以後気をつけます。そしてこれから先少し忙しくなるので投稿頻度が少なくなります。戻れる時には戻しますのでそれまでの間ご了承下さい。
それでは本編どうぞ!
「申し訳ございませんお嬢様。ですがこれだけは譲れないのです」
「新一、大人しく渡しなさい」
こんなふうにお嬢様と話したのは初めてだ。だけど僕にも譲れないものがある。そもそもなぜこんなことになったかというと数十分前に戻る。
〜数十分前〜
「失礼します」
今僕はリサの部屋の前にいる。あこちゃんに遊ぼうと誘われ、準備をしてきた。念のためノックをしてから入る。いくら呼ばれたとはいえ、女子の部屋だからね。最低限のマナーはつけとかないと。ドアを開けて部屋を見渡すとRoselia全員がいた。皆が紗夜さんとお嬢様を見ていた。その二人はというと冷静でありながらも焦っているような表情をしながら手にトランプを握っていた。
「いらっしゃい新一〜」
「これは一体………」
「さっきまでババ抜きやってたんだけど友希那さんと紗夜さんだけが残っちゃって、それからずっとループしてるの」
「ずっと?」
念のためりんりんの方を見るとコクン頷いていた。どうやらマジらしい。ババ抜きでここまで続けられるのってなかなかだと思うんだけどな………。お嬢様の方を見ているとこっちに気づく。
「新一、きていたのね」
「はい、今到着しました」
「では仕切り直しですね」
「あれっ、辞めちゃうんですか?」
「このまま続けても埒があかないと思います。でしたら名護さんも交えてやった方がいいと思います」
そう言って紗夜さんはカードをまとめてシャッフルする。依存はないのかお嬢様も素直にカードをまとめていた。二人ともうまく逃げたな。そして紗夜さんは僕を含めた人数分を綺麗に仕分けしていく。
「じゃあ誰からやるかジャンケンで決めよっか」
「わかったわ、いくわよ」
「「「「「「ジャンケン、ポン!」」」」」」
一斉に出した手は綺麗にパー(5)とチョキ(1)に別れたどうやら先行はりんりんらしい。ゲームは始まり、皆順番にカードを引いていく。今回の勝利条件は正直言って簡単だ。勝っても負けてもデメリットは無いがどうせなら勝ちたい。ならばすることは一つ。相手の顔を見てババの位置を確認する。少しでもかかれば表情に変化があるはず。それを見逃さずにゲームをしていけばいい。
ゲームが終わる頃僕は上がっていた。順位は三位。一位はりんりんで二位はあこちゃん、四位はリサだった。そして残ったのはさっきの二人だった。このゲームの最中でもずっと同じ表情をしている。あのお二方、ポーカーフェイスってご存知ですか?なんて言えずにこの状態だ。いや、むしろこれが彼女らのポーカーフェイスなのか。数字の札の時に笑って仕舞えば多分簡単に落とせるのではないかとは思うんだけどな、二人の性格的に。そしてついに決着がつき、お嬢様は負けた。どうやら紗夜さんに運がついたようだ。
「やっと終わりましたね………」
「お疲れ様です…………」
「もう一度やりましょう」
「えっ、またやるの!?」
「次は勝つわ」
「時間も時間ですしもうここら辺で………」
「次は勝つわ(圧)」
「か、かしこまりました………」
勝負に執着する人ではあったけどこんな圧まで出す人だっただろうか。やはり負けず嫌いなんだな。全員がお嬢様の圧に負けても一度定位置に戻った。
「そうだ、次負けた人は何か罰ゲームしてもらおうよ」
「さんせーい!」
「そうですね、具体的にはどうしましょうか」
「そうだねー、一位の人の言うこと聞くっていうのは?」
「面白そう!あこやる気湧いてきた!」
「湊さんはどうですか?」
「私も賛成よ、それに勝つのは私だわ」
「友希那燃えてるね〜それじゃあアタシも本気出そうかな」
え、なんで皆こんなに本気のオーラ出てるの?そんなに命令してみたいの?
「新一もやるでしょ?」
「う、うん。頑張るね」
「燐子も頑張ろうね」
「ま………負けません………!」
〜現在〜
一抜けしたのはリサであり、彼女は先に罰ゲームを発表した。内容は『自分の恥ずかしい過去を一つバラす」ということだ。彼女なりの優しさなのか先に出していたおかげで他の三人はすぐに終わらせてきた。そして今に至る。
いくら勝者の命令でも過去だけはバラしたくない。あのことについては隠すつもりだがそれでも恥ずかしい過去など話したくない。だからお嬢様といえど手は抜かない。そう決めたはずなのにあまりにも無表情故に読みにくい。
(そこまでしてお嬢様が隠したいことってなんだ…?)
(どうして新一は譲ってくれないのかしら。そうまでして隠す事があるの?)
「さあお嬢様、札を引いてください」
「ええ、わかってるわ」
引いたカードはジョーカー。まだ試合は続く。
「さぁ引きなさい」
「では頂かせていただきます。ついでに此処で終わらせてしまいましょう」
「それはどうかしらね」
引いたカードはまたもジョーカー。そろそろゲームを終わらせたいところだ。しかしお嬢様のポーカーフェイスは崩れない。何故だ、少しでも緩むところが見えれば勝負はつくのに。そう思いながらもカードを混ぜて出すとお嬢様がジョーカーに手をかける。まだ決着はつかなそうだなと感じた瞬間だった。お嬢様は選んだ札を変えて一気に引き抜いた。当然ジョーカーではないため試合は終わりを告げる。
「勝者友希那〜♪」
「さすがです友希那さん!」
皆の方では歓声が湧き上がっている。
何故だ、表情は一切変えてなかったのになんで………いや、これは心理戦じゃないな。お嬢様は己の運に賭けたんだ。
どちらにしろ負けた僕にはやれることなんてないな。大人しく罰を受けよう。
「じゃあ負けた新一には罰ゲームで恥ずかしい過去を語ってもらいま〜す」
「敗者に争う資格なし。わかったよ。僕の過去ね………」
全員が固唾を飲んでいる。正直そこまでたいそうな話はしないからそんな雰囲気作られると困るんだけど………。
「僕の恥ずかしい過去、それは………
トマトが苦手だったことかな」
「「「「「え???」」」」」
「新兄トマト嫌いだったの?」
「まぁね、今は食べられるけど小さい頃はトマトが苦手だったんだよ。絵本とかに出てくるトマトのキャラクター見ると怖かった思い出があるよ」
「なんか意外………」
「ええ、ですが今は食べられるのですよね」
「はい、今はもう完全に克服しました」
「………新一」
「なんでしょうかお嬢様」
皆が意外だどうだのとざわついている中お嬢様はいつもの表情でこっちを見てくる。
「………」
「あ、あの、お嬢様?」
「もう少しすごいのを期待していたのだけれど」
「それは………期待に答えられず、申し訳ございません」
「次の罰ゲームで聞かせなさい」
お嬢様はカードを整え始め、皆に再配布していった。え、まだ続けるの?そうも思ったがこれ以上はただ勝てばいいと思ったのでさっき以上に本気になって勝負をした。結果は全てトップ3に収めた。
──────────────
あれから一時間経って各自自室へ戻り就寝することとなった。全員が寝静まったなと思った頃、僕はヴァイオリンを手にしていた。体部分を左肩に置いて弓を構える。そして僕は弓を弦に乗せて弾き始めていた。
〈ここからは『音也のエチュード』を聴きながら読むのをお勧めします〉
もう何年弾いていなかったのだろうか。それなのに技術はあまり衰えていなかった。やはり思い出の深い曲だからだろうか。眠っている人に迷惑をかけないように音を小さくはしているがそれでも僕には響いてくる。引き終わった頃、人の気配を感じて部屋の中を見るとりんりんの姿があった。
「起こしちゃったかな?」
「ううん………その…部屋を出たら………聞こえてきた……から………」
「そっか、他の人は?」
「皆、寝てるみたい………それより……さっきの…演奏………」
「ああ、ここにあった楽器を使ったんだ。そしてさっきの曲は僕が一番思い入れのある曲」
「一番………?」
りんりんは不思議そうに聞いてくる。そういえばりんりんの前では聞かせたことはなかったっけかな。あの頃は簡単な曲しかできなかったし。
「うん、父さんに教えてもらったんだ。父さんの知り合いにもこれを弾ける人がいて、録音でだけど聞かせてもらったんだ。その時に僕も気に入ってね、父さんに聞かせるためにもこの曲弾ける様になりたいって耳コピしたりして頑張ったんだ」
「そう…なんだ……」
頷いて返す。正直あの日以来弾いてこなかったから弾けてることにびっくりだけどね。
「新君……その………」
「?何?」
「さっき……弾いてる時………すごい………幻想的だった………」
「そう、だった?」
「うん……部屋が暗かったから………月明かりに照らされて………風でカーテンがふわふわしてて………」
「そ、そっか」
そこまで詳しく言われると恥ずかしいな……。僕はただヴァイオリンを弾いてただけなのに…。チラッと横目でりんりんを見ると真っ直ぐこっちを見てくる。
「ど、どうしたのりんりん?」
「新君は…なんで戦うの…‥?」
急な質問に答えられなかった。なぜ戦うか、か。正直なところ答えは出ているが決まってはいないだから正確な答えは言えない。
「僕が戦う理由か……あまり考えていなかったな」
「そう………なの?」
「うん、皆を守るってことは当たり前だと思っているからね。けど、もうひとつあったりするんだ」
「それって………何………?」
「あまり言いたくはないかな。けど、りんりんならこの一言でわかるかもしれない」
「………?」
「僕は
「………じゃあ、復讐者………ってこと…?」
「そうかもしれない、けど確実な答えではないと思ってる」
「なんか……よく、わかんないや………」
「大丈夫、僕がここにいる理由は変わらないから」
「……そっか、なら………大丈夫、だよね………」
「うん。明日も早いし、そろそろ寝よっか」
頷いたりんりんを部屋まで送り、僕も自室へと戻った。布団に入った時に考えた。僕が戦う理由は一体どれが本物なのだろうか。いつかは、皆に話さなくてはならないのだろうか。それはいつになるのだろうか。それでも僕の抱く意思は変わらないのだろうか。何もわからないな。そして僕は静かな夜の中に沈んでいった。
「はいもしもしこちら……です。
はい………あの、うちはなんでも屋じゃないんですけど。
え、報酬はずむ?わかりました。場所は………了解です。明日向かいますね、それでは。
海かー、久しぶりだな。少しはしゃぐか!あいつもあそこにいるみたいだし顔出しにはいくか」
この夏、奴が(仕事で)海にやってくる!
「え、遊ばせてくれねぇの?」
気分だなそこは
それでは次回「合宿二日目」お楽しみに!
壁の色を変えるとしたら?
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色分け
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上塗り