僕は今駅前のカフェで人を待っている。待ち人は今井リサ、Roseliaのベーシストであり精神的支柱だ。勿論デートのためである。そもそもなんでこうなっているかというと元は作者が文化祭の後夜祭が終わった後にデート編書こうとしたのが原因だが、それを知らなかったリサが文化祭の振替休日にデートに行こうと誘ってきたのだ。誕生日に渡した『なんでも言うこと聞く券』を行使してまでだ。お嬢様に許可を貰おうとすると既に取ってあるとの事で日程の話し合いをした。そして現在に至る。 僕は今駅前のカフェで人を待っている。待ち人は今井リサ、Roseliaのベーシストであり精神的支柱だ。勿論デートのためである。そもそもなんでこうなっているかというと元は作者が文化祭の後夜祭が終わった後にデート編書こうとしたのが原因だが、それを知らなかったリサが文化祭の振替休日にデートに行こうと誘ってきたのだ。誕生日に渡した『なんでも言うこと聞く券』を行使してまでだ。お嬢様に許可を貰おうとすると既に取ってあるとの事で日程の話し合いをした。そして現在に至る。時刻は午前十時半、約束の時間である。遠くから呼ぶ声がしたのでその声に応じて見てみるとリサの姿があった。走ってきたのか少し息切れしている。その姿をよく見てみるといつもよりオシャレしているのが良くわかる。
「ごめんねっ、待たせちゃった」
「大丈夫。僕も今来たところだから」
本当は三十分前に来ていたがそういうことを言っては行けないと誰かに教わった気がするのでその通りにしておく。まぁ誰に教わったかは忘れたけど。
「じゃあ行こうか。どこにいくの?」
「えっとね………」
行き先はリサが任せて欲しいと言うので任せてある。実際デートというものをしたことない僕はどうすればいいのかわからないしどういった場所が最適なのかの情報も知らない。故に任せてはみたが任された本人はこっちを見たまま固まっている。どこかおかしい所があるのかと一度服をピッと伸ばしてみるが反応は変わらなかった。
「ねぇ新一、今日もその服なの?」
「え、うん。そうだけど…?」
「他の服はないの?」
「ないよ。そもそも僕が持ってるのは学校の制服と
何もおかしいことではない。この仕事に着く前も私服なんてそんなに無かったし、今はサイズが合わない。大体普段はスーツで行事の時は軍服だったからな……。旦那様にもらったのも冬服と夏服だけだし。その事実を伝えると口をポカンと開けたまま動かなかった。しかし数秒後にプルプル震え始めた。握り拳まで作って、そんない気に食わなかったのだろうか。でも今更着替えに戻るなんて出来ないしそもそもそも他の種類の服なんて持って………
「新一!」
「はっ、はい」
「今から服買いに行くよ!」
「えっ、でもデートプランは」
「返事は!?」
「さ、サーイエスサー」
で、合ってるだろうか?そのままリサは僕の腕を強引に引っ張りながら洋服店まで連れて行った。
洋服店に着くと早速そこに立てと言ってくる。今のリサに逆らうと後々ややこしいことになりそうなので黙って言うことを聞く。見ただけでサイズがわかったのかすぐに服を用意して試着室に行くよう支持される。一つ返事で試着室に行きすぐに着替える。渡された服は黒いジャケットと白いトップス、そして紺色のボトムスだった。残念なことに僕には服の名称は分かるもののセンスという物が無いのでどの組み合わせとかは全くもって分からない。大人しく渡された服を着てカーテンを開けるとリサが待っていた。どうかと聞いてみると似合ってると褒めてくる。それは良かったとカーテンを閉めて着替えようとするとその手を掴んで僕の動きを止めてくる。そのまま店員さんを呼んでこれを買うと言ってくる。すると店員さんは僕が今来ている服の値札を切ってレジへ持っていく。僕は脱いだ服をカバンの中にしまって急いでレジに向かう。幸いにもカード払いができたのですぐに会計は済んだ。値段は全部でそこそこの値段がしたが今まで稼いでた分から引き抜かれただけだと思うと正直何も感じなかった。そのまま洋服店を出るとリサはやっといい顔になった。
「じゃあデートはじめっよか」
「う、うん。どこにいくの?」
「そんなに遠くに移動とかはないよ。元々このショッピングモールで買い物とかする予定だったし。でも時間も頃合いだし食事に行かない?」
「いいよ。どこかおすすめある?」
「あ、あそこのレストラン美味しいんだよ」
「じゃあそこにしよう」
僕達はリサが指し示したレストランに向かった。どうやら今はスイーツキャンペーンをやってるらしく女性客も多いようだ。店員の指示に従い席に着くとお互いメニュー表を見始める。メインの食事を颯爽と決めてスイーツの部分を見ると確かに量が多かった。しかしていろんな種類のスイーツがある分選びがいがありそうだ。
「決まった?」
「うん、今決めたところ」
「じゃあ店員さん呼ぼう」
呼び鈴を押すとすぐに店員さんが駆けつけてくれる。
「ご注文受け賜ります」
「ビーフシチューとデザートでイチゴパフェお願いします」
「僕はカルボナーラとブルーベリーパフェで」
「畏まりました。少々お待ちください」
注文を終え水を口に含む。九月ももうすぐ終わることか水が前より少しだけ冷たすぎるように感じる。店の中を見回そうとするとリサの視線が視界に映る。
「どうかした?」
「ううん、こうやって二人きりになるのは久しぶりだなーって」
「確かにね」
言っていることに間違いはない。違いと言えば今回は夜ではなく昼で、海辺ではなく街中であるということだ。他の部分で違うところは特にないだろう。
「二つ、聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「いいよ」
「一つはなんで僕は着替えさせられたわけ?」
これは本当に疑問だ。実際服装は乱れていないから問題がないはずだ。そしてこっちの質問が先にするべき質問だと必然的に感じた。
「だって新一いつもの格好と変わらないんだもん」
「何か問題があるの?」
「大アリだよ!だってデートだよ?普段と違う格好するでしょ普通!」
「服装は特に問題ないと思うんだけど」
「てか逆に聞くんだけどさ、いつも思うけど服それしかないの?」
「ないよ」
「ちょ、マジ!?」
マジもマジ、マージマジマジーロだ。第一私服なんてこの仕事柄必要ないと考えている。夏休みの墓参りもこの服だったけどなんら支障はなかった。仕事用の服ではあるけど機能性は良いし何より選ばなくて済む。そういった点では実に効率的で理想的な服なのだ。でも最低限のマナーとして整容はしっかり整えている。せめて相手が恥をかかないようにと気遣いはしているつもりだ。だけどさっきからリサの目がおかしい。まるであり得ないものを見ているかのような目だ。
「どうかした?(二回目)」
「どうかしたじゃあないよ!ほんとにあの服しかなかったの!?」
「うん」
「マジかぁ……服とか興味ないの?」
「興味がないわけじゃないよ。ただ僕の日常生活的には足りてるかなって」
まあその結果がこれなんだけどね。
「ハァ………」
「でもありがとうリサ。この服はある意味必要だったのかもしれない」
「え、そう?…そっかぁ………///」
少なくともまたデートする時とかに使えるだろう。この服も動きやすくはあるしきっと他にも使う日が来るだろう。やがて注文した料理がくるとお互い自分たちの料理を食べ始める。頼んだカルボナーラはソースと麺がうまく絡まっておりいい感じにトロトロした食感を味わえた。メインを食べ終えてデザートを食べ始めるとこちらもいい味わいだった。しかし隣の芝生は青く見える。不甲斐ないがリサが頼んだイチゴパフェも美味しそうに見えてきた。
「ねぇ新一」
「ん、何?」
「そっちのパフェ少しだけちょうだい?」
どうやら考えていることは同じだった。僕はいいよと答えつつパフェを掬ったスプーンをリサに向けると急に顔を真っ赤にして慌て始めた。
「え、ちょ、え!?///」
「どうしたの?食べないの?」
「た、食べます!」
勢いよくスプーンを咥えたリサはすぐに離れて席に座った。しかし顔は赤くなったままで俯いている。何か間違ったことをしたのだろうか。とりあえず僕ももらっていいか聞くと許可をもらえたので掬って食べると口の中に苺の甘さが広がった。甘すぎず程よい甘さとバニラの滑らかさが伝わってくる。一人満足しているとこっちを睨みつけてくる人物がいた。
「ちょっと口開けてもらっていい?」
「なんで?」
「いいから開ける!」
「はっ、はい」
口を開けた瞬間スプーンを突っ込まれる。すぐに咥えると勢いよく外される。流石に少し痛かった。しかし二度も貰っていいのかと聞くと僕のパフェから勝手に持ってって口に運んでいく。どうやら満足したみたいなので僕達は食事を続ける。
食事を終えて店の外に出るとショッピングを始める。小物店から家具店など色々と見ていくうちに時間は過ぎ去っていった。時刻は午後三時、休憩がてら広場のベンチに座るとお互い体を伸ばす。しばらく歩き回っていたからゆっくりする時間もなかったのだ。体が硬くなっているのを感じていても仕方ない。しかし最初から思ってはいたが不思議だ。数年前、いや今でもこんな時間があることが信じられない。元々は一般からすれば異端の身。こんな時間があればすぐに任務に行かされるか取引や指示することが多かっただろう。この数年間だったら多分お嬢様の護衛権執事の時間だ。別段、解放された訳ではないがこういう時間があることが信じられない。それに本来僕は
「何考えてんの?」
「あぁ、色々とね………」
目を逸らすように見る目の前の噴水はずっと水を吹き出し続ける。
「ねぇ、ご飯の時に言ってた聞きたいことって何?」
「聞きたいこと?」
「ほら、二つあるって言ってたじゃん。もう一つは?」
正直これを聞くと傷つけてしまうかもしれない。いや、確実に傷つけるだろう。でもこれはいつか聞かなきゃいけないことだと思う。だったらあまり深くないうちに聞くべきだろう。
「今から聞くことを率直に、素直に答えて欲しい」
「えっ、わ、わかった………」
「もし、僕が突然目の前からいなくなったらどうするべきだと思う?」
「ど、どうしたの急に」
「リサ」
「……わかんない」
この答えはリサみたいな優しい子にはちょっとひどい答えかもしれない。傷つけたくないと考えている自分がいる。けどそれくらいの覚悟は持っておいて欲しいと考えている自分がいるのも事実だった。
「答えはね、
「えっ?」
「こう見えて僕、まだ隠し事してるんだ」
「隠し事?」
「うん、それをいつ話せるかわからない。それを話してもいいかもね。もしかしたらその隠し事はリサが想像もできないようなことかもしれない」
「そ、それって前に言ってたバケモノの話?」
「そう考えてもいいかもね。そんな気味の悪いバケモノのことはいなくなったと同時に忘れるべきなんだ。わかった?」
「なんで、そんな話を今?」
「なんでだろうね」
今になって自分でもわからなくなった。なんでこんなことを言い始めたのか、そもそもどうして聞こうと思ったのか。考えても答えは見つからなかった。故に気にしないでくれと言おうとした瞬間錠前の音が鳴り響く。だけどそれを開くことなど考えもしなかった。すぐ近くで悲鳴が聞こえたからだ。実際問題その正体は見えた。しばらく見る事のなかったファンガイアが暴れている。所々がオレンジ色をしている蟻の様な顔のファンガイア。見たことないとも思ったがとりあえず対処するためにベンチから立ち上がるとリサが袖を引っ張ってくる。何か言いたそうな顏をしているがいっていいのか戸惑っているようにも見えた。
「ごめんね、行かなきゃいけないんだ」
「でも、さっきの話……」
「ああ、大丈夫。
「で、でも」
「それにこれは、僕の仕事だから。危ないから、逃げて。なんならそのまま帰ったほうがいいかもしれない」
『R・E・A・D・Y』
リサの手を離して敵の元に向かっていく。認証を終えたナックルを構えてベルトに差し込み、イクサシステムを身に纏う。
────仕事、か。本当はただの復讐みたいなものなのにね。
ファンガイアはこちらに気付いたのか威嚇してくる。けれど僕は歩みを止めずにイクサカリバーを構えて近づいていく。
「今日は……少し機嫌が悪いんだ。その命、神に返しなさい」
『オオオオオオオオオ!!!』
雄叫びを上げるファンガイアは向かってくる。剣を逆手に持ち替えて上に振り上げる。振り上げた斬撃は当たり、隙が見える。それを逃さず持ち替えて切り続けると剣を握りしめて拳を繰り出してくる。警戒はしていたが間に合わず腹に打ち込まれる。けれどその腕を掴み、脛を蹴る。悶絶するように声にならない叫びを上げている。流石に脛はかなりのダメージが入ったようだ。弁慶の泣き所、それはどの生物も同じようだ。だがおかげで剣を掴んでいた手が緩んだ。勝機を零すまいと剣を引き抜き回転すると同時にフェッスルを挿し込む。
『イ・ク・サ・カ・リ・バ・ー・ラ・イ・ズ・ア・ッ・プ』
イクサカリバーに光を纏わせ正面に敵が来た瞬間上から切り裂く。切り裂いたファンガイアは爆発四散して硝子となり砕け散った。他に敵がいないか確認してから変身を解除すると既に時間が夕暮れになっていることに気付く。流石にリサも帰ってるだろうし僕も帰ろう。そういえば着て来た服どうしたっけ?そうだ、ベンチに置きっぱなしだった。服を回収しにさっきまでいたベンチに戻ると一人の女性が座っていた。それはさっきまで話をしていた今井リサ本人だった。僕の頭の中は疑問でいっぱいだった。何故?どうして?逃げてって言ったのに、帰るべきといったのに。
「ダメじゃないか、こんな所にいちゃ」
「新一…」
「危ないから逃げてって言ったのに。怪我してないからいいものの、本当は離れなきゃいけないんだよ?」
「…ごめん……」
「ううん、わかってくれたなら大丈夫」
「でも」
「?」
「でも、さっきの話思い返してたら、本当にいなくなっちゃったらどうしようって」
「それは………」
「ねぇ新一、いなくなるのって、友希那に正体がバレた時?」
想定していない質問だった。実際、正体がバレた時どんな処置が待っているかはわからない。執事は解雇、最悪この力は奪われてしまうかもしれない。そして皆の前から姿を消さなきゃいけないのかもしれない。けれどそれとはまた別に違う意味での
「その答えは僕にはわからない。けど、僕は皆と離れたくないから、いなくならないよう頑張るよ」
「そこはアタシの為じゃないんだ……」
「え?」
「ううん、なんでもない!暗くなってきたしそろそろ帰ろうよ!」
「…そうだね、荷物貸して。僕が持つよ」
「大丈夫だよそれくらい」
「いや、デートの途中ですっぽかしたからね。これくらいはさせてもらうよ」
「全く、そういうところだっての」
「なんかいった?」
「な〜んにも!」
リサは僕を置いていくように走っていく。途中で振り返ると本当に置いていくぞと言ってくるので荷物を崩さないようにしながら走って追いかける。追いつくと笑顔を見せてくる夕日に照らされた彼女の顔はどこか不安そうな顔にも見えた。しばらく雑談しながら歩いているうちに家の前にまで着く。持っていた荷物を渡し、玄関先まで送るとそれじゃと手を振ってくる。僕も同じように返事をして帰ろうとすると声をかけられる。
「新一!」
「何か忘れ物?」
「そうじゃないけど……今日はありがとう!」
「!…こちらこそ、ありがとう」
「お昼のこと、まだよくわかんないけど、それでもアタシ、諦めないから!絶対振り向かせて見せるから!」
「うん……わかった。僕も頑張るね」
返事を受け取ったリサは家の中に戻っていく。今日はなんか色々と疲れたような気がする。といっても大半は僕のせいだけど。本当に今日はどうしたんだろう。考えても仕方ないと思いつつ鍵を開け、ただいまと言おうとするとそこにはお嬢様の姿があった。
「お嬢…様……」
「おかえり」
「た、ただいま戻りました」
「何?」
「い、いえ、お嬢様に迎えていただけるなんて光栄です」
「たまたまよ、飲み物を取りに来たら鍵が開く音が聞こえたから」
「そう、でございますか」
「ええ、早く夜ご飯の準備をして……その服はどうしたの?」
お嬢様は僕の格好を物珍しい目で見てくる。確かにお嬢様の前であの格好以外は初めてだ。そういった目で見られてもおかしくはない。
「リサがコーディネートしてくれたんです。いつもの格好で行ったら怒られてしまって」
「そう…なのね」
「はい、ではすぐに準備いたしますのでお待ちください」
「え、ええ」
靴を脱いで上がり、急いでキッチンに行く。冷蔵庫の中身を確認すると晩御飯に使える食材がたくさん入っていたのですぐに調理して食卓に並べた。
しかし、今日のあの発言はどう考えても自分でもおかしいと感じている。嫌な予感がしている気もしてならない。だが僕はやらなきゃいけないことの為に生きているんだ。でももしかしたらこれを死んでいるというのかもしれない。でも僕はアレを、
壁の色を変えるとしたら?
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色分け
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上塗り