青薔薇の歌姫と白き聖騎士   作:OSTO文明

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再開します!


第六夏 合宿二日目(夜) 夜海に映された姿

 夜の海を眺めている。昼の様な賑やかさが嘘の様な光景だ。目の前にはただ蒼く、月の光に映された波が静かに漂っている。静寂だった。逆にそれ以外は何もないというのにただそれだけに惹かれていた。

 しかしその静寂はすぐに破られる。錠前が鳴り出したのだ。開いてみるとすぐ近くに反応を示す。それを閉じた瞬間、僕は走り出した。その先に待つものを知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アタシは気分転換に外に出ていた。ただそれだけなのに、こんなことになるなんて思いもしなかった。向かったコンビニの前には透明な人がたくさん倒れている。そして今アタシは化け物を目の前にしていた。怯えているせいで普通に動く事ができなかった。近づいてくる化け物にただ怯えることしか出来ず、後退りしていくうちに壁にもたれかかった。化け物から目が離せずそのまま尻餅をつく。もうダメかもしれない。まだ死にたくないのに。まだやりたいことたくさんあるのに。………新一、助けて。

 そう思った瞬間だった。音もなく目の前の化け物が消える。

 

「………え?」

『ア、ア……ダレダ……?』

 

 目の前に影ができた。その姿を見るとそこには宿舎にいるはずの新一の姿があった。

 

「なん…で……?」

『オマエ、ヒルマノ……!』

「中身は誰かは知らないけど、昼間の鶏軍団の一人か。そこら辺に倒れてるのは………」

『ヨワイヤツラハイラナイ。サイショカラコウシテオケバヨカッタ』

「そっか、じゃあ君もすぐに送ってあげるよ。………変身」

 

 新一は訳のわからないことを言ったかと思うと金色の光を出しながら白い鎧みたいなのを着けていた。

 

「その命神に返しなさい」

 

 その言葉を最後に新一は化け物と戦い始めた。その姿を見ているといつもの新一とは思えないような動きをしていた。化け物は苦戦しているのか一切手が出せなくなっていた。ずっと見ていたつもりなのにいつの間にか戦いは終わっていた。新一は白い鎧を消すとこっちにやってくる。

 

「大丈夫………」

「ねぇ、新一…なんだよね?」

 

 アタシに声をかけた新一は驚いた表情を浮かべて固まっていた。当然アタシも驚いている。なんで宿舎にいるはずの新一がここにいてさっきまで戦っていたのか理解が追いつかない。

 

「駄目だよリサ、こんな時間に出歩いたら」

「ゴメン……」

「じゃあ帰ろっか」

「待って!」

 

 帰ろうとする新一をアタシは呼び止めた。

 

「ねえ、さっきのって新一なんだよね?」

「………」

「なんで………戦ってたの?」

「………場所、変えよっか」

 

 そういって新一は宿舎とは別の方向へ歩いて行った。アタシもその後ろを付いていく。正直、これから何を言われるかが怖いような気がする。もしかしたら新一がもう前のように見ることが出来なくなるかもしれない。そんな恐怖を感じながら付いていく。

 そうして付いた場所は昼間に来た海だった。夜の海は綺麗だった。昼間とは正反対で海は暗く、人は誰一人いない。その静けさのせいか神秘性を醸し出しているようにも思えた。連れてきた新一の方を見ると靴と靴下を脱いでいた。

 

「え、何やってんの!?」

「あ、いや…少しだけ海に入ろっかなって。大丈夫だよ、足だけだから」

 

 新一は裾を撒くって海に入っていった。そういえば昼は入っていなかったっけ。…そのことも関係あったりするのかな?そんな新一はさっきまでの雰囲気とは違って少しはしゃいでいるようにも見える。

 

「ねぇ新一」

「何?」

「さっきのことなんだけど」

「……やっぱり話さなきゃ駄目かな?」

 

 さっきまではしゃいでいた新一の顔が一気に暗くなった。

 

「いや、無理して話さなくても良いんだけどさ、知っちゃった側としては気になるっていうか……」

「………良いよ」

「え?」

「話しても良いよ。けどあまりいい話じゃないことだけは覚悟してね」

 

 うんと頷くと新一は手を後ろに組んで話し始めた。

 自分が何故友希那の執事をやっているのか、そこにある条件のこと、アタシが今まで知らなかった事を新一は教えてくれた。けど新一は誤魔化すように笑っていた。

 

「とまあ、こんな感じかな。ごめんね、今まで隠してて」

「ううん……いつも、アタシ達を守ってくれてたんだよね」

「そう……とも言えるかな」

「じゃあ、逆に感謝しなきゃ」

「え……?」

「だって、いつも傷付いてまでアタシ達を守ってくれたんでしょ?なら感謝しかないじゃん」

 

 そう返すと新一は驚いた表情をしていた。数秒後、新一は小さく笑った。

 

「全く、君って人は……」

「それにアタシそんなことで新一を見る目は変わらないよ?」

「そう?なら良かった」

「だってアタシ、新一のこと好きだもん」

「そっか…………え?」

「……………!?」

 

 アタシは自分の言ったことに今さら気付いた。いつの間に本心を告げていたこと。アタシがこの一年間新一に抱いていた感情を気付かないうちに告白していた。

 

「あっ、いや、別にそういうんじゃなくて…!///」

 

 なんで否定してるんだアタシ!よけい誤解されるじゃん!

 

「あぁ、ごめん。僕もRoseliaの仲間(・・・・・・・・・・)として好きだよ」

「………」

「あれ、違った?じゃあ友達として?」

「………」

 

 もしかしてアタシ……嫌われたりしてる?いや、そんなはずないよきっと。……確かめてみよ。

 

「ねぇ新一、もしかして巫山戯てる?」

「いや、巫山戯てないけど…………もしかして」

「……」ゴクリ

「もしかして恋愛対象として……?って、んなわけないよね。僕のことなんか好きになる人は「そうだよ」いるわけ………え?」

 

 ここまで気付かないとかどんだけなの!?こうなったらもうとことん言ってやる!やるとこまでやってやる!

 

「アタシは!新一のことずっと前から好きだったの!」

「えっと…どれくらい前から?」

「大体1年前から!」

「待って、僕を好きになる要素はどこ!?」

「だって……新一、優しいし格好いいしベースやってるし……それにずっと守ってくれてたって知ったらよけい好きになっちゃうじゃん!」

「格好よくないよ……?」

「アタシからすれば格好いいの!」

「ええ……」

「あのね新一!」

「はっ、はい」

 

 新一が返事をして一度深呼吸する。一瞬躊躇ったけどこの勢いに任せることにした。

 

「ずっと前から好きでした!アタシと付き合ってください!」

 

 アタシは海辺にいる新一に向かって全力で叫んだ。当然のことながら新一は愕然としている。しばらく沈黙が続くと新一から返事が返ってきた。けれどそれは出来れば聞きたくない答だった。

 

「……ごめんね、リサ」

「あ………」

 

 ──────終わった。

 アタシの初恋だった。ずっと焦がれ続けてて、最近やっとまわりの話とか聞けて、それで自分にもチャンスがあるんじゃないかと思ってた。けれどそれも呆気なく散っていった。

 

「そう……だよね、アタシなんかじゃダメだよね」

「…!違うリサ、話を聞いてくれ」

「ううん、大丈夫だよ」

 

 これ以上近くにいたらアタシは泣いてしまうかもしれない。そんな顔を見られたくないから後ろを向いて宿舎に走ろうとした瞬間だった。

 

僕はリサのことが嫌いなんじゃない!!

「……え?」

 

 新一の叫び声が聞こえた。思わず反応してしまった。

 

「嫌いだから断ったんじゃない」

「じゃあなんで……」

 

 すると新一は苦しい様な表情を見せる。やはりアタシのことを嫌いだったのだろうと思いかけた瞬間口が開かれる。

 

「正直、何を言ってるかわからないと思う。けど事実だから言わせて貰う。

 僕は────人を好きになる気持ちが解らない」

「………どういうこと?」

「今まで僕は人を好きになった事がないから人を好きになるっていうのが分からないんだ。勿論、本とかで恋愛ものは読んだ事はあるよ?授業とかだけど。けど、そんな曖昧なもので付き合うのは失礼だと思うんだ」

「別に、アタシはそんなこと気に「それにね」う、うん」

 

 遮った新一はさっきとは違い、笑顔を見せてくる。

 

「僕は………バケモノだから」

「バケモノ………?」

「うん、だから僕の側にいちゃダメだなんだよ」

「嘘だよ、だって新一は化け物じゃないもん。普通の人間でしょ!?」

「そうだよ、さっきのやつとは違って見た目も本当の姿も人間だよ。けどね、本質………要は中身が違うんだ」

 

 正直、言っている意味が分からなかった。人間なのに化け物。本質が違う。これっぽっちも理解出来なかった。けれど一つだけ分かることはあった。それは新一が巻き込まない様にアタシ達に配慮しているのだと。

 

「そんな事どうでも良いよ!」

「………え?」

 

 アタシにはそんな事はどうでも良かった。新一がどんな人かなんてどうでも良かったんだと思う。だって好きなのは今目の前にいる新一だから。だからそんな事どうでも良かった。

 

「それでも好きなんだもん!新一は………アタシの事嫌い?」

「!嫌いじゃないよ…」

「じゃあ尚更諦めるわけにいかないじゃん♪」

「どういう…こと?」

「嫌われてる訳じゃないのにフラれるのってなんかヤだしね。それに」

「それに?」

「ようは新一は恋愛感情がわからないんでしょ?」

「そう……だね…」

「じゃあアタシが教えられるように頑張るよ!そしてアタシが新一の一番になる!それなら近くにいても問題ないでしょ?」

「そうだね………別に付き合ってるわけじゃないし、それなら不純ではないね」

「そういう事じゃないんだけど………まぁいっか」

 

 新一は海から上がってくるとアタシの頭に手を乗せて撫でてきた。中からこういう機会がないから慣れないものだけど、意外と悪くないのかもしれない。

 

「あ、でも戦ってる時とかは近くにいちゃダメだよ?危ないから」

「あ、当たり前でしょ〜!?」

「あとこの事は皆には内緒だよ」

「解ってるって」

 

 じゃあ帰ろっかという新一の後ろを追いかけて宿舎に戻った。

 こうしてアタシの初恋は少し変わった形で叶うことになった。ちゃんと叶った訳ではないけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────────────────────────ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局…あのまま戻ってきてしまったけど考えてしまう。

 やはり解らない。人を「好き」という感情はどこまで頑張ることに繋がるのか。それともリサ自身の元の性格なのだろうか。

 考えても解らない。感情が無いわけじゃない。けど「好き」と言う感情だけは僕にはない。

 やはり、あの時失ってしまった(・・・・・・・)からだろうか?気付く前に失った。それこそが一番の原因なのだろうか。

 出来ることならばあの頃に戻りたい。僕の感情が奪われるあの時(・・・)まで。




京「アイツ………この一ヶ月姿を見せねぇけど何してんだ?」
快「ホントだよな」

皇帝陛下、入場です!パパラパパパー

京・快「「皇帝陛下?」」

私が第一代皇帝osto文明である。

京「お前、生きてたのか!」

ああ、鳴海京か。そうだ、地獄の底から舞い戻ってきたぞ。

快「良かったよ、これで話が再開されるぜ」
京「良いわけねぇだろ、この一ヶ月何してたのか話してもらおうか」

一ヶ月………そんな都合の悪いもの消してしまえ

快「何言ってんだアイツ」
京「無理矢理にでも話させてやる!ついでに俺たちの出番ももう少し増やしてもらおうか!」

話のわからないやつだな。ならば実力を見せてやろう

《ひ》一ヶ月なんて消してしまえ!《ひ》

京・快「「あれ、俺たち何してんだ………?」」

フハハハハハハハ
あ、すみません。一ヶ月はガチでプライベートなので話す事ができないのをお許しください。

壁の色を変えるとしたら?

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