青薔薇の歌姫と白き聖騎士   作:OSTO文明

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最近書いてて思ったんですけど新一君誰かに似てんなぁって思ったら五十嵐大二に似てるなって思いました。

「どの辺が?」

従順なところ?

「まぁそこは共通点あるかもね……って、僕の中に悪魔はいないよ?」

それもそうだったわ。
それじゃあ本編どうぞ


第三話 文化祭準備

「御二方、ステージに出てみませんか?」

 

 ………え?

 

「どういうことだ?」

「そのままの意味ですよ。校内で人気のお二人にステージに立って貰えば文化祭も成功に近づくと思うんです」

 

 そういうことか。なら突然誘ってきたことにも納得がいく。でもクラスの出し物の方にも出なきゃ行けないからな…。

 

「勿論強制という訳ではありません。それにお二人に立ってもらうのは後夜祭のステージですので出し物に影響することはほとんどないと思いますよ」

 

 なら問題ないかなと思いかけた瞬間京君の口が開かれた。

 

「ステージって何すんだよ」

「それはそちらで決めてもらって構いません。ダンスでも漫才でもバンドでもなんでも構いません」

「了解了解、ならペンを貸してくれ」

「あら、名護さんに許可を取らなくていいんですか?」

「ああ。どうせコイツも誘いに乗るつもりだっただろうしな」

 

 そう言いながら京君は僕の名前も紙に記入していく。どこまで思考を読んでいるかは知らないけど間違っていたらどうするつもりだったんだろう。まぁ結局参加するからいいんだけど。

 

「ではお二人は特別枠といたしますので他の人達とは別の形式で連絡を取らせていただきます。次の連絡までにやる項目を決めといて下さい」

 

 了解しましたというとよろしくお願いしますと会釈だけして会長は離れていった。しかし特別枠か。それはサプライズになるんだろうけど僕達が特別枠でいいのかな。

 

「そこに関しては問題ねぇだろ。お前人気あんだし」

「さっきから思考を読むのやめてもらえないかな?」

「嫌だ。探偵として活躍してない分ここでスキルを使う」

 

 全く、無駄なことを………

 

「無駄とはなんだ無駄とは」

 

 そこまで読むのか。でも文化祭まで時間もないしな。早めに項目を決めて練習に入りたいものだ。

 

「京君何やる?」

「あーそうだな、とりあえず漫才は無しだ」

「だね、僕達どっちかっていうとツッコミだしな」

「(いや、天然のお前を相手にするのが難しいんだが……)新一は何かしたくないのか?」

「文化祭のステージ発表っていうのを見たことないからどんなのやるべきかなって感じ」

「なるほど。じゃあ消去法で歌枠だな」

「バンドじゃなくて?」

「いや、俺ドラムしかできねぇし。歌いながらやるのキツイぜ?」

 

 それもそっか。というか京君ドラム出来たんだと聞くと大和さんと一緒にバイトしてた時に教えてもらったらしい。それから時折叩いているんだとか。結局歌うことになり曲もその勢いで決まっていった。話を聞いていると京君は女性曲が苦手らしい。もともと声が低いせいか女性並みの高さは出ないんだとか。ただたまに例外はあるらしく、それに合わせて決めていった。因みに本人曰く、「パスパレの曲は好きだが歌えない」とのことだ。

 それから歩いて教室に入ると僕たちはそれぞれ拘束された。犯人は教室の女性陣だ。いつの間にか背後を取られていた。女子故に無理矢理抜け出すことも出来ず体の自由を奪われる。そのまま引っ張られながら連れて行かれるとカーテンのついた簡易個室に入れられる。カーテンを閉められると内側についている紙を見つける。指示の内容はそこにある服を着てくれとのことで黙っていうことに従った。隣の方からは「はぁ!?」だのなんだの声が聞こえたがすぐに静まり返った。とりあえず服を取り出してみると見ただけでテンションが下がった。できればもう少し違うデザインにして欲しかったものだ。だがこれを着ないとおそらく自由は戻ってこない。幸いにも着方はほぼ変わらなかったのですぐにそれに着替える。そして付属品の帽子を被ってカーテンを開くとこっちを見てきた女子たちが騒ぎ出した。そしてスマホを取り出して写真を撮り始めた。あまり騒がないで欲しいものだけどね。

 

「名護君、すごい似合ってるよ」

「ありがとう、これは誰が作ったの?」

「うちのクラスの裁縫精鋭部隊が作ってきてくれたの!始業式の日に夜に女子のグループラインで相談しててね」

「なるほどな」

 

 後ろから声がすると思ったら着替え終わってた京君が腕を組みながら壁に寄りかかって呆れた顏をしていた。当然ながら女子のカメラはそっちにもいく。

 

「つまりメインの俺らにはこんな服が渡されるわけだ」

「勿論女子のもあるから大丈夫だよ。それとも二人とも女装の方が良かった?」

「「そんなこと微塵も思ってねぇ(ない)」!!」

「それにしても二人とも似合いすぎじゃない?名護君は着慣れてる感あるし」

 

 そんなことないよと言いつつ内心ではそんなことあると思う。だってこんな軍服みたいな服、数年前まで来てたからね。日常的に。他人からすればそんな光景は非日常だろうけど。そんなこと思いつつあたりを見回すとお嬢様の姿は見当たらなかった。たまたま席を外しているのだろうかと思うとカーテンの擦れる音が聞こえる。中から現れたのは和服姿をしたお嬢様だった。一瞬目を奪われてしまった。浴衣の時もそうだったがあまりそういう格好を好まない人なのにこういうのを着ると美しく仕上がってしまう。

 

「どうしたの?」

「いえ、とても綺麗だなと」

「そう」

「和服美人とはコイツのことか」

 

 京君の言葉を無視するようにお嬢様は着替えていいかとクラスメイトに聞いている。その瞬間またカーテンの擦れる音が聞こえる。そっちを見てみると今度は大和さんが個室から出てくる。

 

「や、やっと着替えられました…」

「おお麻弥、似合ってるじゃねぇか」

「ほ、ほんとですか!?フヘヘ」

「やっぱメガネ外してる方がいいと思うぜ」

 

 大和さんと京君が楽しそうに話しているのを横目で見つつ動きやすさを確認する。いくらこんな格好といえどきちんと動けなければ給仕もできやしないと思いいつつ腕を回してみると意外と動いた。飾りなど装飾品が結構ついている服だったが問題なく体を動かせる。装飾品も邪魔になっていない。

 

「ふふ、名護さんもビックリしているでしょう。何せその服は見た目だけでなく動きやすさも充実するように作ったからです!」

「確かに動きやすさ千%だよ」

「だってその方が仕事しやすいでしょうし、いざとなった時戦ってくれそうじゃないですか〜」

 

 いやこの場で戦うとしたらまず京君だと思うよ?公表してるの彼だけだし。チラリと暗殺者たちを見てみると片方は写真を撮ってるし片方は呆れ顔をしていた。というよりかは同情の眼差しだった。ていうか片方のカメラ音うるさいな!頭を押さえていると女子が一人寄ってくるのがわかる。

 

「どうかしましたか?」

「あ、あの、名護さん。これ、ちょっと読んでみてください」

 

 渡された紙を見てみると何やらセリフみたいなものが書かれていた。もう一度目線を直してみると今度は両手を合わせている。仕方ないのでそのセリフ通りにポーズを取って音読してみる。

 

「いらっしゃいませ、お嬢様」

 

 そう唱えた瞬間周りからドタバタと倒れる音が聞こえてきた。一体どういうことだと困惑していると京君が肩に手を乗せてくる。

 

「全くお前ってやつは」

「どういうこと?」

「あんなん今の格好のお前が言ったらこうなる事ぐらい分かるだろ。しかもそんな

いっらしゃいませ、お嬢様』なんて」

「待って待って、そんな格好つけてないんだけど」

「実際の破壊力はそれくらいなんじゃねぇの?知らんけど」

 

 またそうやって無責任なことを。向こうでまだ写真撮ってる人いるし。よく飽きないなぁ。状況が変わらないしとりあえず着替えようという話になって元の格好に戻る。そのまま教室にいても面倒な事になりそうなので教室を出ていく。他の教室の様子も見つつ廊下を歩いていると階段に差し掛かる。上の方から話し声がするなと思ったらAfterglowの皆がいた。何をしているのか聞いたところステージ発表のセットリストを決めていたらしい。

 

「お二人は何をしてたんですか?」

「ズル休み」

「鳴海先輩、名護先輩を巻き込まないで下さいよ」

「え、俺が悪いの?」

「いや、これには事情があって……」

「またまたそんなこと言っt」

 

 モカちゃんが笑うように言葉を発している最中、足を踏み外したのか階段から落ちてくる。咄嗟に手を伸ばしたのか蘭ちゃんも一緒に落ちてくる。やばいな。階段の踊り場から落ちてくるとなるとひどい怪我になりかねない。僕は両手を広げて受け止める姿勢を作る。幸いにも蘭ちゃんは抱えやすい位置とポーズだったので抱きしめるように抱え込む。横を見ると京君が既にモカちゃんの方を受け止めていた。これなら問題ないと思っていたのだがバランスを崩して背中を地面に向けて倒れる。

 

「大丈夫?」

「あ、ありがとう…ございます……///」

「無事ならよかった」

 

 結果として倒れることになってしまったが蘭ちゃんに怪我した様子はなく本当によかった。ふぅと安堵の息をしていると周りの視線が気になる。周りを見てみると何故かニヤニヤしてる人が二人いる。さっきまで同じような状態だったクセに。

 

「お前らいつまでその格好でいんだよ」

「エッ……あっ!///」

「蘭も大胆な子になったね〜憧れの先輩を押し倒すなんて」

「ちょっ、モカ!元はと言えばアンタが!」

「鳴海先輩もお得でしたね~美少女のモカちゃんを受け止めるなんて~」

「へいへい、そーですね。そんでもって新一は受けだったか」

「ふざけないの。事故だってわかってるでしょ」

 

 京君の方を見ると舌を出して誤魔化すように目を背ける。一方Afterglowの方はワイワイやってるみたいなので気をつけるよう注意喚起だけして場を離れた。時間も頃合いかと教室に戻ると皆キチンと作業に戻っていた。僕も作業の手伝いに入る。少しでもイメージ力を上げるために木造的にしたいとのことだ。それによって写真立てなどを作っているらしい。作業をしているとふと自分の指から血が出ているのに気付く。一応気を付けてやっていたものの油断していたのか、木の角で切っていたらしい。絆創膏を取り出そうとブレザーのポケットを漁ろうとすると腕を掴まれる。

 

「新様、どうされたんですか?」

「気にしなくて良いよ、ただのかすり傷だし」

「そういうわけにも参りませんわ」

 

 心配そうに声をかけてくれる夜架ちゃんはそのまま僕の指を自分の口の中に運んだ。

 ……いやちょっと待って。なんで僕の指を舐め始めてるの!?

 ただ声に出すわけにもいかず、黙って見逃すしかなかった。いや外そうとしたけどね?なんか掴んでる力強すぎて微動だに動こうとしないんだけど!?充分堪能したのか(?)腕を放して指が解放される。自分の指を見てみると唾液がまだねっとり纏わり付いている。

 

「新様の指、とても美味しゅうございました」

「あんまりこういうことしちゃ駄目だよ」

「心配してくださるのですか?」

「衛生面と周りの目をね」

 

 などと言いつつ指を拭いて作業に戻る。切った木材を組み立てていると必要な道具を夜架ちゃんが渡してくれる。こういう時は凄く役立つのになぁと思いながら作業していると話しかけてくる。

 

「あのですね、新様」

「どうしたの?」

「お腹の子供なんですけど」

「そんな記憶は無いから急いで病院行ってきて。勿論頭の方ね」

「そんなぁ。せっかく既成事実を作ってそのまま本番を迎えようとしたのに」

「何言ってるか分からないけど『なぐり』取って」

「嬲るんですか?新様にそんな趣味があろうとは……それでも私は新様の言うことなら……」

 

 等と巫山戯ながらちゃんとなぐりを取ってくれる。因みになぐりはトンカチのことだ。舞台用語などで使われる。つい最近京君に教えて貰ったが個人的にはこっちの方がしっくりくるのでこう呼ばせて貰ってる。

 

「で、本当は何用?」

「気付かれましたか?」

「まぁね」

「実は私、嬉しいんです」

「何が?」

「こうして新様と一緒にいられて」

 

 道具を渡しながら夜架ちゃんは僕を見つめてくる。

 

「あの頃は平和(こんな)所ではなく、戦場(あんな)所でしたから。ですから貴方様と一緒に平和な世界にいられて幸せなんです」

「………」

「それにあの頃はこんなこと考えられませんでしてしね」

「確かにね。あんな所にいたらこんな生活自体有り得なかっただろうね」

「はい、ですから新様には感謝してます。新様が御家を出られたときは捨てられてしまったのではないかと考えました」

「それは……ごめん」

「いいえ、寧ろ感謝してます。おかげで私もあることに気づけました」

「あること?」

「それは内緒です」

 

 内緒という言葉と同時に唇に指を当てている。一体何があったのか気になるところではあるけど首を突っ込むわけにもいかないだろう。

 

「それにあの頃大変でしたのよ?新様がいなくなった数日後に半分が暴動を起こして……」

「反乱!?」

「ええ、なんでも『新様がいなくなるの嫌だ』ってストライキが起きまして」

 

 なんだその暴動。僕はアイドルかなんかなの?皆ちゃんと仕事してくれ。

 

「因みに私もその暴動に参加してました」

 

 いやなんで?

 

「ちなみに副長官で」

 

 なんでそんな数日間でそこまでの組織出来てるのさ。てか君の立ち位置おかしくない!?

 

「ですがそれもすぐに落ち着きました」

 

 多分それ『落ち着いた』じゃなくて『鎮圧された』の間違いじゃない?などという疑問はあえて黙っておくことにする。

 

「ですがそれでも、戻ってきて欲しい方は沢山いるみたいです。実際私もその一人ですが」

「それは……出来ない」

 

 夜架ちゃんは黙って頷いている。

 

「僕は、今執事の仕事をやってる。それに僕にはやらなくちゃいけないことがある。きっと話したらわかってくれるんだろうけど言いたくはない。これは私情で、皆とも仕事とも関係ないことだから」

「わかっていますわ。だから貴方様は私たちに黙って出て行った。止めて欲しくなかったから」

「うん………」

「大丈夫ですわ。さっきも言いましたが私は今の生活が幸せです。新様と同じ世界にいる。それだけで十分ですわ」

「ありがとう。じゃあお礼として頑張らなきゃね」

「とうとう決意なされたのですね。いつでも準備は出来ていますわ」

 

 こういうところが無ければかなり好感度持てると思うんだけどな。だけど彼女と話せて心の底から安心してる。正直、皆を置いていってしまった僕は恨まれても仕方ないと思ってる。けどこうやって理解してくれる人がいるってことを知れて良かった。勿論一条さん達も理解してくれているだろうがこういうところで聞くのとはまた違って安心する。

 

「それで何をなさってくれるんですか?」

「元主人、っていう訳じゃないけど、夜架ちゃんと魔姫ちゃんのためにも文化祭を成功させなきゃなって」

「全く、魔姫ちゃんにもそういう態度を取るなんて」

「せっかくこの世界にいるんだから楽しむべきだと思うよ」

「それもそうですわね」

 

 僕達は完成した物を持って次の指示を仰ぎに行った。




裏話
「京君どんな曲歌う?」
「そうだな、ここは思い切って干妹うまるちゃんでも歌うか」
「本気?」
「じゃねぇよ。でも俺あれは歌えるぜ」
「うまるちゃん?」
「いや、初音ミクの消失」
「いやなんで?」



アンケート追加したのでやっていただけると幸いです!

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