金色のガッシュベル!!シン   作:レベルス

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LEVEL2 実験と再会

==魔界==

 

王宮の玉座で、ガッシュは魔獄の総監督であるブラゴに昨日の一件を説明していた。魔界と魔獄の行き来は王の力を持つ2人であれば可能だが、それぞれの場所で統制が取れなくなることを懸念し、携帯電話のような通信機で連絡を取り合っていたのである。

 

「俺に手を貸せだと?貴様が王とは言え、その命令を黙って聞くと思っているのか?」

 

「お主のことであればそう申すと思っておったが、人間界にも害が及ぶやも知れぬのだ。汲んでくれぬかのう?」

 

ブラゴはその問いに答えず、通信を切った。

 

(やはり黙っては動かぬか…)

 

思案に暮れていると、サンビームのガールフレンドであるシスター・エルとコンビを組んだモモンが駆け込んできた。清麿曰く

 

『ウサギとサルを2で足して割ったような見た目』

 

の魔物である。今は魔界図書館の館長になっていた。

 

「陛下〜、一大事ですよ!」

 

「どうしたのだモモン、まさかまた痴漢をしたのではないだろうのう!?」

 

「そんなことじゃありません!キッド博士が陛下に至急お越しいただきたいとおっしゃっています」

 

その報告を聞いたガッシュは公務を済ませると、急いでキッドの待つ研究所へ向かった。

研究所の中にはパートナーであったナゾナゾ博士や彼の助手達と笑い合ったり、ゾフィス率いる1000年前の魔物達との激闘を共にした仲間たちとの写真が額の中に収められていた。

 

懐かしさを覚えつつキッドを探すと

 

「できたよ、陛下!」

 

大喜びでキッドが飛んでくる。

 

「もう公務は終わったゆえ、いつものように呼んで欲しいのだ」

 

いくら王と民衆の立場でもやはり私事では良き友でありたい…、それがガッシュの願いだった。

だから皆公務を離れると、普段と変わらずに接してくれる。

 

「前にガッシュと一緒に作った異世界と魔界を行き来できるトンネルがあったでしょ?あれ、開通できたよ!」

 

2人が喜んだのは言うまでもない。絶対にまた会おうと誓ったパートナーに会うことができるのだから。

魔界へ戻って王位に就いたのち、キッドはガッシュによって文部大臣に任じられ、人間界と魔界を行き来できるトンネルを共に開発していたのである。

 

「でもね、問題があるんだ」

 

「いかなる問題なのだ?」

 

「まだ不完全だから、一泊二日しかできないんだ。それにまた開通するまでエネルギーチャージが2週間必要になるんだよ」

 

一泊二日でも楽しく過ごせれば十分だとガッシュは思っていた。キッドの話は続く。

 

「できればガッシュともう1人に、トンネルのモニタリングをお願いしたいんだ!」

 

「ウヌゥ、キャンチョメは潜入捜査の真っ最中で、ウマゴンは救急班だから動けぬしのう。フォルゴレやサンビーム殿に会いたいと常々言っておったのに」

 

話がまとまらず悩んでいる最中、背後から殺気がただよった。擬音で表すと

‘’‘ゴゴゴゴゴゴゴ’‘’といった具合である。

 

「あたしを候補から外すなんて、よろしゅうございますわねぇ。陛下、キッド博士…!!」

 

鬼のような形相でティオが2人の首を締め上げる。苦悶の絶叫が研究所中に轟いたのはいうまでもない。

 

2人は腕を組んでお説教をするティオの正面に正座をして謝った後、事の顛末を話した。

 

「…という事なのだティオ。プロデュースもあって大変とは思うが協力して欲しいのだ」

 

「そんなの行くに決まってるじゃないの!あのウブな2人の仲を二日の間に進展させてやるんだから!」

 

「助かるよ。システムが安定したらみんなに知らせるから、それまでは僕らと魔獄のブラゴ以外には知られないように宜しくね」

 

「ウヌ!」

 

「わかったわ!」

 

この日は解散とし、ガッシュはゼオンとアースに、ティオはマルス達に不在時の代行を依頼した。

 

その夜、ガッシュとゼオンは兄弟水入らずで別荘での夕飯を取った。2人の好物を合わせたロールパンにブリのフライを挟んだホットドックならぬホットブリである。

 

「魔王陛下にも有給は必要だ。ゆっくり休暇を取ってこい」

 

「すまぬ、ゼオン。恩に切るのだ」

 

「フッ…、兄弟水入らずなんだ。呼び捨てはよさんか、弟よ」

 

「ウヌゥ、ありがとうなのだ。‘’兄上‘’!」

 

「サラダとミルクも食えよ。このメニューはコレステロールが高いからな」

 

人間界で憎み合っていた頃は想像がつかない家族の会話が繰り広げられていた。

 

 

ガッシュ達が夕飯を食べている頃、ティオは自宅に戻ってマルス達フロントへの電話を終え、リュックに持ち物を詰めながらある考えを巡らせていた。

「とりあえず、洋服の搬入お願いね。あたしがいないからって変なこと企むんじゃないわよ!?」

 

‘’ピッ‘’とスマートフォンの通話が切れる。

 

 

(これ、ひょっとしてお泊りデート!?…まさか超鈍感なガッシュに限ってそんな事あるわけが…)

 

ガッシュと人間界で再開して以来、見違えるようにたくましくなった彼と共に戦っていくうちにほのかな想いを寄せているティオ。

しかし恋愛に疎いどころか、どういうものかすらわからなかった彼にじれったさを感じてもいた。

 

翌日、研究所に向かったガッシュとティオはワープトンネルに乗って人間界へと出発した。行き先はもちろん、東京都・モチノキ町!

 

=人間界==

 

東京都内にある日本ラジオステーション(モデルはジャパンFMネットワーク)で、清麿は自身がMCを担当するラジオ番組の生収録をしていた。

自身の専攻学科である考古学、歴史学についての研究などをコントや対談を織り交ぜながら紹介していく番組である。

 

喋りはあまり上手い方ではないが、卓越した知識と誰にでもわかりやすい説明、時折見せる切れ味抜群のツッコミなどが評価され、平均聴率30%の人気番組になっていた。

 

放送協会(モデルはNHK)がふさわしいという意見もあったが、大学長の佐藤から「大人から子供まで幅広く知って欲しい」との意図でラジオでの放送がスタート。研究チームで結果を残している清麿に白羽の矢が立ったのである。

 

「今日は、ツタンカーメンの謎についてお送りしましたが今でも遺産や死の謎については様々あります。来週はピラミッドができるまでを解明しましょう!」

 

「ゲストの霜山先生、ありがとうございました!」

 

 

収録、スタッフとの後片付けを終えてラジオ局を出たところで、高校の同級生であるフリーライターの豊永 明信と1学年年上の黒尾 徹に声をかけられる。メガネで高めの背丈をした豊永と前髪がとがってスーツが似合う黒尾は番組を共に盛り上げる仲間だった。

 

「高嶺〜豊永〜気をつけて帰れよ!」

 

「ああ、また来週もよろしくな」

 

「清、研究もいいけど恵ちゃんのことも抱いてあげなよ?」

 

デリカシーのない豊永の発言に清麿の堪忍袋の尾が切れる。

 

「やかましぃ、さっさと帰れッ!!」

 

 

2人を見送って帰ろうとすると道に迷った二人組が遠くに見えた。

 

(あれ?気のせいか?たしかにガッシュとティオ似た影があるけど…)

 

それにしては背もちょっとあるし気のせいかと思っていたが何度目をこすっても消えない。

 

「ウヌゥ、おかしいのう」

 

「ここモチノキ町じゃないじゃない!」

 

「待つのだティオ、あれは…」

 

二人組はこちらに気づいて走り出した。

 

「!?」

 

「間違い無いのだ!」

 

「ここにいたんだぁ!」

 

『清麿おおおお!!!』

 

抱きつかれた清麿はバランスを崩して倒れてしまった。

 

「お前ら、ガッシュとティオ!?夢じゃ無いんだな!?」

 

何度も目をこすりつねってみても2人がそこに映っている。

 

「元気だったかお前ら、別れた時より大人っぽくなったな!」

 

「清麿こそ、すっかりスーツが似合うようになっちゃって!」

 

身長が伸び、顔つきもより整った清麿に喜ぶティオ。

 

「立ち話もなんだし、家に帰るか!」

 

3人はゆっくり歩き出した。いつもと違う道にガッシュ達が違和感を覚える。

 

「待つのだ清麿。モチノキ町ではないのか?」

 

「ん?あぁ。俺さ、今実家を出てある人と暮らしてんだよ」

 

(!?)

 

顔を赤らめて話す清麿の言葉に驚きを隠せないガッシュ。しかしティオは何かを感じ取っていた。

 

(清麿…ついに彼女でもできたのかしら?)

 

しばらく行くと現在の自宅であるログハウスにたどり着いた。

 

 

「わぁ、素敵なお家!」

 

 

「すごいのだ、全部木で出来ておる!」

 

初めてのログハウスに驚くガッシュ達。ギィとドアを開いた。

 

「お邪魔しまーす!」

 

 

クローゼットにいた恵は一瞬耳を疑った。今日は都内での仕事のみだったので清麿より先に帰っていたのである。

 

(あれ、一瞬聴き覚えのある声がしたけど、気のせいかしら?)

 

「恵さ…」

 

思わず敬称をつけそうになった清麿だが、思い直して咳払いをした。付き合う前の癖がつい出てしまう。ガッシュは不思議そうにその光景を見つめる。

 

「ただ今、恵!俺たちにお客が来てるぞ!」

 

(お客様…、鈴芽ちゃんや泳太君達かしら?)

 

急いで玄関へ駆け出す。見ると恵の目の前には幾多の戦いを共にしたパートナーの姿がたしかにあった。

 

 

「ティオ!?本当に、ティオなのね!?」

 

「久しぶり、恵!元気だった!?」

 

あまりの感動にしばらく言葉がでなかったが2人を優しく抱きしめた。

 

 

「りっぱになったわね!さあ上がって。寒かったでしょう。」

 

「恵殿、お邪魔するのだ!」

 

リビングに座り再会を喜びあった。

 

「魔界の方は大丈夫なのか?」

 

「一泊二日でこっちにいて良いことになったの!」

 

「とは言っても訳ありで戻れたのは私たちだけだがのう」

 

「うふふ♩じゃあ今日はとっておきの夕飯にしようかしら。ちょっと待っててね!」

 

いつもより上機嫌でキッチンへと向かった恵を見送り、ガッシュ達は清麿を見て満面の笑みを浮かべる。

 

「人の顔じろじろ見やがって、どうしたんだよ?」

 

「お主、私たちに何か言うことがあるのではないか?」

 

「そうよ。幸せなオーラがにじみ出てるわ。ついに決心したのね!?」

 

「いっぺんに話すな\\\\」

 

思わず頬を赤らめる。

 

「清麿〜、ちょっとてつだってほしいことがあるの!」

 

「あぁ、いいよ。ちょっと待ってて!」

 

(恵も清麿を呼び捨て!?ってことはやっぱり‥)

 

以前と比べてフランクな言葉遣いの2人にティオの予感が確信に変わっていた。

 

台所へ向かうと、揚げ物と根菜の煮物が出来上がっている。

 

「レシピ本でサツマイモのコロッケ載ってたから作ってみたの。味見してくれないかしら?」

 

突然のお願いに困惑する清麿。しかし、上目使いで満面の笑みを見せる恵を前にすると引き受けずにはいられない。

 

「いいよ!すごいじゃないか!」

 

「隙あり 」

 

「もごっ!?」

 

返事を聞くが早いか、恵は清麿の口に切り分けたコロッケを運んだ。

 

 

(不意打ち!?相変わらず大胆だなぁ。でも、そういうとこも可愛いんだよな\\\\)

 

 

「どう…かな?」

 

心配そうに見つめる恵をよそにしばしの沈黙が流れる。しばらくして清麿の口内にサツマイモの余韻が消えた。

 

「うん、めちゃくちゃ美味いよ!これならガッシュ達も喜ぶとおもう」

 

「本当!?良かったぁ〜!!初めて作るから、心配だったのよ」

「ソース、俺が作ろうか?普通のだと塩分高いしサツマイモの甘さが引き立った方が体にいいだろうから」

 

「それじゃ、お願いしちゃおっかな♡」

 

仲睦まじく調理する2人をこっそり見ていたティオは嬉しさに目を濡らした。

 

(良かったね、恵…。想いが実って)

 

芸能活動中にはなかなか見られなかった恵のありのままの笑顔がティオは大好きだった。特に清麿と一緒にいる時が際立って笑顔が多く思えていた。そんなティオをよそに

 

「夕飯まだかのう〜?何か手伝…!?!?」

 

ムードを余裕でぶち壊しかねないガッシュの口をティオは急いで塞いだ。

 

「邪魔しちゃダメ!今は2人の時間なんだから…」

 

「ヌアァァァ〜、何をするのだティオ〜!!」

 

そう言うとジタバタ抵抗するガッシュをずるずるとフロアに引きずった。

 

(全く…なんでこいつはムードっていうのがこうもわかんないのかしら…?)

 

じれったさを抱えながら料理の完成を待つ。数分後に夕飯が運ばれた。ガッシュ達も何か出そうとしたが

 

「お前(あなた)達は長旅で疲れてるんだから大丈夫!」

 

と諭され、お言葉に甘えようと元の位置に座った。全員が揃って麦茶が4人分均等に注かれると、清麿が口を開いた。

 

「ガッシュとティオに会えるなんて思ってもいなかった。知らないと思うので改めて言うけど…」

 

「私達、お付き合いしてるの!」

 

突然のカミングアウトにクスクス笑ったガッシュ達。そしてしっかり2人を見つめた。

 

「今更何言ってんの?2人とも初めてあった時からずっと両想いだったじゃない!あたし、分かってたよ。2人は絶対結婚するって!」

 

「ウヌ!私も今ひとつ恋というものはよく分からぬが、清麿も恵殿を好いておったしのう!」

 

『なっ\\\\』

 

ガッシュ達の返答に顔を赤くした清麿達。彼らにとって息抜きで買い物を楽しんでいる時、公園や遊園地で遊ぶ自分たちを隣同士で見守る姿は彼らにとって恋人同士…、それ以上に新婚夫婦のように移っていたようである。

もっとも、好意はあっても恋愛となると不器用な2人は自覚がなかったようだったが、ティオにとってはそんな2人がお似合いだと思っていた。

 

「でも、本当に良かった。色々あったとおもうけど、絶対に別れちゃダメだからね!」

 

ティオの言葉に熱いものがこみ上げる清麿。つたうなみだを拭った恵が口を開いた。

 

「お料理冷めちゃうわよ。そろそろいただきましょうか?」

 

「そうだな…。それじゃあささやかだけど再会を祝って…」

 

『カンパーイ!!!!』

 

こうして数年ぶりの4人で囲む食事が始まった。

 

魔界での出来事や馴れ初めなど、話が途切れることはなく、穏やかな雰囲気で食事は進んだ。

 

食後、清麿達は洗い物をしながらリビングでバルカン、バルンルンで遊ぶガッシュとティオを見て微笑んでいた。バルンルンはティオ用にアレンジされた姉妹機(という名目で清麿によって作られた即興オモチャ)である。

 

「ほんの数年前までは、これが当たり前の光景だったのにね…」

 

「あぁ。何回ヒヤヒヤさせられたか知れねえけどさ、あいつらがいなかったら俺たちはこうやって一緒に住んだりなんかできなかったもんなぁ。2人とも自分の役目を一生懸命果たしてるんだし俺も頑張ろうって思えるよ」

 

「辛い時私たちにいつも元気をくれたのはあの子達だもの。きっとこれからも魔界をよりよくしてくれると思うわ」

 

魔王の座をかけた戦い、1000年前の魔物達との激闘、ファウードの暴走、クリアとの最終決戦。

重要な戦いにおいて、4人はいつも行動を共にしていた。そして共闘する中で互いに成長を重ね、いつしかかけがえのない存在になっていた。

 

アイドルだ研究者だという肩書きは彼らにさして関係はなく、一般の恋愛同様互いの良いところに惹かれて相思相愛になったと言える。

 

「あぁ、そうだな!」

 

リビングに戻り、2人にそれとなく提案する清麿。

 

「明日なんだけどさ、4人で久々にモチノキ町へ行かないか?」

 

「え!?もちろん行くわよ。ねぇ、ガッシュ!!」

 

「ウヌ!母上殿や鈴芽達にも会いたいしのう。」

 

「背だって結構伸びたから遊園地のジェットコースターにだって乗れちゃう!!!」

 

大はしゃぎで快諾した2人の様子を見ていた恵だったが何かを察したように携帯を開き、通話をはじめた。

 

「お疲れ様です。大海ですが…。はい、お願いします」

 

しばらくすると女性の声が聞こえた。

 

「もしもし、恵!?今月の有給まだ決めてないじゃない!事務所(うち)が働き方改革はじめたっていうのに、あんたのようなエースが休まなかったら後輩だって気を遣って休めないのわかってる!?プロデューサーのタヌキ親父もバンバン仕事入れてくるし…」

 

声の主は恵のマネージャーにして中学、高校のクラスメイトだった冴木 瑞穂である。清麿と恵の仲を進展させるためサポートした頼れる親友の1人だった。

 

キーンという高音が携帯越しに響き驚く恵だったが、明日有給を使いたい旨を伝えると、冴木の勢いが収まった。

 

「わかったわ。ちゃんと休んでいっぱい甘えさせてもらいなさいよ。高嶺君ほどできた彼氏さんはいないんだからね!?」

 

「ごめんなさい、瑞穂。いつもありがとう」

 

お詫びをして電話を切って3人の輪に加わった。

 

「お義母さん、2人が来るって聞いたらきっと喜ぶわよ!」

 

「恵、お仕事は大丈夫なの?」

 

「さっきマネージャーにお休みの許可もらったから大丈夫。明日はたくさん遊びましょ?」

 

ガッシュ達が恵の言葉に大喜びしたのはいうまでもない。

 

時計を見ると10時半を回っていた。ティオと恵を先に入浴させ、清麿とガッシュはソファーに座った。

 

 

清麿&ガッシュ==

 

「良かったのう、清麿。素晴らしいお嫁さんをもらって。恵殿は初めて出会った時と全く変わらぬ…。いいや、ますます綺麗になっておった」

 

「まだプロポーズしてねぇから嫁さんじゃねぇよ。…にしても他人ひとの彼女を口説くようなセリフ吐くなんて、お前もだいぶその手のことがわかるようになったみたいだな」

 

「今まで私が考えていた結婚は『できちゃった婚』というものになるのであまりよくないらしいのだ。清麿も恵殿のこととなると周りが見えなかったからのう。私と別れている間に塞ぎ込んでおるのではと心配したのだぞ?」

 

「俺もお前らが魔界に戻ったことで、付き合いがなくなるんじゃないかと正直、覚悟していた。でも時間が経つにつれてだんだん恵さん…いや、恵の存在が自分の中で大きくなっていたことに気づいたんだ。芸能人としてでも仲間としてでもなく、1人の人間としてな」

 

「ほおお!漢になったのう。」

 

「自分に悩んで引きこもってた俺を外へ引っ張りだしてくれたお前のおかげだよ。ありがとうな!」

 

照れ臭そうに語る清麿を見てガッシュも嬉しそうに頷く。

 

「何を申すのだ。ありがとうは私なのだ。清麿が私のパートナーであったからこそティオやキャンチョメと再会できて、『優しい王様』になることができたのだ」

 

しばらくしてまたガッシュが口を開いた。

 

「恵殿を悲しませるでないぞ?」

 

「もちろんだ。苦しみも喜びも全部受け入れて、護ってやる!」

 

「良う言うた!父上殿もお喜びになるぞ。ところで、付き合いはじめてから呼び捨てになったのか?」

 

「まあな。『いつまでも先輩扱いされたくない』って怒られてさ。ちなみに俺の親父もお袋も恵の家族も、付き合ってることは知ってる」

 

「早く結婚式をすれば良いではないか?」

 

「お互い仕事もあるしそうそうできるわけねぇだろ。親の方が早く挙げろってうるさいくらいさ!」

 

清麿とガッシュは互いの顔を見つめて笑った。

 

==ティオ&恵==

 

入浴中、2人はあるコトで話をしていた。

 

「恵。告白ってどっちからしたの?」

 

ウキウキした表情でティオが尋ねる。

 

「彼からよ。モチノキ町の商店街にあるシフォンケーキが美味しいカフェでティオが魔界に帰ってひと月くらいかな。そこでロケをしてた時に偶然再会したんだけど、帰りに通り魔事件に巻き込まれちゃって」

 

「えぇ!?それ大変じゃない!怪我しなかった?」

 

「うん。怖かったけどね。清麿が」

 

 

『自分(テメェ)の人生思い通りに行かねえからって、関係ねぇ人たちを怖い目に遭わせるんじゃねえ!!!!』

 

「ってその通り魔を一撃で殴り倒したの。」

 

「一撃…あの清麿が!?」

 

「うん。左ストレートを顔面に思いっきりね。で、その後に‥」

 

 

『ごめんなさい、恵さん。もうちょっと早く気がついてれば怖い思いをさせなくて済んだのに…』

 

そして清麿が私と同じ高校に進んだってわかったの。それから登校した日に色々な話を聞いてもらったり勉強を教わって…、9月くらいかな。秋の文化祭の終わりにね

 

『初めて会った時から綺麗で優しい人だと思っていました。恵さんのことが‥ずっと』

 

『気持ちは嬉しいけど私‥、職業柄清麿君に辛い思いさせちゃうから…』

 

『アイドルだろうが、モデルだろうが関係ない。俺は…俺は1人の女性として、恵さんが大好きなんだ!!!!』

 

「聞いた時は嬉しかったわ。私も本音を言っちゃえば同じ気持ちだったもの。OKしかなかったわ」

 

当時のことを思い出し少し照れ始めた恵。ティオは何も言わずただ黙って恵の話に耳を傾けている。

 

「私の中で引っかかっていたことがあって、付き合うに当たってあるお願いをしたの」

 

「呼び捨てのこと?」

 

「うん。長い付き合いなのにいっつも私のこと‘’‘先輩’‘’としか見ないから‘’‘さん’‘’付けだったでしょ?フォルゴレさんやリィエン、シェリーは呼び捨ての割にね…。私も付き合うなら対等な恋愛がしたかったから

 

『呼び捨てじゃないと私が嫌なの!!』

 

 

「って言ったら緊張してたけど受け入れてくれたの♡」

 

 

「やるわね〜。清麿鈍感だから結構大変だったんじゃない?そこまで言われて落ちなかったら異常よ、異常!」

 

「ふふふ」

 

と小さく笑う恵をからかうティオ。

 

「短気で恥ずかしがり屋だけど、頭が良くて優しくて、友達思いで漢気があって、ありのままの私を好きになってくれる。だから彼以外を好きになろうって思えない。清麿とじゃなきゃ幸せに…!?」

 

 

 

「ヤダ、何言ってるの私\\\\お酒がないのに酔っ払っちゃったの?///もー恥ずかしいなあ」

 

1人の世界に入り込んでいた自分に気がついた恵は赤面しながらぶつぶつ呟き髪を乾かしていた。2人の進展はティオにとって喜ばしいことだった。

 

(あ〜あ、すっかりのろけちゃって)

 

パジャマに着替えたティオはガッシュ達のいるリビングについた。

 

 

「ガッシュー、清麿〜!!お風呂空いたわ!」

 

ティオの声を聞いたガッシュ達は着替えを持って風呂場に急ぐのだった。

 

寝室には2つベッドがあるのだがその日は清麿とガッシュ、ティオと恵の組み合わせでぐっすり眠った。

 

 




も閲覧ありがとうございます。

恋愛描写を書くのが久しぶりなもので清麿×恵ののろけが多くなってしまったように個人的には思いましたが如何でしょうか?

清麿と恵がどれだけお互いを信じているかはもちろん、愛情の深さも表現していければと思います。

次回のLEVEL3ではモチノキ町での小旅行とバトルシーンをちょろっと入れることができればと思っています


感想、ご意見いただけますと励みになります。是非よろしくお願いします

ではまた!

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