青薔薇の歌姫と白き聖騎士   作:OSTO文明

39 / 181
第7話 快斗の休日

 俺は大道快斗、弦巻家の仮面ライダーだ。今日は月に一度の非番の日。ドーパントが出たら行かなきゃいけねぇけどそれ以外の普段の仕事は休みだ。

 普段戦うことしか脳に無さそうな俺でも……いや、戦うこと以外もちゃんと考えてるわ。てなわけで訂正な、戦ってばかりの俺も休日になるといつもやることは決まってる。

 それはライブハウスに行くこと。朝はだらけることもあるが昼間からはちゃんと動き出す。マイギターを持ってライブハウスに行き、一人でギターの練習をする。やる曲は気分で決めたり、最近聞いた曲をやったりする。一人でやると自由に出来るので耳コピした曲をオリジナル風にやってみたりもする。最近はこころ達のハロハピの曲もやるようになった。個人的なお気に入りは『ゴーカ!ごーかい⁉︎ファントムシーフ!』だ。マントを着けてる薫さんには同じマントを着けてる者として仲間意識を感じる。ライダーの中で音楽やってるのは俺だけなのだろうか?もし出来るんだったら新一さん達ともやってみてぇな。

 スタジオの貸出時間が終わりそうなのを見て俺は片付け始める。まりなさんに金を払い礼を言ってライブハウスを出る。時刻は夕方辺り、飯作るのはなんかめんどくさいしジャンクで済ませるか。そう決めると行動はすぐだ。近くにあるファストフード店ことワックに突撃、もとい走っていく。

 ワックの扉を掻い潜ると休日なのに珍しく人が少ない。とりあえずいつものメニューでいいか。レジに並びにいくと接客する店員がよく知っている人だと気づく。水色で左側だけ止めている結び方、菫色の瞳、どこかふわふわした様な喋り方。ハローハッピーワールドの松原花音が接客をしていた。

 

「ありがとうございましたー。いらっしゃいませ────って、快斗君?」

「ども、お疲れ様っす花音さん」

「あ、ありがとう。ち、注文はいかがなさいますか?」

「ダブルチーズバーガーとベーコンエッグワック、あとポテトLサイズください。あ、飲み物はコーラで」

「はい、ご注文承りました。よくこんなに食べれるね」

「ハハ、腹減ってるんで」

 

 まぁ、これが夕飯になるんだけどな。そんなこと言ったら花音さんに怒られるだろうし黙っておくんだけど。

 

「あ、快斗君。今日ってこの後どうするの?」

「今日はこれ食ったら帰るっすね。何かありました?」

「よかったら一緒に帰らない?私あと少しで終わるから」

「そういうことなら全然構わないっすよ。それじゃ、あそこの席で待ってます」

「うん、わかった。ありがとうございましたー」

 

 ここで一旦花音さんと別れる。休日にハロハピのメンバーと会うのはなかなかの確率だと思う。それも常識人の花音さんだとなお当たりだな。いや、別にこころ達が嫌だと言ってるわけじゃない。ただこころ、薫さん、はぐみに会うと何か巻き込まれる可能性が高いから休日は目につかない様にしている。まぁ、休日避けてもいつもわちゃわちゃしてっからアレなんだけどね。それはそれで楽しいんだけどさ。注文のものを受け取ってテーブル席に着く。そして俺は早速、ダブルチーズバーガーに手をつける。うん、やっぱりこのとろみが良い。そしてこの肉厚。肉って最高の食べものだよな〜、野菜も入ってねえしダブチ最高。さて、次はベーコンエッグワックこと『コング』を食べますか!あー、こっちもやっぱりいい。タンパク質とかも取れてるし成長期だから野菜より肉だよやっぱ。じっくり肉の味を堪能していると目の前に人が現れる。花音さんだ。さっきの服とは違い普段着を着ている。フリルがついた水色の服と白いスカートを履いている。可愛いなとつい見惚れてしまいそうだ。

 

「かっ、快斗くん、恥ずかしいから!」

「え、なんか口に出てましたか?」

「かっ、可愛い…とかって………」

「あっ、すみません。思ったことすぐ出ちゃうことがあるもんで」

 

 顔を赤くしている。可愛い。

 

「花音さんお仕事お疲れ様っす」

「うん、ありがとう。今日はなにしてたの?」

「今日っすか?今日はコレ持ってcircleに行ってました」

「それ…ギター?」

「うっす、こう見えて暇な時とか今日みたいな休みの日は弾いてるんすよ」

「へーそうなんだぁ。今度聴いてみたいなぁ」

「ハハッ、機会があったらいいっすよ」

「やった。あ、そういえば前に快斗君の知り合いに会ったよ」

「誰っすか?」

「えっと、名護新一さんって人なんだけど」

 

 なんだ、知り合いって新一さんか。まぁ基本的に知ってる人って新一さんかあのバカか黒服の人しかいないからな。しかしどうして新一さんと会ったんだ?

 

「知ってます知ってます。なんかあったんすか?」

「ううん、この前千聖ちゃんと喫茶店に行った時にイヴちゃんと一緒にいてね」

 

 それからその喫茶店で行われた話の内容を聞いた。新一さんも大変だな、隠さなきゃいけないこと沢山あって。しかもどこぞの学級裁判にまでなりかけるとか………面白そうだな。見に行きたかったわ。どんな心境だったか今度聞いてみよ。

 

「花音さん、そろそろ帰りますか?」

「うん。そうしよっか」

 

 俺は頷いて食べ終わったゴミやトレーを片付ける。花音さんは出入り口に向かっているため合流するためにそっちに向かう。店を出て歩いていく。夏だからか六時ぐらいだがまだ夕日にはなっていない。花音さんと横並びになって道を歩いていく。常識人と一緒にいると平和を感じられる。その点では美咲も同じだな。あいつもハロハピの中では常識人だし、俺の代わりにツッコミもやってくれるし。まぁ俺もふざける時があるんだけど。

話しながら歩いていると別れ道に差し掛かる。それじゃと言って花音さんは右の方へ、俺は左の方へ歩き出す。明日からはまたこころの護衛兼仮面ライダーか、面白いこと起きねぇかな。

 花音さんと別れて五分経った。こっから後十分ちょい歩けば家まで着くのだが電話から着信音が聞こえてくる。こんな時間に誰だと思って見てみるとさっき別れたはずの花音さんからだった。

 

「もしもし、なんかありました?」

『ごめんね快斗君。その………道に迷っちゃったみたいで』

「まじっすか。わかりました、迎えに行きますね。そこなんかありますか?」

 

 場所を聞き出そうとした時だった。腰につけていた錠前が音を鳴らしてくる。取り出して開いてみるとドーパントの反応があった。位置を確認すると俺がいる所のちょうど真反対の位置にいるらしい。

 待てよ?真反対のところにいるってことはもしかして花音さんいるんじゃねぇか!?

 

「花音さん、近くに怪物がいたりしませんか!?」

『えっ、怪物…?あっ、いたよ!すぐ近くにいる!』

「すぐに逃げてください!すぐ向かいますから!」

 

 電話を切って走り出す。別れたところからここまで五分だったから歩いて十分、走れば五分で着くはずだ。急がねぇと花音さんが危ない。全速力と道に信号がなかったことからすぐに現場に駆けつけることができた。

 現場を見てみると何やら金色の人型が暴れ回っている。叫んでる声を聞いてみると「金だ、金だ」と騒いでいる。被害状況を確認すると倒れている人はいない。けれど住民は悲鳴をあげている。金ピカに近づいていくと目の前で尻餅をついている人がいた。花音さんだ。逃げ遅れたのか、あの金ピカが迫っている。俺は花音さんがいるところに向かって走り、ドロップキックをかました。

 

『いてぇな!誰だお前は!?』

「うっせぇ黙れ!人の休日の締めくくりを台無しにしやがって!花音さん、立てますか?」

「うん、ありがとう」

「無事でよかったっす。隠れててください、すぐ終わらせるんで」

「うん、気をつけてね!」

 

 花音さんを逃してドーパントの方に向き直る。金ピカは苛立っている様に感じ取れる。知るか、さっきも言ったがこっちは休日を台無しにされたんだ。ぶっ倒して豚箱にブチ込んでやる。

 

『お前ナニモンだ』

「俺か?俺はかなり強い仮面ライダーだ!」

 

 ベルトのバックルを取り出して腰につける。自動でベルトが開かれるのでこれでいつでも変身可能状態になる。そして服の中から白いメモリを取り出してボタンを押す。

 

『エターナル』

『お前まさか!』

「変身!」

『エターナル』

 

 青白い炎が俺を包み込んで鎧を身につける。炎が体から消えると首元から燃えるように広がってマントを作り上げる。変身は終わった。あとは目の前の奴を叩き潰すだけだ。

 

「さぁ、地獄を楽しみな!」

「その姿…噂の仮面ライダーか!」

 

 言葉を聞いた瞬間にナイフを投げつける。あくまで威嚇程度に投げたので弾かれても気にしない。ナイフに気を取られているうちに敵に接近する。光弾を放ってくるがそれを避けて近付いていく。多少当たることもあったが大した威力でも無いので気にしないで進んでいく。目の前にまできた時、金ピカは動揺で身動きが取れていなかった。その隙も逃さずに回し蹴りをすると重い体に当たって吹っ飛んでいく。壁にぶつかってよろけている金ピカはこちらに攻撃をしてこない。なら一気に蹴りをつけるか。俺は懐から赤いメモリを取り出してナイフの柄の部分に差し込んでボタンを押す。

 

『ヒート、マキシマムドライブ』

「燃え尽きろ」

 

 真っ赤に燃え上がった刃を逆手に持ち、回転しながら金ピカを切り刻む。その勢いで切り通り、離れたところで着地すると金ピカは爆発した。中からは人とメモリが出てきてメモリは砕け散って人は倒れ込んだ。変身を解除して上司に連絡するとすぐにやってきてくれた。金ピカだった男はすぐに運ばれていき、事が全て解決した。

 隠れていた花音さんを見つけ出して声をかける。

 

「大丈夫ですか、花音さん」

「ありがとう、また助けられちゃったね」

「いえいえ、仕事なんで。それにしても不思議っすよね。花音さんの迷子先にドーパントが出るとか。花音さん……もしかして呼ばれちゃったりしてるんですか?」

「ふぇぇぇ、やめてよぉ〜!」

「冗談っすよ、それより帰りましょうか。また出てくるかもしれませんし送ります」

「う、うん!」

 

 それから花音さんを送っている最中雑談を繰り返しては二人で笑っていた。




今回で幕間は一度きります!次からは夏休み編です!
え?幕間と大して変わらないって?そんなことないよきっと多分。

壁の色を変えるとしたら?

  • 色分け
  • 上塗り
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。