青薔薇の歌姫と白き聖騎士   作:OSTO文明

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今月2回目の投稿です。あれから1週間かな?でも短期間でやるとほんと精神削られる_(:3 」∠)_
皆さんは決して無理しちゃいけませんよ!さて、第八話どうぞ!


第八話 一つの音楽

「ふぅ……」

「今日も疲れたぁ~~~」

「ちょっと。宇田川さんも今井さんも。ここは通路なんだから、ダラダラしないで」

「すみません。次回の予約、いいですか?」

 

 あれから結構な時間が経った。お嬢様と紗夜さんが手を組んで、あこちゃんが毎日やってきて、オーディションやって、リサと一緒に仲間になってバンドをやる日々が続いている。

 

「毎度どうも、友希那ちゃん、新一君。そうだ、来月のこの日なんだけどさ、予定どうかな?他でライブの予定とか、入れちゃってる?」

「いえ、私たちはまだ……」

「あっ、最近ソロからバンドに変えたんだっけ?じゃあ大丈夫かな? 急遽イベントに穴が開いちゃって、他に頼めそうな人、いなくてさ~」

「すごいっ……さっそくライブ出演がきまった……メジャーのスカウトも来るって噂のイベント………も……もしかして……あこ達も……?」

「確かにこの地区のバンドにとっては、登竜門と呼ばれているイベントね。けれど私達はメジャーと言うより、もっと……」

「そう。もっと高みを目指しているわ…メジャーは決して、音楽の頂点じゃない。あこ。そう思えない人は、このバンドに要らないわ」

「えっ。そうなんですか?でも……メジャーデビューしたらあこも、カッコイイ人になれるかなって……」

「どこがカッコイイの?メジャーなんて!音楽を売るための場所よ。本当の音楽のことなんて、なにもわかってない……」

 

 あこちゃんがメジャーデビューが格好いいといった瞬間、お嬢様がムキになり始めた。人の言うことなどあまり興味が無いはずのお嬢様が、今回の件に関してはいつも以上に厳しめの声を出して話している。

 

「お嬢様……少しばかり言い過ぎでは…」

「私は間違えたことは言ってないはずよ?」

「…申し訳ありません」

 

 やはり旦那様の事(・・・・・)だろうか………お嬢様はそれだけは認められないのだろう。旦那様と同じ道だけは。

 

「? すべてがそうではないと、私は思いますけれど……」

(湊さん……どうしたのかしら。なんだかムキになっているように見える……)

「でも、そうね。私達は『自分たちだけの』頂点を見つけるためにここにいるはず。宇田川さん。あなた、よくお姉さんの話をしているけれど……あなたが音楽をやりたいのではなく、お姉さんに憧れて、お姉さんのようになりたいだけなら、私達とではなく、お姉さんとバンドを組んだ方がいいわ」

 

 紗夜さんまで同じようなことを言い始めてしまった。彼女達はそのつもりは無いのだろうが、結構鋭い言葉を放ってくる。こんな言葉ばかりだが大丈夫だろうか。

 

「……! あ、あこはこのバンドがいいですっ。お、おねーちゃんもドラムだし……っ、だからっ、あこも、おねーちゃんみたいになりたくて、 ドラムを……」

「お姉ちゃん……」

『いつもあなたは、一緒のことばかりするじゃない...』

『おねーちゃん、あたしは……』

「宇田川さん。……私は今、あなたの技術は認めています。でも、あなたのカッコイイは、ただの『真似』だわ」

「……っ。ち、違うもんっ。あ、あこは……っ!」

「違わない。じゃあ答えてみて。お姉さんではない、あなた自身にとってのカッコイイって、何なのかしら?」

「そ、それは……」

「わかったでしょう。あなたのその意識は、バンドを高める為に、必ず変えて貰わないと困る」

 

 あー、なんでこの子達は伝えたいことを柔らかく伝えられないのだろうか。タフじゃない子からすれば辛辣な言葉で攻撃してるも同然だからね!?

 

「まっ、まあまあ! 紗夜、その辺でっ。あこはこう見えてしっかりしてる所あるし、……ちゃんと自分で考えられるって、ね? ほら、あこ……」

「う、うん……」

 

 リサ、ナイスフォロー。こういう時、リサがいてくれて本当に助かる。そんなことを思っていると紗夜さんが今度はリサに向けて言葉を続けてくる。

 

「でしたら構いませんが。今井さん自身も大丈夫ですか?このジャンルやシーンについての知識はあるの?それにブランクのせいで、大分無理してるみたいだけれど」

「……! あーうんっ。この指は心配しないでっ。……それにこのジャンルについては、なんてゆーかその、うん。アタシは昔から、友希那から話……聞いてたし」

(……そっか。友希那のお父さんのこと知ってるの、この中でアタシと新一だけなんだ……友希那はいつ話すつもりなんだろ…)

「……」

「「……友希那(お嬢様)?」」

「それよりキーボードよ」

 

 ずっと固まってるから話しかけてみると、出てきた言葉はバンドのイベントについての事だった。

 

「ずっと探してるけど……キーボードなしでこのジャンル特有の音の厚みは出せない」

「そうですよね、キーボード………!名護さん」

「はい?」

「貴方は出来ないのですか?」

「え?」

「ですからキーボード、出来ないのですか?」

 

 紗夜さんが珍しく質問してくるかと思ったら、その事だったか。

 

「あー……それは無理だと思います」

「…何故ですか?」

 

 何故という言葉と一緒に鋭い目線が刺さった。少しばかり痛いかな、うん。キーボードも出来なくはないのだけれど………。

 

「それはですね…」

「貴方、前に楽器はある程度出来るって言ってましたよね?」

「それは、そうだけど…」

「オールで出来るのならば、一手に絞れば完璧になるのではないですか?」

 

 痛いところを突かれる。言っていることは確かだろう。しかし…。

 

「そうだよ新一!一つに絞ればいいんだよ!」

「新一さんが出来れば5人揃うんだよね…ってことはすぐ近くにいたって事!?」

「……って意見が出てますが?」

 

 ……二人には申し訳ないこと言うな………。

 

「ごめん、それは無理なんだ」

「どうしてですか?」

「僕が仮に出来たとしよう、そうしたら絶対力になってた。けど僕は所詮ある程度(・・・・)しか出来ないんだ。だから期待出来るレベルにはなれない。最も、違う楽器か僕が天才ならば可能、だったかもしれないけど」

「天才………」

「そうね、キーボードでないのなら必要ないわ」

「ちょっと、友希那……無理言ってごめんね、新一」

「ううん、僕の方こそごめん。その分準備とかは手伝わせてもらうから!」

「うん!あーでも、ライブが決まったのに……う一ん……。とにかくみんなで、もっと探してみるしか、ないよね」

 

 それから一週間が経った。だがしかし、一人も見つけることは誰にも出来なかった。

 

「あれから…一週間か」

「どうしよう……全然見つからないよぉ」

「短期間にこの四人が集まったことの方が異常よ。私は妥協してまで、メンバーを揃えたくはない」

「そうね。下手なものを聴かせるよりはいっそ居ない方がマシかもしれない ……オリジナル曲は、キーボードありきで作ったけれど……」

「でもそれってさ、せっかく作った曲を、ベストな状熊で聴かせられないってことだよね……」

 

 リサが一瞬悲しそうな顔を見せたが、突然何かに閃いたような顔をした。何があったんだろう?

 

「ちょっと待って!アタシ友達なら多いし、音楽の経験とか関係なしに知り合い全員に電話してみる……っ」

「あっ! じゃああこも!自分達だけの頂点……!『あこだけの』カッコイイ、やりたいもん!!」

 

 二人がスマホを手にして電話をかけようとすると、いつもの気配がしてきた。その方向を向くとやはりファンガイアがいた。でも何故だろう、奴はこっちを見るなり震えている。

 

「?どうかしましたか、名護さん…!?」

「紗夜さん、他の人連れて逃げて」

「何を言ってるんですか!?」

「どうかしたんですか、紗夜さん?ってあれなに?」

 

 紗夜さんが大きな声を上げた瞬間、他の人にも見られてしまった。出来れば穏便に済ませたかったんだけど……仕方ない、リサに頼ろう。

 

「リサ、お願いがあるんだけど」

「あ、いつもの?」

「うん、できれば穏便に済ませたかったんだけど…」

「OKー!でも、いつもホントに何してるの?」

「それはいつも言ってるでしょ、鬼ごっこだよ」

 

 本当は戦ってるんだけどね。迷惑かけたくないし、黙っていることが本来の契約だから。

 

「わかった。みんなー、早く逃げるよ!」

「待って下さい今井さん、名護さんは何やってるんですか!?」

「詳しい事は後で!とりあえず今は逃げるよ、ほらあこも!」

「う、うん!」

「………」

 

 よし、皆行ったな。でもおかしいな、普段ならもう攻撃されてるはずだし、こいつ一週間前に出た奴だよね………

 

「君、何してんの?」

「………た」

「…?」

「………いた」

 

 嘘、あいつ人間の言葉が話せるの!?今までそんな奴…いや待てよ、今まで話す前に戦闘入ってたっけ。じゃあ仕方ないか。

 

「とうとう、見つけた…僕の、僕の花嫁!」

「………え?」

「見つけた…準備しなきゃ……ふふ」

 

 変なことを言い始めたファンガイアはぶつぶつと物を言いながら来た道を引き返して行った。何がしたかったんだ…?かと言って僕も追うわけではなかった。だれも殺してはいない、ならば殺す理由も………いや、前回殺してた気がする。だが、もう見失ってしまったものは仕方ない。さてと、お嬢様達を探しますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱり、何度弾いても、あこちゃん達の演奏と合わせるのは楽しい。不思議な感覚がする。時計を見るといつのまにか多くの時間を使っていた。また、夢中になりすぎちゃった。休憩で弾いてたはずなのに…勉強に戻らなきゃ。机に戻ろうと椅子から立ち上がると着信音が鳴る。着信元を確認するとあこちゃんからだった。

「もしもし……あこちゃん……?」

『りんりーん! 助けて~~~っキーボードが見つからないんだよ~っ。ライブが決まったのに!』

『りんりんの知り合いでいない? キーボード弾ける人!ピアノでもいいんだっ。で、でも上手い人じゃないとバンドには入れなくて……』

「………そう……だよね……」

 

 ピアノ……ピアノなら、私も……弾ける。だけど私は……友希那さんのバンドは……すごく真剣に音楽をやってる。私は……ずっと、部屋で一人で弾いてただけで……。

 

『えっ、りんりん? そうだよねってことは誰か知ってるの……!?』

「えっ……わ……わたし……わたし……は……」

『──って、そんなうまい話ないよね。あのね、もし、めっちゃくちゃ上手な人いたら、あこに教えて……』

「……ける……」

『…?りんりん?』

「……ひ………弾ける……! わたし……弾けるの!」

『ええっ!?』




逃げてる最中

紗「今井さん、前にもこんな事があったんですか?」
リ「え?うん、あったよー」
紗「!…どうりであれを見ても平気なわけです」
リ「平気じゃないんだけどね、ここら辺でもう大丈夫だよね。あこー?もう大丈夫だよー」
あ「うん、電話かけてみる!」
リ「じゃあアタシらは次回予告しちゃおっか」
リ・紗「「次回 私…弾けるの!」」
リ「お楽しみに〜」

一方その頃

友「みんなどこ行ったのかしら?」

友希那は一人で違うところにいた。

壁の色を変えるとしたら?

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