたものである。僕とお嬢様の分は当然なのだが京君が日頃、栄養の偏った食事しかしないのでお弁当を作らないのかと聞いたところ、めんどくさいと帰ってきたのでそれ以来僕が作ってきている。今更ながら僕は一体何をしているのだろうか。まぁ作る量も大差ないから問題はないんだけどね。

 

「しかしうめぇな、新一の卵焼きは!」

「気に入ってもらえたのなら何よりだよ」

「毎日食ってても飽きねえよ、なぁ湊」

「ええ、そうね。実際毎日入っているけれど」

「それもそうだな」

「ねえ新一、アタシももらっていい?」

「いいよ、はい」

 

 弁当箱を差し出すとリサは素早く卵焼きを取って定位置へ戻る。その卵焼きもすぐに食べられていった。そういえば家にある卵ってもう無くなりそうだったっけ。今日買いに行かないと。

 

「新一、学校終わったらどうするんだ?」

「あー、今日はRoseliaの練習を見にいく感じかな」

「なんだ、暇じゃねえのか」

「僕の仕事に暇はないと思うけどね」

「それもそう『ピロピロ』すまね、電話だ。ちょっと席外すぜ」

「行ってらっしゃーい」

 

 京君が席を外したことによって沈黙の空間が訪れる。この状況でもお嬢様は黙々と食事を続けている。そのメンタルは尊敬するよね、うん。食事を終えて弁当箱を片付けているとリサから声がかかる。

 

「ねぇ、新一」

「どうしたの?」

「新一ってさ、その………好きな人とかいるの?///」

 

 飲もうとしてたお茶が吹き出そうになるが頑張って抑え込む。しかしその代償としてかなり咽せた。息苦しい。

 

「急にどうしたの?」ゼェゼェ

「えっ///あ、ほら、新一結構モテてるから好きな子とかいるのかなーって」

「いるわけないでしょ(ていうかモテてるとかいうの初めてきいたんだけど…)」ゼェゼェ

「え、じゃあ燐子とかは?」

「(やっと落ち着いて来た…)りんりんはただの幼馴染みだけど」

「じゃあ恋愛対象としては見てないの?」

「見てないっていうか、その辺はあまりわからないかな」

「わからないって、どういう「すまんすまん、今戻った」……」

 

 リサの言葉を遮るように京君はやってくる。

 

「お?どうした今井」

「んー?大丈夫だよー。それより電話は?」

「ああ、終わった。つっても今日の放課後に用事ができたんだけどな」

「へー何すんの?」

「久しぶりの依頼だ」

「ということは…」

「ああ、探偵の仕事ってわけだ」

「…京は探偵をやっているの?」

 

 今まで喋っていなかったお嬢様が口を開いた。そういえばお嬢様にはどういう風に京君が見えていたんだろう。少し気になったりする。まぁ、大方ただのクラスメイトで終わる気もするけど。

 

「ああ、北の名探偵とは俺のことだぜ」

「聞いたことないわ」

「初めて聞いた…」

「え、結構前にニュースに上がってたよ」

「一人でも知っていて助かったぜ。一時期結構話題になっていたと思うんだけどな」

 

 それは申し訳ないと思いつつお茶を飲む。依頼内容について聞いてみるとストーカーに追われているから突き止めて欲しいとのことらしい。久しぶりなことだけに難易度は簡単だとか言っている。一体どれだけの事件を解決してきたんだろう。

 この後少し雑談して昼休みを終えて授業に戻る。いつも通り平和に学校は終わりRoseliaの練習に向かう。今日の練習はお嬢様の気分なのか見ていて構わないと言われたので練習風景をずっと見ていた。このメンバーでやっているからかみんな前よりずっと上手くなっている気がする。練習が止まるたびにお嬢様が的確な指示を出して他の人と意見を交換する。休憩時間になれば気が抜けるが練習が再開すればみんなすぐに切り替わる。その様子を見ていてとても微笑ましかった。だがあっという間に夕方になって練習時間は終わる。各自片付けをしてから会計組と外で待つ組に分かれる。

 

「はー今日も疲れたー」

「あこちゃんお疲れ様、今日のドラム前よりもすごかったね」

「ほんとですかっ!ということは闇のドラマーとしての実力も上がって我が闇の…闇の………」

「そこのところはまだまだかもね」

「う〜りんりん〜!」

「えっと………闇の調べを奏でる力………?」

「それだよそれ!我が闇の調べを奏でる力が…」

 

 そうやって雑談を繰り返しているとcircleの扉が開いた音が聞こえた。そっちを横目で見るとそこにはお嬢様たちの姿はなく三人の男の人たちの姿があった。偶然なのか全員がスーツの格好をしている。その集団は僕たちの後ろの席について飲み物の注文をし終え、雑談を始める。

 

「いやー久しぶりにやったけど意外と体が覚えてるもんだな。な、はしもっちゃん!」

「うむ、正直俺も驚いている」

 

 へー、久しぶりにやったんだ。見たところ大人な雰囲気を感じられるし仕事の関係上かな?時間がないんだろうな。

 

「しかし、やはりあれですね」

「ああ、物足りない(・・・・・)な」

 

 物足りない、か。久しぶりにやったから高揚感でも足りなかったのだろうか。

 

「やっぱりヴォーカルがいねぇと物足りないよなぁ」

「ええ、おかげで前みたいには上手く弾けませんでした」

「だが、あの方(・・・)が戻ってくることは無いだろうな」

「でもヨォ、あいつあっての俺らの音楽だぜ?」

 

 なるほど、歌い手がいないのか。確かにヴォーカルがいれば指揮系統どころか演奏が上達する効率も上がるよね。しかしその人はいったいどこに行ったのだろうか。

 

「あー!一回でいいから戻ってきてくれねぇかなぁ!坊ちゃん(・・・・)!!」

「ブフッ!!!???」

 

 何で今日に限ってこんなに咽せるんだ。やばっ、肺にカフェイン入ったかも。

 というか後ろの人たちの話が何故か僕に深く突き刺さる。何故だ、心当たりがある気がしてならない。

 

「し、新君大丈夫?」

「ゴホッ、ゴホッ、だ、大丈夫だよ……」

「新兄水飲んで」

「あ、ありがとう」ゴクゴク

「駄目ですよ伊達、新一様(・・・)は今や私たちの主人ではありません」

「ガハッガハッ」

 

 何故だ、罪悪感みたいな物が溢れ出してくる。こっそり男の人たちを見ると二人の顔は見えなかったが、唯一見えた顔はついこの間見た伊達さんの顔だった。よし、変なことに巻き込まれる前にここから退散しよう。

 席を立ち上がろうとするとcircleの扉が開かれる。ん?嫌な予感しかしない。

 

「お待たせしました」

「新一、帰るわよ」

「「「え、新一?」」」

 

 男の人たちがこっちの方を見てくる。ああ、終わった。何か嫌な予感がする。

 

「あれ、もしかしてそこにいるの坊ちゃんじゃないっすか?」

「やめなさい、もし違ってたらどうするのですか」

「なら、確かめればいい」

「ねえりんりん、新兄、あの人たち誰のこと言ってんだろ?」

「…さぁ………」

「僕もよくわからないかな」

「でもこっち来てるよ?」

「失礼、名前を聞いてもいいか?」

 

 背後から声をかけられた僕は一瞬反応することができなかった。後ろを向くとそこには細い割には身長の高い姿があった。この人は橋本 誠司(はしもと せいじ)さんだ。向こうにいた頃にはお世話になったことのある人の一人。主に暗殺部隊に所属していたがその技術を教えてくれたのも彼だ。

 

「ワタシ、サトウタロウトモウシマス」

「何を言ってるんですか名護さん。あなたの名前は名護新一でしょう?」

 

 言ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!今僕が言いたく無い事実を紗夜さん(この人)何の躊躇もなく言ったぁぁぁ!!!

 紗夜さん、今日ほどあなたを憎む日はないと思いますよきっと。

 

「二人とも、この人は間違いなく我らが主だ」

「おお、やっぱり!」

「まさか、こんなところで会えるなんて…」

「新一、さっきから何やってるの?ていうか主って…」

「名護さんその人たちとは一体どういう関係ですか?」

「んっとそれはなぁ、俺らはムグッ」

 

 伊達さんが喋ろうとすると一条さんが口を押さえてこちらに背を向ける。一条さん達はこちらにチラチラ目線を送りながら話しているみたいだった。

 

「(何すんだよ一条)」

「(迂闊に喋らないでください。新一様は今複雑な立場におられるんです)」

「(それって、正体隠してるってことか?)」

「(はい、ですから一番最適で嘘では無いことを話してください)」

「(オッケー、任せとけ)」

「何を話しているんですか?」

「いや、何でも。それより俺たちの関係だよな」

 

 伊達さんが関係性について話そうとすると一人固唾を飲む。ここで元当主とか言われたら今まで隠して来たことが水の泡になる。一体どうなるのか、心臓の音が早くなってきている。黙れ僕の鼓動。

 

「俺たちの関係性、それは……」

『………』

「俺たちはバンドを組んでたんだ」

「バンド…?」

 

 ひとまずは安心した。どうやらこっちの事情に気づいてくれたらしい。感謝しよう。だけどこのメンバーでそれを持ってきたのは間違いなのかもしれない。

 

「坊ちゃんはバンドのヴォーカルとベースやっててな。リーダーの立ち位置だから主だの何だのって呼んでるんだ」

「へー新兄ってバンドやって……えっ、バンドやってたの!?」

「ま、まぁね。いろいろ楽器やってて最終的に落ち着いたのがそれかなー的な…」

「やはりそうだったんですね。たまに楽器の話しているのを聞きましたけどバンドをやっていたなんて…」

「隠すつもりはなかったんですけどね」

「あ、そうだ坊ちゃん。せっかくですから久しぶりに演りませんか?」

「あ、あの……その………」

「え、聞きたい!あこ、新兄の演奏聴きたい!」

「あっ、それアタシも!」

「わっ、私も………」

「り、りんりんまで!?」

「っし、決まり!」

「では部屋を取ってくる」

「ちょっと伊達、橋本!」

「いいんですか、湊さん」

「……もしかしたら新しいインスピレーションを得られるかもしれない。それに新一のことよ、遊びでやっていたわけではないはず。だから聞く価値はあるんじゃないかしら」

「湊さんがそういうなら」

 

 なぜか今信頼をもらえるのは複雑な気分だが一応は信用してもらえてるということがわかって安心している。すぐに橋下さんは部屋が取れたと言って戻ってくる。ベースがないことを伝えるとすでに部屋に用意してあるという。この人はこういうところは用意周到なのだ。橋本さんを先頭にしてRoselia+αで部屋まで移動するとそこにはまりなさんの姿があった。

 

「お待たせしました〜。これで大丈夫ですか?」

「はい、ありがとうございます。新一様、今日はこちらのベースを使ってください」

「はい…すみませんまりなさん急に」

「ううん、いいのいいの。その代わり私も聞いてっていい?」

「構いませんよ」

 

 やった、と喜んで客席(?)に入っていくまりなさん。その隣ではRoseliaの皆さんが座って雑談をしていた。こっちでは一条さんがギターを、橋本さんがキーボードを、伊達さんがドラムをとそれぞれが準備を始めている。僕も同じ様にベースのチューニングを始める。

 

「主、この機会にまた出会えて俺は嬉しい」

「それは僕もです。まさかこんな形だとは思いもしませんでしたけどね」

「やっぱり坊ちゃんあっての俺らの音楽なんで」

「こら伊達、まだ始まってもないんですよ。……ですがそれも事実ですね。新一様、本日はどのような曲順になさいますか?」

 

 質問に答える前に今日やった曲は何か聞くと三曲でずっとそれをやっていたらしい。ならばそれにしようと順番を整理して曲順を決める。

 

「皆さん期待してくれるのは嬉しいのですが、久しぶりに合わせるのでもしかしたら力が弱くなってるかもしれません」

「そんなこと言って坊ちゃんのことだから落としてないっしょ」

「主のことだ、落ちているどころかあの時よりも俺らを引っ張ってくれるだろう」

「ということですので心配しなくても大丈夫です、新一様」

「皆さん────、ありがとうございます。全力で行きますよ!」

「「「はっ!!!」」」

 

 そして僕たちの小さなステージが始まった。




北の名探偵
鳴海 京(ナルミ ケイ)


【挿絵表示】


16歳(羽丘高校二年生) 男 血液型O型
誕生日 十二月十五日
家族構成 父母(どちらも健在)  得意楽器 ドラム
ライダーシステムであるロストドライバーの使用者。使用メモリは『スカル』。

得意な事・好きなもの
推理、射撃、野菜、魚類、麺細め&硬め超絶マシマシもやしチャーシュー2枚味玉三つのニンニク大盛り塩ラーメン
苦手な事・嫌いなもの
メモリ、料理、麺細め&硬め超絶マシマシもやしチャーシュー2枚味玉三つのニンニク大盛り味噌ラーメン
性格 冷静(本人曰く)、推理や戦闘の際は非常に冷静になると言われている。だが、普段の会話では感情をあらわにしていることが多い。
 仲良くしていた友人がいたが過去の事件によりバラバラに。その後殺人事件に出くわす様になり、その度に事件を解き明かしてきたためその才能を生かし、探偵を始めた。学生をしながらの探偵だが本人は苦では無いらしい。メモリが関係していた事件の最中に見知らぬ女に出会いその女からロストドライバーを渡され、元々持っていたスカルメモリを使用し、仮面ライダースカルに変身した。
 小学生の時から空間把握能力は非常に高い物であり、その持ち味から射撃も得意とする。彼の射撃は百発百中と言っても過言では無い。さらに事件の最中にいろんな書物に触れていた為、様々な知識や技術も持っている。なんでも、書物にあったある武術を身につけたのだとか。彼の技の一つである盾骸骨(スカル・フェイス)も色んな技の応用である。
 普段はごく普通の高校生として振る舞っているが学校中に正体は知れ渡っている。さらには過去にインターネットになどのメディアに『北の名探偵』として名が上がっているため有名人である。
 メモリの件になると不機嫌な態度を見せることもあるが仕事はきっちりこなす主義である。その件で大道快斗と殺し合う様な関係になったが今は互いに認めているので関係は良好である。ただし、本人たちの好き嫌いのせいか反りが合わないこともしばしばある。
「なぁ、聞いたか!?アイツ、カレーの肉は豚肉派らしいぞ!あり得なくね!?カレーといえば牛肉だぜ!?」
という感じのことを日々繰り返しているんだとか。














言われたく無いこと言われると焦りますよね………
さて、次は音楽会の始まりです!音楽聴きながら読むのをオススメします♪

壁の色を変えるとしたら?

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