どうぞとドアを開けるとそこにはお嬢様の姿があった。
「お嬢様、如何なされましたか?」
「少し、話があるのだけど」
「畏まりました、お入り下さい」
「失礼するわ」
これから布団に入ろうとしていただけなので部屋の中は綺麗になっているからすぐに迎える。椅子を用意し、座るように促すとお嬢様はありがとうと言いながら椅子に腰を掛けた。
「貴方は座らないのかしら?」
「お気になさらないでください」
「座りなさい」
「…では、失礼します」
座れという圧もかけられたため大人しくベッドの上に座る。お嬢様はため息をつくと話し始めた。
「実はお願いがあるの」
「お願い……ですか?」
「ええ、次の新曲の題名を貴方につけて欲しいの」
「そ、そのような大義、僕に任せさせるのですか!?」
「そうよ。歌詞は出来てるのだけどどうしても曲名だけは浮かばないの。だから貴方に任せることにしたわ」
「ですが、僕風情が……」
「貴方は、Roseliaのマネージャーでしょう?」
Roseliaのマネージャー…正直その感覚は今まで無かった。お嬢様の執事、そして皆の手伝いが出来れば良いと思っていた。いつの間にマネージャーという立ち位置を貰っていたかはともかく、もし信頼されているのならそれに応えるべきなのかもしれない。
「……本当によろしいのですか?」
「ええ、あまり期待はしてないけれど案だけでも出してちょうだい」
「畏まりましたご期待に応えられるよう全力を尽くします」
「任せたわよ。それじゃ……」
お嬢様が席を立ち、部屋から出ようとした瞬間だった。お嬢様は立ち止まり、こちらをずっと見てくる。あまりに凝視するものなので聞いてみることにする。
「如何…なされましたか?」
「新一、それは何?」
お嬢様の指さす方向には布をかけていたヴァイオリンがあった。
「あぁこれは……」
「何?」
「…ヴァイオリンです」
今さら隠せるものでもなく大人しく布を外す。
「持ってきていたの?」
「…そうですね……」
「貴方…弾けるわよね?」
「はい」
「聞かせて貰えるかしら、貴方の本気で」
興味を示したのかお嬢様はここで弾けと言ってくる。
「!今ですか?」
「そうよ」
「……畏まりました。リクエストなどございますか?」
「そうね、貴方が一番弾きやすい曲で良いわ」
「畏まりました……いきます」
ヴァイオリンを肩に載せ、演奏を始める。やる曲は勿論一昨日弾いたエチュードだ。理由は簡単、僕が一番「誰かのため」に弾いた曲だからだ。この曲なら他の曲よりも弾きやすく、そして心を乗せやすい。演奏が終わるとお嬢様に向かって静かに礼をした。
「良い演奏だったわ。けど、貴方の本気はこれで終わらないでしょう?」
「……どういう意味でしょうか」
「そのままよ。まだ、実力を隠してる。そんな気がしてならないのよ」
「…先日も言いましたがそのような実力は………」
「いいえ、そんな嘘をつく必要は無いわ。全力を出しなさい」
そろそろ隠すのは無理がある様に思えてきた。僕がいくら隠そうともお嬢様の音楽に対する感覚は研ぎ澄まされている。ため息を吐きながらも大人しく降参することにした。
「はぁ………わかりました。この名護新一、本気で弾かせていただきます」
「ええ、全力でやりなさい」
「はっ」
構えた瞬間一度息を吸い込み、一気に弾き始める。この数年間誰にも見せたことのない全力で。僕がヴァイオリンで一人で全ての楽器をカバーした曲、『サクラメイキュウ』を弾く。正直言って弾いている時のことはヴァイオリンに夢中で周りのことなど見えなかった。テンポを整え、一音でも間違えることなど絶対にあってはならない。音に力を、感情を、強弱を。そう自分に言い聞かせて弾いていた。引き終わった頃にやっと周りが見え始めた。お嬢様の方を見て一礼すると声がかかった。
「素晴らしかったわ」
「お褒めに預かり光栄です」
「どうして隠していたの?」
「…ヴァイオリンは、バンドに必要なものではありませんから。それに僕はお嬢様達をサポートする方が性に合ってます」
「そう……でも、そのヴァイオリンは気に入ったわ。また今度聞かせなさい」
「仰せのままに」
そう言うとお嬢様は「堅苦しいのは嫌いよ」と言い、ジト目でこちらを見てくる。演奏のこともあってかつい戻ってしまっていた。目を逸らすように海の方を見ると満点の星空が広がっていた。それを見てふと思ったことを口にする。
「星…煌めく………この手に………」
「え?」
「……お嬢様、申し訳ございません。少しばかりお時間いただけますか?」
「構わないけど「ありがとうございます、おかけになってお待ちください」どうしたの一体」
お嬢様の近くに椅子を運んで急いで机の場所に戻る。そして机の上にある楽譜を手に取る。歌詞を確認し、先ほど浮かんだ言葉をメモに書き記す。言い換えなどをすぐに作り出し、一番しっくりするものを探す。数分後、ペンを置いてメモに書いてあることを確認する。
【熱色スターマイン】
確認を終えてお嬢様にメモを差し出す。渡されたメモを見てお嬢様はこちらに顔を向けてくる。
「これは?」
「先ほど言われた、新曲の名前です」
「もう出来たの?」
「はい、先ほどこの星空を見た瞬間歌詞を思い出し、すぐに作業に取り掛かりました」
「じゃあ待てと言ったのは………」
「はい、すぐにでもご確認いただきたく」
「………名前の意味を聞いてもいいかしら」
「は。
【熱色】は歌詞の中に『陽炎』や『灼熱』といった熱に関するものが多く感じられましたのでその色を示すように。
【スターマイン】は先ほど星を見たときに手が届きそうな感覚があり、歌詞にあることを思い出しましたので名付けました」
きちんとその意を伝えると目を見開いた様にこちらを見てくる。任されたとはいえ、この様なもので大丈夫だったのだろうかと今になって心配になってくる。
「新一」
「は」
「悪くないわ、明日皆に確認しましょう。これで皆がよしといえばこれにするわ」
「…!ありがとうございます!」
「じゃあ、今日はもう寝るわ。いい演奏、ありがとう」
「お疲れ様です、お嬢様。また明日」
お嬢様が部屋から出ていき、ドアを閉められたあと、僕は布団に寝転がった。最初から話題の内容がすごいことばかりで緊張ばっかりだった。正直、本気で弾けと言われた時は驚いたが認めてもらえたのだろうか。あの反応を見るにおそらく興醒めさせる様なことはなかったと思われる。とりあえず今日は休むべきだろうと布団の中に入り込んで眠るようにする。
────最近のお嬢様はどこか変わった様な気もする。Roseliaができてからいろんな事があった気がするが、その中でもお嬢様の行動は変わってきている様な気がする。今まで僕に対して興味を示さなかったものの、僕がヴァイオリンを弾くといった瞬間興味を示したように話し始めた。おそらくこれは僕自身ではなく僕の実力の方に目がいったと思われる。それでもお嬢様は今までよりも自分以外のことに興味を示し始めたと思う。勝手に語るようだが、いい方向に向かっていってるのではないかと思う。このまま、お嬢様がいい方向に向かうことを心から願いながら僕の意識は落ちていった。
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正直想定外だった。新一があんな実力を隠していたなんて。今まで演奏していた時は他の楽器だからかできても普通よりは上手い程度だったのにヴァイオリンを全力でやれと言った瞬間一気に上達したような実力を発揮した。本気やっていなかったのかと思い始めたのは夏休みに入る前に男の人たちと一緒に演奏した時だ。
でもやっぱり理解できない。何故あれほどの実力を持っておきながら表に出そうとしないのか。音楽を馬鹿にしている………なんてことはあり得ないと思う。少なくとも新一は物事を馬鹿にする様なことはする様な人間ではないと私の感が言っている。じゃあ、何故?
わからないながらも私は目の前のことに集中しようと決意して就寝に入った。
京「今年ももう少しで終わるな」
新「そうだね」
快「思えばいろんな事がありましたね〜ってなわけでちょっと遊びましょ」
新「え?」
京「なに、軽めの企画だ。題して、『〇〇をなんちゃらにしてみた』〜」
新「ごめん、理解できない」
快「大丈夫すっよただの遊びなんで」
京「というわけで第一弾は『新一のステータスをサーヴァントにしてみた』だ。てなわけで、どん」
真名 名護新一
クラス セイバー
カード BBAAQ
スキル 『ライダーシステム(EXA)』
攻撃力&防御力アップ&
ダメージカット付与(3ターン)
『???』
全体のクリティカル威力&
攻撃力アップ(3ターン2回)&
回避(2回)
『朱雪の執行者』
Arts性能&宝具威力アップ
宝具 「朱雪、騎士と共にありて」
対軍宝具 Arts
Arts性能アップ(3ターン)&
必中付与(1ターン)し、超強力な攻撃をする。
その後、相手に被ダメージアップ(3ターン)&
攻撃力ダウン(3ターン)を付与。
快「第二スキルの『???』ってなんすか?」
新「あー、それはネタバレだからになっちゃうから言えないかな」
京「なるほどな。ちなみにストーリー展開によってステータス変更出るかもしれないらしいぜ」
新「へ、へ〜。あ、次回で合宿編最後になります!」
壁の色を変えるとしたら?
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色分け
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上塗り