というわけで今回はコラボ回です!
今日は新カバー楽曲の練習もあって長い時間練習を行っています。と言いたかったところなのですがそれはもう三十分前のこと。今はRoselia全員で弦巻家に連れてこられています。
「一体なんでこんなことに…」
「いいじゃない紗夜!」
「悪いようにはされませんよ、きっと」
「きっととか言わないでくださいよ新一さん」
長い廊下を談笑しながら歩き続けている。やがて止まると大きな扉が開かれる。中には撮影に特化した設備が整っていた。
「こんなところで何するの?」
「撮影よ!」
「撮影……ですか?」
「Roseliaの皆さんが新しいカバー楽曲をやっているって聞いてどうせならMV的なの作ろうぜって感じっす」
「でも衣装は」
「既に作り上げております」
突然現れた黒服の皆さんは手に袋を持って一人一人更衣室に運んで行った。それを見届けた僕達は暇だしお茶でもするかと聞いた瞬間快斗君に紙袋を押し付けられた。
「何これ?」
「新一の分よ!」
「なんで僕の分を?」
「いやぁ、普段の服でもたいして変わらないと思ったんですがせっかくですし」
断ろうとすると黒服さんにがっしり掴まれて更衣室に連行された。無理に逆らうわけにもいかないので大人しくいうことを聞いた。
中には白っぽい服が入っていた。さっきは大して変わらないといっていたが色が違うから大きく変わるんじゃないかと思いながら着替える。サイズはピッタリでいつ調べられたのかふと気になったがここで気にしたらおそらく命はないと感じて胸の内にしまっおいた。
室内に備えられていた剣(おそらくレプリカ)を腰の剣帯に通してカーテンを開けて下の場所に戻ってきた。
「おかえりなさい新一!似合っているわよ!」
「流石っすね。白騎士って言われているだけある」
「ハハ、褒め言葉として受け取っておくよ」
「ま、じきに他の人も来ますよ。ほらきた」
足音のする方を見ると紗夜さんがこちらに向かって来ていた。肩を出してポニーテールにしているメイド姿だった。
「なんでこんな服が入っているんですか!?」
「氷川先輩似合ってますよ」
「とってもかわいいわ!」
「普段では考えられないけど……凄いね」
「何見てるんですかっ!?」
体を隠すように後ろを向く紗夜さん。それが逆の効果をもたらした。表より後ろの方が露出が多かったのだ。おおーと主犯格達は拍手している。普段の紗夜さんなら機内であろう格好に正直驚きを隠せない。でも家で来ている可能性も…?いやそんなことないかと否定すると今度は別の足音が聞こえてきた。あこちゃんとリサだ。あこちゃんはもこもこして暖かそうな格好なのに対してリサは風通しが良すぎて寒そうにも思える。
「二人ともよく似合ってるよ」
「ふっふっふ、妾は大魔姫あこなるぞ!我が…えーっと」
「うん、言いたいことは伝わった」
「姐さんは普段おしゃれしているせいか余裕そうっすよね」
「いや、少し寒かったりもするけどこれくらいなら我慢できるよ」
「寒いんだったらこれ着たら?」
羽織っていたコートを着せて寒さを少しでもなくせるようにできないか試みる。しかし感謝されるどころか睨まれてしまった。
「あちゃー、新一さんわかってねぇなぁ」
「え、何が?」
「なろう系主人公じゃないんすから」
なろう系主人公……最近京君が読んでる本かな。異世界転生ものが面白いとは言ってたけどどういう風な物語なんだろ。
「騒がしいわね」
「お待たせ……しました………」
やってきたお嬢様たちの方を見ると二人の衣装も意外なものだった。りんりんは紗夜さんと似たような格好だったが明らかに違う部分があった。体の方も見ようと視線を落とすと箒の取っ手が襲いかかってきたが顔面ギリギリで止められた。
やはり服の構造はあまり変わらない。顔の方に視線を戻すと箒の力が弱まったので手を話した。そのままお嬢様を見ると袖が異様に大きいのに気付く。ただし本人は特に苦にはなっていない様子なので気にしないことにした。真っ白の上に薄い紫色が乗った衣装だった。
「寒くありませんか?」
「ええ、大丈夫よ。それよりあなたの方が寒そうだけど」
「寒さには慣れておりますので」
「そろそろ撮影なので一度マント着てください」
「あっ、はい」
リサからコートを返してもらいそれを羽織ると周りから感嘆の声と拍手が聞こえる。
「新兄本当にナイトみたい!」
「そう?」
「騎士みたいですね。ですがこの衣装って何か共通点があるのでしょうか?」
「多分『Re:ゼロから始まる異世界生活』のキャラクターに沿って作られたんだと思います……今やっている曲もそうですし」
「Paradisus-Paradoxumのことかしら?」
「はい……」
「となると誰が誰になってるの?」
「えっとですね………」
スマホを取り出したりんりんは順番にキャラクターを指し示していった。答えとして
お嬢様 →エミリア
リサ →フェルト
あこちゃん→ベアトリス
紗夜さん →ラム
りんりん →レム
僕 →ラインハルト
となっているらしい。彼女らに一番近いのはナツキ・スバルなのではないかと聞いたが剣が得意なのだからラインハルトになれるとのことだ。あとスバルみたいなリアクションを取るタイプではないと言われた。
「でも……新君ならユリウスもできそう………」
「ゆりうす?」
「精霊騎士の人っすね。剣と魔法どっちも使えるんすよ」
「何それチートじゃん」
「いや新兄が着てるラインハルトの方がちょー強いからね!?」
原作を読むととんでもない斬撃波を出したり腸狩りと互角に戦っているらしい。腸狩りならまだ戦えるかもしれないけど………。
「でっかい斬撃はは出せないよ」
「むしろ殺人鬼と戦えるっていってる方もやばいからね?」
「ますます常人とは思えません……」
「それよりあなた達、今日は撮影(?)なのでしょう?」
「あっ、はい。記念的なものなので気軽にやっちゃってください」
「皆の楽器はもう運んであるわ!」
緑色の壁の方を見るとすでに準備は整っていた。それぞれが配置について軽く準備する。
「準備いいですかー?」
「いいわよ」
「それじゃあいくわよー!」
御令嬢の声と同時に撮影が始まった。まず全体の映像に使われる演奏しているシーンを撮り、その後に各自が動く部分を撮っていく。僕も監修(?)の立場でついていき、映像作成に協力した。皆、笑顔を作るのに困ったり動きで悩んだり色々としている。休憩する人たちに実際どんな感じか聞くと結構大変らしい。でも楽しいからいいらしい。
「次新一さんのシーンですよ」
「なんで僕?」
「さっき友希那先輩が新一も撮るわよねって圧かけてきたんで」
「負けないでよ」
「無理っすよ」
「そんなぁ」
「やりなさい」
「私たちだけやるのは不平等です」
「わ、わかりました」
まさか紗夜さんにまで言われるとは思いもしなかった僕はどういうふうに撮るのかを確認してからカメラの前に立つ。話の通りだと剣を自分の前でゆっくり抜いていくらしい。言われた通りやるとすぐにカットされた。
「新一さんもっとかっこよくお願いします」
「か、かっこよく…わかった」
テイク2を撮ると今度はグリップに手をかけた瞬間止められる。
「今度はどこがダメだったかな?」
「目つきがダメっすね」
「目つき?」
「もっと剣聖らしい目をしてください」
「りょ、了解」
目つきに意識を持たせつつテイク3を始めると開始一秒も経たずに止められた。
「いや早くない?」
「新一さん、もっと笑顔で!」
「そんなに出来てない?」
「もっとスマイルが必要よ!」
「でも笑い過ぎないでくださいね。イメージ崩れると大変なんで」
「撮影って難しいんだね……」
「そうだ!新一さん一回戦闘の時の顔つきになってくださいよ」
なるほど、剣聖なら戦うものだからそういうふうに考えるとやりやすいのか。一理あるとすぐに顔つきを変える。そのまま笑みを作るように指示されて撮影は始まった。このテイクで決着がつき僕は元の職についた。
全ての撮影が終わると最初にいた部屋に戻ってきた。
「終わった〜!」
「なかなか貴重な体験でしたね」
「大変だったけど面白かったね〜」
「楽しかった………です」
「そうね、たまには悪くないかもしれないわね」
「完成したのは後日皆に渡すわ!」
「ありがとうございます」
「あとは皆自由にしていいわよ♪」
こころさんは鼻歌を歌いながら部屋を出ていく。快斗君もそれじゃといって姿を消した。とりあえず全員椅子に座って休憩する。
「それにしても新兄結構言われてたね」
「そうだね。結構難しかったかも」
「苦手なものがあったんですね」
「というより慣れていなかったが正解じゃない?」
「そうかも。剣聖ね……」
「どうか…したの……?」
「いや、この名前なら僕よりもぴったりの人がいるはずなんだよなって」
「え、誰のこと?」
「一条さん」
「あの人ですか!?」
あの人確か最終奥義かなんかでめっちゃ早くなるから風の剣聖とかいう渾名つけられていた気がするんだよね。実際見たことあるけど反応するのに精一杯だった思い出がある。
「まぁその話は置いといて」
「その話したのは名護さんですけどね」
「どうせならここでりんりんの誕生日会やりませんか?」
「そうだね、自由にしていいって言ってたし♪」
「あこもさんせーい!」
「でもケーキとかはどこにあるの?」
「それなら僕がクーラーボックスに入れてたけど多分」
「名護様、お持ちしました」
「そうだろうとは思ってました」
何気ない顔で小型クーラーボックスを僕に渡すと手紙を添えてすぐに部屋から出て行った。手紙には帰る際には呼んでくださいと書いてあった。
「なんで対応出来てるんですか」
「慣れ……ですかね」
「えぇ……」
「あ、あの皆さん……いいんですか?」
「勿論♪元々スタジオでやる予定だったし」
「せっかくだからこのままやろうよ」
「面白そうね」
「湊さんが言うなら………」
「ということで」
「りんりん(燐子 白金さん) happy birthday!」
配ったクラッカーを皆で鳴らして誕生日会を始める。各々がプレゼントを渡していく。
今回は僕もちゃんと用意してある。前回はゲテモノを見るような目で見られたので今回はちゃんとものにした。鍵盤を模したキーホルダーだ。この前ショッピングモールに出た時にたまたま見かけて気にいるだろうなと考えて購入した。
「はい、誕生日おめでとう」
「ありがとう……ピアノ?」
「うん。これなら気にいるかなって」
「ありがとう………」
「まともなものを選べるんですね」
「あの時はまだ未熟でしたから。これでも成長してるんですよ」
「それは感心ですね」
少しは印象が改善されたようだ。それからはお茶会のような空気になった。皆でケーキを食べながら談笑に耽っている。
「りんりんの十七歳の目標は?」
「えっと……技術を上げることと、もっと前を向いていけるようになることかな」
「おおー」
「燐子ならすぐに叶いそうね」
「そうですね」
「そんなこと……」
「それにしても燐子って大きいよね」
「そう…ですね……」
「新兄はどう思う?」
何がだろうか。一度左隣にいるりんりんの方を見てみるが本人は顔を赤らめている。おそらくこの部分だろうとは思うがデリカシーの問題もあるため知らないふりをしておく。
「何が?」
「りんりんの胸のこと」
「あーなるほど」
「新一は大きい方が好きなの?」
「うーん……どうだろ」
「え?」
「実際大きいから何が得になるのか、またそれによるデメリットって何かなって思って」
自分の中の疑問をオープンにすると右側から強く背中を叩かれる。
「名護さんはそこまで気付いているのですね。見直しましたよ」
叩いた部分をさすりながら紗夜さんは笑顔で言ってきた。何を考えているのかわからないため何も言わずにただその状況を飲み込んだ。
「でも何食べたらこうなるんだろうね」
「その話はやめとこう。本人が赤面しちゃってるし」
「気になるところだけど今度にしましょうか」
その後もしばらく雑談をして時間を見計らって片付けをすると黒服の人達が入ってきた。結局のところ言わなくても来てくれるのだから助かっている。本当、どこから見てるんだろう。
各自解散になった時にメッセージが送られてきた。送り主はりんりんでまた時間がある時に家に来て欲しいとのことだった。なぜか一瞬危機感を覚えたがお嬢様に確認すると許可をもらえたので了承のメッセージを送る。
その後すぐに返信が来たのだが普通に『よかった』と送られてきただけなのに何故か背筋に悪寒が走った。よくよく考えてみると最近のりんりんの行動は怖い。少しだけ警戒しておくべきだろうかと布団に入ってから少しだけ考えて今日は寝た。
歌騎士の第一部が終わったのでアンケートとります!全部幕間のネタですけど
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二人のバースデーやろ!
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パーティーしよ!ヘイセイヘイセイ
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誰か狂わせようぜ⭐︎